おとぎのお家と青い鳥

本ブログでは、主に人間が本来持つべき愛や優しさ、温もり、友情、勇気などをエンターテイメントの世界を通じて訴えていきます。

青春うたものがたりシリーズ2「幸せという名の不幸」 4

2011-09-23 22:45:43 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

只今公開中の、~青春うたものがたり2~『幸せという名の不幸』は、あなたにとって、母と子の絆とは何なのか?あなたにとって、家族の存在とは何か?その人間(ひと)としての答えを一緒になって考えさせてくれる、“人間の生”というものが作り出す幸と不幸のヒューマニズムに溢れた作品です。また同時に、人の運命って一度狂ってしまうとこんなにもさまざまな束縛や、抑圧による非人間的状態に晒されてしまうのか?と思わなくならざるを得ないような、その人が持つ宿命の陽と陰とを関係を一人の女性の人生を通じて見せてくれる涙と感動の作品でもあります。


1_2企画 / 下家 猪誠 / 猪 寿
第4話/ 病気の母を見捨てられなかった私の人生の罪と罰
                 ~独りぼっちのクリスマスイヴの夜~

♪こんな寂しい夜だから

Lost love 失恋したての こんな寂しい夜だから

少しくらいお酒を飲んで グチってもいいでしょう

こんな日くらい 意地悪な恋の神様だって 許してくれるでしょう

Broken heart 孤独な胸のうち 誰かに分かって欲しくて

仲のいい友達に電話を入れたけど 留守電コール
 
今日はクリスマスイヴだもの こんな男と女が恋愛(こい)の魔法にかかって

夢の中を旅する夜に 家なんかにいるわけがないわよね

「あの娘は私と違って、モテるんだもの・・・」

化粧を落とす鏡の中の ah自分に自分で失恋話している

そんな姿が悲しくて ah勝手に涙が溢れてくる

Anyone is good It is good only tonight.

ああ誰か今夜だけでいいから 何も言わずにその温かい腕の中で眠らせて欲しい



中橋佐知子

◎人物紹介コメント

今日の、青春うたものがたりシリーズで中橋佐知子さんのことをご紹介させていただくきっかけとなったのは、時おり佐知子さんが子供の話題を自分のFacebookの中で取り上げていて、その内容に心を打たれるものがあったからです。まあ思いの中には、かつて僕がNHKの「おかあさんといっしゃ」や群馬県東村の「童謡ふるさと館」(現群馬県みどり市)、「童謡ふるさと列車」などの仕事(企画プロデュース制作)に携わっていたことも、その要因のひとつではないかと思います。ただしかし、今や社会的な問題になっている親が子供を置き去りや虐待したり、親子間に断絶の壁があったりしているこの時代に佐知子さんのような子供に慈しみ持って接して育てるお母さんが一人でも多くいたら、きっと日本の社会は、もっともっと希望や愛情に満ち溢れて、あちこちの家庭でとっても温かい光景が見られたに違いありません。そんな、子供たちに対して愛情や思いやりを持って接している中橋佐知子さんは、きっと観音菩薩のような心の清らかな素晴らしい女性だと思います。

◎プロフィール

職業:輝麗塾塾長
出身校: 大阪デザイナー専門学校編集デザイン
中西正章さんと既婚
居住地:文の里駅の近く
血液型: A型
誕生日: 1月1日
ウェブサイト
http://ameblo.jp/kireijyuku/
メールアドレス
kireijyuku.andy@facebook.com
salonandy@gmail.com


ありさは翔太に改札口まで送ってもらい、新宿駅から乗った地下鉄丸の内線の電車を中野坂上駅で乗り換えて、自分が引っ越したアパートがある場所の方南町の駅に着くと、電車のドアが開くと同時に下車して、一目散でホームを走って改札口を通り抜け、階段を上がって外の出口へと向かった。

それは、いくら翔太に対する自分の身勝手すぎる対応の結果だとはいえ、彼にプロポーズを白紙に戻されたそのあまりの気持ちの動揺で、もう自分の力では勝手に溢れ出して来る涙を、いくら我慢しようと思っても止めきれなくなっていたからだった。

それだけ逆に言うと、本当は翔太のことが好きだったのである。

ただ、今さらどんな言い訳をしてももう後戻りは出来ないが、母洋子がありさが小学二年生のときに父と離婚して以来、女手ひとつで彼女を始めとする三人の子供を育てるために、昼夜なく我が身を削って苦労して働いている、その母親の姿を見て来たありさにとっては、彼女しか誰も面倒を見る者がいない、そんな病気の母親を独り取り残して、どうしても自分が翔太と結婚することに踏み切れなかったのが、今日彼にプロポーズを白紙に戻された本当の理由だった。

だからといって、とくにそうすることを洋子に強制されたわけでもなく、自分で決めた以上は、自分でその罰を受け止めるしかなかった。

病院に洋子を看病に行き、まともに使えるのは右手だけで口も聞けない上に、下半身不随で車椅子生活をしている、まったく今ではあの元気だった頃の昔の姿の面影のかけらのひとつも残っていない、自分の母親の哀れな姿を見るたびに、ますますありさの中でそう思う気持ちが強くなっていった。

ただ、いくらそんな話を翔太にしたところで、その話と彼のプロポーズの話しとはまったく別問題だということは、ありさ自身もよく分かっていた。

それだけに、今日の結果はある意味では、避けては通れない運命だった。

地下鉄の階段を上がり地上に出ると、まださすがに方南通りは人の数は多かったが、ありさがアパートと会社の通勤にいつも使っている商店街通りの中に入ると、さすがに午後の十時を過ぎていたこともあり、何軒かの飲み屋以外の店はすべて閉まっていたために、ほとんど人の姿は見当たらなかった。

そのお陰で、人がいないということもあり多少気が緩んだせいか、自然に歩きながらでも溢れ出して来る涙の泣き顔を、ありがたいことに誰かに見られるという心配は、まったくなかった。

半ば小走りで帰宅していたものの、もしも再び帰宅してから必要以上の不安に襲われて、急に一晩中眠れなかったらという悪感が、脳裏を繰り返し過ぎったために、自販機で大きい缶ビール三本を買った。

ようやく、アパートに辿り着き部屋の中に入る、化粧を落としたり着替えをすることもなく、ベッドに倒れ込むようにして腹ばいになり、これまで堪えに堪えていた涙がいっせいに吹き出すくらい大泣きをした。

その泣き声は、まるで喚く散らしでもしているかのようにあまりにも大きくて、ありさの部屋が角部屋で道路に面していることから、隣やアパート中の住人はもちろんだが、道路を歩いている人にも聞こえるほどだった。

それから、どれくらい経ったのだろう?

ありさが泣き疲れて、ベッドから立ち上がり鏡の中を覗き込むと、涙でアイシャドウや化粧がボロボロになって落ちて入り混じり、まるでその顔は色んな化粧道具を使ってペイントとした歌舞伎役者のようになり、自分でも笑えるほど可笑しな顔になっていた。

ただ、さっき帰宅途中に買った缶ビールを飲みながら、クリスマスイヴの夜に誰も話す相手がいなくて、化粧を落としながら鏡の中の自分に自分で、翔太との失恋話をしている女の姿ほど、見窄らしくて寂しいものはなかった。

そう思ったとたん、ありさはそんな自分の姿が急に哀れに見えて来て、またしても自然に止め処もなく涙が溢れ出して来た。



Photo_2
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下家 猪誠







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