ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「 i 」

2017-06-01 19:23:07 | 

 

「 i 」   西加奈子     ポプラ社    2016.11.29

 

 あれっ、ポプラ社の本なんだ!

 

「この世界にアイは存在しません。」
入学式の翌日、数学教師は言った。
ひとりだけ、え、と声を出したのは、
ワイルド曽田アイ。
虚数単位についてだったが、
その言葉は、アイに衝撃を与え、
彼女の胸に居座り続けることになる。
 
アメリカ人の父と、日本人の母を持つ
シリア人の養女・アイは、
「グッドガール」であることに努めた。
 
しかし……
自分がここにいるのは、生物学上の父と、
生物学上の母がいてこそだが、
そのふたりの顔も知らないのであれば、
自分は土も根もない一本の草に過ぎないのでは
ないだろうか。
 
生まれた環境によって
信仰する神が違うのであれば、
「神」とはどういう存在なのだろうか。
 
災害や戦争で被害を受ける人もいれば、
まったく無関係に生きる人もいる。
恵まれている自分への後ろめたさもある。
 
ラストが良い。
 
「私はここよ。」
 
 
 
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