宮城教育大学演劇部活動日誌

宮城教育大学演劇部です。日々の稽古の様子や公演の情報をお届けします!本学での公演を中心に活発に活動しています。

アスタと青い鳥まとめ(旅立ち編)

2016年07月21日 11時03分00秒 | #59「アスタと青い鳥」
こんにちは!
今日の担当は演出・成田が務めます。みなさまご無沙汰しておりました。
#59 宮城教育大学附属特別支援学校公演『アスタと青い鳥』
おかげ様で無事終演いたしました。
当公演に関わられたすべての方々に、部員一同を代表して心より御礼申し上げます。

公演が終了した今、頭をよぎるのは4月の決起会のことです。
4月18日、ちょうど本番の三ヵ月前、この『アスタと青い鳥』というお芝居はスタートをきりました。台本はないし、それどころか話の筋すらぼんやりとしか決まっていない状況のなか、不安げな顔で話を聞いていた新入生たちの顔を、今でもはっきりと思い出すことができます。
さてそれから長いような短いような時間が過ぎました。私の頭の中だけに存在していた『アスタと青い鳥』のお話は、役者たちの手によって姿をもち声をもち、いつの間にか私のあずかり知らぬところまで出かけていってしまいました。
今回のお話は、私が大筋と場ごとのテーマを役者に与え、あとは好きにしゃべってもらう形をとって作ったので、せりふはほぼすべて役者たち自身のことばです。その意味で、『アスタと青い鳥』はとても「生きた」お話であるといえるかもしれません。

悩んだり、ふさぎこんだりしながら手探りで作った『アスタと青い鳥』は、ひとりの男の子がいっしょうけんめい誰かのために走り回るお話になりました。叱られたり、励まされたりしながら、男の子はずうっと走っていました。最後の最後、男の子は友だちと一緒にもう一度旅に出ることになりました。「誰かをしあわせにする」魔法使いになるために、いろいろなところを旅して回るんですって。
旅はまだ終わっていないみたいです。
もちろん、附属特別支援学校版『アスタと青い鳥』はこれで間違いなくおしまいなわけなんですが、旅を続けるアスタとみなさんが、いずれうっかり出会っちゃう未来もあるかもしれません。
もしも出会っちゃったそのときは、「わらってあくしゅをしよう」でお願いします。


前置きがずいぶん長くなりましたが、撮りためた写真がいっぱいあるので、それらをまじえつつ公演を振り返っていきたいと思います。

開演前の舞台袖、緊張の伝わる2人の背中です……。
にわとりクックの赤いとさかがかわいいですね。

終演後、子供たちを送り出す役者たち。
この公演のために作った「またね」という曲を歌いながらのお別れです。
「またね またね
いつかまた あおうね
そのときは わらって
あくしゅをしようよ」
という歌詞がお気に入りです。
公開リハーサルでは、「みんなのうた」っぽいとのお言葉をいただきました。作詞:成田、作曲:相田でお送りしました。


くり返し振り返って手を振る子供たちを見送りながら。思わず涙が出ちゃいそう。


ラストシーンのダンスをパシャリ。
振り付けは1年白田が一から考えました。私はダンスが超苦手なので、いつもすげえなあと思いながら練習風景を見ていました。
稽古のときは「笑顔でー!」と死ぬほど言われていたのは内緒の話。
この笑顔はどうでしょうか?


こちらは、「うたの妖精さん」こと宮城教育大学混声合唱団のみなさんです。
素敵なハーモニーでお話に花を添えてくれました。
本番では、子供たちのために間20分間の休憩を挟んだのですが、その間「さんぽ」と「しあわせなら手をたたこう」の2曲を披露しました。
この、うたの妖精さんプレゼンツの約10分間が、子供たちに大好評でした。本当に楽しそうに歌うんですよ。子供たちの写真を載せられないのがとても残念です。
私は本番カメラマンをしていたのですが、とっても嬉しそうに手をたたいていた女の子とプチセッションしました。「この曲、知ってる!」だそうです。よかった。

こちらは「おおきなかぶ」のワンシーン。なかなか抜けてくれないおおきなかぶこと1年黒沼がいい味を出していました。かぶくんは子供たちに大人気。指さしで「かぶー!」と連呼されていました。
さて本編には「子供たちに手伝ってもらう」シーンが多々あり、ここでは「かぶを抜いてくれる人」を募集したのですが、手を挙げてくれる子供たちの多いこと多いこと。
なんだか誇らしげな、でもちょっぴり恥ずかしそうな顔で役者たちの背中につかまる子供たちでした。

こちらは「うさぎとかめ」のワンシーン。アスタたちと協力してかけっこに勝利したかめさんの「やったー!」の顔がいいですね。
子供たちに応援してもらいながらのかけっこ、なんだか小学校くらいに戻ったような気持ちになります。

こちらは「シンデレラ」のワンシーン。おうじさまこと3年相田が、シンデレラに「ぼくのおよめさんになってください!!」と一大告白をする作中屈指の名シーン(?)です。
「およめさんになってください」というのがまたいいですね。かわいらしい感じ。
ここで子供たちにお手伝いをお願いしたのは、「おうじさまを応援する」こと!
「おうじさま、がんばれー!」
すごく大きな声で応援してもらえて、思わず頬がゆるみました。

しあわせの青い鳥、ではなく、黄色い鳥。
アスタたちは作中で色々な人から宝物をもらうのですが、この黄色い鳥は肩透かし感がはんぱじゃないですね!
私の右隣で男の子が「黄色い鳥かよー!」と叫んでいたのを聞き逃しませんでした。
そりゃあがっかりもするよねえ。

こちらの人たちからは青い杖をもらいました。たしかに青いけども。

なかよしな旅の一行。

このうさぎぼうしは、ENGAWA cafeという10-BOXでの催しで買いました。
うさぎの耳をどうしようかな〜と思っていたら耳が置いてあってびっくりしました。
ワイヤーが入っているのでちゃんと折れます。

白い人たち大集合。

さて、そんなこんなで、あっという間に時間は過ぎていってしまいました。最初はそわそわしていた子供たちが、だんだんとお話に集中していく様子には感慨深いものを感じました。
支援学校に通う子供たちは、それぞれ人とは少し違った特性を持っていて、配慮しなければならない点がいくつかあります。でも、お話の中で私は何度か「ふつう」も「すこしちがう」も関係なく、心の通い合う瞬間を見た気がしました。
最後に、子供たちからのお礼の言葉で芸術鑑賞会は締めくくられました。

こちらは、子供たちからもらったお礼の品、キリンのコースターです。かわいい。
実はこれ、宮教大の実習生の4年生が、実習期間中に子供たちと作ったコースターなんだそうです。
Twitterで紹介したところ、「喜んでもらえて嬉しいです」というリプライをいただきました。
コースターは部室の扉にかけておきました。
宮教大演劇部の新しい宝物です。

終わったあとは、迅速にバラシ作業に入ります。
ほぼ1時間ですべての作業を終え、リヤカーを引きながらものを搬出していきます。
感慨にひたる間もなくあっという間にバラされてしまって、あーあ…という気持ちがないでもないですが。最後まで元気にバラシに励んでいました。
この日はとってもいい天気だったので、汗はかきましたがすがすがしい気持ち。

以上、『アスタと青い鳥』の振り返りでした。いかがだったでしょうか。
公開リハーサルから急遽内容を変更することになったり、実習期間を挟んだためしばらく稽古に参加できなかった人がいたりと、けしてすべてスムーズに進んだわけではない公演ではありましたが、なんとか無事に成功させることができました。
残すは反省会と打ち上げのみ。しっかりとこの三ヵ月を振り返って、これからにつなげていきたいところです。

そんなわけで、「旅立ち編」こと公演振り返り編はここまで!
次回は「旅の仲間編」と題して、キャスト・スタッフを改めて紹介していきたいと思います。お楽しみに。

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