ある記憶

遥か遠くにいってしまった記憶たち

真っ赤なバラを

2010-06-06 08:55:25 | 
〝イングリッドウエイブル〟という赤いバラがベランダにある。
買ってから2週間ぐらいになろうか。きれいにに咲いた。
蕾が次々とできこれからいっぱい開花するだろう。
楽しみが増えた。



僕はいつもここに坐り遠くをみている。
そのそばに花があると気がなごむ。
しかし赤いバラは少し刺激が強い。
赤い蕾が艶めかしい。
うっかりさわろうとすると棘がある。

バラってプライドが高いんだろう。
きれいな花弁でまわりを魅了しそのくせ簡単に触れることすら許さない。
よく見ると茎や葉は(もちろん棘も)力強い素朴さがある。

真の強い母、しかしいつまでも奇麗でいたい鼻っ柱の強い女性…

そんなことを考えながら。




テーブルはエアコンの送風機の上。
灰皿とタバコと文庫本を置いて。

「教科書でおぼえた名詩」
これお勧めの逸品。
なにしろ懐かしい…



雨にも負けず、風にも負けず、雪にも夏の暑さにも負けぬ、
丈夫な体を持ち、欲はなく、決して怒らず、いつも静かに笑っている。。。。。

一字一句間違えることなく暗唱しようと声を出して読んでいる。
好きな詩を本に頼るのではなく、自分の脳味噌に正確に刻みこみ、
いつでも声に出して再現できるようにしよう。

詩は声に出して言えるようになって初めて自分の中に入ってくる。
自分の声で歌えば作者の気持ちが尚更に心にしみこむ。


われわれはあまりに黙読になれすぎた。文章を音読することは、愛なくてはかなわぬことだ。
これは島崎藤村の至言。
本当にそう思う。つくづくそう思う。





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