Days of Dragonflies & Moths

トンボや蛾に関わる記事中心。
当ブログの写真、文章の無断使用禁止。
写真集「関東甲信越のトンボ2010plus」

90マクロとTCON-17

2014年04月26日 | 
数年前の記事でも登場したフロントテレコンだが、今シーズンはひょんなきっかけから実戦に投入している。
数年前は、200マクロに取り付けたが、思ったほど効果が得られないばかりか、むしろ解像の著しい低下が見られたため、以来一切使わなくなってしまっていた。シーズン前に、90mmマクロの口径とサイズが合致することに今更ながら気づき、試してみたところ、殆どが質の低下を感じることなく撮影出来たため、実戦に投入したわけだ。

90mmマクロにTCONをつけるとどんな変化があるのか?
1)焦点距離が150mmになる
2)TCONをつけることによって、最短距離が伸びるが、∞はそのままなので、ヘリコイドの分解能が上がる
3)ワーキングディスタンスがより多くとれ、元々のレンズがマクロなので、ある程度の倍率(等倍には達しない)まで寄れる
4)口径が合致し、TCONの前玉はさらに口径が広いので、F値が殆ど暗くならない
5)とはいえ、ある程度離れた場所からの撮影でも、前述の要因で鏡胴が伸び、露出倍数はその分かかる
6)フロントテレコン自体の光学系も加わる分、画像の鮮度が落ち、f8あたりから回折ボケがでるように感じられる(これの裏付けには三脚使用など厳密な比較を要するがそれは未検証)が、開放からf4.5あたりまでは画質の低下は余り感じられず、トータルの使い勝手を考えると、むしろリアコンよりいいかもしれない。



左がTCON付き、右が90mm単体での描写。いずれも絞り開放。



それぞれの切り出し(クリックで等倍に拡大)。
上のケースでは90mm単体の方が、かなりシャープに解像している。TCON付きはやや鮮明感に欠けるものの、なかなかシャープな解像だ。尤も、ピント部分の解像具合は、厳密なピント合わせをして同一条件でないと比べられないので、この画像の比較をもって即断はできない。ピントの合っている複眼以外の部分を見ると、90mm単体の方が鮮明な解像であるのは雰囲気でわかる。だが、開放もしくはそれに近い状態では、TCON使用による解像上のデメリットはごく僅かのように感じる。気になるのは、空気感かな~。ここぞの画像で、TCON付きだと後で後悔することが結構あるかも?