2025年3月 京都童心の会 通信句会結果
【選評】
○金澤ひろあき選
特選 天 42 寺山修司の居る指先の傷口 野谷真治
寺山修司!その名を聞くだけで、自分の青春の頃とオーバーラップする。私が好んだのは、彼の俳句であり、短歌だったが、当時劇団で影響力を持っていた。
彼の書くものは、必ず傷があり、欠落がある。それが私の内なる傷や欠落と響き合った。
そして、私があそこまで引き付けられた人は、足早にこの世を去って行った。
地 4 天気図と気になる本の三行目 塩見すず子
あまり大したことではない、何気ないことだが、けっこうずっと心に引っかかることがある。
この句はそういったものの具体例をあげているのだが、「本の三行目」などは、超具体的。最初の一文ではなく、「三行目」というのがミソなのかもしれない。
人 15 母キトク どの道帰った涙の記憶 遠藤修司
思い詰めて、どう帰ったなんて覚えていない。人生で最大悲しかったことが、こんな語りかたで伝わって来る。
他、印象深い句。
50 雨水来て上衣一枚ぬいでみよ 蔭山辰子
あまり目立たない「雨水」だが、雪の季節が終わるよという節目である。徐々に暖かくなることへの期待が伝わって来る。
まだ寒いので、なかなか上衣はぬげないけれど。
61 また会えたバスから降りれば水仙花 野原加代子
私も季節ごとの草花で、どこそこの山茶花、梅、桜、白粉花、萩という風に、例年出会えるのを楽しみにしているものがある。
この句を読んで、早春の水仙も加えてみようかと思った。
○野原加代子特選
15 母キトク どの道帰った涙の記憶 遠藤修司
私の場合父が危篤と母からの職場に電話がありました。現在のようにまだ舞鶴までの高速道路は出来ておらず、現在の旧街道を亀岡、綾部をルートにして帰ったのをうろ覚えのように記憶があります。今となればどの道で国立病院まで行けたのかなあ、そういえば私も父の顔を早く見たい、父には親孝行って一度もしたことないなあなんて思いながら車を運転していたのは、何となく15番の句で懐かしい出来事だと思いました。現在の私は記憶が薄れ行く毎日で悲しい日々を送っていますが、鮮明でなくとも他の方の句で、私の人生模様を思い出すことが出来ました。
10 コーヒー飲んでしきり直し“思い出のメロディ”が耳にやさしく 遠藤修司
人生失敗することや悩みが多くあきらめ気分な時、コーヒーを飲んで気持ちを仕切りなおす時があります。そんなとき音楽が流れてきたら、懐かしいメロディだったらほっとします。
○松村芳子特選
49 いろいろな歳時記楽し今三春 蔭山辰子
大文字の歳時記。歳時記は大体小さいので、待つ場所で勉強します。
○野谷真治特選
25 待ち合わせの本屋閉店冬木立 金澤ひろあき
いつも通る道にあった書店が、閉店の知らせを貼り出していたり、ある日、突然なくなっていることを知る書店が悲しい。
「待ち合わせの本屋」が、閉店となっていた気持ちは、冬木立であろう。
○塩見すず子特選
48 野の花も鉢の新芽も空を向き 蔭山辰子
ツンツン春の芽ぶきが空へむかって、春の声をあげてるようです。
18 年をとり最後に残るは田舎の方言 遠藤修司
いくつになっても方言は、とれません。「年をとり」をもう少し具体的に七三才とか六十九才とか具体的に断定したらどうでしょう。
29 秘密をひろう木の実をひろっていた田舎 金澤ひろあき
「田舎」は書かず、いろんな現場を読者に想像させたらどうでしょう。
詩的な表現がすきです。
○遠藤修司特選
9 ゆらゆら月の田舎の村の救急車 塩見すず子
聞きたくない、あわただしいサイレンの音も、この村ならゆったり耳に入りそうな気がする。おもしろい句です。好きです。
○蔭山辰子特選
63 春愁に別れの涙堪えして 野原加代子
卒業、新入学、転勤、引っ越し、春は別れの多い時期です。又、新たな出逢いがきっとあるでしょう。
5 本に折り目つけせっせと家事につく 塩見すず子
「せっせと家事につく」作者は偉いです。私はあわててしまい、続きもどこだったかわからなくなります。
25 待ち合わせの本屋閉店冬木立 金澤ひろあき
不景気で閉店。背中が寒いです。
55 この先は梅林街道まだ蕾 野原加代子
三寒四温、お彼岸まで上衣を手放せません。では春は近くでしょう。
○岡畠真理子特選
57 雨降りて美しきかな紅梅や 野原加代子
晴れた日の梅もきれいですが、雨粒が光る梅の花も美しさがあります。梅の花色もいろいろありますが、雨粒が映えるのはやはり紅梅だと思います。
お知らせ
4月句会
日時 4月20日(日)午後2時
場所 阪急長岡天神駅東口 喫茶 アーバンにて
投句 毎月第2週まで 10句前後ですが、少なくても可です。
110円切手3枚同封下さい。

【選評】
○金澤ひろあき選
特選 天 42 寺山修司の居る指先の傷口 野谷真治
寺山修司!その名を聞くだけで、自分の青春の頃とオーバーラップする。私が好んだのは、彼の俳句であり、短歌だったが、当時劇団で影響力を持っていた。
彼の書くものは、必ず傷があり、欠落がある。それが私の内なる傷や欠落と響き合った。
そして、私があそこまで引き付けられた人は、足早にこの世を去って行った。
地 4 天気図と気になる本の三行目 塩見すず子
あまり大したことではない、何気ないことだが、けっこうずっと心に引っかかることがある。
この句はそういったものの具体例をあげているのだが、「本の三行目」などは、超具体的。最初の一文ではなく、「三行目」というのがミソなのかもしれない。
人 15 母キトク どの道帰った涙の記憶 遠藤修司
思い詰めて、どう帰ったなんて覚えていない。人生で最大悲しかったことが、こんな語りかたで伝わって来る。
他、印象深い句。
50 雨水来て上衣一枚ぬいでみよ 蔭山辰子
あまり目立たない「雨水」だが、雪の季節が終わるよという節目である。徐々に暖かくなることへの期待が伝わって来る。
まだ寒いので、なかなか上衣はぬげないけれど。
61 また会えたバスから降りれば水仙花 野原加代子
私も季節ごとの草花で、どこそこの山茶花、梅、桜、白粉花、萩という風に、例年出会えるのを楽しみにしているものがある。
この句を読んで、早春の水仙も加えてみようかと思った。
○野原加代子特選
15 母キトク どの道帰った涙の記憶 遠藤修司
私の場合父が危篤と母からの職場に電話がありました。現在のようにまだ舞鶴までの高速道路は出来ておらず、現在の旧街道を亀岡、綾部をルートにして帰ったのをうろ覚えのように記憶があります。今となればどの道で国立病院まで行けたのかなあ、そういえば私も父の顔を早く見たい、父には親孝行って一度もしたことないなあなんて思いながら車を運転していたのは、何となく15番の句で懐かしい出来事だと思いました。現在の私は記憶が薄れ行く毎日で悲しい日々を送っていますが、鮮明でなくとも他の方の句で、私の人生模様を思い出すことが出来ました。
10 コーヒー飲んでしきり直し“思い出のメロディ”が耳にやさしく 遠藤修司
人生失敗することや悩みが多くあきらめ気分な時、コーヒーを飲んで気持ちを仕切りなおす時があります。そんなとき音楽が流れてきたら、懐かしいメロディだったらほっとします。
○松村芳子特選
49 いろいろな歳時記楽し今三春 蔭山辰子
大文字の歳時記。歳時記は大体小さいので、待つ場所で勉強します。
○野谷真治特選
25 待ち合わせの本屋閉店冬木立 金澤ひろあき
いつも通る道にあった書店が、閉店の知らせを貼り出していたり、ある日、突然なくなっていることを知る書店が悲しい。
「待ち合わせの本屋」が、閉店となっていた気持ちは、冬木立であろう。
○塩見すず子特選
48 野の花も鉢の新芽も空を向き 蔭山辰子
ツンツン春の芽ぶきが空へむかって、春の声をあげてるようです。
18 年をとり最後に残るは田舎の方言 遠藤修司
いくつになっても方言は、とれません。「年をとり」をもう少し具体的に七三才とか六十九才とか具体的に断定したらどうでしょう。
29 秘密をひろう木の実をひろっていた田舎 金澤ひろあき
「田舎」は書かず、いろんな現場を読者に想像させたらどうでしょう。
詩的な表現がすきです。
○遠藤修司特選
9 ゆらゆら月の田舎の村の救急車 塩見すず子
聞きたくない、あわただしいサイレンの音も、この村ならゆったり耳に入りそうな気がする。おもしろい句です。好きです。
○蔭山辰子特選
63 春愁に別れの涙堪えして 野原加代子
卒業、新入学、転勤、引っ越し、春は別れの多い時期です。又、新たな出逢いがきっとあるでしょう。
5 本に折り目つけせっせと家事につく 塩見すず子
「せっせと家事につく」作者は偉いです。私はあわててしまい、続きもどこだったかわからなくなります。
25 待ち合わせの本屋閉店冬木立 金澤ひろあき
不景気で閉店。背中が寒いです。
55 この先は梅林街道まだ蕾 野原加代子
三寒四温、お彼岸まで上衣を手放せません。では春は近くでしょう。
○岡畠真理子特選
57 雨降りて美しきかな紅梅や 野原加代子
晴れた日の梅もきれいですが、雨粒が光る梅の花も美しさがあります。梅の花色もいろいろありますが、雨粒が映えるのはやはり紅梅だと思います。
お知らせ
4月句会
日時 4月20日(日)午後2時
場所 阪急長岡天神駅東口 喫茶 アーバンにて
投句 毎月第2週まで 10句前後ですが、少なくても可です。
110円切手3枚同封下さい。



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