京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

2024年11月 京都童心の会 通信句会結果

2024-12-12 14:00:04 | 俳句
2024年11月 京都童心の会 通信句会結果

埴輪の行列
   金澤ひろあき
 聖徳太子の曾祖父が継体天皇で、その陵墓ではないかという古墳が高槻市富田にある。今城塚古墳という。
 発掘調査がしっかりなされ、埴輪の行列が復元されている。十一月に仲間と吟行をするので、下見に行った。
 阪急の富田駅に降りる。駅前は商店街で、近くにJR摂津富田駅がある。乗り換えに便利そうだ。駅前の道を東に行くと、女瀬川に突き当たる。この川沿いに北へ向かうと着くという。
 ちょうど彼岸花の時期で、あちこちで見かける。
 初めての町おそるおそる彼岸花 ひろあき
 通りがかりの人にたずねつつ、歩き飽きたぐらいの所で、右手に古墳が現れる。濠があり、墳丘がある。百舌鳥が何をしに来たのかと、キーキー鳴く。
 大王の杜の古墳や百舌鳥脅す ひろあき
 広い芝や森がある。市民の憩いの場になっている。芝生の中からカマキリが出て来た。ドングリ拾いを楽しんでいる一家もある。
 古墳の北側に埴輪の行列。力士に巫女。武人。馬や鳥が行列をなしている。奥に大きな家の埴輪もある。動き出したら圧巻だろう。
 埴輪列カマキリ斧を振りかざす ひろあき
 木の実落つ大王塚の賜り物

皆さんの選です。
 選者 真・・野谷真治  白・・白松いちろう 
修・・遠藤修司  辰・・蔭山辰子  
ひ・・金澤ひろあき 須・・三村須美子 
加・・野原加代子 真理・・岡畠真理子
    芳・・松村芳子  す・・塩見すず子
○塩見すず子
1 手がるに買えぬ松茸居すわる (特 真)芳 須
2 野の家の一人体操畳の上
3 細胞を入れかえて待つ同居 (特 ひ)加 芳 真 修
4 夕陽のこしてとんがり屋根と芒の野 ひ
5 思い出コロリン村になびかれて来た芒野
○野谷真治
6 政局ざわつくお月様まんまる (特 す)芳 ひ
7 月下のオオタニサン打たれた投手 辰
8 夕刻炊き上がる新米茶碗  加
9 半額シール貼られる十六夜 す
10 夜長縦長豆腐三昧
○松村芳子
11 黙しても揺らぐ心や芒原 ひ 須
12 芒野や老女の赤シャツ花となる 修 す
13 なつかしき過ぎし日返らず芒の穂 加 辰 修
14 御香宮名水硬く尾花散る 辰
15 新畳木戸ぶち開けて犬の足
16 秋祭り臨時の巫女さん隣家の娘 ひ
17 秋の雷かけこむ茶店昔歌  加 真 須 修 真理
18 涙腺がつまりてポトリ青畳 辰
○金澤ひろあき
19 月迎え輪になり踊る埴輪の目  真 真理
20 夕焼けの路地 小さなコオロギ小さな私
21 あなたの味だまっすぐ引けない線 修
22 本を閉じ 今夏は訃報多かった 真
23 友死んで芒のさみしさ持て余す 須
24 天高し横綱のごと神輿二基  す
25 どんぐりが畳に正座不得手です 真
26 芒からバトンタッチをされた雪
27 新酒出て天狗舞い出す祭笛 芳 須 辰 修 す
28 ゴーヤまだ日本に無かった日畳の間 芳
29 金木犀畳にうたた寝日和かな   加 芳 真 辰
30 空耳に呼ばれた病院浮き雲流れ雲
○河本美子 ※作者ご本人の了解を得て、添削の上、掲載しております。
31 病院でおろおろ空耳呼ばれるまでは 須
32 きっかけはかげろうケンカの種
33 なごやかに話せぬ話題しんきろう
34 息子の笑顔でリセット石頭  修
○遠藤修司
35 お年寄りほほえみ語る私も同じ 加 す 真理
36 役目終えし田にぼんやりと彼岸花 (特 加)ひ 須 真理
37 良いのかな-夏・秋の花のデュオとまどう私 辰
38 2丁目に行きたい左右に「車両通行禁止」ニッチモサッチモ行ける所は1丁目ばかり
39 久しぶり友と語ればひと時 自分に会える 加 真理
40 ありがたい交わす方言 空気を変える 芳 ひ 真 須 辰 す
41 闇バイトお金欲しさに人殺し
42 池に映りし雲コントラストがモネの絵画 辰
43 友人の弟が亡くなった51才 名はじゅんちゃん
○蔭山辰子
44 5回目でようやく座るひじかけ椅子
45 イシバ ノダ そろってノトを守ってくれ
46 ヨトー ヤトー云わずに国を守っていけ ひ 修
47 秋はいつ秋はまだかな十月末日 加 芳 須 真理
48 昇り龍あと少しだが胸を張り
○三村須美子
49 水鳥や言霊乗せて秋空へ (特 ひ)真 す
50 はにわ巫女くり抜き目玉天高し す
51 並び立つ円筒はにわに木の実落つ 芳 真理
52 石棺の阿蘇より運ばれ返り花  ひ
53 古墳巡る影の長きや芝生広場 辰
54 秋の空何のためだか円筒(つつ)に穴
55 舟じるしあちらこちらに秋日差す
56 高床式倉庫どんぐり収穫祭  加 ひ 真
57 大王の埴輪まつりや土の肌
58 大王を見送る埴輪文化の日 (特 辰)ひ 修
○塩見すず子
59 古墳の空どんぐり達を眠らせて  加
60 眼も口も開けたままのはにわの村 ひ 真 須 
61 秋に揺れ幼児が数えるはにわの列 芳 修
62 連れられて古墳の山に二本の杖  修
63 出番が来てもどこかさみしいはにわの眼 ひ
64 ゆるやかな山と埴輪の数に驚いて
65 素焼の土器たちと私は私でいられる空 ひ 真
66 埴輪の数に驚いて一口の水
○野原加代子
67 彼岸花遅咲きながら時感じ 須 真理
68 鰯雲追いて行きたし故郷に 芳 ひ 真 辰 修 真理
69 秋色に染めた小道をくぐり抜け (特 須)す 真理
70 神社道どんぐり拾い手に握る 辰
71 寒さ耐え赤く染まりし山の色 芳 す 真理
72 紅萩が風に揺られて大原野 芳 真理
73 川沿いのコスモス通り風かおる 真理
○遠藤修司
74 おむすび持ってハニワに会いにいこう吟行会 加 ひ 辰
75 鳥・馬・牛と人に負けないハニワ群 す 真理
76 木の実降る円筒ハニワ六千本 ひ 真 須 す
77 手を上げるハニワとしばしハイタッチ! (特 ひ)(特 真理)須 辰
78 秋の主役か朝顔に心うばわれる   加
○金澤ひろあき
79 どんぐりの道にしっぽを巻いた馬 真 修
80 木の実降るハニワの力士四股を踏む 修 す
81 魂はこぶ埴輪の鳥や天高し (特 芳)加
82 天高しハニワの鷹の狩りの夢 須
83 後円部大王眠る冬木立
84 月凍てる赤い棺は阿蘇の岩 (特 修)真
85 大王の黄泉路赴く祭笛 芳
86 輪となって踊る埴輪の魂送り 加 芳 須 辰 修 す


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