パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

夢のチョコレート工場

2010-05-14 21:55:06 | Weblog
 「夢のチョコレート工場」を見る。

 ティム・バートンのではなく、もう30年以上前の作品。

 チョコレート工場の社長はジーン・ワイルダー。

 この人、なぜか好きなんだなあ。

 チャーリー役の子役もいい。

 子供のための「教訓」の日めくりカレンダーのような感じで、ストーリーらしいストーリーはなく、「山なし、意味なし、落ちなし」のまま淡々と続くB級感がうれしい。

 そうかー、B級映画ってのは、「伝えることなんか別にない」、という態度で作られた映画のことなんだと気がついた。(まちがってるかもしれないが…ヘンゼルとグレーテルだって、「子供の強欲」を描いても、そういうものだからそう描いているだけで、別に戒めているわけではない。)

 明日、ティム・バートン版の「チャーリーとチョコレート工場」を放映するので、それを盛り上げるための放映らしいが、深夜なんかでなく、前の日でも、前の週でもいいから、同じ時間帯で放映して、堂々と「ティム・バートン版と比べてみてください」とコメントする度胸、ちゃめっけがほしかった。

 そうすれば、本作を「大好き」と公言しているジョニー・ディップもきっと大喜びしただろうに。

目下には丁寧に

2010-05-12 15:25:49 | Weblog
 道元の言葉で、「あ、いいな」と思ったのは、「人にものを伝える時はたとえ相手が7歳の童子でも礼をつくさなければならない」という箇所。

 昭和の初め頃、ある小説家が自作のなかで、学校の先生が自宅を訪ねてきた教え子を迎える場面で、先生に「おあがんなさい」と言わせたところ、評論家(か、ほかの小説家)が、「目上のものが目下に敬語を使うのはおかしい」と文句を付け、ひとしきり論争がもちあがったらしいが、「おあがんなさい」は文法的には敬語ではなく、丁寧語だろうし、文法を云々しなくたって、上記の道元の言葉を知っていれば、自ずと回答は出るはず。

 大正デモクラシーを「小泉の規制改革」と比べるのはちょっと見当違いのところもあるかもしれないが、それに対する反動が「無知」を招いているところは、昭和初期は、今とよく似ているような気がする。

まじめが一番?

2010-05-10 21:53:09 | Weblog
 古本屋で道元の「正法眼蔵…」を立ち読みする。

 なんか、嫌な感じがした。

 「バカになればいいんだ」みたいな。

 隣に、世阿弥の「風姿花伝」があって、立ち読みしたら大変清々しく、50円で購入。

 「経験した人でないとわからないが、その日の舞台をぱっと見て、あ、今日はうまくいくなと感じることがある」とか。

 「数万人の群衆が今や遅しと待ちかねている空気を見計らって、ドンと足を踏み鳴らして舞台に出る、って気持ちいー!」

 てな調子だ。

 「数万人」って、たしかにそう書いてあったのだが、本当にそうだったら、ちょっとすごい。

 当時の最高権力者、たとえば秀吉が見物に来るということを皆知っていて、それで秀吉を見に来る人も含めて「数万人」になってしまうのかも。



 その後、テレビで、「鶴瓶の家族万歳」みたいなのを見ると、中年の夫婦が出ていて、その奥さんが、「夫は実にまじめでこつこつやってきたのでおかげさまで」みたいなことを言い、隣の「夫」も、「まじめが一番です」と言っていた。

 道元の思想がいかに深く日本人の心に浸透しているかを感じ、鬱々とする。

 この夫婦がそうだとは決して思わないが、「まじめ」っていうのは、「まじめでないからダメ」という理屈につながると、怖いことになる。

 世阿弥の『風姿花伝』の隣に、辰野隆(隆で「ゆたか」と読むのだそうだ。初めて知った)の『フランス革命夜話』という文庫があり、面白そうだったので一緒に50円で購入したところ、めちゃくちゃ面白い。

 読んだのは、まだロベスピエールだけだが、これがまた、「まじめ」だけが取り柄の平凡な男。

 って、そこまで話を大げさにすることはないが、「まじめにさえやってれば、うまく行く」と「まじめであれ」は、別のこと。

 なんだか、今の日本はこれをごっちゃにしている感じがする。

私の腹案

2010-05-07 21:07:29 | Weblog
 「私は弁護士なので、いついつまでに、とか期限を切ることは得策ではないと鳩山さんに言ったんですけどね」と福島瑞穂が言っていた。

 あ、彼女は弁護士だったんだと改めて実感。

 「期限を区切らない」ということが、クライアント(鳩山)の利益になるならば、その結果が国民にとって不利益であっても「期限を区切るな」と言うわけだ。

 職業上、やむを得ないところかもしれないが、あまり尊敬できない。

 かといって、「期限を区切った」鳩山が、「尊敬できる」というわけでもないけれど、でも、ちゃんと「最後」まで5月末までという言葉を撤回しないでいれば、まあ、尊敬できるかもしれない。

 何もできなかったけれど、その結果として、「辞める」ということになれば、辞めたこと自体が、一つの実績になる。

 いや、これは詭弁ではなく、そう思う。

 その一方で、世界はギリシャとか朝鮮半島がかなりやばいことになっている。

 民主党政権にはそれにきちんと対応する態勢ができているのだろうか?

 朝鮮半島が「ヤバい」問題については、拉致被害者問題を抱え込んでしまった日本は、身動きが取れないまま、一人蚊帳の外状態になるかもしれない。

 というか、もう既にそうなっていると思うのだが、これを打開する一つ方法がある。

 それは、まず「拉致問題」を政治から切り離し、人道問題に限ると宣言する。

 そのために、日本側担当を日本赤十字社にする。

 日本赤十字社の名誉総裁は美智子皇后である。

 美智子皇后陛下のたってのお願いという形で、解放を要請する。

 これは、人道問題に日本赤十字社のトップとして関わるということだから、決して皇室の政治利用には当たらない。

 解放が実現した後、国交回復交渉に入る。(もちろん、このことは事前に金正日にそっと耳打ちしておく)

 どうだろね。

歌謡曲か!

2010-05-06 14:46:02 | Weblog
 世間では、「期待を煽って裏切った」と鳩山を非難しているが、これまでの経緯を見れば、鳩山が「最低でも県外」なんて言っても、実現は難しいと皆思っていたのではないか。

 「期待」なんかそもそもしてないくせに、「期待を裏切った」と言い募る。

 「期待させておいて、あなたって酷いお方」って、歌謡曲か、つーの。

 嫌だ嫌だ。

 今日はとりあえず、これだけ。

あるか? 大どんでん返し

2010-05-03 16:19:25 | Weblog
 「スパモニ」で、久しぶりに筑紫哲也の話題を取り上げていたが、鳥越俊太郎とイメージがだぶり、筑紫が朝日ジャーナルの編集長時代だった写真を見て、「鳥越って若い頃、こんな顔をしていたのか?」と思ってしまった。(鳥越は「サンデー毎日」の編集長だった)

 まあそれは余談として、筑紫はよく沖縄に取材に出かけたが、日本復帰前の米軍軍政時代と日本復帰後とどちらがよかったかと聞くと、ほぼ百パーセント、「復帰前がよかった」という答えが返ってきたんだそうだ。

 理由はいろいろあるのだろうが、なんとなく、「そうだろうなあ」という感じはある。

 今回の普天間基地問題だって、沖縄住民と米軍が直接に交渉していれば、「県外移設」ということにはならなくとも、「それなり」の線でとっくに解決していたんじゃないかと思う。

 グアムとアメリカの関係はどういうものか、よく知らないのだが、沖縄はグアムとアメリカの関係みたいになればいいのじゃないかと思う。

 要するに、「アメリカ復帰」だ。

 “日本復帰前の米軍軍政時代と日本復帰後とどちらがよかったかと聞くと、ほぼ百パーセント、「復帰前がよかった」という答えが返ってきた”というのなら、当然、そういう結論になるべきだろう。

 いや、まじめな話、そう思う。

 少なくとも、米軍と住民が話し合い、その結果を日本政府が認可し、移転費用を負担するという形がいいんじゃないか。

 その「スパモニ」だったと思うが、軍事評論家の小川和久が出ていて、何度か鳩山とあって、アドバイスをしたという話をした。

 その小川は、「大どんでん返し」の決着もあり得ると、結構自信ありげな、満足そうな顔で語っていたが、あの「顔」、「自信」はどこからくるのかというと、小川の持論に対し、鳩山が理解を示したことから来ているのじゃないか。

 小川曰く、「鳩山首相は愚鈍とか言われているが、抜群の“理解能力”がある」と。

 ふむふむ。ということは、鳩山は小川氏の持論を理解した、ということだな?

 では、その「持論」とはどんなものかというと、「今ある米軍基地に普天間の機能を移す」というものだ。

 実際のところ、辺野古のある名護市の市長選挙だって、賛成派と反対はの差はほんの少し、49パーセント対51パーセントくらいで、反対派が勝った訳だし、沖縄住民が「県外移設」で固まっているかというと、そんなはずはない。

 だとしたら、それをスムースに実現するには、アメリカと沖縄住民代表が直接話し合うのが一番手っ取り早いのじゃないか。

 と強引に牽強付会してみたわけだが、さて、どんでん返しはあるのか? 野次馬的に興味津々である。

「あ」

2010-05-01 14:03:39 | Weblog
 昨日、書こうと思っていてその直前にころりと忘れてしまったことを、その後思い出したので、書く。

 それは、今回の連休を前にした某テレビのニュースショーで、相変わらず、国内よりも外国へ旅行に出かける人が多いという報告で、出席者が「なぜ?」と聞くと、レポーターが、「それは、国内旅行よりも海外旅行の方がずっと安いからです」と答えた。

 その瞬間、スタジオ内、虚をつかれた感じで全員一瞬沈黙した。

 デフレ、デフレというから、もうとっくに海外より国内の方が「物価が安い」ように、なんとなくイメージで思っていたところが、実際にはそうではなく、国内物価は、海外よりも依然として高い…ということに気づいて、驚いたのだと思う。

 ともかく、出席者たちの「あ」という顔、その顔を受けて、これも「あ」という表情を見せたレポーターの反応が面白かったので、報告まで。