パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

ある、成功したクーデターについて

2006-02-27 12:26:00 | Weblog
 別に風邪をひいたわけでもなく、単なる心身の疲労だったと思いますが、まあ、なんとか元通りになって、手始めに富士の特製うどんでも食べようと思って、雨中、出かけたが、身体の中の人の訴えに「耳をすませば」、富士のソバ、うどんはちょっと量が少ないと文句を言っているみたいだったので、天壇のタンメンにした。
 天壇タンメン、今回は「ハクサイ」。いや、ハクサイも好きだからいいんだけれど……「日替わりタンメン」ってして、メニューにその日の使用野菜を書いておくといいんじゃないかな。

 冬期オリンピック終了。荒川静香の金メダルはすごいけど、やっぱり、スルツカヤ、コーエンなんかに引導を渡すような異次元の滑りで浅田真央が金メダルをとるところを見たかったな、私は。
 そもそも、今回の不成績は、浅田真央の参加資格問題で協会が「余裕」のあるような態度を見せてしまったことが原因ではないのか。前にも書いたけれど、事前に、「なんとかなるわよ、ちょろいよ」的な印象を選手に与え、競技を控え不安な選手心理に「救い」を与えてしまった。もちろん、こんな「救い」は救いになんかならない。
 しかし、今朝の産経新聞の「総括」は、専門家(スポーツメンタルトレーニング)の言葉の引用と言う形でだが、結局、選手たちの自己管理に問題があったとしている。その専門家曰く、「全部心のせいにするのは簡単だが、本当は情報不足であり、戦略不足。3番目にその日の状態の理解不足がある」と。で、サンケイの結論は「はっきり言えば、それができていたのは荒川ひとり」だが、「それは選手だけの責任ではなく、環境を整えるべき監督、コーチに競技団体の関係者、さらに《メダル》の重圧で選手たちを追い込んだ役員たちも責務を負うべきだろう。」と。
 何を言っているのかね、サンケイは。選手には――よほどの問題でもない限り――責任は一切ないのだ。
 大体、スポーツ競技の結果責任を選手に求めたら、選手なんてやってられない。実績(結果)をあげることができるのは、上位の数人、あるいは、厳しく言えば、トップの一人だけなんだから。(まあ、トップの一人だけに栄光を授けて、あとは「罪人」とする考え方もあるけど。旧共産圏とか古代マヤ帝国とか)
 たとえば、男子アルペンン回転の4位、7位入賞。これはすごい。上位3人がみんなオーストリアだから、上位成績表の国旗を見ると、回転競技では、日本はオーストリアと並び、実質「2強」的存在だったことがわかる。
 日本人はもともと「回転」に向いていると言われていて、実際、猪谷が銀メダルをとった。しかし、その後は、スキー人口は膨大なのに、まったく低迷。「なぜ?」と思われていたのだが、これも、私に言わせれば明らかに指導側、役員側の問題でしょう。だって、そうでないとしたら、結局、日本人には、猪谷を例外として、アルペン競技は向いていないということになる。でも、そうじゃなかったのだから。

 またまた、私の話で恐縮だが、高校時代、ちょっとボート部にいたわけだが、私が入部したのと同時に、コーチに就任した誰某さんが(名前は忘れた)、練習に元ミス横浜という美人の奥さんを、みんなに見せびらかしたかったのか、連れてくる。ミス横浜ですよ、横浜。ミス宇都宮とはちがう(宇都宮の人、いたらすみません)。国際都市、ヨコハマを代表して、豪華客船の船長なんかに花束をあげたりする役目だ。その時には、会話もかわすだろう。だから、ただ美貌だけじゃなくて、知性もある(んだと思う)。
 ただコーチはあまり背の高い人ではなく、奥さんもモデルのようなすらりとした背の高い人ではなかった。一緒にくる時も、和服姿。で、二人で岸壁から我々を見たりしている。鯖アレルギーのキャプテン(キャプテンがひどい鯖アレルギーで、それを利用してしばしば試合前日に逃避をはかった話は前に書いた)は、「チッ」的な顔で二人を見ていたが、やがて、学校(早稲田)に直訴して、そのコーチをクビにして、自分達で練習メニューを決め、管理するようになった。クーデターですな。ところが、以来、急激に実力があがって、それまでずっと連敗中だった対慶應高校戦にも勝利した。
 もちろん、これはコーチ不要という話ではない。ただ、あまりにひどかったら、むしろいないほうがましということだ。で、日本のスキーアルペンチームは、そんな状態が半世紀近くも続いていたのではないかと。

 いずれにせよ、今回の不成績の分析は、多分、競技団体できっちりやるだろうし、そういう素地はできてると思うが、それとは別に、各種マスコミの分析記事に興味がある。ことはスポーツだけの問題ではないからだ。(サンケイは、残念ながら、「ダメ」だった。サンケイが保守であり、右翼とも言われることはいいのだけれど、数年前から、書く中身に「含蓄」がなくなってしまった。言い換えれば知的水準が低下しているのだが、それは、案外、ちょっとしたコラムなんかでわかる)

 ちなみに、ボート部のコーチを追い出したのは、コーチが元ミス横浜の奥さんを練習に連れて来たからというだけでは、たぶん、ないと思います。私はその時、一年坊主だったので、どんなことがあったのか知りません。ただ、早慶戦(高校の部の)で連敗連敗又連敗だったことは確か。

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