パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

同じ本を同じ日に二冊買ったこと

2009-05-30 20:12:14 | Weblog
 フロイトの論文、「快感原則の彼岸」を読みたいと思い,それが掲載されている筑摩の学芸文庫、『自我論集』をジュンク堂で購入した。

 そのジュンク堂に行く途中に二日にいっぺんは立ち寄る古本屋があるのだが、前回立ち寄った時には、『自我論集』は置いてなかった。

 しかし、この古本屋では結構掘り出し物があるので、念のため調べてみようかなと思ったが、探すのが面倒だし、そもそも古本屋というのは、戦記物だけを扱っているところとか、映画関連のみを扱っているとか、そういう専門的に特化された古本屋の場合は別だが、大体は、何を買いたいというのでもなく、ぶらりと立ち寄って買いたいものにぶつかるという形をとる。

 だから、まず99パーセントは目的は達成されないだろうと判断し、その古本屋の前をスルーしてジュンク堂に行き、購入したのだったが、その帰り道、またその古本屋の前を通ったので,一応確認してみようと思い、入ってみたら、驚くなかれ、目の前に『自我論集』が!

 値段を見たら600円。

 新品は1260円だった。

 しかし,今さらどうすることもできず、『自我論集』は本棚に戻して立ち去ったのだが、2,30メートル歩いてから、引き返し、600円で購入した。

 書物のコレクターは読書用と蔵書用に二冊買うという話を聞いたことがあるが,ジュンク堂で買った新品はアマゾンで売ればいい。

 フロイトの『自我論集』は、フロイトの著作の中でも人気が高いので、多分,定価に近い値段で売れるだろう。

 と思ったのだが、誰か他の奴に買われてしまうのが悔しかったということもある。

 たぶん、こっちのほうが大きい。

 たとえば、もし買わないでいたら、明日、とは言わずとも,数日中にはなくなっているだろう。

 そうなったら、ショック!である。

 何がショックなんだかよくわからないが、ともかくショックに違いない。

 というわけで、二冊買ってしまったわけだが、それにしても、なんとまあ間の悪いことか。

 というか、運の悪いことか。

 大学2年生のとき、体育の授業で「レクリエーション」という科目があり、これはちょろそうだと応募したところ、定員100人のところに応募者が105人ほどいて,その場で、外れの5人を選ぶためにくじ引きをして、私が真っ先に当たってしまったことを思い出した。

 神様、他のことで埋め合わせしていただかないと、恨みますよ~。

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