パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

混乱

2012-12-31 01:29:07 | Weblog
 昨日、nhkの解説委員が雁首を並べて議論するという趣向の討論番組を見ていて、中に一人、赤い蝶ネクタイをつけた。「剥げた三木のり平のような、はっきり言って、風采のはなはだ上がらない解説委員が、一人、やる気のなさそうな、眠そうな顔でいるので、「なんだろう、こいつは」と思っていたら、原発をどうするか、という話題で突如手を上げて、「電力を自由化すれば、原発問題はおのずと解決される」と言い出した。

 お、なかなかいいことを言う、と思って、その後の論議の発展を期待したが、誰も話をフォローせず、自由化問題は議論に上らなかった。

 要するに問題は、先進国にキャッチアップできたら、その後は、社会体制を先進国型に変えなければならないのだが、この20年の停滞は、日本がそれに失敗した、ということで、原発事故は、その必然的な結果だということだ。

 安部首相は、福島原発を視察した際、福島の第2や、女川原発が無事だったことを指して、安全体制がしっかりしていれば大丈夫であることの証明だ、と言ったみたいだが、条件によっては、福島が安全で、女川がやられた可能性だってあるだろう。

 原発是か非かではなく、安全管理にどのような問題があったのか、それは克服されうるのか、ということを徹底的に調べるべきだろう。

 そして、いまのところ、もれ伝わる情報では、今の電力会社には、その能力、準備が、依然としてできていないといわざるを得ない。

 竹森俊平が、原発の安全をすべて管理しているはずの斑目安全委員長が「われわれは原子力のことをよく知らない。よく知っている人を教育して、安全委員にしなければならない」とニュースで話していて、「仰天した」と書いているが、国会できちんと議論すれば、その答え方で、電力会社に安全運転の能力があるか否かはすぐに判定できるだろう。

 今のままだったら、先進国型の社会体制への転換は現状を見る限り、韓国、そして中国のほうが先に進む可能性が高いように思う。