パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

病気もレトロ?

2009-04-07 20:19:26 | Weblog
 イチロー、胃潰瘍、針千本、肺結核とレトロな病気報道が続く。

 昔、小学校時代の担任だったM先生が、胃潰瘍で入院手術したが、胃のほとんど全部を削除する大手術だった。

 以来、胃潰瘍というと、言葉の響き、漢字のおどろおどろしさから、「怖い病気」というイメージがあった。

 もしろんその後、簡単に直るようになり、そんなイメージもなくなったが、それにしても、イチローは……初期段階ということもあるのだろうが、病名がわかったらもう大丈夫って感じだ。

 針千本の肺結核も同じだ。

 肺結核が不治の病であった頃を、さすがに私は知らないが、近代小説を読むと、肺結核に犯された若い男女が死ぬテーマが非常に多い。

 田山花袋の「田舎教師」なんか、小説家になって名を挙げたい若者が肺結核にかかって、死んでしまう、ただそれだけの小説だが、誰だったか、知り合いの小説家が危篤になって死ぬ間際、「○○君、死んでいく気持ちはどうかね」と聞いたという、そのしつこさで、描くから、まあ、すごいのなんの。

 って言う程でもないが、主人公の死にゆく気持ちから見た田舎の寂しい風景描写がなんともすばらしく、心を打つ。

 花の種類を一つ一つ列挙するのだが、無性に感動する。

 あと、息子が肺結核になったことを知った時の母親の態度がなんとも言えない。

 はっきり言って、「絶対に助からないのだから、早いところ死んでおくれ、そうして、貧しい私を苦しめないでおくれ」といった感じだ。

 ともかく「薬」が牛乳なんだから……。

 牛乳に期待をかけざるを得ない母親の、情けない気持ちがひしひしと伝わってくる。

 しかし、針千本の(名前知らないのだ)肺結核は、あまりにもイメージがピッタリなので笑う……いや、笑いたい気持ちになったが、彼女は本格的にマンザイや芝居をやらせると結構うまいので、嫌いじゃない。

 早いところカムバックしてネタにしてほしい。

 中村雅俊の息子が大麻で捕まり、中村雅俊が「人間失格だ!」とか激怒しながら大泣きしていたが、年令、職業等からいって、中村雅俊自身が全然やったことないとはちょっと信じ難い。

 仮に本人はやらなくても、近くにやっていたやつは絶対にいたはずで、まるで人殺しでもしたかのごとく驚き、嘆くのは、見ていて嫌になる。

 息子にしてみれば、そんな親父を見て、どんな気持ちになるだろう。

 「あんた、世間がそんなに怖いのか」ってところか。

 この件で、福岡翼が、「ちょっと泣き過ぎ」と言っていたが、そう言う翼氏が、昔とまったく変わらないのに驚いた。(若い頃と並べてみればそれなりに老けてはいるのだろうが)

 美輪さんも70を優に越えていながら、全然元気だし、

 「あたしたちのように差別されていると、ストレスないのよ。差別するやつがストレスで早く死ぬのよ」

 ってか。