パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

修学旅行積立金はなぜ高い?

2008-06-17 20:54:31 | Weblog
 ゴルフ全米オープンの死闘にしびれてふらふらだ。(寝不足で)

 ゴルフなんてもちろんやったことなどないけれど、プレイオフが18ホールの長丁場で、それを見せてしまうのがすごい。さすがタイガー・ウッズと思うが、対戦相手がミーディエイトとかいう無名のおっさんゴルファーなんだが、それが「役不足」…じゃない、「力不足」かな? いや、なんか変だな…「役不足」でいいのかな?…やっぱりそうじゃないか…を感じさせない大健闘。たぶん、ミーディエイト一世一代の大がんばりということなのだろうが、それをさせてしまうところが、アメリカのエンターティメント産業の底力か。(ちなみに、プレイオフは18ホールでも決着がつかず、サドンデスにもつれこんで1ホール目でウッズが勝った)

 今田勇二は予選をぎりぎりで通過ながら、その後成績を上げて、18位で終了。やっぱり実力は世界トップクラスだ。

 それはともかく、日本だったら、18ホールのプレイオフを仮に実行したところで,それに耐えるタレントがいない。

 いや,その前に、お客さんを興奮させてなんぼの商売だ、ということの自覚が、特に経営者にない。プロ野球のセパ対抗戦なんか、2試合戦ったらもう移動日だ。お客さんをおいてきぼりの、悠々マイペース。だから、翌朝,新聞を開いて、「あ、昨日試合があったんだ」と気がつく始末だ。

 それはともかく、今朝の産經新聞に、中学生の子供を持つ女性の,修学旅行の積立金が高い、普通の旅行代理店のパックツアーより高いのはどうしてなのだろう云々という投稿が載っていた。ただし、肝心の積立金の金額が載っていないので,ネットで調べたところ、「世界一周」の修学旅行を実施している学校があるんだそうで、そこは毎月2万円だった。まあ、「世界一周」ではね。毎月2万円でも安いかもしれない。

 もちろん、「世界一周」は、さすがに極端な例で、普通はどれくらいなのだろうと思って調べたがが,はっきりとはわからなかった。でも、大体5000円くらいのようだ。『百識』の「給食特集」で、給食費が(これは「積み立て式」ではないと思うが…いや、「給食費を着服」なんて話を時々聞くし、実際のところはよくわからない)全国平均で月6000円くらいだったから、この二つで軽く月に1万円は突破する。

 しかし、そもそもなんで「積み立て」なければならないのだろう。学校によっては、一括納入も可となっていたので、「積み立て」でなければならない理由はないようだ。昔からの習慣なんだろう。

 健康保険も同じだ。そもそも保険制度というものは、自分で払って自分で受け取るのが原則だ。ただし,その場合は、負担できる掛け金に応じて、受けられる医療の程度も決まってくる。その点を見るならば,たしかに、いざという時に備えて,みんなで医療費を出し合って積み立てておけば、貧乏人でも高額の治療を受けることができる。しかし、積み立て式の健康保険制度の利点はこれぐらいだ。というか、この「利点」が仇となって、医療それ自体が、人工透析を代表とする「高額治療」に偏ってしまった。

 実際、毎月の負担金が同じならできるだけ高い治療を受けたいと思うのが人情だからだ。高ければ高い薬ほど,よくきくと思ってしまうのは、自然なことだ。

 ……ということなのだろう。