パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

獲物は……

2006-03-25 17:14:46 | Weblog
 「立てば芍薬、座れば牡丹」の牡丹を近所の花屋で見た。掛け軸などではよく見るけれど、実物を見たのはこれがはじめてかもしれない。ぼてっとしていて、たしかに昔風の美人に見える。中国人は牡丹が大好きで、「聊斎志異」にも牡丹の精の話がある。無類の牡丹好きの男が牡丹の精と結婚する話だが、男が裏切ったので「もう貴方と暮らすことは出来ません」と言って、抱いていた赤ん坊を地面に落とす。赤ん坊は地面に触れた瞬間パッと消えて、そこから牡丹の花が咲く。「聊斎志異」屈指の名作だ。うん。

 数日前だが、幸ビルの裏通りで、二人の作業衣の男と普通のサラリーマン風の男一人が、何かを囲んでしきりに話している。
 サラリーマン風「いやー、よく掘ったね」というのに、作業員は、身ぶり手ぶりで答えている。
 その前には、一本のネズミ色の管が。まん中あたりが、「野鼠を飲み込んだ青大将」のように膨らんでいる。どうやら、異物がつまった水道管をほじくり返したらしいが、大捕り物でもしたかのような彼らの様子がおかしかった。

 電気機器安全法、中古品への適用除外へ。あったり前だ。法律を作った経済産業省のキャリア官僚は、たぶん、東大を出ているのだろうが、こんなミスをするなんて。