同志社大学体育会航空部 活動日誌

同志社航空部の活動報告を公開中!

福井ローカルソアリング

2008年08月14日 | Weblog

4回重田です。
合宿報告はまた別であると思いますが今回の福井合宿では後半好条件が続き同立戦に向けて非常にいい練習が出来ました。この経験を自分ひとりのものにするのは少々もったいないので、今年や来年、Ⅰ部競技を戦う他のメンバーのためにも少し福井でのソアリングについて書き残そうと思います。

まず、福井空港付近で上昇気流が発生する仕組みについて。
今回の合宿期間中は高気圧が日本列島を覆い晴天が続きました。朝は陸風(南風)、昼前に海風(北風)に変わりピストチェンジという典型的な夏の福井の天気。この風が変わる時間帯に南北の風がぶつかり合い海陸風前線となって上昇気流を生みだすわけですが、完全に北風が卓越してくると海からきた湿った空気(重く上りにくい)が地上付近を覆い上昇気流は無くなります。ですから目安としてはピスチェンから1時間後ぐらいが上昇気流のピーク、2時間後にはもう条件が死に始めている事が多いです。風が変わるタイミングはその日の気圧配置や海面と地表の温度の上がり具合でも代わってきますから、よくウェザーをチェックしておく必要があります。
さて、海陸風前線は確実に上昇気流を生みますがそれがグライダーが上昇できるほど強く高く上がるかは別の問題です。強いサーマルに必要なもの、それは暖められた空気です。なにより必要なのは地上付近の温度上昇。風が変わり上昇気流が生まれるときにいかに地上気温が上昇しているかがポイントとなります。温度が低いとサーマルは低い高度までしか上がらず、上昇率も悪いです。どのくらい温度が上がれば強いサーマルが生まれるかは上空の冷え具合にもよりますが(高層天気図や朝方の最低気温、エマグラムをチェック)今回の合宿をではだいたい地上気温が31℃を越えれば粘れる程度(Top600m程度)、32℃を越えれば何とか周回できる(Top800程度)、33℃を越えればバリバリ(Top1000m越え)といった条件でした。つまり風の変わり目―ピスチェンの時に地上気温がどれだけ上昇しているかが最大のポイントとなるのです。快晴の日であればピスチェンが遅ければ遅いほど、条件が良くなるといっていいでしょう。
サーマルのトップが今どれくらいかは曳航中に気流の荒れが治まり急に静穏になる高度で分かります。自分より前に飛んだ人の話をよく聞いて、気温と共にチェックしておけばいつ飛べば周回可能な条件となっているかわかるはずです。早めに離陸して上空で粘っている時もこれから条件がよくなるのか(気温はまだ上がるか)条件が悪くなるのか(湿った北風が卓越しきってサーマルが無くなるのか―条件は北から死にはじめます)を判断してスタートのタイミングを見計らいましょう。
900m以上まで上昇できたら丸岡→安田はワングライドで楽勝なはずです。スタートゲートへ向かうまえに第一旋回点までの飛行コースをよく考えておくと余裕が生まれます。地形、風向、上空の積雲をよく見て沈下の少ないコースを予想しましょう。
第2レグでは追い風になりますから、確実に周りたいなら弱いサーマルでもしがみついていれば自然と風に流されて第2旋回点に辿り着けます。ファイナルグライドは田園地帯の上を向かい風で飛ぶことになるのでコースと速度をよく考えなければ意外と高度を奪われます。さらにゴールが低くなった時のために空港付近のトラフィックをチェックしておく必要もあります。福井空港は木曽川や妻沼のように同時進入はできませんから、ゴール後すぐ場周に入るつもりならその意思を他の機体やリモートに通報しておきましょう。
最後に、Ⅰ部競技は周回速度競技です。上がるだけではなく、前に進まなければならない。滞空点や獲得高度も得点にはなりますが、それは本質ではないです。ひとつのサーマルだけに集中せず周りをよく見て考えることが大切です。

今回は前田教官と竹山や小寺の乗った機体と一緒にソアリング出来て、気の知れた仲間達とグループソアリング(というにはまだまだ稚拙ですが)することがいかに楽しいか実感できました。こうしてソアリングを楽しめる部員がもっと増えてくれると嬉しいですね。同立戦勝つぞー!
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3 コメント

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「同志社の竜虎」 (速見直喜)
2008-08-14 22:52:58
重田!同志社のエースパイロットは、ヤッパリこうでないと。素晴らしい積極的な報告をありがとう。エースのあなたの言葉によって部全体の気持ちが駄目になったり、あるいはとても鼓舞奨励されますヨ。
岩井!「微力ですが、出来るだけがんばります・・・」
なんて、いつまでもお嬢さんみたいなこと言っていたら駄目ですヨ。学生時代最後の同立戦、競技会シーズンを二人が先頭に起ちなんとしても勝ち抜いてください。
全OB、OGが期待していますヨ。
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同立戦を前に (前田)
2008-08-15 22:33:25
前田です。

現役の皆さん、暑い中の合宿お疲れ様でした。
重田、よい報告をありがとう。私も後輩達とソアリングできて非常に楽しかったです。

ところで合宿中、三田村教官が「悔いの残らないよう同立戦で戦ってほしい」と言われていました。私も同じ気持ちです。
「悔いが残らない」とは、できる限りの最高の準備をし、本番でその成果を発揮できた時に初めて得られると考えます。
選手達には100%の準備をして本番に臨んでほしい!そのためには個人の努力も勿論ですが、オール同志社として勝つための準備をしてほしいと思います。そう、大会は色々な意味で団体戦であり、部員一人一人が勝つための重要な要素です。
この姿勢が現状からステップアップするために一番必要なことだと感じています。

きっとOBは現役が思っている以上にあなた達を応援しています。同立戦まであと少しですが、頑張ってください。

競技についてなど、何か質問があれば連絡くださいね。
以上です。
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同立戦頑張れ! (大久保 雅史)
2008-08-17 21:35:55
16日久しぶりに格納庫に行きました、Ka6Eの計測と聞いていたので皆の顔を見に行きました目的は他に有りましたが。
7年ぶりに組上げられたアイオーン35年前私が1回生の時見た姿と変わっていません。
何故今更復活させるのか?現役は答えました全国大会に2チームで出たい、6はハンディキャップで有利だと、来年の全国大会に勝に行く気迫が感じられました。
先ずは同立戦全力でぶつかって下さい、健闘を祈ります。
皆のおかげでイオラスが美人になりました、風の女神も大満足きっと同志社に微笑んで勝利をもたらしてくれるでしょう。
計測の皆さん御疲れ様でした、御邪魔しました、次はアーロヘッドを綺麗にしましょう宜しく。
再来週からの同立戦勝ってください、新機体早く買う為にも、頑張れ!
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