ちいさな幸せみっけた

「ちいさな幸せ」を幸せと感じられますように。

『誰も知らない』

2005年08月21日 | えいが観察


『誰も知らない』
とある2DKのアパートに引っ越してきた母けい子と4人の子供たち。しかし追い出されるのを恐れるけい子は、自分と12歳の長男・明だけの2人暮らしと大家に嘘をついていた。けい子は子供たちにも近所にバレないようにと言い聞かせる。兄妹たちは父親がみな別々で、学校に通ったこともない。けい子がデパートで働き、明が母親代わりとなって家事をし、兄妹の面倒を見ていた。それでも家族5人、それなりに幸せな日々を送っていた。そんなある日、新しい男ができたけい子は、わずかな現金を残して突然家を出ていってしまうのだった…。


切ないっ

柳楽優弥くんの史上最年少のカンヌ主演男優賞受賞で一躍有名になった映画。
これって実話だったんですね?<知らないで観てました

切な過ぎる・・・しかも、救いようのないお話・・・。
胸の奥にズシンと何かが響く思いで観てました。

ものすごく淡々とした作りで、映画を観ているというよりはドキュメンタリーを見ている錯覚に落ちいます。
創り物ではない、演技ではない、そんな作品。

目で見て楽しむ映画では決してなく、

心で感じて考える映画

ではないでしょうか?


考えさせられた(ズシンと響いた)シーンをいくつか・・・
(※以下ネタバレ・・・?です!!)


生活するためのお金が尽きてしまい、母の電話番号を突き止め、電話した明。
  電話の向こうで「山口です」と名乗る母の明るい声。そのまま受話器を置く明の気持ち。

母からもらったお年玉袋を見つめる京子の葛藤。

遊びにきた友人に突き飛ばされた時の茂のやるせなさ。

自分の誕生日に母を駅まで迎えに行くゆき。
  母を待ちながら最後の1個のアポロチョコをほおばる。<まるで蛍の墓!?
  そんなゆきを隣で見つめる明の心情・・・。


どんなにないがしろにされようが、母を憎まない子供たち。
それどころか、母の幸せを守ろうとさえする明。

離れ離れになりたくない、という一心で生活し続ける兄弟たち。
死と隣り合わせの生活の中にも、笑顔が耐えない。

守るものがある人って、強いなぁ。
あんなに小さな少年でさえも、こんなに強く生きられることができるんだ。


これは、ただ切ないだけの映画ではないですね。

ぜひ一度、見てみてください
コメント (4)
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