合言葉は、ボスコーン!

甘く切なく綴ってアン畜生なる彼方。SFと映画そして時々の成人向け漫画で日々精進なるや

万物投棄論

2006-09-18 01:43:41 | Weblog
連日の渋谷。二度三度も通うのは気が進まない場所なのですが、これも映画のためと。

 シネマヴェーラのあるビルでは「時をかける少女」も同館上映という事なんで、「時かけNOTEBOOK」が入っているかどうか、駄目もとでスタッフに聞いてみたところ、「ありますよ」との返事が。
 快く答えてくれたスタッフにありがたくお礼を述べた後、グッズフロアにきゃっほうと出向いて購入。ちょっと油断していたら、どこも売り切れという憂き目にあって悔し涙を飲んでいただけに、これは嬉しかった。いや、本当残ってて良かった…。これが今日の一番の収穫だな。
 
さて、映画レビュー、二本立て。例によって四つ星満点評価。


   「マイアミ・バイス」  ☆☆

 銃声とマズルフラッシュで魅せる銃撃戦は、もう手放しで誉めたくなるほど上手いのにね。

 「HEAT」で名を馳せたマイケル・マンの新作感想を要約すると、こうなります。
では、どこが悪かったのかというと前半の編集。単に時間の都合なのかどうかは判りませんが、話がかなり飛び飛びで、キャラの関係や状況がろくに掴めないまま中盤までなだれ込んでしまう状態でした。ちょっと話し込んだと思いきや次のシーンではもう制圧に入ってたりとか、それこそ時を飛ばされたような気分に。中盤からはマイケル・マン節炸裂のメロドラマで、ちょっと苦笑しかけたけどな!
 期待していた銃撃戦もそれほどあるわけでもなく、せいぜいラストでのカタルシス部分くらいだったなぁ。それでも、ゲームのFPSよろしく臨場感たっぷりでバカスカ撃ちまくっていたので、そこだけで腹八分目くらいには堪能。ただ、相手が全く張り合いの無いチキン野郎だったのがどうも頂けない。豚も同然のヘタレキャラじゃなぁ、むしろ序盤であれだけ外道っぷりを披露した手下が揃ってパワーダウンしているのは、何かの主役補正かと突っ込みたくなったり。

 ラストの銃撃戦もよろしかったのですが、個人的には序盤のバレットライフル数門による狙撃での殲滅シーンが上かなぁ。銃弾の貫通衝撃で腕がもげるところはかなり良かった。
 それともう一つ、黒人の女性潜入捜査官が拉致から解放された後、彼氏へ駆け出すどころか死体を何度も蹴りつけて唾を吐くシーン。その漢ビッチっぷりにゃあ思わず感動しちまった。

 後半はそれなりに上手くまとまっているんだがなぁ…。さてお次。



   「グエムル 漢江の怪物」  ☆☆☆☆(☆) 

 今年度最強のダークホース。

 底抜けに頭の悪い家族と怪獣の世紀のガチンコ勝負…となるはずが、どうもそうならなかったりする、何とも評し難い大怪作にして大傑作。
 評し難いのに大傑作なの?と突っ込みがきそうですが、とにかく面白かったんだってば!

 パニック映画としての生々しさ、怪獣映画としてのリアリズム、駄作スレスレのB級もといD級臭、韓国のお家内情、所々の毒気と滑稽さとが一つの胃袋に詰め込まれた、腹十分目を超えて十三分目には達しそうなほどの強烈な内容であり、いろいろな意味で斬新でございました。

 マジ、こんな怪獣映画は日本じゃあ絶対作れねぇ。
 頭がもうちょっと落ち着いたら文追加します…。



最後に一つ。
市長が撮影を許可した映画のタイトルは……

なんて理解のある市民なんだ。