1892年着工のゴシック様式の大聖堂。
この近くまで毎日通っていたの、初めての訪れました。無宗教の私には、見学目的の宗教施設は敷居が高いものです。
前日に日本の母から電話で、新興宗教の信者だったらしい知人の葬式での数々の理不尽な話を聞いたばかりだった上に、お金のかかる神様の存在には以前から疑問を抱いています。
豪華な教会や施設を建てる事を神様は望んでいるのでしょうかね?
建築の知識は全くない、私の中の本当のゴシック建築は、ミラノのドウモやケルンの大聖堂。この建物は、19世紀のネオゴシックですね。
ヨーロッパではアールヌーボーなどのニューウエイブ全盛だったのに。
大きな教会を中心に町が放射線状に広がったヨーロッパの街とも違い、不自然な立地に思えます。観光客が数人、教会内を見学していただけで、信者らしき人は居ませんでした。時間帯かもしれません。
文句ばかりを連ねてしまいましたが、一歩教会内に足を踏み入れると、厳かな雰囲気に包まれて、こんな私でも清らかな心になれるのは不思議です。疲れていたからかもしれません。きてよかった。本当に心からそう思えました。
美しいステンドグラス、天井の高い静かな空間。
この日の一番の収穫は、キース・へリングの銀製のトリプティック。ポップアートの申し子の、HIVでなくなる前に製作された最後の彫刻作品だそうです。
美術作品を写真に撮るのは憚られたのですが、太く力強い線と躍動的な図柄に、すっかりと魅せられてしまい、ココの前でかなり長い時間を過ごしてしまいました。
たくさんの才能あふれる人達の命を奪った、HIVという病気について、同姓同士の恋愛や結婚についても、ゆっくりと考えてみたくなりました。