近所のパソコン修理屋さんへ持って行ったら・・・電源ユニットの故障との判断で、汎用の電源ユニットを取り付けようとしたそうですが、元々の電源が特殊形状だったため、はみ出てしまいカバーが閉められないということで、修理を中断したそうです。
その後、どらとものブログで電源ユニット修理(電解コンデンサー交換)の記事をご覧になり、問い合わせをいただきました。
事前の確認で、パソコンはFMV-TEO50UNで、電源ユニットの故障でも、電解コンデンサー以外の箇所の故障の場合は、修理できない可能性があることをご了解いただき、パソコン本体ごと送付いただきました。
パソコンが到着しました。かなりスリムなデスクトップパソコンです。
まず、コンセントをつないで電源スイッチを押してみると・・・???全く電源が入る気配がありません。やはり電源ユニットの故障の可能性が高いようです。
カバーを外して中を確認すると・・・マザーボード上のコンデンサーなどには異常は確認できません。
電源ユニットを取り外して、まず単体でチェックを行いました。すると・・・
うん?各電圧は正常に出力されています。この電源ユニットは12V4ピンの出力がないため、チェッカの+12V2はLL(ローレベル)表示になっています。
低負荷では、電圧が出力されてしまうことがあるので・・・この電源を、検証用パソコンにつないで確認したいのですが、前述のように12V4ピンの出力コネクタがないため、動作できません。
そこで、正常動作の汎用電源ユニットを、つないでみました。使わない12V4ピンは、つながなければ問題ありません。
しかし・・・それでも全く電源が入りません。
そうなると・・・電源ユニットの故障ではなくて、マザーボード側に問題がある可能性が高くなりました。
マザーボード上の電解コンデンサーは問題ありませんでしたし、メモリーも抜き差ししても状態は変わらず・・・電源スイッチの結線もちゃんとつながっています。
そうすると・・・CPU自体の故障かなとも思いましたがもう一度マザーを確認すると・・・マザーの拡張ボードにテレビ基盤がささっており、その下にボタン電池がついてました。
念のため、電圧を測ってみると・・・
本来3Vのところ、1Vしか出力されていません。
以前他社のデスクトップパソコンでも、C-MOSバックアップ用のボタン電池の消耗で起動しなくなった事例がありましたので、新品のボタン電池に交換してみました。
とりあえずHDDの接続を外したままで、電源スイッチを入れると・・・無事に電源が入りました。
BIOSがリセットされてしまいましたので、時計を合わせ、BIOSをデフォルト設定にしてHDDを接続して、電源が入り正常にWindowsが起動することを確認しました。
その後シャットダウン・起動の繰り返し、負荷テストを行いましたが問題ありませんでした。
どうもC-MOSバックアップ用電池の消耗により全く電源が入らなかったようです。
デスクトップパソコンにボタン電池が入っているのは、意外に思うかもしれませんが、パソコンを最初に起動するときの情報を保持して読みだしています。
通常デスクトップパソコンの場合、パソコンの電源を切っていても、コンセントにつないであればわずかですが通電していて、BIOS情報をC-MOSに保持しています。
しかしコンセントを抜いてしまった場合は、ボタン電池でBIOS情報を保持しています。コンセントを抜いている期間が長時間になると、ボタン電池も速く消耗してしまい、今回のように完全に消耗してしまうと、コンセントにさしていても、起動時に情報を読めないみたいです。
ただし、ボタン電池が消耗した場合のパソコンの挙動については、メーカーでもいろいろあるようで、バッテリーが消耗していることを表示してくれた上で、デフォルトの設定で起動したり、ビープ音が複数回なったりすることもあります。
とりあえず、電源ユニットの故障でなくてよかったですね。
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