マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

『日本でいちばん大切にしたい会社』を読んで

2010年10月24日 | 信濃紀行

 かって『日本でいちばん大切にしたい会社』(著者:坂本光司 出版社:あさ出版)を読み、大きな感動を受けました。第一義的に会社の業績拡大を目指すのではなく、従業員やその家族、更には下請けをも大切に考え、地域や社会に役立ちその活性化をも目指す”志高き”会社。その結果として消費者の満足を得ようと志向する会社を紹介する本です。最初に出版された本では、「日本理化学工業」「伊那食品工業」「中村プレス」「柳月」「杉山フルーツ」の5社が紹介されていました。その後「その2」も発刊されました。

 因みに「日本理化学工業」は神奈川県川崎市にある”粉の飛ばないチョーク”を製造する会社で、従業員の7割が知的障害者です。「柳月」は北海道河東郡音更にあり、地元からもこよなく愛される菓子製造メーカーで創業63年になります。「中村プレス」は義肢装具とメディカルアート製品の開発・販売を行う会社。そして「伊那食品工業」は伊那市にあり、”かんてんぱぱ”で名高い、寒天を主原料とした食品製造会社です。「フルーツ杉山」は静岡県富士市のさびれた商店街に輝くフルーツ小売店です。

 本の冒頭の話に引き込まれました。
 今を去る昭和34年の事です。養護学校の先生が「日本理化学工業」を訪れ障害を持つ生徒の採用を願います。悩んだ末、社長大山泰弘氏(当時は専務)は採用を断ります。再三の依頼をも断られた先生は諦めきれず「せめて1週間、この子達に働く喜びを体験させてください」と、頭を地面にこすりつける様に懇願したそうです。その願いに負けて大山専務は就業体験を認めます。
 1週間の体験が終わろうとした前日、10数名の社員が大山さんを取り囲んで「あの子達を正社員として採用してあげて下さい。私達みんなであの子達をカバーします」と。社員みんなの心を動かすほど、その子達は一心不乱に働いたのだそうです。採用後幾曲折を経ますが彼女達は生産ラインの一翼を担うようになります。
 伝説的に語られるこの話をきっかけに、この会社は積極的に障害者を採用し続けることになり現在に至っています。
 
 これらの会社を何時かは訪れたいと思っていました。「柳月」へは昨年の北海道帯広旅行の折に立ち寄りました。噂に違わず、店員さん達の心のこもった接客態度に接し、絶品と称される安くて実に美味しいケーキの幾つかを食し、深い満足を味わいました。
 「伊那食品工業」(=かんてんぱぱ)を訪れたのは2年前。信州宮田村へ林檎狩に出掛けた際に訪れました。広大な敷地の中に工場やレストランはじめ商品販売店や”かんてんぱぱホール”と名づけられたミュージアムなどが点在していました。その日は時間があまり取れなかったので、販売店とレストランのみへ。レストランでは寒天を主原料とした低カロリーのメニューが何点も用意されていて、ダイエットが気になり始めていた私には嬉しい限りでした。
(この項 続く)
 


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