マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

「ぶんぶんけんけんの会」へ

2018年08月17日 | 映画・美術・芝居・落語

 私が三遊亭兼好を贔屓にしていることを知っている方から落語のチケットを頂いていて、8月11日(土)に「座・高円寺2」に聴きに行った。出演の橘家文蔵と三遊亭兼好からのネイミングだろうが「ぶんぶんけんけんの会」とは常設の会ではないらしく、即席に名付けたものらしかった。
 高円寺は通過することはあっても訪れるのは久し振りの事。下車後、線路沿いに新宿方向に4・5分戻るとコンパクトに感じられる建物が造られていて、その地下2階がこの日の会場だった。250ほどの客席は開演時にはほぼ満席。ここには他に「座・高円寺1」も「阿波踊りホール」もあるらしい。(写真:「座・高円寺2」の客席)
 配布されたパンフレットには「見た目、性格、生き方、何かと違うふたりですが、ふたりを並べると、学校、体育会、職人、会社、刑事ドラマ、盛り場、裏社会、動物園・・・。色んな処にいそうな先輩後輩のように見えてきます。この「先輩後輩感」が、どんなふうに会を彩るのか、それをじんわりと感じて頂くのが、この会の趣旨のひとつです」とあった。







 兼好との出会いは彼が好二郎を名乗っていた10数年前のこと。3年前には地域活動センターで彼に語って貰った。文蔵の噺は「宮元落語」で、毎年の様に聞いていて、今年もやはり地域活動センターの最前列で聴いた。その風貌印象からして、“何かと違うふたりで、先輩後輩に見えてきます”には「そうだよな」と思えた。
 文蔵は重厚で太目で豪快な親分肌に見える。一方の兼好は軽妙で細めで実直な番頭風(失礼)。
 ふたりのプロフィールは
 文蔵、1986年入門 現在56歳 独り身 酒好き 
 兼好 1998年入門 現在48歳 妻子あり 下戸
 とあり、文蔵が8年先輩。
 さてその二人が語る前には「ぶんけんトーク」があった。ふたりに語ってもらいたいテーマを書いた紙切れが数枚入っている箱が置かれていて、まずは先輩文蔵が一枚引いた。最初に引いたテーマは“前科”。「え」と驚くふたりに、兼好が「師匠、前科はないですか」と尋ねると「無い!」と文蔵は答える。「そうですかねえ」と不思議がる兼好に「逮捕歴はあるが前科は無い」と答える文蔵。ホントかウソかは知らないが、賭博で御用となったことはあったのだ。買うはいざ知らず飲み・打つが似合うのが文蔵。

 二枚目は兼好が引いて“スポーツ”。「学生時代何かスポーツやってた?」と聞く文蔵に「ラグビーやっていました。周りは適当にやっているのに、私ひとり入れ込んでやっていました」と兼好。スポーツ青年だったんだ。兼好らしいな。どんな場面で出会っても先輩後輩の関係となるだろうふたり、よ~く分かるトークでした。
 どちらが先に語るかはジャンケンで決めた。兼好が勝って前座は文蔵で、その後が兼好。仲入り後は入れ替わって、兼好・文蔵と続いた。
 文蔵 持参金
 兼好 一眼国
 仲入り
 兼好 悋気の独楽
 文蔵 らくだ
 文蔵の「持参金」以外は聴いたことがあった。文蔵の「らくだ」は最初は脅かされていた屑屋が酒が入って来て逆に脅し始める話。脅しの場面は文蔵ならではの凄みが出ていた。兼好の「一眼国」では夜店に張られたテント中の場面。兼好の表情豊かな演技が秀逸。
 違いの多い二人だが、文蔵の大師匠も兼好の大師匠も八代目林家正蔵(彦六)という共通項があった。

 実は落語も講演も肝心な部分が聞き取れず難儀をしていた。耳に当てる集音器具などないかと探し求めていたが、そんなものは販売されていない。補聴器販売店で聴力検査後に補聴器を借りて現在試用中。実に快適に話しが聴ける。落語もそうだった。聴いた落語家の実力もあったのだろうが、補聴器の効果絶大で以前の様に落語が実に楽しく聴けて、補聴器の購買を考え始めている。