栃木県はが郡の

陶工のつぶやき

素焼きについて、ちょっと専門的ですが

2022-08-13 16:49:42 | 陶芸
今日は素焼き出し

前にも書いたような気がしますが

800度で一度焼きます

これを素焼きと言いまして

釉薬をかける準備となります

素焼きの温度は人や土によって600度くらいの時もありますし

色々です

通常釉薬は水に溶かしてありますので

粘土で成型して乾いた状態のまま釉薬に入れると

崩れてしまいます

それで崩れないように軽く素焼きをすることになります

よく植木鉢などで釉薬を掛けていない物を素焼きと言うことがありますが

あれは焼締めと言うのが正しいと思います

形が崩れず、釉薬に入れた時水を吸い込んでくれる状態が良いわけです

800度くらいで焼くと結構固くなって、それでいて水をかけると

急速に吸い込んでくれます

濡れた手で掴むと吸い付くくらいです

びっくりするくらい水を吸い込むので

どこにこの水は行くのだろうと思います

器の中にブラックホールが有るのかと思うくらいですが

実際は

目に見えないくらいのスポンジの様な状態になっているので

そこに入っていくものだと思われます

ワカメを水で戻すと10倍くらいに増えますが

粘土は外形は変わらず中に取り込むようです

なので

釉薬掛けをした作品を本焼きの窯に入れ

温度を上げていくと

物凄い蒸気が出ます

同様に素焼きの時も蒸気が出ます

新しい電気の窯で素焼きをすると

この蒸気で中のヒーターが漏電状態になって止まってしまうと

聞いたことがありますが、私は経験がありません

話が戻りますが

素焼き素地は乾燥した上に焼かれて

喉カラカラ状態で

水を吸いたいのですが

陶芸の作者は

「ほれほれ、水をお飲みなさい。」

と言いつつ実は釉薬を吸い付かせているという

巧みな技を使っているわけなんですねえ

この時

釉薬の中に少し粘土分が入っていると

しっかりくっついてくれて作業がしやすくなります

絵の具に糊分が入ってないと

乾いた時に落ちてしまうのと似ています

しかし粘土分が多すぎると釉薬が縮んでしまって

素地から剥がれる事があります

素地に気づかれない程度に混ぜて飲ませるという

悪人のような(それほどでもなかろうが)ことをするわけですなあ

話がおかしな方向に行きそうなので

本日はここまで







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