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コスタリカの三大妖怪

2021-01-20 17:07:00 | コスタリカ
 コスタリカには妖怪や幽霊話が多数あるが、三大妖怪といってもいいのは、ジョローナ(La Llorona、泣き女)とラ・セグア(La Cegua、馬の妖怪)とカデホス(Cadejos、狼のような獣)である。
 
 この絵はコスタリカの新聞“La Nación"(英 The Nation)に掲載された小学校6年生の児童の絵である。三大妖怪が一堂に会しているが、桃太郎、金太郎、浦島太郎が一堂に会しているのと同じようなものである。ほのぼのとしたタッチの絵であるが、実際は、ほのぼのからは程遠い。
 まず、ラ・セグアから始めよう。
 Cegua とつづられるのが一般的なようだが、Segua というつづりもある(発音は同じ)。Tsegua と書かれることもあるが、これだと「ツェグア」と発音される。
 馬の妖怪だが、美女の顔が馬に変わって、男を驚かせる。
 スペイン語では馬といっても、性別や年齢のよって呼び方が違う。
 オスは caballo(カバージョ)、メスは yegua(ジェグア)、子馬は potro (ポトロ)である。
 妖怪 La Cegua は元が美女なので、牝馬(yegua)に変わるわけである。
 yegua という言葉はラテン語 equus の女性形が変化したもので、男性形は yeguo になってもよさそうなものである。
 caballo はもともとは、馬は馬でも「駄馬」の意味だったらしい。caballo に乗る人が caballero(カバジェロ)で、「騎士」という意味にもなり、現代では「紳士」という意味にもなって、日常的に使われている。本来は「駄馬乗り」だから、あまりありがたい言葉ではないはずなのだが。
 caballero の英語形は cavalier であるが、その派生語 cavalry は西部劇でお馴染みの「騎兵隊」である。caballero のフランス語形は chevalier で名優モーリス・シュバリエの姓になっている。スペイン語形 caballero も姓として用いられている。
 子馬 potro を姓の一部として使っているテニス選手もいる。フアン・マルティン・デル・ポトロ(Del Potro)選手である。
 さて、ラ・セグアは美女の姿をして夜一人で歩いている。それを見かけた男が馬に乗せてやるのだが、ふと女の顔を見ると馬の顔になっているというわけである。
   
 上の絵は物語に忠実に描かれていると言えよう。
 
 セクシーなラ・セグアの絵や写真もある。これぐらいなら、お付き合いしても構わないか。
 ラ・セグアについてはウィキペディア“Cegua”に詳しく書かれているが、コスタリカだけではなく、メキシコから中米にかけての伝説のようである。もちろん、いろんなバリエーションがある。
 You Tube ではアニメも見られるので、ご紹介しよう。スペイン語だが、ストーリーは理解できるだろう。
 “La leyenda de la Cegua (Costa Rica)
 

  
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