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NPO法人「ドネーションシップわかちあい」事務局ブログです

孤独で死ぬってどういうこと?:ミンダナオ子ども図書館だより

2015-10-26 09:58:42 | ドネーションシップ
※ドネで応援させていただいてる
フィリピンミンダナオの子ども図書館のたより
メールニュースを紹介します。

◆ミンダナオ子ども図書館だより
http://www.edit.ne.jp/~mindanao/mindanews

本当にごぶさたしています。
しばらく途切れていましたが、またメール通信再開しますね。
フェイスブックとも、連動させていきますね。

イスラムの奨学生、ノルジャナさんの手術の様子をあずささんが、
サイトに載せてくれました。
足に腫瘍が出来ていて歩くのつらかった少女です。
でもミンダナオ子ども図書館で手術した。
よかった、よかった、ノルジャナ。
本当に良い子です。
ぼくは、彼女の名前で、イスラムの湿原でワニの出てくる絵本を、
いまボンペレスさんの絵で作っているところ。
支援者の方々には、無料で英語タガログ語版を来年には送れると思いますよ。
医療は自由寄付(好きなときに好きなだけ)でまかなっていますが、
治す子たちは、年間140人に上ります。
http://www.edit.ne.jp/~mindanao/mindanews.htm

いま、全力で執筆をはじめています。
数年は、、次々に、絵本、児童文学、高学年の作品、大人向けも書いていきます。
一五年ぶりで、どっと出てきます。
執筆している文から、ほんの一部だけ、載せますね。
これは、彩文社から出る若者向きの本の予定。こうご期待!

(以下の文章、こちらで改行させてもらいました)
***********************

生きる力ってなんだろう

話がすこし横道にそれたけれども、
ミンダナオで何よりも魅力的なのは、子どもたちだろう。
現地の子どもたちは、確かに、
貧しくて学校にいけないような環境の子どもたちも多いのだけれど、
表情ゆたかで明るくて、なぜか生きる力にみちている。
 
生きる力ってなんだろう。
 
上のお姉ちゃんが下の子に、
「ねえ、そこのお店でお塩をかってきてちょうだい」
といえば、
たとえむちゅうで遊んでいるさいちゅうでも、
下の子はさっとたちあがり、明るい笑顔で、
「はい」
といって買いにでかける。
お姉ちゃんがいったことに、下の子たちは笑顔でこたえ、
ちっともいやな顔をしないのは驚きだ。

そのかわり、お姉ちゃんは、
きちんと下の子の世話をしてめんどうをみる。  
もちろん、お年寄りを一人孤独にほうっておくなど、考えられない。
妻のエープリルリンのおじいさんもおばあさんも、
当時まだ小学生だった彼女の膝のうえで亡くなった。

「自分の力できりぬけろ!」
という言葉への、現地の子どもたちの返答は、
「でも自分の力なんてたかがしれている、
 みんなでやるほうが、楽しいよ。」

「自分のことは自分でやれ!」
への返答は、
「一人で出来ないことなんて山ほどあるよ。
 みんなで力をあわせるほうが大事だよ。」

「日本では、自殺する人が多いんだよ。」
というと、子どもたちはびっくりしてさけんだ。
「なんで自殺するの?信じられない。
 あんな豊かな国なのに!
 死ぬなんて、もったいないよ。」

「孤独で死ぬんだよ。」
というとさらに驚く。
「孤独で死ぬってどういうこと?」

貧困のなかで家庭がいきづまったり、崩壊したり。
りふじんな戦闘で親を失った子の多い、
ミンダナオ子ども図書館の子どもたちにとって、
ゆたかでみちたりた日本は、
精神的にも安定した理想の国とうつっているようだ。 

ところが現実的には、
日本は、青少年の自殺率がひじょうに高いのでゆうめいだ。
しかも、遺書を残していない場合は、
自殺に数えられていないというので、
ほんとうの自殺の人数は、統計よりもはるかに多いといわれている。

なぜ日本では自殺が多いのだろうか。
原因はいろいろとあげられるだろうけれども、
疎外感からくる孤独もひとつの原因だろう。

その観点からみると、
たしかに、フィリピンは
孤独感をあまり感じさせない国かもしれない。
とくに孤独感を感じさせない場所は、
貧しい人々のすんでいる地域。

それにしてもフィリピンの若者たちが、
孤独で死ぬということの意味がわからないのはなぜかというと、
彼らが、孤独を知らないからではない。

ミンダナオ子ども図書館のおおくの若者や子どもたちは、
ときには孤独を感じている。
親を戦闘でうしなったり、
貧困のために、父親や母親がマニラや海外に出稼ぎにゆき
帰ってこないと思っていたら、
べつの人といっしょになっていたりして、
その結果、家庭が崩壊した子などがも多い。

それでも、彼らはいちおうにたくましく、
明るく生きていこうとするのはなぜだろうか。

「孤独だけれども、
 自分はのこされた母親や兄弟姉妹を助けるために、
 がんばって学校にいくの。」
 
「でも、さびしくない?」
「さびしいこともあるけれども、
 ここだったら友だちがいるからだいじょうぶ。」

なぜ、孤独で死なないのか、と聞くと、こう答えた。
「どこかで誰かが助けてくれるから!」
「ぼく、ストリートチルドレンになったときもあるけど、
 でもそんなときは、
 別のストリートチルドレンがやってきて言葉をかけてくれるんだ。
 ひとりじゃさびしいだろう、俺たちの仲間になれよ!」
 
 日本では、孤独な母子家庭がふえている、という話をすると、
「近くの人たちといっしょにすんで、
 いっしょに食べたらよいのに、なぜしないの?」

子どもの貧困がふええている、という話をすると、
「なぜ、親戚の家にすまないの?
 もしも、親戚の家がだめだったら、
 自分の家によんで、自分の子にしたらよいのに。
 MCLみたいに!」

こういった言葉が自然にポンポン飛びだしてくる。
とにかく大人たちが考えなくてはならないことは、
こうした子どもたちが、愛と友情のなかで、
素直に楽しく大人になっていけるような、
戦争や争いのない社会、
対立のない平和な世界をつくっていくことだろう。

でも、金持ちが天の国にはいるのは、
ラクダが針の穴をくぐるより難しいから、
先進国の人々が孤独からぬけだすためには、
貧しくても愛と友情にみちた、
ミンダナオの子たちのような人々に出会って、
孤独の闇から引きあげてもらうしかないのかもしれない?


松居友:ミンダナオ子ども図書館・館長  日本文芸家協会会員


ミンダナオ子ども図書館だより
http://www.edit.ne.jp/~mindanao/mindanews
ミンダナオ子ども図書館:日記
http://www.edit.ne.jp/~mindanao/mindanewsdaiary.html
松居友のフェイスブック
https://www.facebook.com/profile.php?id=100007513418343
支援者のいない子へGo! 
http://www.edit.ne.jp/~mindanao/scholorgo.html
ミンダナオ子ども図書館日本応援窓口:http://mcl-japan.jimdo.com

ミンダナオ子ども図書館は、読み聞かせを中心に、
スカラシップ、医療、保育所建設、植林を行っている現地NGOです


*************
※松居さんは今年5月のドネのわかちあい祭りにも参加して下さいました。
この10~11月と日本各地をまわって講演会や報告会を開催されています。
http://www.edit.ne.jp/~mindanao/lecturedaiary.html
皆さんにMCLの子どもたち、松居さんのお話に触れてほしいです。
(さき)

京都では下記お話会が実施されます
↓↓↓↓

▼11月1日
京都文教大学 14号館 14101教室
第1部10時半~
「ミンダナオの子どもたちと共に~ミンダナオ子ども図書館のあゆみ」
第2部 13:00~
「私の絵本体験~子どもの『こころ』と読み聞かせをめぐって~」

「絵本や昔話と子どものこころの世界。
 読み聞かせを通じた愛の体験。」

*主催/京都文教大学 
ミンダナオ国際交流グループ(MIA)

▼11月3日
京都市向島図書館 会議室
13:30~お話会
絵本作家・児童文学者  
松居 友さんを囲んで
*主催/京都市向島図書館
(075-622-7001)

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◆こちらもお知らせ◆
11/15「きょうと地域力アップおうえんフェア」ブース出展します
http://blog.goo.ne.jp/donationship/e/3f35ea02ec427bcd3fa7b672f910dc70
▼日時 2015年11月15日(日曜日) 午後1時~午後5時
▼会場 ゼスト御池地下街(京都市中京区河原町御池)
http://zestoike.com/?page_id=40
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