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NPO法人「ドネーションシップわかちあい」事務局ブログです

鏡と、鏡のかけらのこと

2011-09-29 16:29:07 | 会員日記
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◆昭和62年4月3日

今日は、○くんにある童話を教えてあげます。
アンデルセンの‘雪の女王‘という童話です。
これは7編から成っていますが、その中で1番印象に残る部分を。

鏡と、鏡のかけらのこと

あるところに、ひとりの悪い小人が妖魔がいました。
それは、妖魔の中でも一番悪い方のひとりでした。
つまり「悪魔」です。
ある日のこと、悪魔はたいそういいごきげんになっていました。
というのは、この悪魔は、
まことに不思議な力を持つ一枚の鏡を作ったからでした。

つまり、その鏡に良いものや美しいものがうつると、
たちまちそれが小さくなり、ほとんどなんにも見えなくなってしまうのです。
ところがその反対に、
役にたたないものとか、みにくいものなどは はっきりと大きくうつって、
しかもそれが、いっそうひどくなるというわけです。

たとえようもないほど美しい景色でも この鏡にうつったがさいご、
まるで煮詰めたホウレンソウみたいになってしまうのです。
どんなに良い人間でもみにくく見えてしまいます。
さもなければ、胴も無くなってさかさまにうつってしまうのです。
顔はすっかりゆがめられてしまって見分けることさえできません。

「こいつはとてつもなくおもしろいや。」と悪魔は言いました。
たとえばですよ、なにか信心が深い、
よい考えが人の心の中に起こってきたとしますね。
すると、鏡の中にはしかめっつらがあらわれてくるのです。

小人の悪魔は、妖魔学校の校長をしていましたが、
この学校に通っている生徒達は
みんな奇跡が起こったと言いふらしました。
そして、今こそはじめて、
世の中と人間の本当の姿が見られるのだ、と口々に言いました。

こうして、みんながその鏡をさかんに持ち歩いたものですから、
とうとうしまいには
その鏡にゆがんでうつらない国も、人間もなくなってしまいました。

そこで、今度は天までのぼっていって
天使や神様をからかってやろうととんでもないことを考えだしました。
みんなが、鏡を持って高くのぼっていくと、
鏡にうつるしかめっつらが ますますひどくなってきました。
そして、鏡をしっかり持っているのがやっとになりました。

みんなは それでもかまわず、ずんずんのぼっていって
だんだん神様と天使のところに近づきました。
が、その時 鏡はしかめっつらをしながら、おそろしくふるえだしました。
そのため、とうとうみんなの手から離れて、地上に落っこちてしまいました。
そして、何千万、何億万、
いやいやもっとたくさんの細かいかけらにくだけてしまいました。
こうして、今までよりも もっと大きな不幸を
世の中に撒き散らすことになったのです。

というのは、くだけ散ったかけらの中には、
やっと砂粒ぐらいの大きさしかないのも いくつかあったからです。
こういうかけらは、広い世の中に飛び散りました。
そして、それが人間の目の中に入ると、そこにいすわってしまうのです。
そうすると、その人の目は何もかもアベコベに見たり、
でなければ物の悪いところばかりを見てしまうようになるのです。

なにしろ一つ一つの、ほんの小さな鏡のかけらでも
鏡全体と同じ力を持っているのですからね。
小さな鏡のかけらは、幾人かの人たちの心の中にさえ入り込みました。
しかし、そうなると本当におそろしいことです。
その人の心は、ひとかたまりの氷のようになってしまうのです。
また、鏡のかけらの中には 窓ガラスに使われるくらい大きいのもありました。
けれども、この窓から友達を見ようとしたところで、
そんなことはとても無理な話です。

それからめがねになったかけらもあります。
けれども、このめがねをかければ 物を正しく見たり、
ふるまったりすることはとうていできません。
これを見た悪魔は、笑い転げて、
もう少しでおなかが破裂してしまいそうになりました。

愉快でたまりませんでした。
               次の章へ


これって悲しいお話ですね。まったく。
最初これを読んだとき「う~~ん」とうなってしまいました。
こうゆうことに気付かずに生きている人がたくさんいて、
気付いていても人の力ではどうしようもなくて・・・・
みんなに気付いてもらいたいと思う。気付くだけでも・・・

S62、4・3  FROM M

24年前に遠距離恋愛をしていた とうちゃんに送った手紙です。



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1 コメント

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みにくさ (iina)
2012-02-22 09:39:27
「人の顔は見る者の価値観によって美しくも醜くも見える」

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