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NPO法人「ドネーションシップわかちあい」事務局ブログです

法然院 ~パレスチナとシリアの子どもたちのために

2014-07-01 10:21:13 | ドネーションシップ
※会員ページ(SNS)の日記より、報告です。

◆法然院 ~パレスチナとシリアの子どもたちのために

京都、「哲学の道」近くにある法然院へ行ってきました。
NPO法人「パレスチナ子どものキャンペーン」さんの、お話と音楽のつどい
「パレスチナとシリアの子どもたちのために」 が法然院であったのです。

京都に長年住んでいながら、法然院へ行くのは初めてです。
法然院は古いお寺で、庭も大きくって、爽やかな風が吹き抜けるなか、
アラブ音楽のコンサートと、レバノン・ガザの現地報告でした。
アラブ音楽の演奏は、常味裕司さんら8人のミュージシャン。
レバノン・ガザの現地報告では、
「パレスチナ子どものキャンペーン」事務局の田中さん、レバノン駐在員のMさん、
エルサレムとガザ駐在員のNさんが、お話をしてくださいました。
以下、ちょっと報告です。


★アラブ音楽のコンサート★
アラブ音楽は、ウード(琵琶のような弦楽器)・
カヌーン(琴のようなピアノの原型楽器)・ダルブッカ(太鼓)・
レック(タンバリン)・バイオリンという編成で、
古典音楽から、ポピュラーなものまで、
エスニックなアラブの空気を感じさせてもらいました。

古典的なアラブ音楽はリズムが10拍子だったりして、
とてもスケールの大きなもので、アラブ民族の歴史や民族性を感じました。
アラブ音楽はこんな感じでした →https://www.youtube.com/watch?v=BG5iKvynGpA



★シリア危機の中のパレスチナ難民★
この日頂いた資料の写真を見て、ショックを受けました。
この写真は、シリア国内最大のパレスチナ難民キャンプ、
ヤルムークキャンプで撮られたものです。(unrwa.org提供)
今年2014年の3月、
国連の緊急食糧支援物資を運ぶトラック隊が到着した時に、
その物資を受取るために集まってきた
パレスチナ難民の人たちを写したものだそうです。
シリアの内戦で爆撃され、破壊され尽くした町並みの中に、
どこかに隠れていた人たちが波のように押し寄せ、
集まってきた大変厳しい状況を伝えています。
このヤルムークキャンプでは、今もまだ避難もできずにいる人たちが
1万人ちかくおられるそうで、悲惨な状況に言葉を失います。


★シリア避難民支援活動の報告★ 
~~レバノン駐在員の南さんのお話より~~
今回、シリアから逃れてレバノンに来た人は、100万人を超えている。
レバノンは、その面積が岐阜県ほどの小さな国で、
人口が440万人なのに、そこに100万人以上が流入しきたので、
約5人に一人がシリアからの難民ということになる。

レバノン国内には、12のパレスチナ難民キャンプがあり、
1948年から60年以上にわたって、
約4万人のパレスチナ難民が暮らしてきた。
そのキャンプに、今回のシリアを逃れて
「シリアのパレスチナ難民」や「シリア人」も避難してきた。
もともと小さく狭い難民キャンプに、
新たにたくさんの難民が入ってきて、住む家も部屋もない。
ガレージやお墓、プールサイトなどに、
トタンの小屋を建てて住んでいる方もおられる。

難民の大変さはそれだけではない。
レバノンは驚くほど物価が高く(日本の都市部よりも高い)
食糧の確保もままならない。
また、レバノンではパレスチナ人は市民権が無い(人権が認められていない)ので、
仕事も日雇い労働などに限られるが、その仕事すらなかなか見つからない。
医療保険も受けられない上に医療費は高額で、
病気の人は山ほどおられるが、病院へ行けない。
国連のサポートもあるが、高度な医療までは受けられないし、
重い病気になっても治療も手術も受けられずに、
そのまま命を落とす人たちもいる。

今のレバノンでは、
「レバノン人」と、「レバノンに住んでいたパレスチナ難民」と、
そこに加えて今回避難してきた「シリア人」や「シリアのパレスチナ難民」などが、
狭いところに無理に暮らすことになった。
そのため、残念ながら一部では、その人たちの間で軋轢が生じているのも事実。
「レバノン人」にすれば、
豊かな国なのにたくさんの人が押し寄せて物価も上がって迷惑だと。
「レバノンに住んでいたパレスチナ難民」からすれば、
自分たちは生まれたときから差別の中で厳しい暮らしをしてきたのに、
「シリア人」や「シリアのパレスチナ難民」は
昨日までシリアで贅沢に暮らしてきたではないか、と。
悲しいことだが、それぞれが生きにくい状況のなかで、
なんとか暮らしていかなければならないのが現実だ。

先の見えない苦しさの中にあっても、「私たちはあなたを見捨てない。
一緒にやっていこう」と言ってくれる団体や人と出会った時、
彼らが「またがんばろう」と思える
たくましさ(大人も子どもたちも)と強さには心をうたれる。


★レバノンでの活動★ 
~~2013年4月から、現在実施中~~
①物資配布 (約1500世帯の生活を改善)
②幼稚園・学童クラブへの受け入れ、学習支援、心理サポート
 (約4000人の子どもが参加)
③医療支援 (1万人以上が歯科、産婦人科、精神科を受診)
④女性のエンパワーメント (700人以上の母親と若い女性の参加)


★シードラちゃんの話★
 ~~シリアから来た7歳のパレスチナ難民の女の子シードラちゃん。
彼女はシリアで爆撃に会い、全身に大けがを負っていました。
指が折れ曲がってしまい、膝の骨が折れ、
足にも大きな傷が残ってまっすぐ歩けず、痛みが伴う状態。
大けがをした3日後、実家に行くと言って出かけたお父さんは行方不明。
母子は父親の帰りをシリアで待っていましたが、爆撃が続き、
後ろ髪を引かれる思いでシリアを後に、レバノンに避難。~~~
レバノンでそのシードラちゃんと出会い、
UNHCRと連携サポートして、手術・リハビリなどを支援したお話が、
映像をまじえて報告されました。
最後には、ベイルートのマラソン大会に参加できるまでに
回復した、嬉しい映像もありました。

詳しくは、会報「サラーム」より、「シードラちゃんのこと」 
→ http://ccp-ngo.jp/salam/1309syria1.pdf


■ 僕は「パレスチナ子どものキャンペーン」さんの
イベントに参加させてもらうのは、今回が初めてでした。

実際に現地で活動されている駐在員の方々の話を直接聞けて、
現地の大変さが身にせまるものがあります。
現場では、単なる物資の支援だけではなく、
今相手にとって本当に必要なサポートや、
相手の「これから」に必要なサポートをしておられること。
「私たちはあなたを見捨てない。一緒にやっていこう」
という気持ちで続けておられることを、強く感じました。
貴重なお話を聞かせてもらえたと同時に、
ともすれば危険を伴う現地での活動を引き受けてくださっている
駐在員の方々がおられるおかげで、私たちもこうしてパレスチナの人たちとの
つながりを持つことができているのだと、あらためて感謝です。
ドネを通じて今回、「シリア避難民支援」に「わかちあい」ができて、よかったです。


ドネの「運営事務局ブログ」より、
「シリア避難民支援活動の報告」 
http://blog.goo.ne.jp/donationship/e/75172423042057562379b2343e3167d2
( 私たちの会費が、「わかちあい」として、現地で使っていただけた内容です )


■エルサレムとガザに駐在されている中村さんが、
ガザでの支援活動の報告をしてくださいました。
こちらも厳しい状況ですが、これはまたの機会に紹介させていただきたいと思います。
日本では報道されていませんが、
今もガザでは時々イスラエルのよる空爆が続いているそうで、
Nさんにはどうかご無事にと願わずにはいられませんでした。


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