「困った時はお互い様」    

NPO法人「ドネーションシップわかちあい」事務局ブログです

山科醍醐こどもひろば ~お話会~

2016-12-30 14:03:47 | ドネーションシップ
※山科醍醐こどもひろば
http://www.kodohiro.com/childhood/main.html

昨年子どもの貧困をテーマに実施したドネの寄付先のひとつです
地域で30年以上にわたって活動を続けてこられ、
子どもたちが直面する現実問題に向き合うなかで
こどもの貧困対策事業に取り組んでおられます
今年のわかちあい祭りにも参加して下さいました!
こどもの貧困について今後も考え続けていこうというということで
12/10ドネ会にゲストとしてお招きし
現場からの報告を聞かせていただきました。
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★「山科醍醐こどものひろば」お話会
「山科醍醐こどものひろばの活動や、子どもの貧困の現状について」



▼品田さん(事務局長)から、
山科醍醐こどものひろばの活動についてのお話。


○山科醍醐こどものひろばの目標は、地域に住むすべてのこどもたちが、心豊かに成長することを目指して、社会環境や文化環境を一緒に作っていくことです。「この地域に住んでいてよかったよね」と言えるような環境を、こどもたちと一緒に作っていくことです。

○山科醍醐親子劇場という場が前身団体で、それも含めて36年間活動しています。

○多くのボランティアさん(年間150~200名)に支えられての活動で、ボランティアさんの7~8割が学生さんです。

○36年間と長い活動のなかで、かつてそこに通っていた少年(利用者)が、今はこの活動の中心を担っていたりして、世代を越えて様々なつながりのなかで活動が支えられ、地域的にも広がりを見せています。

○もともとこどもの貧困対策が目的ではなく、0~3歳の子育て支援事業や、こどもの野外活動や、物作り活動や、こどもの創作劇など、こどもの健全育成をやっていました。
そのなかで、それ以前にスタートラインにさえ立てないこどもたちが出てきたことから、こどもの貧困対策事業を始めることになりました。不登校になった、家庭の事情で参加費が払えない、というこどもが会員さんのなかからでてきたことで、そのこどもの「困った」を一緒に解決していこうとしてきた、ということです。

○こどもたち一人ひとりの「困った」に向き合うなかで、一緒に勉強をみたり、一緒にご飯を食べたり、一緒にお風呂に行ったり、寝泊りしたり、一緒にどこかに出かけたり…。 多くのこどもさんが経験できているであろうこと(クリスマスにプレゼントがもらえたり、ハロウィンを楽しめたり、夏にはキャンプに行ったり)をボランティアや職員が支援しているのが、こどもの貧困対策の大きな流れです。

○先日もうちに来ているあるこどもから電話がりました。「今日、やってる?」と。 家庭がしんどいこどもや、学校にも居場所がないこどもにとっては、ボランティアさんと一緒に勉強したり(あまり勉強しないが…笑)、一緒にご飯を食べたり、ということが気持ちを少し柔らかくしたり、楽しみだったりすることが、その電話一本からもよくわかります。


▼村井さん(理事長)から、
子どもの貧困の現状についてのお話


○日本全体で貧困が問題になっているなかで、学者のなかには今の日本の「一人あたりのGDP」(世界で27位)からすると改善すればもっとよくなれると期待する人もいますが、私たちは半径5メートル以内の人たちがいかに幸せになれるか、いかに笑顔になれるかということも大事だと思う。
お金をどう増やし、それをどう分かちあうかという面とは別に、これからの世界は「お金の分配」ということだけではなくて、生き方や価値とか、人生をどう分かちあうかといった人間関係資本のような、「財」というものを幅広くとらえたなかで、それをどう分かちあうか、どう贈与していくのか、という社会像に変わっていくのではないでしょうか。

「子どもの貧困」を考えるうえでも、お金の面だけではなくて、これからの社会像をどう描き直していくのかということが、今の大人たちに課せられているのではないか。

○子どもの貧困が継続していくなかで、貧困で育ったこどもが大人になると、その「しんどい状態」が当たり前になっていく。世代がめぐるなかで、しんどいなかで出来ることが家庭の当たり前になっていき、どんどん当たり前の幅が狭くなっていく。一方で世の中ではお金を使う文化が広がるなかで「人とは違う」という乖離ができていく。そして当たり前の幅が狭まるなかで所得が減り、住む地域も変わっていく。家賃が安い地域に移動していく。

都市部などでは、中心部には一定の所得のある人たちが残り、周辺部や公営住宅に低所得者が集まりやすくなる。周辺部の人たちのしんどい状態は、中心部の人たちには見えないし知らない。そうした中心部の人たちがエリート官僚になっても、貧困の現実にはリアリティーがわかないし、対策も緩慢になる。

○こども食堂は「食べる」という目に見える形をともなうことから、子どもの貧困問題を大衆化する点では、大きな役割をはたしています。全国的にこども食堂が爆発的に増えているなかで、トラブルを抱えるところや、つまずいているところもでてきている。

多くの子ども食堂でできているのは、食事の提供と学習支援だといえる。大阪のCPAOさんのように、その子どもと家庭が抱えている問題を全部受け止めてまるごと解決しようとするスキルのある人材はほとんど育っていないし、肝心のところには踏み込めていないといえる。そうしたスキルのある人を育成する制度もなければ運営を経済的に支える仕組みも無いのが現状です。

○向島での取り組みのように、地域型の「エリアを絞って子どもから大人まで」を対象にした活動も今後増えてくるのではないかと思います。子ども食堂をやるなかで、地域の問題も見えてきて独居高齢者も含めた「大人食堂」の必要性もでてきている。

○「貧困」とは「お金が無い」と「困っている」の二つの状態です。お金のことだけを解消しても、そこから派生した「困っている」は残ります。それは孤立であったり、人間関係の不信であったりですが、そうした両面に対する支援が大切です。「困っている」の背景を見ていって、そこにある制度の不備まで掘り下げて、そこの改善を求めていくところまでいかないと、貧困対策とは言えない。

○私たちは学校や家庭とは違う言葉かけやコミュニケーションを大切にしています。もしも70点のこどもがいたなら、学校や家庭ではあと30点取れなかったことを問題にしがちになっています。自分にとっては表現しきれない部分ばかりに注目されると、その子たちは「大人は自分の姿を見てくれないんだ」となってしまいます。
私たちはゼロから積み上げてきて70点取れたことを喜んでいく。そしてそこから何処へ向かって行くかを一緒に考えます。地域の持つ機能のなかで、いろんなコミュニケーションを体験してほしいと願っています。

▼質問に答えて
○こども食堂の抱える問題点について
~~~実際に運営してみると、思っていたほど子どもが集まらなかったり、意外と問題を抱えている子が少なかったりする場合もるようです。そして実際に深刻な問題を抱えた子が来ると、あまりにハード過ぎて対応しきれないケースもあるようです。最初に肩すかしを食らって、本命が来たら面食らうという状況です。また、頑張り過ぎて息切れしてしまうような状況もあるようです。

また、「ご飯を作るくらいなら自分たちにもできる」というところから初めて、月に1回の食事提供という場もありますが、それはやはり「大人のペース」であって、「子どものニーズ」にはなっていないし、月に1回では貧困対策とはならないと思います。逆に週に1回くらいの方が、運営する側もモチベーションが保ちやすいと思います。

○貧困を生み出さない社会をどう作っていくかという視点について
お金の面では、教育費や住宅費などの制度として国に対して声を上げていく必要があるし、そこでは現場での視点が役立つこともあると思います。一方で働きたいと思っても、中卒や高校中退などで学力や社会スキルにハンディがあると、なかなか安定して働けないし、リタイヤしてまたしんどくなっていく。
地域や企業さんにも受けとめの理解が必要ですし、街の主役が誰になっていくのかというといきに、その主役たちが働ける場を、もう一度街の人たちと創出していく必要があると思います。
また、支援をしている団体が仕事を提供していくことも一つの可能性として考えています。





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