A Day in The Life

主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

塚口サンサン劇場「WAR!!」見てきました!

2023-02-23 23:51:35 | 映画感想
 1週間限定の映画は気がついたら上映期間が終わってるので、毎週木曜日は滑り込みセーフの日となっています。
 というわけで、今回見てきたのはこれ!
 
 
 「バンバン!」で全世界を魅了するリティク・ローシャン主演の本作、以前塚口で上映されていたときは見逃してしまっていたので今回は滑り込みで見ることにしました。
 ちなみにわたくし人形使いのリティク氏に対する第一印象は「どんな長さの股下なのこの人」でした。足が身長の半分以上占めてるよねこの人。
 さて感想なんですが、今まで見てきたインド映画とはまた毛色の違った作品で楽しめました。「バーフバリ」や「RRR」とはまた違う近代的なアクション映画で、まさに「インド版007」といった感じ。
 そして塚口で見るとなれば音響に言及しないわけにはいきません。本作のBGMは全体的に重低音メインのものが多いんですが、それを塚口4番シアターで聞くとなるともう空気の振動すら感じられるほどの重低音が楽しめます。
 内容も、極秘任務! 仲間の裏切り! 錯綜する情報! アクション! カーチェイス! 爆発! ロマンス! カウントダウン! といったこの手のアクション映画に必要な食材を一通り揃えて、さらにインド映画の味付けをしたまさに特盛幕の内弁当と言える充実の内容でした。
 充実の内容といえば、OPからつながる現在パートだけでなく、主人公であるカビールとその部下ハーリドの過去パートにもしっかり時間を割いて、必要な情報をセリフや回想シーンだけにとどまらず一連のシークエンスとして完成させていたのが驚きでした。
 本作の上映時間は153分と3時間には満たない時間ではありますが、それでも一般的な映画に比べたら長丁場です。……ですよね? なんかもう最近は上映時間2時間越え当たり前の作品ばっかり見てるのでなにが「一般的な映画」なのかわからなくなってきた……。
 時間の余裕があるっていうのは仕事でも原稿でも映画でも本当に大切なことだと痛切に理解するのでした。
 この過去編もまた、カビールとハーリドの初対面からチームに入って部下として戦場を駆け抜けてきたパートと、そんなカビールがなぜハーリドを裏切ることになったかというパートの2つが用意されています。こうした過去編も単なる説明パートでは終わらず、しっかりストーリーとふたりの関係性を見せつつもアクション満載で楽しませてくれました。さらにはインド映画で忘れてはいけないダンスシーンにもばっちり尺を取っておりそっちも楽しめました。
 このダンスシーンがまた最高なんだわ。カビールもハーリドも軍人だし、そもそも本作自体けっこう重めの展開なのでどのキャラもあんまりはしゃいだり陽気な振る舞いをしたりはしないんですが、このダンスシーンだけはふたりとも羽目を外して思い切り楽しんでたのが印象的でした。しかもこのシーン、カービルがハーリドの右目に障害があることを理由に一度はチームから外そうとしたものの、ハーリドの思いを理解したカービルが彼を正式にチームに迎え入れたあとのシーンなんです。
 インド映画のダンスシーンはしばしばさまざまなイメージとして描かれますが、このダンスシーンは「あくまでストイックなやり取りに終始していたふたりも、心のなかではこれくらいはしゃぎたいくらい嬉しいんだよ!」というイメージに思えました。
 ……ですがすでに冒頭で視聴者には、このふたりの関係は裏切りによって破綻することが示されているんですよね。それを考えるとこのダンスシーンが賑やかでアッパーであればあるほど辛い……辛すぎる……。
 わあい確定している破綻の前のひとときのやすらぎ! ぼく確定している破綻の前のひとときのやすらぎ大好き!!(ヤケクソ)
 ストーリーの焦点は当然「カビールの裏切りの理由」に向かっていくわけですが、それを追うハーリドの表情が怒りよりも悲しみに寄っているのが、カビールとの信頼関係がどれほど深いものだったかを表現してるわけですよ。
 いわゆる「完成した人間」であるカビールに対し、ハーリドはしばしば未熟な、ともすれば少年のような表情を見せるのが印象的。特に右目の障害を見抜かれてチームからの脱退を告げられたときの表情がまさに「捨てられた子犬」の表情で胸が締め付けられるんだよな……。
 しかしながら、「RRR」がそうであったようにこうした裏切りとすれ違いのあとには、裏切りの理由を理解したハーリドとカービルの共闘が待っているはず!
 実際カービルとハーリドの共闘シーンはアクション自体も素晴らしかったし、清く正しいおとこのこなら誰もが大好きな「互いのことを理解しきっているコンビによる見事なコンビネーション」による戦闘シーンになってて、「こ……これだよ顧客が求めていたものは!!」となっておりました。
 しかし終盤で明かされる衝撃の事実! 実はこの時点のハーリドは序盤で裏切り元として死んでいたはずのソーラブが整形手術で顔を変えて彼になりすましていたのです!
 わたくし人形使いは賢いのですでにこの時点で先の展開が読めてました。これはラストバトルのにせハーリドとカービルとの戦いでカーリドが絶体絶命のピンチに実は生きていた本物のハーリドが助けに来る展開ですよ! 進研ゼミで見たやつだ!
 本物のハーリドは本当に死んでました! なんでそんなヒドいことするの!?
 いやーこんな形でお約束外しが来るとは見抜けなかった、この海のリハクの目を持ってしても。いやそこは本物が助けに来るところでしょうよ……。
 でもまあ、そのおかげでラストバトル決着のシーンで、偽物とは知りつつも最後にハーリドの顔をひと目振り返らずにはいられなかったカービルのあのシーンがより引き立つとは頭ではわかっていても心が納得しない……悲しすぎる……。
 あとお約束外しと言えばあの流れで大佐が内通者じゃなかったってのも意外でした。あの流れなら100%大佐は裏切ってるだろ。
 そういう意外な展開でも度肝を抜いてくれる作品でした。
 あと今wiki見てて気づいたんですが、タイトルの「WAR!!」って「研究分析局(RAW)」をひっくり返したものだったりする?
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