A Day in The Life

主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

基本にして頂点。

2008-11-17 23:15:35 | 小説の書き方
アイザック・アシモフ著「われはロボット」を読んでいます。
いや、さすがの一言。
何がすごいかって、この本は短編集なんだが、すべての話がロボット3原則に立脚している点がまったくぶれていないこと、そして後半に行くほど倫理観への言及ややトリックを仕込んでいき、段階的に複雑になっていく点。
でも何よりもすごいのが、これだけ複雑な内容を極めて平易な文体で書き上げていること。
SFのイメージって言ったら真っ先に思い浮かぶが「難しそう」だろうけど、この作品は本当に分かりやすい。
だって作品の核となるロボット3原則からしてシンプルだもんな。
段階的に複雑になっていくあたりは、ドラえもんを思い出した。
ドラえもんは雑誌・小学1年生から小学6年生の6誌に同時に連載されていて、内容を低学年向けのものはひみつ道具の楽しさを強調したものに、高学年のものではのび太が調子に乗ってしっぺ返しを食らったりする、いわゆる「頭を使う」内容になってるんだそうな。
この作品もまさにそう。
あとこの作品、全部USロボット&機会人間株式会社のロボット心理学者、スーザン・キャルヴィン博士が新聞記者に過去の出来事を話すっていう形式なんだけどこういうのツボ。
あとパウエルとドノバン哀れすぎ伝説。なんか呪われてるだろこの二人。
読んでて思うんだが、人間とロボットを扱ったSFのネタってこの1冊に全部詰まってるよな……。
コメント
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