読書会

読書会の議事録

コロナ後の読書会の記録

2021-05-30 10:17:55 | Weblog

2020年1月頃から新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受け読書会はzoomを使用したオンライン読書会に切り替えしました。

以下に記録を記載します。

○5月18日(月)zoom読書会トライヤル(接続テスト)を実施し、各人がzoomで接続可能なことを確認しました。

○8月24日(月)『岩田さんー岩田聡はこんなことを話していた。』ほぼ日刊イトイ新聞 編

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書籍を購入しなくても、インターネットの無料公開部分を読んでいただき、開催いたしました。

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○11月27日(金)『認知症の母を支えて 103歳を元気に迎えるまでの工夫』石塚武美 著

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一部無料公開になっている部分を読んでいただき参加していただきました。
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石塚 武美|幻冬舎ゴールドライフオンライン

著者「石塚 武美」の紹介。毎日15本以上の記事をお届けする、市井(しせい)の人々が主役のWEBメディアです。掲載ジャンルは、論説、小説、仕事...

幻冬舎ゴールドライフオンライン

 


3月19日(金)東日本大震災10年目の節目を振り返る

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今回は、東日本大震災から10年という節目を振り返る意味を込め
いつもとは趣向の異なるやり方ですので、よろしくお願いいたします。

1.「Fukushima50」を観た感想


2.下記のユーチューブの26分12秒以降の30分「命を守る"姿勢"を育む~岩手県釜石市での防災教育」を観た感想

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片田敏孝「縺れを解き、災害文化を創出する」ー公開講座「縺れ」2018

東大TV( http://todai.tv/ )で公開中の一部のコンテンツをこちらのYouTubeチャンネルでもご覧いただけます。 ====...

youtube#video

 


5月29日(土)『リストラなしの「年輪経営」』塚越 寛 著

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初回に立ち戻り、19時半から21時は各人気になるところを1箇所ずつ発表。21時から30分ほど自由歓談時間を設けて実施しました。

○個人的な感想と振り返りの記事をnoteに二本投稿しました。(K)

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めちゃちゃ推しの本『年輪経営』で読書会を実施してみて|きよこ|note

先程、めちゃくちゃ推しの本で読書会を終えて、興奮冷めやらぬままに感想を書きます。 そもそも読書会は、2005年、尊敬する大先輩がご卒業さ...

note(ノート)

 

 

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コロナ後の読書会の振り返りから見えてくるもの|きよこ|note

昨日オンライン読書会を終えて、ふと2020年1月に新型コロナウィルス感染拡大以降の読書会の動きを時系列に振り返ってみました。 ...

note(ノート)

 

令和元年12月19日 第49回読書会

2020-01-26 19:03:35 | Weblog


令和元年12月19日 第49回

日 時:令和元年12月19日(木)18:30~
場 所:新橋
参加者:5名(Tさん、Oさん、Kさん、Sさん、Iさん、H)
推薦本:「機関車先生」伊集院 静 著

※印では、内容の補足と私見を付け加えさせていただいています。

・推薦者からの推薦理由
子どもと妻に薦められた。
子どもは、学校で課題図書になっていて読んだとのこと。

・では、Sさんから感想をどうぞ。


ある時は、校長の視点、ある時は先生の視点、ある時は素平の視点、ある時はヨウの視点といろいろな登場人物の視点で読めた。
作者が話したいことを登場人物に話させているなと思った。
あと、自分の子どもの頃もこういう先生はいて、教育実習の先生だった。
優しい先生だったのを覚えている。

O
話し言葉が広島に近いと思った。

H
この本に出てくる葉名島はモデルがあるのか調べたところ、山口県防府市の「野島」という島で、防府市出身の作者が小学3年の時に神経症を療養するために母親に連れてこられた島とのこと。


・では、続きましてIさんどうぞ


この本はメルヘンのようになるのか、どの年代の話なのかと思いながら読んだ。
感想は、読みやすかった。
自分の小さい時はどうだったかなと思いながら読んだ。

T
Iさんの小さい時はどうだったのか


今でも続いているが小学校では、灯ろう流しの思い出がある。
(この本では精霊流しと言っていた)

最後の場面は、感動は感動だったが物足りなかった。 
もう少し書いてもらいたかった。

H
それについては、私も同感です。
なにかあっけない終わりだった。

※「精霊流し」と「灯ろう流し」
両者とも先祖の霊を送る行事。
「灯ろう流し」は、死者の魂を弔って灯ろうやお盆の供え物を海や川に流す行事。
有名なものが、原爆によって亡くなられた方々を慰霊する広島の「灯ろう流し」。

「精霊流し」は長崎県の各地、熊本県の一部及び佐賀市でお盆に死者の魂を弔って送る行事のこと。精霊船と呼ばれる船を川に流す。その際、爆竹を鳴らしたりして盛大に送り出すこともあり、幻想的でしっとりとした「灯ろう流し」とは雰囲気も違うとのこと。

・続きまして、Oさんどうぞ


いつも言っているが、この読書会では自分ではまず読まないだろうという本を読むことができる。
この本は一気に読んで、2回読んだ。
私はこういうわかりやすい小説が好き。
小学生の時にかわいがってもらった先生がいて、その記憶がよみがえってきた。
この作者の本は読んだことがなかったが、情景描写がうまいと思った。

時代は戦後間近の頃か。まだまだ貧しいころの日本の時代。
今のように高利でお金を貸してはいけないという法律がない時代。
自分とは共通のところはなかったが友達にはこの本に出てくる人たちのような境遇の子がいたのではないか。

あと、この本を読む前に映画のキャスティングを見てしまった。
校長先生が堺正章で読みながら堺正章が頭に浮かんでいた。

※実写映画
2004年7月31日に公開。
出演:機関車先生(坂口憲二)、校長先生(堺正章)、阿部産婦人科の女医よね(倍賞美津子)、機関車先生の母親(寺島しのぶ)、網元・美作重太郎(伊武雅刀)、居酒屋の女性・室井よし江(大塚寧々)

O
あと、この本で作者が言いたかったことは、校長先生の「自分の生徒を戦争に行かせてしまった」ということか。
自分の思っていることを言えるようにしないといけない、そうしないと戦争は起こる。

H
戦争が起こるかどうかについては、私は「武器を持たないことが戦争を招く」と思っています。
自分の家の前に「私は絶対的な平和主義者です。みんなを信頼しているので、鍵もかけませんし、暴力も振るいません」と張り紙をしても強盗や泥棒に合う危険の方が大きいということです。
私は戦争には絶対反対ですが、戦争を起こさせないために武器は必要だという考えです。
スイスが中立でいられるのは圧倒的な軍備があるからで、第一次世界大戦が起こると、スイスは中立宣言を行ったが、同じ中立国のベルギーやオーストリアはドイツ軍の侵略を受けた。この違いは、軍備。
子どものいじめも弱い子、おとなしい子が狙われるのであって、反撃する子は狙われないと思う。


私はこの本には、メッセージ性は感じなかった。
この著者の『男の流儀』というエッセイを読んだことがあるが、この著者は道徳を語るような人ではないと思った。
広告代理店に勤めていたからか、この話はドラマっぽいと思った。
あとこの作品は、春なら春というような「色」を感じる作品だと思った。

※伊集院 静について
広告代理店電通勤務を経てCMディレクターになる。電通時代に最初の夫人と結婚、二児をもうけるが1980年に離婚。
CMキャンペーンガールで一緒に仕事をした女優の夏目雅子と7年の不倫交際の後、1984年に再婚。再婚するまでの間、桃井かおりとも噂されていたそう。
夏目雅子は、伊集院静と結婚するまでの7年の不倫関係の間に、何度も子供を堕ろしていたとのこと。


この作品の中での好きな表現があって、「日曜日の夜明け方、誠吾は眠っていた自分のまぶたを朱色の光が突き抜けた気がして目覚めた。」というところ。


あとは、文章がうまいと思った。

続きまして、Tさんどうぞ


自分の昔の頃が思い出されて懐かしくて「涙を流しながら読んだ」。
この作者は描写がうまい。
作者の子どもの頃はいじめられた経験や、私たちにはわからない悲しみがあったのでは。
ハワイに住んでいる孫が「自分は何人(なにじん)だと思うか。自分はハワイ人だと気づいた」と言っていた。

あと、以前に広島にいたことがあり、宮島の弥山には月に1度登っていたので瀬戸内海には親しみを感じた。

・この機関車先生は、なぜ「機関車」と名付けられたのか?

口を「きかん」先生、機関車のD51のように体の大きな先生ということで、子どもたちから「機関車先生」というアダ名をつけられる。


チェコの長距離走の選手にザトペックという選手がいて、この人は、1948年のロンドン‐オリンピックで1万メートルで優勝、1952年のヘルシンキ・オリンピックで長距離2種目とマラソンとに優勝して、「人間機関車」と呼ばれていたので、それもあるかも。


昔、バスは木炭車だった。
上野駅には戦争孤児や傷痍軍人などがたくさんいた。
朝鮮特需が終わったらクビになり生活がガラッと変わった。
そういうことを思い出し泣けた。

自分にもこの本の機関車先生のような先生がいて、その先生は熱血先生だった。
その先生から努力という言葉や本を毎日読むんだよと教わった。

そういうことを思い出す良い本だった。


心が躍る本だった。私も2回読んだ。
久しぶりに小説を読んだという感じ。

・続きまして、Hさんどうぞ


こんなちいさな島でもいろんなことがあります。泣いたり笑ったりが人間なのでしょうが、どうも泣くような立場になるものは泣いてばかりの方に行くんですね。けれど泣いてばかりじゃいけない。人間にはお腹の底から笑えることがあるんだ。それが生きるってことなんだということを、私は子供たちにちゃんと教えてやりたいんです。というところが印象に残りました。

あとは、機関車先生が、チンピラたちに殴られても蹴られても手を出さずに、ずっと我慢をしていた。
これについて疑問がありました。


近くに子供たちがいたため、万が一、子供たちが危ない目に合わないように手を出さなかったのでは。


それはわかるのですが、私はこのように殴られても蹴られても手を出さずにずっと我慢をしていて、もし気を失うなどの状態になったら、子供や女学生はもっとひどい目に会ってしまうのではないかと思ってしまう。
(最近、この状況に似た映画を見た。自宅に入り込んだ泥棒に対して、戦えばやっつけることができるのに、愛する人を亡くしたため、もう戦うことはしないと泥棒に立ち向かわなかった。そのため、自分は泥棒に殴られて気を失い、その結果、愛車は盗まれ、愛犬は殺されるという話。)

※上記の補足として、この本にあった「八子部の裏切り岩」の話を引用します。

「どうして戦争をしたんじゃ」修平が言った。
「どうしてだと思う?修平」
(校長の)周一郎が修平に聞いた。
修平が首を横にふった。
「人間は昔から戦争を何回もしてきたんじゃ。その度に大勢の人が死んだ。葉名島からも何人もの人が戦争に連れて行かれて帰って来なんだ。そんな馬鹿なことを二度とくり返さないぞ、と思うのに、またどこかで戦争がはじまる。人間はそれをくり返して来た」
「どうして悪いこととわかって、同じことをくり返してきたんですか」
妙子が聞いた。
「それはな、皆がヤコブのように人と人が争うことが醜いこととわかっとらんからだ。ヤコブはこの島で髪の毛が赤かっただけで石を投げられた。修平、もし君がそんなことで石を投げられたら、どうする?」
周一郎が修平に聞いた。
「わしは、そいつに石を投げ返したる」
修平が怒ったように言った。
「そいつがまた石を投げ返したらどうする?」
「また投げ返してやる」
「そうか、投げ返すか‥‥。なぜ投げ返すか?」
「そりゃそいつが憎ったらしいからじゃ」
「憎いか」
「憎いに決まっとる」
 修平が本気で怒り出した。
「それが戦争のはじまりじゃ」
「戦争の?」
「そうじゃ、人が人を憎いとか、悪い奴じゃと決めたところから戦争がはじまるんじゃ。戦争はな、国と国が争うように見えるが、本当は人間のこころの中からはじまっとるんじゃ」
「ようわからんの」
「君たちが大人になって、日本という国がまた立派になった時、誰かがあそこの国が悪いとか、憎ったらしいとか言い出した時に、本当にそうなのかをよく考えられる人間になっとらねばいかん。自分が正しいと思ったら、それを実行できる人間になることじゃ。ヤコブがなぜ何も言わずに死んだのかを考えてほしい」
「なぜなの?」
 洋子が聞いた。
「それはな、あの時代に、ヤコブが戦争はいけない、と言い出したら、きっとひどい目に遭わされたからじゃ。島の人間もこころの奥では戦争はいけないこととわかっとった者もおる。けどそれを口にしたら、皆からいじめられ、石を投げられたんじゃ。いいか、君たちが大人になった時、正しいと思ったらそのことをはっきり口に出して言える人に、私はなってほしい。相手に石を投げられたり、蹴られても、それをすぐやり返さずに我慢ができる人になってほしいんじゃ。本当に強い人間は決して自分で手を上げないものじゃ」
子供たちが一斉に誠吾の方を見た。
誠吾は黙って、うつむいていた。


この本では、上記のことを言いたいのだとは思いますが、これには、なにか引っかかるところがあってそのまま共感できない。

国と国との争いは「相手に勝てると思わせた弱い国の方に本当の落ち度がある」という、この言葉に共感してしまう。

そうすると、子供のいじめもいじめられる子供が悪いのかとなってしまいますが、そうではなく、いじめる子供が悪いのは当たり前で、ただし、いじめられる子供もやられっぱなしではなく、反撃する素振りなどがあれば、いじめる方もその子をいじめない可能性が高いということです。


アフガニスタンで長年、医療活動や農業用水路の建設など復興に携わってきた医師の中村哲さんが何者かに銃撃され亡くなった。
この人に対して、Hさんは、憲法9条の信奉者と言っていた。

※これについても、補足にて説明します。

長い間、アフガニスタンで医療活動などに従事してきた中村さんは人が真似のできないことをやってきたとても偉い人だと思います。
ただ、そのことと下記にある中村さんの憲法9条に対する思いとは別と考えます。

引用
向こうに行って、9条がバックボーンとして僕らの活動を支えていてくれる、これが我々を守ってきてくれたんだな、という実感がありますよ。
体で感じた想いですよ。
武器など絶対に使用しないで、平和を具現化する。
それが具体的な形として存在しているのが日本という国の平和憲法、9条ですよ。
それを、現地の人たちも分かってくれているんです。
だから、政府側も反政府側も、タリバンだって我々には手を出さない。
むしろ、守ってくれているんです。
9条があるから、海外ではこれまで絶対に銃を撃たなかった日本。
それが、ほんとうの日本の強味なんですよ。


どんなに素晴らしい人で真面目な人であっても、このような考え方は間違っていると思います。
言い方は悪いですが、耐火性に優れ、電気を通さず、引っ張られる力にも強いから建築材料に最適だと、建築業界にアスベストを広めた人のような感じです。
このような考え方では平和にはならないし、戦争をしないためには、相手に弱い国だと思わせないこと、やられたら反撃するぞという姿勢が大事だということです。

K
あと、先ほどのTさんの「自分は何人(なにじん)なのか」という話についてですが、人は1つの場所で育つと安定するが、転勤族の子どもは「自分が何者なのか」という精神になる。


それは、よくわかります。


自分はずっと1つのところだったので、逆に転勤族の子どもに憧れた。


私も子供の頃は転校したいと思っていた。


・その他、何かありますか?


この本の設定で、この先生が言葉を話せないという設定が良かった。
人の気持ちは言葉で言わなくても通じるというように感じた。


父は寡黙だったが、子供を愛しているということはわかった。

H
言葉というものはすべてを表せると思われていますが、それは定義できることに対してであって、この世界にないものなどは言葉には表すことができない。
ですので、言葉は万能ではないということ。

※言葉は万能ではないということについて。

言葉は、手っ取り早く自分の意思を伝えられるツールのように思いますが、実は、最も伝わりにくいものです。
例えば、感覚やイメージ、味、香りなどを明らかに伝えることはとても難しい。
「こころ」や「思い」となるとさらに難しいといわれます。

では、どうすれば自分の思いを伝えることができるのか?
釈迦は次のように言ったという記事がありましたので引用します。

まず、口を閉じなさい。そして悩んでいる者がいたら、耳を貸しなさい。
弱っている者がいたら、寄り添っていなさい。
喜んでいる者がいたら、共に喜びなさい。
涙している者がいたら、ふき取ってやりなさい。
怒りに支配されている者には、笑顔を見せてやりなさい。
孤独に潰されそうな者なら、手を握ってやりなさい。
ただただ、背で語りなさい。
あなた自身がそうしてもらいたいように。


O
喧嘩した後に仲良くなるというのも言葉ではなく本心でぶつかっているということ。

K
この本はいろいろなことを思い出させる。
主役はヨウなんじゃないかと思った。
作者はヨウの目を通していろいろなことを語っていると思った。


・このへんで、時間となりましたので終わりたいと思います。

※これを書いている時、伊集院静氏(69)が、くも膜下出血で倒れ、手術を受けたとのニュースが流れてきました。
手術は成功し、経過は良好だが予断は許さない状況だとのことです。

令和元年9月27日 第48回読書会

2019-11-04 16:51:59 | Weblog


令和元年9月27日 第48回

日 時:令和元年9月27日(金)18:30~
場 所:新橋
参加者:5名(Tさん、Oさん、Kさん、Sさん、H)
推薦本:「ファクトフルネス」ハンス・ロスリング 著

※印では、内容の補足と私見を付け加えさせていただいています。

・推薦理由
ここ1カ月いろいろなところで話題になっていた。
翻訳本は今まで何冊か読んだがおもしろくなかったり、読みづらかった。
この本の翻訳者である”関美和“さんの紹介文を読んで興味を持った。

・新しい参加者Sさんから自己紹介
・読書会メンバーの紹介

・では、Kさんからどうぞ

K
最初のイントロダクションの13のクイズはほとんど当たらなかった。
人は物事をドラマチックに見がち。悲観的にとらえがち、物事は悪い方向に行っていると考えがちというところが印象に残った。
この本はものの見方の訓練のきっかけになった。

H
みなさんの正解率はどうですか?

O
ほとんど当たらなかった。

T
5問当たった。

S、H
ほとんど当たらなかった。

H
私も翻訳本はあまりおもしろい本の記憶はないので、読む前や目次を読んだ感じはあまり期待していなかったが、このクイズをやって、ほとんど当たらなかったのが逆に「えっ!」となって興味が出てきた。

・ほか、無いようでしたら続きましてTさんどうぞ

T
ニュースというのは目立つことしか書いていない。本当はそれと同じくらい良いことがあるという視点で物事を見ている。
この本は、素晴らしい本だが、読み始めはとっつきにくかった。
なぜなら、クイズや数字は好きではないので。
ただ、この著者が実際の経験からこういった考えを打ち出しているとわかって、だんだんおもしろくなってきて読めた。

あと、世界の人たちを4つのレベルに分けているのが良いなと思った。

H
私もこれはわかりやすいなと思いました。
この本に出てくる「バブルチャート」というのは何かと調べてみたところ、この本の表紙の裏に付いている全世界の2017年現在の「所得と寿命」のデータのバブルがアニメーションで動くというものでした。
1800年当時から2017年までの世界の「所得と寿命」がどのように推移したのかが視覚でわかるものです。

https://www.gapminder.org/tools/#$state$time$value=1800;;&chart-type=bubbles

T
あとは、1から10ある人の本能(思い込み)の中で自分は、恐怖本能(危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み)、パターン化本能(「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み)、単純化本能(「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み)、焦り本能(「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み)が自分に当てはまるなと思った。

・ほか、ありませんか。続きましてSさんどうぞ

S
最初とっつきにくかった。全部読めるかな?と思った。

印象に残ったところは、「そんなに世の中悪くないよ。世の中悲惨な部分はそんなに多くはない」と言っているところ。

第2章「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み ネガティブ本能
・ネガティブなニュースのほうが、圧倒的に耳に入りやすいと覚えておくこと。
・「悪い」と「良くなっている」は両立する。
・良い出来事、ゆっくりとした進歩はニュースになりにくい。


K
著者は、フィールドワーク(研究対象となっている人びとと共に生活をしたり、 そのような 人びとと対話したり、インタビューをしたりする社会調査活動のこと)をして、公衆衛生(地域社会の人々の健康の保持・増進をはかり、疾病を予防するため、公私の保健機関や諸組織によって行われる衛生活動。母子保健・学校保健・老人保健・環境衛生・生活習慣病対策・感染症予防など)に取り組んでいる。

S
著者は、決して分析屋ではない。分析することが目的なのではなく、医者としていろんな人を助けたかったのだと思う。目の前にいる人が間違った判断をしてしまわないように、事実に基づく見方を広めているんだなと思った。

ちなみに、わたしはまだ、もっとも大事なことについてひとことも触れていない。極度の貧困という、人間の尊厳を傷つけられるような状況から、人々を救い出すという道義的責任だ。

H
一方的な主張だけの本かと思ったら、思いが伝わってくる本だった。
世の中を救いたいという気持ちを感じた。

・ほか無いようでしたら、Oさんどうぞ。

O
この本は、テレビ東京の「Newsモーニングサテライト」という番組で紹介されていた。
その時たまたま耳に残っていたものが今回の推薦図書になったので、「おっ」と思った。
この読書会は、自分が絶対読まない本を読める。

冒頭のクイズはほとんど当たらなかった。
自分はなんでこんなに知らないのかな?と思ったときに、自分自身が人を馬鹿にする傾向があると思った。
最近、アマゾンで大きな火事があったけど、アマゾンの奥地には裸で住んでいる人がいて、まだあの辺は未開地域の原始的な生活をしている人が住んでいると思ったり。

最近でいえば、アルカイダやISが女性には教育させないとか言っているから、あちらの地域では女性は教育を受けていないのか?と思っていたが、「世界中の30歳男性は、平均10年間の学校教育を受けていて、同じ年の女性が8年教育を受けている」というのに驚いた。

今回この本を読んでよかったのは、「そうじゃないんだ」ということがわかってよかった。

中国の天安門事件のころは、道路はほとんど自転車が走っていた。
まだ自転車が走っていると思ったり、国民は皆人民服を着ていると勘違いしている人たちがいる。

こういうことをマスコミは伝えているはずだけど、聞く方がバイアスをかけているんだなと。

あとは、環境の問題でいったら、小泉環境大臣がいろいろ言ったり、スウェーデンの女の子が温暖化の発言をしたりと、ちょうどタイムリーだった。

※スウェーデンの女の子
グレタ・トゥーンベリ(2003年1月3日生まれ)は、スウェーデンの環境活動家。主に地球温暖化によってもたらされるリスクを訴えている。

H
このスウェーデンの女の子の演説にはうさん臭さを感じる。温暖化が心配で心配で気が狂いそうっていう10代の子がいるのかなと思った。
また、地球が温暖化しているのは事実だが、それがCO2に起因するものだと証明されたわけではない。
CO2については、排出権を売り買いできるとかあり、これもうさん臭い。

O
あの子があそこにいくまでの過程がある。いろんな裏付けがあって、ああいう発言になったのだと思う。
最近、若い女の子が表に出てきている。
2014年にノーベル平和賞を受賞したマララという女の子は、パキスタンで武装勢力の脅威にさらされながら、子どもたちが教育を受ける権利を訴え続けてきた。

こういうのはいつも女性で祭り上げられている、作られているという面がないとは言えない。

※グレタ・トゥーンベリについて
裏を取っていませんが、このグレタの現在までの過程と言われているものです。

・11歳、温暖化への不安などでうつに
・12歳、環境のためビーガン(絶対菜食主義者・純粋菜食主義者のこと。いわゆるベジタリアン(菜食主義者)と混同される事が多いが、ベジタリアンは卵や乳製品を食べるのに対し、ビーガンは、それらも一切口にしない。さらに、洋服、靴や鞄などにおいても、毛皮および皮革、ウール、シルクなど動物を使用した製品の一切を拒む人々もいる。代用品として、アクリル、綿、麻、レーヨン、ポリエステルなどが用いられる)に。
・12歳、飛行機に乗るのをやめる
・15歳、学校ストを始める
・16歳、国連に行くためヨットで大西洋を渡る

・彼女の国連演説を調整した環境団体は、以前、米国委員会により、中国政府の代理人の疑いがあると指摘されている。

・私見ですが、地球温暖化や二酸化炭素排出削減には、経済を縮小させるのか電気のない世界にするのかということがあります。
今さら電気のない世界はできないだろう。であれば、それを解決するのは人口の多い中国が原子力発電を増やすことが一番効果があるという流れにもっていきたいのかと疑ってしまう。

H
地球が温暖化していることは大変だが、人間が温暖化をどうにかできると思っているのがおごりじゃないかと感じてしまう。

それよりは、現在、チベットやウイグルで起こっているようなことの方が大変なことだと思う。
基本的人権という概念が広く認められている現代において、ヒトラー時代に起こった出来事(強制収容所、民族浄化)のようなことが起きている。

※民族浄化
広義の民族浄化とは、おもに戦争における戦略として、虐殺、強姦、強制移住などの手段で特定の民族を殲滅させることを言う。
狭義としての民族浄化とは、ユーゴスラビア(5つの民族、4つの言語、3つの宗教を持つ)のような多民族国家において、ユーゴ内のある民族集団を強制的にその地域から殺害などにより除去しようとしたとする言葉。

K
チベットやウイグルのことも今の世の中に起こっているひどいことの1つなのでは?

H
世界の内戦地域、紛争地域などでたくさんの人が亡くなっている。
そのような場所で起こっている悲惨さとGDPで世界第2位であり、国連の常任理事国であり、国際的に大きな影響力を持っている中国でそのような悲惨なことが起こっているというのは違うと思う。そういう大国でヒトラー時代のようなことが起こっているというのが許されないと思う(世界の内戦地域、紛争地域なら許されるということではありません)。

O
今の気候変動について、なんとかしなくてはと誰しもが感じているのは事実。
それに反対を向いて走り出したのはトランプ。

H
地球温暖化に対してはなんらかの対応は必要。ただ、それによって経済の発展が抑制されるのはどうか。
この本にもあったが、経済の発展によって貧困が解決されたりさまざまな問題が良くなっている面もある。

O
この本にあるレベル1の貧困の基準は、科学技術の遅れ、電気、衣類になるような生地をもっていないこと。ただ、江戸時代はみなそれで暮らしていた。

この著者が言っている貧困は一日2ドルの金銭について言っているから、自給自足ができていれば問題ないのかな。
日本でも大雪のときに〇〇村が孤立して大変だとニュースになるが、昔は一冬は過ごせるノウハウを持っていた。
都市部の人から見たら、あのような村に住んでいる人たちは大変だと言うが、その村に住む人たちは別に大変だとは思っていないかも。

※この本の中に、洗濯機が発明されたことにより多くの母親は本を読む時間ができたというところがある。
多くの発明により、世の中が便利になっている。そのおかげでどんな人にも平等に与えられている1日の24時間の中でさまざまなことができるようになっている。
「スマホが手放せない、触っていないと落ち着かない」というように機械に振り回されるのはどうかと思うが、機械は使い方によっては限られた時間を有効に使うことができる。

T
この本では「1日の収入」という尺度で比較しているが、ほかの尺度で見るとまたちがうかも。

K
キューバの話があった。「キューバは貧乏人の中でいちばん健康」と捉える人もいれば、「健康な人たちの中でいちばん貧乏」と捉える人もいる。

T
このことは「ファクトフルネス」のどの本能で見ていのるかと捉えることが大切なのかな。

K
乳児死亡率は下がっているという事実を見ると、世界は徐々に良くなっているということがわかる。このような事実に基づいて世界を見れば、世の中もそれほど悪くないと思えてくる。

S
「そんなに焦らなくてもいいよ。世界は徐々に良くなっている」と言っていた。


どうせ何をやっても変わらないと思うのではなく、自分でできることをやりましょうと言っている。
この本に書いてあることは人の見方にも応用できる。
自分に対してのその人の悪い面だけを見るのではなく、その人のいろいろな面を見ようとしている。


この本は、自分の生活に使えると思った。
Kさんの話を聞いていて思った。自分はこの人嫌だなと思う人がいると、「この人はこのままずっと変わらない、この人はそういう人なんだ」と思ってしまうクセがある。
この本でいう、「直線本能」(グラフは、まっすぐになるだろうという思い込み)、「パターン化本能」(あるひとつのパターンを見て、決めつけてしまう)がある。

この人が悪いんだと、「犯人捜し本能」(誰かに責任を求めてしまう)として考えてしまう。
このような自分の考え方の癖や特徴を振り返ることができた。
自分がもともと持っている個性は変えられないだろうが努力して克服していく努力はしていかないといけないと感じた。

H
自分はなかなか思えないのですが、「その人を変えようと思っても変わらない、自分自身が変わることによって、他人が変わる」と言われています。
ただ、人の良い面を見よう、人にはいろんな面があって、自分には悪い面を見せているが、他の人には良い面を見せているかもしれない。だから、良い面を見るようにしようという意見については、確かにそうとは言えるが、極悪人が自分の家族には良い父親であるかもしれないが、他人に見せている極悪人の部分を見てしまう。

T
「ファクトフルネスを使ってみよう」というところ、教育で、ビジネスで、報道で、組織やコミュニティの中で実践してみることが大事。
P325「ファクトフルネスの大まかなルール」。 これを常に意識していれば自分の偏ったところを修正できる。

ファクトフルネスの大まかなルール
1.分断本能を抑えるには・・・大半の人がどこにいるかを探そう
2.ネガティブ本能を抑えるには・・・悪いニュースのほうが広まりやすいと覚えておこう
3.直線本能を抑えるには・・・直線もいつかは曲がることを知ろう
4.恐怖本能を抑えるには・・・リスクを計算しよう
5.過大視本能を抑えるには・・・数字を比較しよう
6.パターン化本能を抑えるには・・・分類を疑おう
7.宿命本能を抑えるには・・・ゆっくりとした変化でも変化していることを心に留めよう
8.単純化本能を抑えるには・・・ひとつの知識がすべてに応用できないことを覚えておこう
9.犯人捜し本能を抑えるには・・・誰かを責めても問題は解決しないと肝に銘じよう
10.焦り本能を抑えるには・・・小さな一歩を重ねよう


K
すぐに犯人捜しをしがち。誰かを責めても問題は解決しない。

O
マスコミは誰かをスケープゴートにしがち。

H
犯人捜しをして、誰かに責任を押し付けるのは良くないが、原因を探すのは必要だと思う。


これについては、「犯人捜し本能」に、「犯人ではなく、原因を捜そう」と書いてありました。

T
数字の裏に何があるかを見る。
P166「それぞれの物語の裏にある数字を見ようとすることは大切だ。でもそれと同じくらい、数字の裏にある物語を見ようとすることも大切だ。数字を見ないと、世界のことはわからない。しかし、数字だけ見ても、世界のことはわからない。」とある。

K
数字の話で思い出したのは、ベトナム戦争では150万人以上のベトナム人と5万8000人以上のアメリカ人が亡くなったのでさぞ大きな記念碑が建っているだろうと思ったが、アメリカとベトナムの戦争の記念碑は1メートル、フランスからの独立の記念碑は4メートル近く、中国とベトナムとの戦争の記念碑は何十メートルというのがあった。

中国とベトナムの戦争は、休戦期間も含めると、2000年以上続いた。フランスに占領されていたのは200年間。アメリカとの戦いはたったの20年間。
数字は単体で見るのではなくいろいろなものと比較する。ということ。

あと、ちょっと中立的に見るクセを付けた方がいいかなと思ったので、今は自分の行動を変えようとしている。

O
この本の冒頭で「剣を飲む」というところがあったがあれの意味が分からなかった

S
できないと思うその考えを改めるということか。


剣を飲み込む芸人の話のところを見てみると、人が剣を飲むという一見不可能なことが可能になり得ることを通じて、人が剣など飲めるわけないと思っている直感がどれほど現実とかけ離れているか、世界が想像とまったく違っていること、解決不可能に見えた世界の課題がすでに解決していることを伝えたいためのよう。

K
ナイキの本「シュードッグ」の時は、文句しか出なかったが、この本は対照的。
この著者は仕事も一生懸命、家族も大事にしている。

・では、Hさんどうぞ

H
この本を読んで、いろいろ勉強になった。この本は良い本だなと思った。
「人は10の思い込みをしがちで、ありのままに世界の姿を見ることは難しい」ということが描かれている。ただ、私は疑い深い人間なので、もしこの本が詐欺だったらと疑ってしまう。詐欺師は9割真実を言って、1割ウソを混ぜるので、この本もそういうことがないかと疑ってみたが、特に疑わしいところはなかった。
あえて言えば、アフリカに投資させようとしているとか、ゲイツ財団がこの本を応援しているのは何か裏があるのかとか。

T
アフリカに投資させようというのは中国がインドに投資してきたプロセスがあったので、今度はアフリカに投資しようという流れになっている。

S
ビルゲイツがこの本をアメリカの大卒の希望者全員にプレゼントしたというのは、最近の若者は頭が固まっているからもっと違う見方をしてほしいという意図で配布したのではないか。
あと、マスコミが悪いニュースを流すことはある程度しょうがない。
ニュースとしては、安心安全なニュースではなく、驚くこと、悲惨なこと、危険なことなどを流した方が人々が見る。
マスコミは、情報を受け取る我々が、きちんと情報を選別をして取捨選択をするべき(情報リテラシー)と思っているのでは。

H
本の中でマスコミがそういう風にしているわけじゃないと言っている部分があったが、マスコミが悪くしている部分がある。
情報リテラシーは聞く人たちが持てばいいというようなことが書いてあったが、それは違うのでは。
情報を聞く人たちの未熟な部分をわかっていて、あえて人の恐怖とか災害を煽っている感じがある。
そして、報道の自由を言いながら、自分たちに不都合なことは報道しない。

O
先ほど言っていたウイグルの問題は、なぜ、報道されないのか

H
アメリカやイギリスなどでは報道されているが、日本や経済的に貧しい国などは中国の情報制限や経済的な圧力などが考えられる。

※ウイグル問題が報じられない理由
・中国国内の携帯電話は、リアルタイムで盗聴されている。
・ウイグルの現地を取材しようとする人は行動を徹底的にマークされる。
・現地で接触したウイグル人は、その後に高確率で中国公安機関による尋問や拘束を受ける。
・ウイグルの街のあちこちにある監視カメラにより、外国人の取材者が中国公安機関に気づかれずに誰かと会って話を聞く行為は不可能に近い。

「米国、中国の国策的監視ネットワーク「天網」を破壊…ファーウェイ他100社超を禁輸対象に」 https://www.excite.co.jp/news/article/Bizjournal_201910_post_122523/

・中国当局を過度に刺激するような取材をした場合、大手メディアの記者の場合はビザの延長が難しくなったり、中国支局に圧力が掛かったりする。フリーランスの場合は今後の入国自体が禁止される。

・中国からの圧力 次のようなことに類似するさまざまな圧力をかけていると思われる。

「強まる台湾への外交圧力 中国、航空各社に表記変更を要求」
https://jp.reuters.com/article/idJP00093300_20180529_00520180529

※その他、ウイグルで行われていることと言われていることです(確かな証拠があるのかまでは検証していません)。
今回「ファクトフルネス」で世界の姿を見るということなので、以下のような内容を提示してみました。
「ファクトフルネスの大まかなルール」で検証してみてください。

・マンガ「私の身に起きたこと」~とあるウイグル人女性の証言~
このマンガは、2018年11月に米議会でウイグル人のミフリグル・トゥルソンさん(29歳)が証言した内容を元に作られている。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67838

・山田宏 自民党参議院議員のTwitter
「中国では、年間6〜10万件の臓器移植が行われている(公式発表は1万件)が、ドナー制度が無いに等しく、死刑執行も数千なので、臓器はどこから来るのか。
また通常の国なら数年は待たなければならない移植が、中国では数週間でできるはなぜか? あらかじめ提供する生きた人間が確保されてなければ無理だ。」

・「少数民族から臓器摘出」福岡でウイグル出身医師講演 2019.4.7
https://www.sankei.com/region/news/190407/rgn1904070022-n1.html

・中国…「国営産業が臓器販売の為に人を殺害する世界唯一の国」
公式発表では死刑囚からの臓器だとされているが、実際は無実の人が需要に応じて殺されている! 世界では報道されているが、日本では殆ど報道されない
この異常さに気がつかねば! 次は我が身
https://twitter.com/sprit_of_p/status/1184124348346580994

※おまけで、世界の主な紛争とその紛争国のGDPランキングを。
紛争国の中では「トルコ」がGDPが高いですが、他は比較的低い国となっています。
・アフガニスタン紛争 アフガニスタン GDP115位
・シリア内戦     シリア     GDP191位以下
・コンゴ内戦     コンゴ     GDP 87位
・イラク内戦     イラク     GDP 51位
・クルド対トルコ紛争 トルコ     GDP 19位
・リビア内戦     リビア     GDP 92位
・イエメン内戦    イエメン    GDP103位

K
なぜ中国はウイグルに対してそのようなことをするのか

T
中国やロシアは昔から領土拡張主義。
ロシアは領土は広いが海がないため、凍らない港を求めている。

※ウイグル侵略
1949年、中国は石油や天然ガス、レアメタルといった天然資源が豊富な東トルキスタンを武力占領し、新疆(しんきょう)ウイグル自治区と定めました。人種や宗教や文化の異なる膨大な人口を養わなければならない中国にとって、資源豊富なこの地は重要な地域だった。

O
Hさんはどこで聞いたのか

H
日本ウイグル連盟の人が発信しているものを見たり、作家・評論家の石平(せきへい)氏の本などから。
ウイグルの問題は、これがフェイクニュースであるなら、中国がこれを嘘だと説明してもらいたい。

※石平(せきへい)
中国四川省生まれ。北京大学卒業。2007年に日本国籍を取得。拓殖大学客員教授。

O
今回の香港のごたごたも、どう収束していくのだろうか。

H
中国は、天安門のように強制的に終わらせたいと思うが、アメリカが注目しているのでそう簡単には終わらないと思う。


以上、時間となりましたので終わりたいと思います。

令和元年6月21日 第47回読書会

2019-06-30 09:58:03 | Weblog


日 時:令和元年6月21日 18時30分~  
場 所:新橋
参加者:4名(Taさん、Oさん、Kaさん、H)
推薦本:「なにがあっても、ありがとう」 鮫島純子 著

※印では、内容の補足と私見を付け加えさせていただいています。

H
今回は、3名という今まででは最少人数となりました。時間は十分にありますので思ったことをどんどん言ってください。
まずは、私から。今回の本は生まれ変わりの本ということで、この生まれ変わりという考え方についてはもう30年ぐらい前から触れ、いろいろな本を読んできました。
ですので、生まれ変わりの考え方についてはいろいろな疑問点があると思いますが、ある程度は答えられると思いますので、疑問点などどんどん上げてください。

Ta
Hさんが、この生まれ変わりを信じるようになったきっかけは?

H
きっかけは、なにかの本で生まれ変わり、輪廻転生という考え方があるというのを知りました。
それまでの私の生まれ変わりについての印象は、作り話、想像の産物だろうと考えていました。あと仏教で良く言われている「すべての生命は、死ぬと別の人間や生き物に生まれ変わるという思想」という程度です。
それが、そこに書かれていた輪廻転生という考え方は、とても奥が深いと思い、それに関連する本を調べてみました。
私はけっこう疑り深い性格で、矛盾しているところや自分で納得しないと信じないところがあります。他人からは「そういう性格だと友だちいなくなりませんか?」とも言われています。
調べてみると、この輪廻転生という考え方、「今の自分は過去の自分の結果であり、今の自分が将来の自分の原因である。今できることは、過去を精算して、未来につなげることである。人生に終わりはない。いつでも今からがスタートである」という自己責任の考え方は、とても良くできた考え方であり、今の時代において不条理だと思えること、いろいろな悩みについての回答になる考えだと思うようになりました。

本当にあるのかないのかは置いておいても、生まれ変わりという考え方を採用することによって、生きていくうえでとても有用であると思えるようになったため、信じるようになりました。

●続きましてOさん、感想をどうぞ

O
この著者が、渋沢栄一と関係あるというのは知らなかった。
この著者が言っている「すべてに感謝」ということには異論はない。

H
なにか抵抗がある考えなどはなかったですか?

O
すべてに感謝という考え方は、いろいろな宗教で採用されており抵抗はない。

H
Oさんは宗教というものはどういうものだと考えますか

O
人生を生きていく術、神という存在を信じた人が救われるという感じ。

H
一般に宗教は、超自然的な力や存在に対する信仰または神仏などを信じて安らぎを得ようとするものですが、その点ではこの生まれ変わりという考え方は宗教というものではありません。
何か目に見えないものにすがるということではなく、この生まれ変わりという考えは、あくまでも自己責任という考えであり、自分の今あることのすべての責任は自分にあるとする考え方です。
この生まれ変わりという考えは、いろいろな西洋哲学者なども採用しています。
哲学者という人たちは、理論的ではないこと矛盾することに対して、そう簡単には受け入れないという人たちですので、神や仏を信じれば救われるというような考えを安易に信じるということではありません。
この点からも宗教ということではありません。

※輪廻転生を信じる人たち
・哲学者:ピタゴラス、プラトン、ソクラテス、カント、ショーペンハウエル、デイヴィッド・ヒューム、エマーソンなど
・詩人:ジョン・ミルトン(代表作「失楽園」)、ゲーテ、リルケ(オーストリア)、ロバート・フロスト(ピューリッツァー賞を4度受賞)など
・政治家: ベンジャミン・フランクリン(アメリカ合衆国建国の父)、トーマス・ジェファーソン(第3代アメリカ合衆国大統領)、ロイド・ジョージ(イギリスの首相)など
・科学者:ニュートンなど
・作家・小説家:パール・バック(代表作「大地」。ノーベル文学賞受賞)、マーク・トウェイン(代表作「トム・ソーヤの冒険」)、ルイーザ・メイ(代表作「若草物語」)、コナン・ドイル(「シャーロック・ホームズ」)、ヘルマン・ヘッセ(代表作「車輪の下」。ノーベル文学賞受賞)など
・企業家:ヘンリー・フォード
・芸術家:モンドリアン(オランダの画家)、パウル・クレー(スイスの画家)、カンディンスキー(ロシアの画家)など

Ta
渋沢栄一さんの考え方の背景には、論語があり、論語は人生を生きていく術を述べている。
仏教の行きつくところは「愛」、正確に言うと「慈悲」。儒教では「仁」、キリスト教では「愛」

●ではそのままTaさん、どうぞ

Ta
この本を読んで思ったのは、表紙がいいということ。
著者が90年間実践してきたことを非常にわかりやすく書いてあると思った。

※この表紙の写真は、明治神宮の参道だと思われます。

Ta
この生まれ変わりについて読んだのは「前世療法」という本。
火が怖いという患者の退行催眠。その患者は1000年前に洞窟の中に住んでいて、そこで火事にあって死んだという話。催眠が終わってその時の話を聞いた患者の症状が回復した。

※「前世療法―米国精神科医が体験した輪廻転生の神秘」とは
アメリカの精神科医であるブライアン・ワイス博士が書いた本。
アメリカなどでは、悩みなどについて精神分析医にかかる風潮があり、そこで、自分の悩み、暗闇に異常な恐怖を感じる、高い所が異常に怖い、自分の母親に自分は殺されるのではないか、自分が誰かを殺すことになるのではないかという悩みについて深刻に悩んでいる患者がおり、こうした患者の治療方法として、どうしてそのような症状が現れたかを、催眠術を使って調べる方法がある。

これは精神分析ではよく行われている治療方法のようで、逆行催眠、退行催眠といって、自分の過去の記憶を遡らせるもの。
3年前の自分、5年前の自分と、どんどん遡っても、人の記憶はすべて蘇ることが分かっていて、赤ん坊のときのことまで記憶しているらしく(たとえば、生後3カ月の赤ん坊のときに、自分がベッドで寝ていて母親がミルクをくれたとか、父親がおもちゃであやしてくれたなどそういうことも覚えているらしい)、まったく表面意識では忘れてしまったようなことを思い出すらしい。

そのように生まれるまでを遡っていくと、現在の精神病の原因となったなんらかの事実、事件を発見する。
そのことが原因となって心や精神に傷ができ、現在の病気を起こしたことが分かるとされている。
この恐怖症というものは、不思議なことに、その原因たる事実を指摘してやることによって、症状が軽くなったり、以後一切、その悩みから解放されるものだそう。

こうして精神分析医が治療を行うが、現生での原因が発見できないことがある。ある時、「原因のある時まで遡れ」と指示したら、その患者が生まれる前にまで遡って、自分の前生や前々生…をいろいろと話した。その記憶を聞くと、自分はかつてどこにどういう名前で生まれ、何年にどういう死に方をしたかなどと詳細に述べた。1000年も2000年前のことをしゃべったりした。そして、そこに原因があるらしいことがあった。たとえば、現在の母親から殺されたとか、そのことによって親子関係が今回これほど険悪な原因をなしているらしいなど、いろいろなことを。

このようにワイス博士は、自分の患者が前世を語るケースがたて続けに起こり、症状が改善されるのを見た。かなりの年月の間、ワイス博士は、自身の体験を本に書くことをためらっていた。なぜなら、当時そういうことを出版することは自分のアカデミックな研究の経歴を傷つけることになるため。
しかし、ワイス博士は、自分のキャリアが傷つくリスクを冒してでも、この体験を書き、世に送り出すことを決意した。

これらは、すべて状況証拠にすぎませんが、ワイス博士は「もはやこのことは否定できない」と言って本を出版したというものです。

このような精神分析医が書いた本としてはその他、トロント大学の精神科医ジョエル・ホイットン博士が書いた「輪廻転生―驚くべき現代の神話」、アメリカのヴァージニア大学精神科のイアン・スティーブンソン博士が書いた「前世を記憶する子どもたち」、ウィスコンシン大学のジナ・サーミナラ博士が書いた「転生の秘密」などがある。

Ta
このようにトラウマがよくなる現象は、「プレイバックシアター」というものがある。

※プレイバックシアター
観客や参加者が自分の体験したできごとを語り、それをその場ですぐに即興劇として演じる(プレイバックする)独創的な即興演劇。
芸術的な側面を持つ一方で、その場で演じるもの(アクター)、語るもの(テラー)、観るもの(観客)が、共感や知恵、勇気や癒しをもたらされることになる。
そのため、劇場の舞台はもちろん、ワークショップや教育の場、臨床や治療現場などで広く活用されている。

Ta
輪廻は車輪が回る様子で、転生は生まれ変わることを意味している。
インドのバラモン教の考えから来て、仏教へと伝わったもの。
輪廻転生では、天界、人間界、修羅界、畜生界、餓鬼界、地獄界の6つの世界をぐるぐると生まれ変わりながら生きていくとされている。

O
生まれ変わりでは、人から動物に生まれることはあるのか?

H
私が読んだ本では、人は人にしか生まれ変わりません。
なぜ人は永遠に生まれ変わるのか。それは、神(宇宙の法則)が輪廻転生の過程で、人間がいろいろな経験を積み、知識を増やし、進歩することを期待したからだとのこと。
神(宇宙の法則)は、魂の成長・完成を期待しているということでした。

神が創造したというのは、置いておいても、人はそういうふうに創られたという考え方は、それぞれの人生をどれだけ有意義に生きるべきか、どれだけ多くのものを吸収していくべきか、どれだけ進歩・向上するべきかという考え方になり、生きていくうえで有用な考え方であると思います。
(ただし、こんなことを言っている私ですが、自分はそういうふうに生きているのかと聞かれたら、全然そういうふうには実践できていないということをお伝えしておきます。)

こういう考え方が当たり前になれば、もし明日死ぬとなっても、今日までの経験や知識は来世に活きていく、残っていくのだからやけにならず、先日の事件のような、多くの人を道連れにして死んでやるということもなくなるのではないかと思います。
実際にそういう状況になったら、自分がそういうふうに落ち着いて居られるかどうかは断言できませんが。

Ta
宇宙の原理はバランスが大事。
この世界は、陰と陽。プラスとマイナス。男と女など二元でできている。
どちらかに偏るのではなく、この2つのバランスを取ることが大事。
魂が主体で肉体は従。

※魂が主体
魂の世界は、自由で思ったことが実現し、病気などもない世界といわれている。そうであるなら、なぜわざわざ肉体に宿って不自由な世界に生まれるのか。わざわざ苦しいことを経験しようとするのはわからないという疑問について。
この世界でも、痩せたいということによって、わざわざ好きなものを我慢して痩せようとするということがある。
これと同じで、ある魂にとってなにかの価値があったとした場合、それを実現するためにわざわざ苦しい経験をしてその価値を獲得しようとするということがある。

O
著者は、戦前の生き方を大事にしている。
女性の社会進出やシングルマザーの考え方は分からないのでは?

※著者は、夫婦円満の秘訣は、戦前の風習に従って、夫と妻の役割分担がはっきりしていたからかもと言っています。また、男性は社会貢献の役割があるのだから、妻は家内を整え、家族のほっとする家庭をつくるのが役目と思い、楽しくその目標に向かって努力してきました。と言っていますが、最近は女性が外に仕事を持って、着るものも食べるものも出来上がったものを買って楽しむ傾向になっているということは認めていますし、お互いに、夫婦は思いやりの練習台という意識を持てばいいと言っています。
また、本来女性は、家事も社会的な仕事も子育てもこなせる力があると言っていますので、女性の社会進出も認めていると思います。
その他、離婚についても必ずしも誤りではないということですので、戦前の考え方にとらわれているということではないと思います。

O
先日の登戸の事件について、「袖振り合うも他生の縁」ということで、他の生で生まれた縁ということだが、あの事件はどのように考えればよいのか。犯人と被害者の関係は?と思ってしまう。
または、自分の子供を殺してしまった元次官の事件などはどういうことがあったのかと思ってしまう。

H
私が読んだ内容では、輪廻転生の現象についてはあくまでも自分のことであって、他人のことを批判・批評・差別してはいけないとあります。
被害者にとっては、犯人との過去になんらかの原因があってあのような結果となっているかもしれません。
そういうことではなく、自分の両親との関係で自分の両親に子どもの死を経験してもらうということかもしれません。または、全然そんなことは関係ないかもしれません。
そういうことについて、他人は憶測してはならない、へんな差別意識を持ってはいけないと言われています。

目の前に不幸・不運な状態にある人がいたとして、神様の目から見たときに、その人は過去の酷い行いによって、今その報いを受けているのかもしれません。ですが、それが本当だとしても、私たちは、ただ目の前に困った人がいるという事実だけを見て、困っている人がいたときにどうしなければならないかという行動を実践すればよいと書いています。
(ただ、現在において自分の責任により困った状況になっている場合、例えば、そこは危険な地域だから避難してくださいといわれている場所にのこのこ出かけていって災害の被害を受けた人がいた場合などは自己責任としてもいいのではないかと思います)

もし、あの人があのような不運なことになっているのは、過去の悪行のせいだから助ける必要はないとした場合、今度は自分がどこかで(生きている間かもしれませんし、来世のどこかかもしれません)同じような不運な目にあって、だれからも助けてもらえないということになったりするとのことでした。

ちなみに、「見えない、聞こえない、話せない」という三重苦で生まれたヘレン・ケラーは、どんな悪行をしたのかと思うかもしれませんが、この魂は、三重苦というハンデを持って生まれても、自分は人々に希望を与えるような生き方をすることができるという課題を設定して生まれてきたと書いてありました。
このようなことがあるので、その人の不幸・不運はその人しかわからない(死後にわかる)もので、他人は憶測なり、批評なりをしてはいけないということでした。

※他人の課題について
私たちは、何らかの各人各様の課題をもって生まれてきていると言われている。
その課題は、それぞれの能力、人生の実力に応じたものであるはずで、それはその当人にはきついものである。
ある人にとっての課題と他の人の課題は当然違っている。しかし、課題は、それぞれ私たちの最も頭を悩ませる悩みとなって出てくるものである。それはその当人にとっては大変苦しいものであり、いずれの人の課題も、その人にとっては苦しいものである。

小学生が中学生の課題で苦しむことはないし、中学生が高校生の課題で苦しむことはない。小学生に与えられるのは小学生の課題であり、中学生に与えられるのは中学生の課題である。

悩みはすべての人それぞれ違うが、その比重はおそらく同じくらいであり、その人にとってはその課題が最も深刻なものであり、自分の課題を人の課題と変えることはできない。
自分の課題を他の人が持っていないというのは、自分自身にとっては意味のないことであり、自分の人生が有意義であるかどうかは、自分の抱えている課題にいかに取り組むかにかかっている。
それを環境のせいや人のせいにしても仕方ないことであって、当面は、この人生に設定してきたその課題に全力であたり、早く上の学年に進めるように心がけることである。少しでも悩みの質を上げることである。とのことです。

O
山本周五郎の「籾ノ木は残った」では、藩を裏切ったとされている悪人・原田甲斐が、実は藩を守るために汚名を背負って死んでいったというという話だが、これも後の世まで原田甲斐は悪者とされていた。
このように真相は、本人しかわからないということか。

H
そうですね。真相は本人しかわからないと思います。

Ta
元次官の事件は、家庭崩壊が原因ではないか。
動物は生まれてすぐに歩けて独り立ちできるが、人間は他の動物と違って、かなり長い期間親の庇護の下にないと生きていけない。

H
この父親は事務次官になったということは、相当な競争に勝ってきたということで家庭を顧みなかったと思われます。他人のことは言えないが、あえて推測してみると、この次官の課題としては、子供がグレそうになった場合、自分は出世を棄てても家庭を大事にできるというような課題を設定してきたのかもしれないし、この元次官に子供の死というのを経験させるためだったのかもしれない。それとは全然違う課題かもしれない。
これは、本人しかわからない。

O
両親が2人いないとちゃんと育たないということはないと思う。
「ヨイトマケの唄」にあるように貧乏な家で育った子供が、母親の仕事のことでいじめられながら、母親が頑張る姿を見てグレずに立派に成長したというように、きちんと育つ育たないは各人各様だと思う。
自分は、親に暴言や暴力をふるう人の気持ちはわからない。

H
引きこもりや子供が自立できないというのは、親の過保護が原因の1つだと思う。
一般的にはそうだが、輪廻転生の考えでは、人により親が過保護であっても自分はきちんと育ってみせるというような課題を設定してきたのかもしれない。逆に、親の方が、自分は子供を過保護にせずに厳しく育ててみせるという課題だったかもしれない。

O
このような事件を起こす前に考え方を少し変えれば起こさずにすんだかもしれない。

H
この輪廻転生という自己責任の考え「今ある自分の境遇は他人や環境のせいではなく、すべて自分が設定してきたことである」という考えが浸透すれば、もっと違う結果になったと思う。

●ここでトラブルにより遅れていたKaさんが到着しました。

Ka
今回の本の推薦理由は、「サンデージャポン」という番組で渋沢栄一の孫がすごい。トイレに「ありがとうございます」とステッカーを貼っているという話を聞き、興味が出てその人の本を購入してみた。
それを読んで、自分の魂を成長させるもの、心が洗われるものだと感じたので、推薦した。
この本ではなにごとにも感謝とある。自分は嫌な人、その人に苦しめられたことなどは時間はいるが感謝することはできるが、親しい人の死ということには感謝することはできない。

H
親しい人の死は悲しいし、寂しい。それをしばらくの間は感じているのはふつうのことだと思います。
ここで言っている親しい人の死に感謝するというのは、その悲しい、寂しいという思いがまったく無くなって、すぐに感謝に変わるということではないと思う。
心が落ち着いてきたら、その悲しい、寂しいという思いがありつつ、長いこと一緒にいさせてくれてありがとう、生んでくれてありがとう、友だちになってくれてありがとうという感謝をするということではないか。
その悲しい、寂しいという思いは持ちつつ感謝するということではないか。

自分が死んであの世に行ったときに、残された友だちがずっとふさぎ込んでいて悲しんでいる状態や生きる気力もない状態を見るのと、「友だちになってくれてありがとう、私はあなたの分まで頑張って生きるよ」など残された人が元気に暮らしている姿を見るのでは、元気に楽しそうに暮らしている姿を見たいと思う。
そういうことが親しい人の死ということに感謝するということだと思う。

Ka
みなさんのこの本の感想は?

H
輪廻転生という考え方については30年ぐらい前からいろいろな本などを読んでいます。
通常本を読むときは批判を加えながら読むことが多いが、この本は今まで読んで自分が納得した内容が書いてあり批判とか違うと思うところはなかったように思う。

O
否定的ではない。おおもとは一致している。

Ta
表紙がいい。そして、「なにがあっても、ありがとう」というタイトルがいい。
内容がわかりやすい。
多くの人に薦めたい本だと思った。

「ありがとう」という言葉は良い波動がある。
温室で植物に良い音楽を聞かせたり、ありがとうという言葉をかけているとよく成長する。
ありがとうという言葉は細胞を活性化させる。
自分の体に対して毎日200回ほどありがとうと言っている。

H
物体は固有の振動数を持っており(波動・波長)、魂も波動・波長であり、言葉(言霊)も波動・波長であるといわれています。
物理法則では、共振・共鳴という現象がある。

※共振・共鳴とは
振動体にその固有振動数と等しい振動を外部から加えたとき、非常に大きい振幅で振動する現象。
特に電気的・機械的振動の場合にいい、音の場合は共鳴ということが多い。

H
「似た者同士が自然と仲間を形成する」ということを「類は友を呼ぶ」と言います。これは共振・共鳴。
ありがとうという波動・波長を出していると、同じような波動・波長の現象を引き寄せるということ。
自分は運が良いというプラスの波動・波長を出していると、同じようなプラスの波動・波長を引き寄せ運勢が良くなるということ。
逆に、自分は運が悪いというマイナスの波動・波長を出していると、同じようなマイナスの波動・波長を引き寄せ運勢が悪くなるということだと思います。

Ka
「ありがとう」というのは、ふだん当たり前のように思っていることが当たり前ではなく珍しいことであるということ。
「有り難い。有ることが難しい」ということ。なので、感謝できるということ。
ミスをしないで仕事をすることが当たり前ではなくて、有り難いことであるということをもっとマネジメントの人たちは思ってほしい。

Ta
会社にはいろいろな管理部門がある。管理部門は管理部門で、管理部門がやっていけるのは、前線部隊が頑張ってやってくれているから私たちはやっていける、その結果の数字であると意識しないといけない。

Ka
自分が心配なのは、仕事が雑になること。雑にこなしていると、自分がある日突然倒れたら残された人たちに迷惑をかけてしまう。次の日のことも考えて仕事をしないといけないと思う。

●そろそろ時間となりましたのでこのへんで終わりにしたいと思います。

※輪廻転生の考え方
自分の今あることのすべての責任は自分にあるとする自己責任の考え方は、自分を律するにも有用です(ただし、この考え方は、「1回の人生はどうでもよい」という誤った解釈を生んだり、誤った差別意識をもたらす場合があるため注意が必要です)

※今回のテーマに関係する稲盛和夫氏の記事があったので紹介します。
人は「花がここに存在する」と表現するが、「存在というものが“花”をしている」と表現してもおかしくないのではないか。

https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19nv/00124/00016/?n_cid=nbpnb_mled_mpu


※最後に今回新しく参加予定であったSaさんが感想を書いてくれましたので以下に紹介いたします。

「なにがあっても、ありがとう」 鮫島純子著を読んで

この本からは、現在の自分に感謝、現在の自分を支えてくれている人に感謝、現在の境遇や環境に感謝と、報恩感謝の姿勢が大事と教わりました。全てに感謝できる人は愚痴や文句がなく、物事を善の方向にとらえて進めることができるので、周りもそれによって次第に変わっていき、環境をも変えることができるのだと思います。

(1)生命の永遠性
著者は、肉体と魂の話を通して、肉体の終わりがその人の生命の終わりではなく、肉体とは別に生命の存在を認めることで、その人の生命は永遠に存在しているものとしています。
生命の永遠性を認めることは、生命は今世だけのものではないので、今世を一生懸命に生きよう、ありがたいということになり、一方で、生命が今世だけのもととしたら、好き勝手に生きようということになると思います。生命の永遠性、生命を過去、現在、未来と三世でとらえることが、重要と思います。

(2)悩み
著者は、今世で苦しんだ生命は、死後も苦しみ、来世でも苦しんで生まれてくるとしています。
前日に大きな悩みを抱えた人が、夢でうなされて、翌日も同じ悩みを抱えているのと同じだと思います。だからこそ、悩みや課題に正面から向き合い、逃げることなく1つ1つ解決していくことが大事と思います。

(3)宿業
 著者は現在の悩みは過去世の苦しみをそのまま今世に背負ってきている、それを今世で解決できるのだから感謝しましょうと言います。
私は今世で解決できることは、その人にかぎらず、周囲の同じことで悩んでいる人に希望を与えることができるので、その人自身が、そういった人に希望を与えるために、あえて背負ってきたもの、宿業ではなく使命なのではないかと考えます。

(4)最後に
普通に生活していたら著者のようにはできないのではと思います。他者の幸せのために貢献していく、他人の悩みも一緒に解決していく、地域に貢献していくなど、貢献的な人生が、自分の生命をも鍛え、何があっても大丈夫と思える境涯になると思います。以上です。ありがとうございました。

平成31年3月27日 第46回読書会

2019-05-06 17:24:31 | Weblog


日 時:平成31年3月27日 18時30分~  
場 所:新橋
参加者:5名(Taさん、Oさん、Kaさん、Isさん、H)
推薦本:「チームスポーツに学ぶボトムアップ理論」 畑 喜美夫 著

※印では、内容の補足と私見を付け加えさせていただいています。

推薦の理由:精神科医である樺沢紫苑さんのメルマガからこの本を知る。
樺沢さんは、うつ病や自殺について研修している方で「病気になる前の予防」ということを言っている。
職場で業務上のミスが続いていたので、どうすればミスが起きない組織にできるか。再発予防になればいいなと思った。
また、この本のように自分たちで考えられる組織になればいいなと思い推薦した。

・では、Isさんからどうぞ

Is
全部、読み切れていないが全体を通して読みやすい本だった。自分は個人競技をしていたのでチームというよりはコーチからある意味押さえつけられているような感じだったので、この本の内容は新鮮に感じた。また学校の部活の話だけではなく、会社だったらこうしたほうがいいというように内容を置き換えてくれていたので参考になった。

自分の部署においてどのように置き換えたらよいかはわからないが、若手の意見をくみ取って、若手が職場に定着して育ってもらうために指導方法も今の時代に合わせて変えていかないといけないのかなと思った。

T
Isさんの職場の組織体制はどうなっているの?

Is
だいたい10名ぐらいの部署。

H
この本を読むと1つのチームは5名くらいがよさそう。

※P84 打てば響く組織の構築
P86 キャプテンを頂点にして、各学年のリーダーからさらに5人ずつのチームに分けて、考え行動させる伝達の仕組みをつくりました。情報伝達の迅速かつ正確性は、みるみる向上していきました。

P86 100人のチームでは人数が多すぎて、誰かのためにとも思いませんが、5人のチームであれば、一緒に考えて行動するうちに信頼関係が構築されます。仲間のためだったらと思う気持ちもうまれてくるものです。

P87 組織では人はもちろん。迅速かつ正確な情報伝達を保つための人と人を結ぶ伝達回路も重要です。一人ひとりの力があっても、伝達ラインが脆弱では組織も機能しませんので、このような理論でチーム全体を動かしています。

Is
自分の職場は、若い社員と中堅以上の社員の間に人がいない。

O
世代が開いている理由は?

Is
辞めてしまったのもあるし、採用自体も少なかった。

T
高校などの部活は、卒業によって毎年チームの3分の1が入れ替わっていくのにも関わらず、強さを維持しているから、人数が少ないことは工夫によってなんとかできそう。

Is
TさんやOさんが職場で重きを置いていたのは、ボトムアップですか?

O
ボトムアップというか自律といっていた。自分で自発的に動ける人間を育成したいと思っていた。

T
なぜ自律を重点的にしたかというと、入ってきた人がみんな自律的な面がなかったり、受け身の人が多かったり、自分なりの生活しかしていなかったから。そういう人たちを変えるにはどうしたらよいかと考え、自主自律というところに重点を置いて、鍛えていった。

O
自律は営業の部署には受け入れられやすかったが、決められたことをきちんと実施する職場では、それじゃうまくいかないと、反発はあった。そのような職場では、一から教えていって右向け右と動いてもらわないと困るという反発があったので。

Ka
先ほどの職場でミスが多いという背景には、何でもかんでも報告するからということがある。
報告されると上の人たちは、いちいち処罰することになる。昔は「これぐらいは、大げさにしないでここだけにしておくか」という感じで処理していたミスが、どんどん報告することによりこの部署はミスが多いといわれているところもある。

Is
この本の中にあったがミスが起きる場合、ゼロベースで考えないといけないと。

※P126 積み上げ方式からゼロベース方式への勇気
組織の作り方で積み上げ方式というのは、あるものにドンドンものを積み上げていくような方式です。現状の延長線上で、さらにどう積み上げるかを考えていきます。
組織がうまくいっているときは、この積み上げ方式です。一方、組織がうまくいかなくなったときには、どうするのかというと、必要なものと不要なものを区別して、一度そのものを横に置いてから、ゼロの状態にして組み直すゼロベース方式となります。


Ka
NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」名古屋大学の医療安全管理部についてやっていた。

※人間はミスをする。 だからこそ「逃げない 隠さない ごまかさない」。
そのために医療安全管理部が開発したシステムがある。
医師や看護師が 現場で起こったミスやトラブルを報告するシステム。
患者にとって好ましくないことは全て「インシデント」と呼ばれ 報告される。
その数は 年間1万件に及ぶ。
事故には至らないヒヤリ・ハットの事例も上がってくるため、他の病院よりも圧倒的に多い。
通常、このようなシステムがあっても、こうしたネガティブな報告を上げることは敬遠されがちである。
医療安全管理部は 早期の報告により患者を救えた成功例を積極的に周知した。
さらに、報告を上げても それによって評価が下がることはないようにした。

O
交通事故に関していえば、起こしてよいと思っている人はいないし、自分が起こすとも思っていない。
だからそれを罰したからといって事故は減らない。

T
そういうミスに関してIsさんの職場ではどういう話し合いがされているのか?

Is
ミスの原因や解決策を考えて話し合うが、全体で周知されるかというとそうではない。

Ka
違う職場でのミスを起こしたなどは管理部署の人たちにはあまり関心がない。
自分には関係ないと思ってしまう。

O
職場では、パワハラとかそういうことはあるの?

H
今の若い世代は、親にあまり叱られないで大きくなっているので、厳しく叱られるとパワハラと感じるのでは?

Ka
青学の陸上の監督は、この「蝶よ花よ」と育てられた世代の教育方法をやっている。

T
青学の原監督は、早稲田の大学院に入って指導方法なども勉強している。

O
この本の中に、一流の料理人は素材を選ばないというところがあった。高校野球の池田高校も11人しか部員がいないのに甲子園に出場した。選手は良い素材だったのかもしれないけど、入って来た人を育てていくしかない。

※ 徳島県立池田高等学校 1974年の春の甲子園に出場した池田高校は、メンバーが11人という、どうにかゲームが出来る人数であった。しかし大会では快進撃を続け、決勝戦で惜しくも敗れたものの、準優勝を果たした。その後、1982年の夏の甲子園で優勝を果たす。

・では、続きましてOさん、どうぞ。

O
本を読んでの感想は、内容としては昔からの考え方だが、すごいなと思うし、実際にサッカーチームで結果も出しているし、やり方によって強くなるということは選手自身がどう動くかを考えて組織を作っていくというのは何ら文句を言うつもりはないし、この通りだと思った。
これはリーダーがどう考えるかなので、リーダーがこう考えればこういう組織を作れる。リーダーに読んでもらいたい本。営業の人たちは成績があるので、こういう方法があるよと言われたら選択するが、決められたことをしっかりとやるというような職場ではこういう組織を望まないかもしれない。
まぁ、今回の本は、自分で買って読む本じゃないけど新鮮でした。

H
この本の内容は、だいたい知っている内容だと思うが、参考になったところはありましたか?

O
P47 カオスを楽しむことでチームも楽しいことになっていく
「理不尽」はカオスと訳してもいいでしょう。世の中は、真面目に暮らしていても理不尽なことも起ります。それでも大切なことは、うまくいかないときにどう楽しめるかということです。この原理原則を頭に入れておかなければなりません。

チームの育成においても、指導者の思うように選手が育っていくわけではありません。選手たちのミステイクにいらだってもしかたありません。

理不尽を楽しめるようになってくると、結果だけに頼ることなく前進していくことのできる強い意志が身についているものなのです。


このへんが、なるほどね、と思った。

あと、青学の原監督も言っているけれどP118のわくわく感を出すというのも大事だと思うし、物事をうまくいかせる大事な秘訣だと思った。

P118 結果が出るからワクワクするのではなく、ワクワクする先に結果が出る。
P118 常日頃からいろいろなことにワクワクしながら打ち込むから、その先に結果が出てくる。

H
これは、心理学にもあるが、「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しくなっていく」というのに似ている。いやだいやだと思っていると結果も暗くなりがち。

※リチャード・ワイズマン博士は、「アズイフの法則」と読んでいます。"as if"とは「〜のように」という意味の熟語。つまり「〇〇なように振る舞えば、〇〇になれる」という話です。行動が感情を生み出すという説をとるなら、人はあたかもそれを体験したかのように行動しさえすれば、いかなる感情でも望み通りに作りだせるはずであるというもの。

アトランティック大学の心理学者サラ・スノドグラスによる実験では、集まった被験者はそれぞれ違った歩き方をするよう指示されました。

参加者の半数は大股で、腕を振り、背筋をのばして歩くように指示された。もう半数は小股で、のろのろと、うなだれて歩くように指示された。
そしてその全員にアンケートを取り、「歩いたあと、どのくらい幸福を感じたか」を回答してもらいました。すると、大股で歩いた人たちのほうが、のろのろ歩いた参加者より幸福感を感じる度合いがはるかに高かったのだ。
という結果が得られたそうな。私たちが「小股で、のろのろと、うなだれて歩く」のは、主に気分が落ち込んでいるときです。対して「大股で、腕を振り、背筋をのばして歩く」のは、元気がみなぎっていて幸福で、気分が上向いているときの行動といえるでしょう。

足どりを少し変化させるだけでも、心理状態に大きな影響を及ぼすのであります。

O
簡単に書いてあるけど、ワクワクさせるっていうのは大変なこと。

※ P119 どのようにしてワクワクを演出するのか
できそうだな、やれそうだなという目標設定がポイントになります。
届くか届かないというような目標設定をしていくことが大切です。


O
あとは、先ほども言ったが、P88 一流の料理人は、素晴らしい素材があるから美味しい料理がつくれるわけではなく、それなりの素材でも美味しい料理をつくります。

サッカーの青森山田高校は、全国から優秀な選手を集めてもなかなか勝てない。東福岡高校などは、全国から選手を集めてはいないがラグビーもサッカーも全国制覇している。サッカー部の監督が初めて全国制覇したときに話した言葉。「自分はずっとスパルタでやってきた。しかしこれだと県代表にはなれても全国大会にいくとスーパースターがたくさんいて、選手が不安がってみなが監督を見てどうしたらいいんだろうという顔をする。それを見たときにこれはダメだ、全国大会でこのチームでは勝てないと思った。それで一人ひとり考えてプレーするように変えたときに全国制覇できた」。

右向け右はある程度の組織はつくれるが、自分で考えられる組織をつくるととてつもない結果がでる。右向け右の組織でも業績を上げている会社もあるが、大変なときになると人が逃げていくし、どこかで息詰まる。

この本の内容は、企業にも充分当てはまると思う。
ただ、管理する会社だったり、クリエイティブな企業、IT系に当てはまるかどうかは不明。もともと自発的な人でないと仕事ができないところであれば、この本に当てはまるかどうかは不明。

P30 ボトムアップ理論では、「プレーヤーズ・ファースト」が原則です。つまり、選手が主役です。
会社で社員が主役ということであれば、社員からの意見をどんどん引きだしていくことが重要になるということです。


O
現場が言ったことを現場ができる組織を目指す。できるようになってから任せるのではなく。

H
P116 良案は年齢に関係なく思いつくもの
今までは、4年生の考えた戦略をトップダウンで3年生、2年生に押し付けていたが、それでは試合で勝てない状況が続いた。そんなとき、下級生から戦略の提案があり、それでやってみたら連戦で勝ち続けた。

すべてではないが、広く意見を聞くというのは大事だと思う。

Ka
知らない人の方が斬新な発想をすることがある。ベテランの社員はそれをサポートしてあげるといい。
「教育」は、その人が本来持っている能力を「引き出す」ことなので。

※ 斬新な発想については、自分の仕事があとで他人に使われることを想像できる人ほど、斬新なアイデアを思いつきやすいようです。

Ka
教育者というと吉田松陰が上げられる。

H
吉田松陰は本やテレビでは立派な教育者像がつくられているが、それは一面で相当クレイジーな面もあった。

O
クレイジーな面はあったかもしれないが、間違いなく門下生はすごい人物が育った。

T
吉田松陰は中国古典を総なめにしている。孔子等の戦略的なことも総なめにしている。
陽明学の「知行合一」という言葉を彼の人生の中で実現した。だからみんながついていった。言っていることとやっていることが一緒ということで。また脱藩して全国を歩き回っていた。だから良い刺激を受けて、日本に対する危機感を聞いている。また江戸では佐藤一斎や佐久間象山の影響を受けている。本や人物から学び、生きている人間はこうして生きてきているということに気づいた。だから自分の人生で体現して、それを弟子も見ていた。

※ 佐藤一斎。1772~1859 江戸時代後期の儒者。朱子学や陽明学に通じ、幕府の学問所「昌平坂学問所」の儒官(現在の大学学長)を務めた。門人に佐久間象山や横井小楠、渡辺崋山らがおり、象山の教えを吉田松陰や勝海舟、坂本龍馬が受けた。著書「言志四録」は西郷隆盛も手元に置いて学んだという。

H
脱藩はあの時代では切腹と同じくらい死罪に値することなのに、吉田松陰は東北に友人と一緒に出かける約束を守るために脱藩した。すごいなと思った。
ただ、吉田松陰の行動は全部受け入れられていたわけではなく、弟子たちに時の老中の暗殺を指示して、それについていけず、弟子たちもみんな離れていったりしている。だから、吉田松陰はダメということではないが。

T
これは、信念があって、言ったこと。

H
吉田松陰が言った「諸君、狂いたまえ」という言葉は、一心不乱に何かに打ち込めということを言っているのだと思う。狂うというのは「気違い」という意味で言っているのではない。

T
江戸時代は侍の時代。朱子学は、科挙の試験で採用され、科挙に合格するため学問となり、成績の良いものがのし上がっていく時代となる。
朱子学(権威に従い、秩序を重んじる)から陽明学(権威に盲従せず、習った学問を実践する)に変わらないと日本の現状は打破できない。それを乗り越えないといけないというのが「狂」につながっていったのではないか。
朱子学というのは良い役職につくとか、出世の制度のための学問。陽明学はそうではなく、「知行合一」といって正しいことを実践していかなければいけないという考え方。行動を通じて学びなさいということ。原因をきちんとつかんで対応しなさい。そういうことをきちんとわきまえたうえで行動しなさいということ。

1.「知行合一」(実践のうえで知と行とが一致することを要請すること)、2.「格物致知(かくぶつちち)」(自然な心情、本来的な心のはたらきを徹底的に発現させること)、3.「事上磨錬(じじょうまれん)」(人の心の中には良心があると同時に、また私心もある。心の中にある私心を1つずつ、克服して、常に良心で生きられるようにする。この修行を日常の中で実践しようとすること)、4.「抜本塞源論(ばっぽんそくげんろん)」(木を根本から引き抜き、水の流れ(水源)を塞いで止めること。根本の原因を取り除いて、弊害が再び起こらないようにすること)。陽明学はこの4つがベース。

Ka
今の時代は人を大切にしていない。「一億総活躍時代」というのは、GDPを高めたいだけのように見える。

※ 「一億総活躍社会」というキャッチフレーズ、そのネーミングが「活躍しろ」または「活躍してもらいます」というメッセージに聞こえる。また、活躍できない人、重い病気の人、障害のある人などにも活躍することを求めるような感じになっているのもどうかと思われる。

O
事故というのは、今は大したことではなくても、なんらかの偶然が重なると大惨事を巻き起こすもので、会社の屋台骨をゆるがすことになるもの。
「ヒヤリハット」が必ず大きな事故につながる。それを経営者は考えておかないといけない。

Is
ミスは真新しいミスはなく、繰り返されている気がする。それを防ぐためにどう教えていくかということが難しい。そういうミスをいかに自分のこと捉えてもらうように教えていく。

Ka
私は「自分ごと」がテーマ。「自分ごと」と思えばがんばれる。
どうすれば「自分ごと」と思えるかの仕組みづくりが大事。

Is
非懲罰の制度もよいと思う。ミスを起こしたくて起こしている人はいないので。

T
ミスを自分のことのように捉えるには、たとえばIsさんがミスを起こしたとする。どうして起こしたの?と聞く。ミーティングをやっていろいろ聞く。そのミスのプロセスなりをいろいろ聞く。そして1人ひとりにIsさんがこう言ったけど、どう感じた?という感想を聞いてみる。
これを見ている人は観察力をもって見ないといけない。そうすると自分のこととして捉えて感じている人と、捉えていない人がいる。あいつはいつもああやっているんですよ、と捉えている人もいるかもしれないし、自分のこととして捉えている人もいるかもしれない。相手の感じ方をすくい取って話しをしないと、1人ひとりがどう感じているかわからない。

H
共感させることで「自分ごと」として感じられる。
共感力を高めるためには、P72の信頼関係を築くノートの活用術が良いと思った。

もう1冊のコミュニケーションノートは、トレーニングノートとも呼び、週2日あるサッカーの練習や休みの日の過ごし方を24時間コーディネートし、自主トレーニングのメニューや、休むのであればプライベートの過ごし方や勉強のことも書きます。
デートをしたのであれば、それも記入するようなノートです。ある意味、信頼関係を築くコミュニケーションの本質は、サッカーそのものにあるのではなく、それ以外の日常生活の中にあるのです。


※このコミュニケーションノートについては、 『こころのマネジメント~ひとりのメールが職場を変える』田坂広志 著より少し長いですが引用します。

この本の中では、「コミュニケーションノート」のことは、「ウィークリー・メッセージ」といい、週1回、職場のメンバーとの間でやり取りします。その際のルールは3つで、第1は、プライベートなことでも自由に書いてよい。
第2は、他のメンバーに対する誹誇、中傷、冷笑はしない。 第3は、交換したメッセージを、決して職場以外のメンバーに伝えないということです。
第3のルールについては、メッセージを発信するメンバーの気持ちのなかに「このメッセージは、同じ職場のメンバー以外の誰かに読まれるかもしれない」という懸念が生まれると、当然のことながら、率直に自分の気持ちを述べたメッセージを発信することができなくなるからです。

▼ウィークリー・メッセージによる相互理解
このような「ウィークリー・メッセージ(コミュニケーションノート)」は、酒の席だけでは知ることのできないメンバーの人柄を知ることができるからです。酒の席で見せる姿だけが、その人の本当の人柄ではありません。
「文は人なり」とよくいいますが、こうした「ウィークリー・メッセージ(コミュニケーションノート)」の文章に表れる人柄もまた、その人の1つの姿であり、そうした側面を知ることも意味があるのです。
新人に、職場のどのグループに加わってもらうか。どのプロジェクトに参加してもらうか。そうしたことを考えるときに、私たちマネージャーは、無意識に、この「相性」を考えています。「彼女は、あのグループの雰囲気にはなじまないかな……」「彼は、あのプロジェクト・リーダーとの相性はよさそうだ……」などと考えているのです。そして、こうしたとき、その新人やメンバーの人柄についてよく知っているということは、きわめて重要なことなのです。そうした意味で、私たちの職場における「ウィークリー・メッセージ(コミュニケーションノート)」は、とても大切な役割を果たしてくれているようです。

▼人柄や個性を知る方法
しかし、「ウィークリー・メッセージ(コミュニケーションノート)」のこうした「効用」は、マネージャーやメンバーが新人の人柄を知ることができるということだけではありません。当然のことながら「逆も真なり」 です。
私の職場では、新人に対して、毎週の「ウィークリー・メッセージ(コミュニケーションノート)」を丹念に読むことを勧めます。すると、新人の皆さんは、実に熱心に、それらの「ウィークリー・メッセージ(コミュニケーションノート)」を読みます。当然でしょう。無味乾燥な業務マニュアルを読めといわれるよりも、よほど面白いですから。たとえば、「なるほど、Sさんは、見た目は怖いけれども、気さくな人柄なんだ」「Aさんは、昔、スポーツに打ち込んでいたのか」「Mさんは、家族思いの人のようだ」「Kさんは、環境問題がライフワークなのか」「Lさんは、厳しいプロフェッショナリズムの持ち主だ」など、さまざまなことがわかります。
したがって、もし新人が3カ月ほども「ウィークリー・メッセージ(コミュニケーションノート)」をしっかりと読むならば、職場のメンバー1人ひとりについて、ある程度、その人柄や個性を理解することができます。いや、それだけでなく、過去の経歴や特別な経験、家族の構成や趣味の世界を知ることもでき、ときには、1人ひとりのメンバーが抱く理想や思想、さらには職業観や人生観などを感じることもできるのです。
そして、いうまでもなく、同じ職場のメンバーの人柄や個性を理解することは、新人にとって、これから仕事をしていくうえできわめて大切なことです。

▼円滑な協働作業のために
なぜならば企業の職場における仕事というものは、その大半が「協働作業」だからです。他のメンバーと力をあわせて作業をしていくことだからです。そして、この協働作業を円滑に進めていくためには、何よりも、メンバーが互いをよく知っていなければなりません。逆にいえば、互いをよく知っていないと、仕事が円滑に進まないのです。
私のささやかな経験では、だいたい協働作業がうまくいかないときというのは、ほとんどの場合、互いに相手をよくわかっていないということが原因のようです。たとえば、MさんがはじめてNさんと一緒に仕事をしたとします。そのとき、ちょっとしたトラブルがあって、MさんはNさんに対して「あの人は仕事が大雑把だ」といった批判的な気持ちを抱くときがあります。しかし、しばらく一緒に仕事をしてNさんの人柄をよく知ってみれば、たしかに少し大雑把なところもありますが、Nさんは底抜けにお人よしであると感じることがあります。そして、こうしてよくよくNさんの人柄を知ってみれば、それまで欠点と思えたものも、むしろ「包容力の大きさ」に見えてくることさえあります。そんな経験がないでしょうか?
また、たとえば、OさんがはじめてPさんと一緒のプロジェクトに参加したとき、これもちょっとしたことで、Pさんに対して「あの人は神経質な人だ」と嫌悪感を抱くときがあります。しかし、それからしばらく一緒にプロジェクトに取り組んでPさんの人柄をよく理解してみれば、たしかに多少神経質なところもありますが、むしろきわめて几帳面な性格で、プロジェクトにおいてはもっとも信頼できるメンバーであることがわかったりします。そして、こうして深くPさんの性格を知ってみれば、欠点と見えた「神経質さ」も、むしろ「細やかさ」に見えてくることがあるのです。こうした経験は、誰しも持っているのではないでしょうか?
このように、職場において協働作業がうまくいかないときというのは、ほとんどの場合、互いに相手をよくわかっていないということが原因のようです。

T
試験の研修を全国から400人集めてやったことがあり、そこで4回受験しても受からない人がいた。
その人が「もう試験を受けるのやめようかな」とぼやいた。そのときに「俺なんか運転免許を8回も落ちたんだ」といったら安心して次の試験を受かった。そういうことを素直に言えるようなチームづくりが大事。
職場での失敗だけでなく、人生の失敗のようなことも振ってみて、お前もそんなことをしたんだという雰囲気になると良い。

Is
なかなかボトムアップという環境でもないと思うので、そういう環境づくりは大事かと思う。

T
昔は仕事が終わるたびに職場のみなで飲みにいったり、休日には旅行に行ったりした。

O
昔の本社は楽しかった。

H
本の中で、ボトムアップの組織をつくるうえで大事だと思ったところは、P13の「いいえ」を言える環境を作るというところ。さらに、「いいえ」から「わかりません」、「僕はこう思います」と自分の意見をはっきりと言えるような、ストレスなく安心して何でも発言できる環境を心がけています。

こういう環境をつくるといろんな意見が上がってくる。あとは「コミュニケーションノート」という仕組み、その部や課のメンバーが週末はこんなことをやっている、あの人はふだんはこんなことを考えているのかなどを回覧することで、課長はこういう人なんだあの先輩はこういう人なんだということがわかって、コミュニケーションがよくなると思う。

あとは、P92の「教えて」と聞く評価のところ。生徒たちがいろんな質問をしてきたときに、「そんなこともわからないのか」と返すのではなく、聞いてきたことにも評価をする必要があります。
というところ、そういうところを工夫していくとコミュニケーションも良くなるように思う。

・続きまして、Tさんどうぞ。

T
一通り読んで「なるほど」と思った。昔のことを思い出した。交換日記ではないが、「粉骨砕身表」というのをつくって、1人ひとりの力に応じて目標や反省を書かせていた。そこにメンバーが個人的な気持ちを書いてきたことがあった。それに対して、コメントを書いていたりした。「ちょっとおかしいな」と思ったときには、喫茶店に連れ出して1時間くらい話すと、事情がわかって、そのメンバーの上司にそのメンバーの状況を知らせて注視するように促したりした。あの当時はとてもコミュニケーションが良かったように思う。
うまくいかないということは、悪いことじゃなくポジティブに転換させる。失敗に良い面があることを見つける。あるメンバーの数字が上がらない。できなかったことに対して、責めるのではなくて、やってきたことに対してもっと数多くやったらどうか。どういう風にやったらよいか。ということを双方向の会話でやっていた部分がある。
役割の部分では女性スタッフを集めて美化の部分をやってもらったりした。美化に対してはいくらお金を使ってもよいと言ってあるから女性スタッフが花を買いたいといったら買ってあげたりした。
女性スタッフたちも張り切ってお店をきれいにする便りなどをつくったり、お互いに役割を決めてやっていた。
1週間に1回、店舗を回るのだけれど、コミュニケーションというのはすごく大事。
なかには育ってきた環境などによってどうしても物事をネガティブに考える癖がついている人もいるが繰り返しコミュニケーションを取っていくことが大事。

・では、続きましてHさんどうぞ。

H
途中でいろいろ発言しているので、その他で大事だなと思ったところではP56の良いところを見つけて伸ばすというところ。

別の本ですが、人が一番信用できないのは自分自身だということ。なので、たいていの人は放っておくと、マイナスになりがちになる。そのため、褒めて褒めて褒めまくるくらいでちょうどいいんだという。

P57 しっかり褒めてあげることで、自立心、主体性が芽生えてきます。
P56 人は、どちらかというと人の悪いところにはすぐに気がつき、目にとまります。

※ シドニー五輪で高橋尚子選手を女子マラソン優勝の栄冠へ導いた小出義雄監督は、大きな期待を選手に伝え、さらに褒めまくる才能を持っていた。「1番になれるよ。世界一になれるよ。絶対になれるよ」と、繰り返し、褒めて褒めて褒めまくった。
高橋選手は、自分は世界一のマラソンランナーになれるものと思い始める。そうなるとどうしようもなくワクワクしてきて、「やめろ」といわれても喜んで努力してしまう。

一時期うちの会社でも「褒める運動」があったが、褒めると調子に乗ると下火になった。でも、褒めて褒めて褒めまくるくらいがいいんじゃないかと思った。

T
人は、人に認められるというのが大事。会議でもみんな何か言いたい。けれど、上の人が最初から長々と話すからみなが話せない。会議ではなるべく自分は抑えて人に話させようと思っていた。なぜかというと参加しているからにはみな何か言いたい、参加したいと思っているから。

H
昔、研修で背中にA3の画用紙を貼って、その人の良いところだけを書くというのがあったが、これはけっこう印象に残っている。褒められるというのはうれしいもの。
こういうのをミーティングなどで実施すると他人の長所に目が行くようになり、自分の長所にも気づけるようになるのでは。

以上、このへんで時間となりましたので終わりたいと思います。

平成30年12月10日 第45回読書会 

2019-01-05 18:04:27 | Weblog


日 時:平成30年12月10日 18時30分~  
場 所:新橋
参加者:6名(Taさん、Oさん、Mtさん、Kuさん、Kaくん、H)
推薦本:「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる」幡野広志 著

※印では、内容の補足と私見を付け加えさせていただいています。

・推薦の理由:推薦者は本日体調不良のため来れなくなり、本人から「推薦理由と感想」を預かってきましたのでそれを読みます。

今年9月に友人が亡くなりました。2月にガンとわかって7月くらいまで通院しながら働いていました。
お見舞いしてからは症状が安定せず、基本お見舞いはお断りしているとのことで、結局、病気のことを教えてもらった時と、亡くなる1週間前の前日の夜に「明日会いたい」と連絡をもらって、会いに行った2回きりしか会うことができませんでした。

お母さんによると、入院中は誰にも会いたいと言っていなくて、病院からはおそらく11月くらいまでと言われていたそうなのですが、9月頃から急に「みんなに会いたい、みんなに会いたい」と言っていたそうです。

亡くなる1週間前に病院で2時間くらい話しました。入社した時から楽しかった思い出、嬉しかった思い出、会社の人たちに良くしてもらった思い出をすごく懐かしそうに嬉しそうに話していて、最後に「会社の人たちには本当に感謝しかない」と言っていました。

友人が亡くなったのはそれから1週間後のことでした。
会いたい人に会って、伝えたいことを伝えたという気持ちをその時の友人からものすごく強く感じました。

友人の姿と重なって、胸に来るものがありました。少なくとも今、当たり前に生きていることは本当はありがたく有り得ない奇跡の連続なのだと思いました。

そういう気持ちを普段忘れてしまいがちですが、やはり奇跡の連続で生かされているのだと思います。そんな気持ちを思い返したりするきっかけになればいいなと今回、推薦しました。

みなさんにお会いしてご挨拶したかったのですが、本日はすみません。

・本日は新しいメンバーが加わりましたので自己紹介をお願いします。

Ka
この会はHyさんから紹介されました。ふだんは2週に1冊ほど読んでいます。
ジャンルはミステリーなどいろいろ読みます。通常は小説を読んだら次は親書というように交互に読んでいます。


最近読んだ本は?

Ka
時期が遅いのですが『海賊と呼ばれた男』を最近読みました。

・では、読書会を始めます。Kuさんどうぞ。

Ku
2つある。
P28の「優しい虐待」のところとP62「学校は、理不尽さを学ぶ場所だ。」というところ。

「優しい虐待」
優しさのかたちをしているけれど、結果として苦しめるのなら、それは相手を残酷に取り扱うのと同じこと。
インスタントラーメンにお湯を注ぐような、気軽なアドバイスはやめたほうがいい。


「学校は、理不尽さを学ぶ場所だ。」
喧嘩をしたあと「はい、握手をして仲直り」お互いに納得していないのに、握手くらいで関係が良くなるはずもない。
誰が上か、誰が下かという、「スクールカースト」も不思議だった。
先生が押しつけるルール


7年前に働いていた時のことですが、そこでは他の人に指示をする仕事でポジションとしては皆から一目置かれる仕事だった。
人によるが、横柄にやろうと思えばやれる仕事だった。
自分は「あまり感情を入れずに合理的に重点を置いて指示していた」
ある時、現場の人から「Kuさんは怖い」と言われた。
同じような仕事をしている他の人はすごく優しかった。
自分は後輩から「どうしたらいいでしょうか?」と聞かれると「そんなの自分で考えろ」と言っていた。
尋ねる人が自分の考えをもって「自分はこう思うがどうでしょうか?」と尋ねるのならきちんと自分の考えを述べていたが、ただ「どうしたらいいでしょうか?」という問いには「そんなの自分で考えろ」と答えていた。
こういう対応を見た人が「Kuさんは怖い」と言っていた。

他の人はこういう時に全部教えてしまう。これはこの本でいう「優しい虐待」だと思った。
こういうふうに全部教えてしまうと自分で答えを出せなくなってしまう。
なので、この本の「優しい虐待」という言葉がしっくりときた。

「学校は、理不尽さを学ぶ場所だ。」については、
こういうことを言うのはこの著者が、サラリーマンではなくカメラマンだからかなと思った。
サラリーマンは、世間を気にするし、波風を立てない。ふつうであることや前例を大事にするし、忖度したりする。カメラマンというのは自分一人の仕事なのでこういうふうに感じるのかなと思った。

O
Kuさんは、この著者についてはどう思った?

Ku
普通の人。この本を息子に残そうと思っていろいろなことを書いているという感じ。

Ka
20代の人でこの著者のような考え方をしている人は多い。
「ライスワークとライフワーク」や効率を重視するところ。
「夢と仕事とお金の関係」のところ。
「職業を夢にしてもあんまり意味がない」「夢を叶えるためにお金と仕事というツールがあるんだよ」
小学生の僕は、学校で「将来の夢は?」と聞かれると、「幸せになりたい」と答えていた。など


この著者については、ことごとく意見が合わないと思った。
「息子が18歳になったら、100万円あげようと決めている」
バイトをして必要なお金を貯めてから行動するのではあまりに効率が悪い。
なにかと無駄を省こうとするところ。
昔の農家の人などは毎日毎日同じようなことを繰り返して暮らしていた。こういう人たちは幸せじゃなかったのか?
あと、お金を集めるのはチョロいというような考え。クラウドファンディングでお金を集めているのでそういうふうに考えるのか。
篠田桃紅(しのだ・とうこう)という人の「103歳になってわかったこと」という本に書いてあったが、無駄が大事と言っていた。
この著者はいろいろなことを経験せずに死んでしまうというのはかわいそうだなと思った。

あと、カチンときたのはがんになった時の友人、知人からの言葉が迷惑だ、大きなお世話だという態度。
周りの人がそういうことを言う気持ちも考えてあげてほしいと思った。

※篠田桃紅(しのだ・とうこう)
女性。日本の美術家・エッセイスト。映画監督の篠田正浩は従弟にあたる。
1913年(大正2年)生まれで、翌年に第1次大戦、23歳の時に第2次世界大戦勃発と、2度の戦争を経験している。しかし戦時中も書道家の道を諦めず活動し、戦後まもなく単身で渡米。
父親の遺言「必ず結婚すること」を顧みず、現在も独身で創作活動に励んでいる。
「書」の枠を超え、墨を使った篠田さんのアートは世界で高く評価されている。

Ta
これは、精神的な余裕がないからだと思う。

Ku
自分の親のことがフラッシュバックした。
母親が入院中の父親に対して「栄養は点滴ではなく胃から入れた方がいい」とアドバイスした時に食べようと思っていても食べられない父親は「そんなことはわかってるんだ」と怒鳴った。
自分でわかっているけどできないという状況。

H
余裕がない時というのはそういうふうになるのは分かる。ただ、この著者については寝たきりで動けないというわけではなくブログを書いたり、写真を撮ったり活動できているので、そんなに余裕がないとは思えなかった。

あと、狩猟について。
この著者は狩猟を通して、動物の死と対面してきたと書いてあった。狩猟をしていたからがんになったとか、因果応報とかは言わないが、狩猟というのは生活のためにするものであって、生きることと死ぬことに興味があったとかでやるものではないと思った。

あと「息子が18歳になったら、100万円あげようと決めている」については、自分の中では賛否は付けられなかった。お金に縛られないで行動するというのもわかるし、自分で稼いだお金で行動するというのが大事だという気持ちもあるので。

・続きまして、Taさんどうぞ

Ta
まずタイトルについて。初めは意味がわからなかったが、彼の育ち、34歳で余命宣告された。
自分の経験の中からまだ小さい子供に伝えたいことを本に残した。
そういうことかと思った。

参考になった部分は、自分の子どもに教わるというところ。
「いい写真ってなんだろう」とずっと考えていたけど、息子が教えてくれた。
撮影者の伝えたい気持ちが正しく伝わる写真のことなんだと、ようやく気付いたのだ。


あとは、女性には相手を理解する「共感力」があり、男性には相手とわかり合えない部分を解消する「問題解決能力」があると僕は思う。というところ。

ほか、結婚相手の選び方のところ。
やっぱり、大切な相手は能力ではなく、その人の優しさで選ぶのがいいだろう。
「優しい人」かどうかを見分ける方法は、ひとつは、悩み相談にその人がどう答えるかということ。
もうひとつは、弱い人にどう接するかということ。

息子には、「言葉で伝える人になってほしい」と教えるのと同時に、「いくら伝えてもすべては理解してもらえない」ということも知っておいてほしい。
誰よりも自分を理解できるのは自分以外になく、答えは自分で出すしかない。
自分を救えるのは、自分自身。

人の目を気にせず、自分の経験をしたほうがいい。それがきっと、自信につながる。
自分に自信がある面白い人になれれば、近所にいても面白いものを見つけて、面白い写真が撮れるだろう。


あとは、子どもにつけようと思う名前を、親が2、3カ月試しに使ってみよう。
これは面白いと思った。

子どもから学ぶというところでは、自分は孫が多くいて最後の孫は生まれて1か月間一緒に生活した。
その孫は子どもの頃から讃美歌を聞いていて、朝など泣き出しても讃美歌や聖書の一節をを聞くと泣き止む。
胎教というのはあるんだなと思った。
あとは、その子は上に2つ違いの女の子がいてその女の子はその子が生まれると自分が相手にされなくなると思ったのか下の子に嫉妬している感じがあった。

喜びということは段階があって、最初は親からやってもらう喜び、次に自分でできる喜び、さらに大きくなると相手から喜んでもらう喜びというのがある。


「誰よりも自分を理解できるのは自分以外になく、答えは自分で出すしかない。」というところ、よく「みんな、私のことを誤解している。誰も自分のことをわかってくれない」というが、私は、周囲の人はその人のことを正しく評価していると思う。
当然、誤解や勘違い、好き嫌いによる思い込みはあるが、周囲の人間10人の意見を総合して、その大半の意見が一致すれば、その人物評はその人を表していると見て間違いないのではと思う。
会社の場合は、一部の人の意見が採用される傾向があるので、その人物を評価する場合は、その人物の周りにいる人にアンケートしてその大半の意見が一致した評価を行うようにするといいのでは。
ただし、周囲の人と言っても、あまり近い人(親友、親、兄弟、恋人など)はダメ。その人に近ければ近いほどズレが大きくなるため。または上司や部下、その部の人だけの360度評価とは違う。これだと評価実施期間になると、やたらに部内の飲み会が多くなるとか、チーム全員で「談合」して全員がお互いに一番いい評価をつけるといったことが見られるため、その人の仕事とは関係ない周りの人にアンケートする。

・続きまして、Mさんどうぞ


本に掲載されている子どもを写した写真を自分が持っている写真があったが、この写真はよかった。
撮影者は写っていないが撮影者が子供を慈しんでいるというのを感じた。
孫がこの子どもとほぼ同じなので好意的に読んだ。
この本は哲学者の人生論や禅の坊さんの悟りの境地というような感じで読んではいけない。
34歳の男が自分の分身が生まれてこれからがんばろうという時に、ガンと知らされて天国からいっきょに地獄に落とされた。
自分の気持ちの整理として、子どもが今後困ったこと苦労したことが起こった時に、父親としての自分は何をしてやれるのかと考え親父の遺言を書いた。


哲学者の人生論や禅の坊さんの悟りの境地というような感じで読んではいけないというのはどういうことか。


書いてある内容の判断は、この子が大きくなった時に判断すればいいということ。


2つ目は、子どもの名前になった「優」「やさしい」という言葉の語源を久しぶりに思い出した。
「おだやかで、品が良くて、思いやりがある」という意味の「やさしい」という言葉。
もともとは「やせる」という意味からできた。
「肩身がせまく身が細る思い」から、「自分がやせるほどに、人を思いやるという気持ち」というように意味が変化していった。
母が子どものために寝ずに看病するというような感じ。
やさしいというのは、一人称ではなく誰かが誰かのために何かをやってあげるというもの。

この本を推薦されたとき、Kさんにこの著者の写真展がやっていると紹介されたが行かなかった。
その写真を見てしまうと主観が入ってしまうと思った。


優しい人が好きだから、僕は優しい人と結婚した。
僕の妻は、僕が知っている中で、いちばん優しい人だったから。
というところがあったが、この著者は奥さんに相当惚れ込んでいるんだなと思った。

それと、お父さんの人生には嫌なこともたくさんあったけど、優くんにそれを経験させたいとは思いません。
でも、失敗させないように子どものためと親が線路を敷いたり、答えを与えるようなこともしたくない。

というところ、この著者の本心なんだなと思った。

・続きまして、Kaさん、この本を読んで印象に残ったところ、良かったところ、またはこれは違うなと思ったところなんでもけっこうです。

Ka
子どもにわざわざ失敗させるという章のところ
小さなところで選ぶ練習ができていない子どもは、失敗が恐ろしくて自分で決断できない。「これをやりたい」と思う以前に、「自分で選んで決めて、もし失敗だったらどうしよう」と怯えてしまうのだ。
こうして「やりたいことが見つからない」人ができあがる。
というところ、これはそうだなと思った。

あとは、学校は理不尽さを学ぶところというところ。

・これはどういうこと?

Ka
今はネットで授業の動画などを見ることができるので勉強を学ぶということであれば学校に行く必要はないため、確かにそういうところはあると思った。

H
学校というのは勉強を学ぶだけであれば確かにネットの動画で学べばいいと思う。
勉強だけではなく、集団行動や規律などを学ぶところではないか。

Ka
ほか、さきほど出たお金のところ(息子が18歳になったら、100万円あげようと決めている)、私は賛成派です。
最近の若者は、「あなたは何をしたいですか?」と聞かれても答えられる人はいない。
若いうちは時間はあるがお金はないのでお金があると何かしら行動して、やりたいことが見つかりやすくなるのではないか。

あとは「友だち100人」の呪いのところが共感した。
息子にやめてほしいのは、孤独が怖くて、好きでもない友だちにしがみつくこと。
友だちの数を、重要視しなくてもいいと思う。

・友だちというのは作るものではなくできるもの。

・その他なければ、Hさんどうぞ


全体的には、いいことを言っているなと思った。
いいと思ったところを箇条書きで
息子には、自分の弱さを認めて、助けを求めることを教えておきたい。 「体や心が痛くなったり、困ったことがあったら、すぐに助けを求めろ」と。

いいところはほめて、だめなところを叱る。そしてだめなところをだめじゃなくする方法を教えてあげる。

子どもは大人にはわからない、独自の選択基準を持っている。

指示なんかしなくても、母親が毎日バスの運転手さんやコンビニの店員さんに対して「ありがとう」と笑顔で言っていたら、自然と子どもは真似をするのではないだろうか。

おばあちゃんが「歩きスマホ」をするほど大人たちに浸透した便利な道具なら、禁止するより使い方を教えたほうがいいのではないだろうか?

嫌な人から逃げる方法を教えておきたい。どうしても解決できなかったら、壊れる前に逃げてほしい。逃げ方を知っておくことも大切だ。

家族なら言わなくても察してくれるはずだという甘えは、余計にことをややこしくするだけだから。

影を防ぎたいなら、光を持つしかない。

若いうちに「失敗しても挽回できるし、許される」という経験をすれば、チャレンジを恐れない大人になるだろう。など

次に違うなと思ったところです。
この本を読む前に勝手に思っていたことは、がんになって余命を宣告されてもこうやってがんばって生きたという生きざまのようなものを想像していたが、なにかノウハウ的なことをわが子に残していた点。
内村鑑三の「後世への最大遺物」のようなものを想像していました。

※内村鑑三(1861-1930)明治・昭和時代前期のキリスト教徒、思想家。

「後世への最大遺物」
「私たちがこの世の中に遺していける最大のもの(遺物)は何か?」「建物」「お金」「教育」「事業」などが上がるが、著者は確かにそのいずれも価値のあるものであると言います。
しかし、これらは誰にでも遺せるものではないと述べています。

著者の結論は、才能が乏しくても、財産家でなくても誰にでも遺すことができる遺物こそ最大の遺物であり、それは「素晴らしい自分の人生」であるというものでした。
「素晴らしい自分の人生」とは「勇ましい高尚なる生涯」です。
「勇ましい高尚なる生涯」とは、「いろいろな不幸や困難にめげず、それらを乗り越えていく生涯のこと」です。

華々しさやカッコよさはなくても、人生の諸問題から逃げ出さず前を向いて勇ましく前進していく生き方が大切だと言っています。
また平凡ながらも日々の務めを感謝と喜びをもって着実にこなしていく姿が重要なのだと言っています。

このような生き方こそが、自分の子供や友人や後の人たちに遺せる遺物であると言っています。

ライスワークとライフワークのところ
ライスワークはお金を稼ぎためのものだからできる限り効率よく稼いでほしいというところ。
仕事というのはそういうのとは何か違う気がした。
ほとんどの人の仕事はつまらない仕事だと思うが、仕事を通して周りの人の役に立つことでそのつまらない仕事が喜びとなるというようなそういうものでは。

Ka
この著者は「効率よく稼ぐとか、ムダなことをしない」とか言っている。
これは普通の人は、70、80まで生きるのが前提だが、この著者は残された人生が短い。
そのため、効率よくとかムダをしないという考え方が強いのでは。

H
なるほど、それは確かにあるかも。

O
あと、自分でもこの本に書いてあることは100%信じるなというようなことを言っている。


あと、お金について子どもに教えるのは、 親の役目なんだと思うというところ。
子どもに株を教えるというのはどうなんだろうと思った。
株はプロでもなぜ日経平均がこんなに上がるのかわからないというように何かわからない要因で上がり下がりすることがある。そういうものを子供に教えるよりは、メルカリなどで物を仕入れて高く売るというようなことの方がいろいろ勉強になるのではと思った。

・それと一番引っかかったのは僕は自殺を否定しないし、安楽死を含めて、死は絶望した人のオプションだと思っているというところ。
子どもに対して自殺を肯定するというのはどうなんだろうと思った。

Ka
安楽死は賛成


私も安楽死は賛成。ただ自殺というのは違う。
人それぞれ試練というのは違うが神様はその人に背負えない試練というのは背負わせないと思っているので、自殺するというのはそこから逃げることになってしまうためこれは反対です。

Ku
Hさんとは違うが私も自殺には反対。
世の中生きたくても生きられない人がいるのにその人たちに悪いと思う。
生を全うすることが生きる責任。
あとは、自殺した場合、残された人がかわいそうと思うため自殺には反対。

Ka
マンガで読んだが、自殺も自分を殺すということで人殺しと同じ。

・そろそろ時間となりましたのでここで終わります。

※最後に、同じような境遇でがんにより幼い2人の子供を残して45歳で亡くなったイギリスのポール・フラナガンさんの言葉を紹介します。

父が残した28の教訓
https://ameblo.jp/hanahana3509/entry-12398486444.html


平成30年7月30日 第44回読書会

2018-09-09 22:22:36 | Weblog


日 時:平成30年7月30日 18時30分~  
場 所:新橋
参加者:8名(Taさん、Oさん、Mtさん、Itさん、Isさん、Kbさん、Kaさん、H)
推薦本:「SHOE DOG-靴にすべてを。」フィル・ナイト 著

※印では、内容の補足と私見を付け加えさせていただいています。

・この本の推薦理由
旦那さんからこの本すごく人気があるみたい、と聞いた。家族内でランニングが流行っていて、自分自身が身に着けているランニングシューズがどのような会社なのか、ブランドはどのように立ち上がったのかなどこの本を読めばわかるのかなと思い購入した。
推薦当時はまだ本を読んでいなかったが、誰もが知っているブランドの話なので面白いかなと思い推薦した。

H
では、私から言わせていただきます。私も推薦者と同じようなことがわかるのかと思い期待して読みましたが、残念ながらストーリーがつまらなかった。
その日のあったことをだらだらと書く小学生の日記のようで、編集者がもっと手を入れて半分ぐらいのページ数にすればいいのにと思った。
相手が金持ちのため何も言えなかったのか。

その他、この本には載っていない話で、フィル・ナイトのことが書いてある記事を見つけた。
フィル・ナイトは、正直さを重視して徹底的に議論する人で、妥協する人間は嫌い。一方で、意見が異なる人には頭を冷やすよう6カ月の有給休暇を与えるという話を聞き、こういう寛容さがあるんだなと思った。

あと、この本はナイキ側の一方的な言い分なのでオニツカ側の言い分が聞きたいと思った。
戦後の日本製品は、悪かろう安かろうという時代、オニツカの靴はすごく良いものだったと思う。そこにいち早く気づいてアメリカでこの日本の靴を輸入したフィル・ナイトの目利きはスゴイと思った。

※オニツカ側の視点では、オニツカの海外の販売店「ブルーリボン」が日商岩井にそそのかされてオニツカを裏切りオニツカのライバル商社と提携した上にオニツカを訴えて和解金を支払う羽目になるという、「高い授業料を払わされた」ことになっている。

O
私は面白く読めた。今やすごい大企業がわずか50年弱でできたというのはすごいなと思った。自分たちの頃はナイキなんていうメーカーはなかったから、どんな企業なのか興味をもっていた。こういうことがあって、のし上がっていったのだということが納得いった。

太閤記でもそうだが秀吉もいつもあわやあわやというところを切り抜けてやってきた。アメリカの裁判でどういう風に切り抜けたのかとかそういう物語として読むには読めた。

ただ、本の帯に「涙が止まらなかった、鳥肌がたった」と書いてあったが、全然そういう風には感じなかった。

H
あと、日商岩井がナイキとあんなに関係があったとか、日本の商社が金を肩代わりしてやるということがあったというのは知らなかった。

O
あの当時、アメリカの銀行がお金を貸さなかったのに、この会社は伸びると日商岩井がお金を貸した。日商岩井の社員はすごいなと思った。

本は物語としては立志伝で痛快さはあるけど、当事者が日本でやられる方が日本だったのでこのへんは複雑だったが、日本からこういう風に離れていったんだなと感じた。
日本はマーケットとしても、中国などのマーケットと比較しても負けているし、生産国としても負けている。ナイキの流れが日本の製造業の流れとリンクしている。
このフィル・ナイトという人の人間性には好意を覚えないが、偉くなる人はこういう人じゃないといけないんだろうなと思った。

あと、フィル・ナイトが徹底的に嫌っていたオニツカのキタミという人は本当はどんな人だったのだろうか。お金を貸さなかった銀行の人もそうだし、嫌な奴と書かれた人たちは実際どういう人たちだったのかと思った。

H
この著者が会社を設立した頃は、ただ走ることが好きで、ランニングが馬鹿にされているアメリカでランニングの地位を向上させようという熱意は感じたが、途中から金のためじゃないというが、金ばっかりじゃないかと思った。

O
当時は「ランニング」といっていたのが「ジョギング」に変わっていく過程がわかった。
面白いなというところはあちこちにあった。スポーツ業界がコマーシャルのために有力選手を起用していくその過程がよかったのだと思った。

H
このへんは、宣伝力というよりは靴自体が良かったからその靴を履く選手を獲得できたのだろうと思った。

O
製品なのか、宣伝が良かったのか。この著者は細かいところはケチなんだけど、人と契約を結ぶときはバーンと金を出すなと思った。

H
宣伝の部分でこの会社がスポンサーになるところでは、初めの頃はアディダスとかに出すお金の額で負けていた。それでも靴自体が良かったので、選手が履いてくれてそこにナイキがスポンサーとして付いたと思う。

O
タイガーウッズとのスポンサー契約で、ウッズが問題を起こしたときにナイキが手を引くかどうかとなったがスポンサーを継続することになり、莫大な金額の話が出ていたので、ナイキというのは金が莫大に動く会社なのだなと思った。

ただ、奥さんとか子供の話が出てくるけれど、結果的には子供の教育に関しては、失敗しているじゃないか。
経済人としては成功しているけど、子育ては失敗しているな。

H
失敗しているということでは、後半でオニツカとの裁判の時の専属弁護士「ストラッサー」がアディダスに移っている。初期の頃のメンバーと仲たがいになっている。
その辺の内情を聞いてみたい。どういう理由で袂を分かったのか。

It
先ほどHさんが言った話で、この著者が意見の合わない人に頭を冷やせよという意味で6カ月休ませるという話は、6か月のリストラじゃないかと思った。

Ka
パワハラじゃないかと感じた。

H
そういう風には取らなかった。言われてみればそういうふうにも取れる。

●では、続きまして、Kaさんお願いします。

Ka
この著者には全く共感できなかった。金の亡者という感じがした。
フェイスブックの代表「ザッカ―バーグ」もいけ好かない奴だった。
鬼塚喜八郎「失敗の履歴書」に書いてあるオニツカの方が共感を持てる。


私も「失敗の履歴書」に書いてあるオニツカの創業者の方がとても共感を持てた。

以下、「失敗の履歴書」より。
ある日、スポーツは健全なる心身を育成していく最良の方法だと知った。戦後の混乱期の祖の時、すさんだ青少年たちを早く立ち直らせるためにはスポーツが役立つに違いない、そしてその普及こそが自分の務めだと感じた。

マラソンシューズの開発に没頭した。走るとマメができて当然。マメを克服してこそ一流という時代だった。しかしマメができないシューズがあれば、もっといい記録ができるはずだと考えた。当時のトップランナーに「そんなシューズができたら逆立ちしてマラソンしてみせますよ」と言われた。

さっそくマラソンに関する文献を貪り読んだ。欧米の研究書や日本の特許もくまなく調べた。しかしまだ科学的に研究されていない時代であり、答えはどこにも見つからなかった。
・・・・空気入れ替え式構造のシューズができあがった。


この当時のシューズでマメができないシューズというのはなかったのにオニツカがこれを解消したのではないかと思った。
そういう素晴らしいシューズをうまく発見したフィル・ナイトがアメリカでこの靴を普及させたんじゃないかと思った。

鬼塚喜八郎は、毎年新入社員を前にして、古代から近代へと引き継がれたスポーツマン精神の5か条を、いつも声高らかに読み上げていた。

第1条 スポーツマンは、常にルールを守り、仲間に対して不信な行動をしない。
第2条 スポーツマンは、礼儀を重んじ、フェアプレーの精神に徹し、いかなる相手もあなどらず、たじろがず、威張らず、不正を憎み、正々堂々と尋常に勝負する。
第3条 スポーツマンは、絶えず自己のベストを尽くし、最後まで戦う。
第4条 スポーツマンは、チームの中の一員として時には犠牲的精神を発揮し、チームが最高の勝利を得るために闘わなければならない。そこに信頼する良き友を得る。
第5条 スポーツマンは常に健康に留意し絶えず練習の体験を積み重ね、人間能力の限界を拡大し、いついかなる時でもタイミング良く全力を発揮する習慣を養うことが必要である。

こういうことを常に言っていた会社が、この本に書いてあるような酷いことをしたようには思えない。

上の※部分に書いてあるオニツカ側の視点のこと、オニツカの海外の販売店「ブルーリボン」が日商岩井にそそのかされてオニツカを裏切りオニツカのライバル商社と提携した上にオニツカを訴えたというところが本当のように思った。

●続きまして、Itさんどうぞ。

It
読んだところで印象に残ったところは、下記の部分でした。

P34 日本でビジネスする時の心得のところ、日本のことをうまく表現しているなと思った。
「(日本は)間接的に表現する文化なんだ。…直接ダメだとも言わない。かといってイエスとも言わない。…明確な主語とか目的語とかを言わない。…散々だと思ってオフィスを出ても、向うは契約に乗り気なのかもしれない。契約を結んだと思ってオフィスを出ても、実は断られていることもある。本音がどうにもわからないんだ」

P49最終日はシャンゼリゼ通りを歩き、パリを解放した連合軍の跡をたどり、その間ずっとパットン将軍のことを考えていた。「物ごとのやり方は人に教えてはいけない。何をすべきかを教えてやれば、思いがけない結果を出してくれる」

●続きまして、Taさんどうぞ。

Ta
私の読み方はみなさんとは全然違う。
オレゴン州ポートランドには行ったことがあり、子供が大学に留学していた。
初めはそういうところから興味を惹かれて読んでいった。

この本はアメリカで企業を起こすというプロセスが書いてある。
ゼロから始まった会社が、どういう風に世界的有名企業にのし上がっていったのか。アメリカという国で成功するには、こういうことをしなければ成功しないんだということが書いてあると思った。
日本は下手でそういうことをしないが、ナイキはナイキの名前を売るためにいろいろなところにロビー活動をしたりした。グローバルになっていくためにはそういうことをしないと成功しないんだろうと思った。
だから家庭のことなんか振り向いている暇なんてなかったんだろうと思う。
過去に成功した人というのは、家庭も仕事も両立できない。

O
家庭も仕事も両立できないということはあるにしても、著者の子供たちがスポーツとの関わりを望まなかったというのは、なにか相当なことがあったんだろうと思う。

Ta
アメリカに行って向こうの家庭もいくつか見せてもらったが、アメリカでは高校に入ったら自立しないといけない。
日本みたいな「和」というものででき上がった環境ではない。
そういう人たちにとっては非常に参考になる生き方ではないかなと感じた。
それと著者は最後には気がついているんじゃないかと思う。自分の人生は失敗の連続だったと。

O
ロビー活動で思いだしたが、関税の話のところで、困ったことがあれば議員に話を持って行って問題を解決するというところ。こんなのありかと思った。

●続きまして、kbさんどうぞ

Kb
100ページぐらいしか読めなかった。購入するのが遅れてしまった。

私はナイキというブランドがあまり好きじゃない。
オニツカとミズノなどがよいと思っている。ナイキをここまで押し上げたのはマイケルジョーダンとタイガーウッズ。
それとナイキはマーケティングがうまい。

アップルも日本のソニーをマネして、逆転した。

Ta
バスケットボールのタイガーというシューズはとてもよかった。

Kb
オニツカはアメリカ用のデザインと日本用のデザインを変えている。

●続きまして、Mtさんどうぞ

Mt
この本は全然読んでいないが、皆さんの話を聞いて思ったことは、この著者は1938年生まれで現在80歳。人生行きつくところまでいって、自分の半生を赤裸々に語っている。
みなさんがこの著者を良く言わないということは、この人は正直な人なんだなという印象があった。ふつう自伝と言ったら美辞麗句を掲げて悪いことは書かないから。
それが読んだ人たちが悪い人だと思う内容を書いているということは、ある種正直な人なんだなと思った。

H
そういわれてみると確かに正直なのかもしれない。

Mt
この読書会の話をもらった時、ちょうど「大国の興亡」という本を読んでいたのでこの本の紹介をさせてもらいます。

※「大国の興亡」
1987年に出版された歴史家ポール・ケネディの著作。内容は、1500年から1980年代までの大国の政治的・経済的台頭、およびその衰退の理由を探求すること。1980年代、双子の赤字を抱え、西欧や日本との経済摩擦に苦しみ、国際政治における支配的地位が揺らぎだしていたアメリカで、広い読者を獲得した。

Mt
ここ2、3年で自分が興味を持っているのは、1つの成功した大国が亡びる姿に興味がある。なぜかというと、日本とその後ろにいるアメリカがそろそろ寿命が尽きるのではないかということから。寿命が尽きたときにどうするのか。孫たちはどうなるのかと思って。

昨年の暮れから塩野七生さんの書いた「ギリシア人の物語」という本を読んだ。
アレキサンダー大王の物語。アレキサンドリアはわずか20歳で王位につきアケメネス朝ペルシア帝国を滅ぼして中央アジア,インド北西部にいたる広大な世界帝国をわずか10年ほどで実現させた。
その後32歳という若さで亡くなり、死後、帝国は部下たちにより分割されてしまう。
あれだけ成功した国がこんなに簡単に滅んでしまうのかと思った。
アレキサンドリアが活躍した国の後のローマ帝国がなぜ滅んだのか、西ローマ帝国や東ローマ帝国がなぜ滅んだのか。
1500年から1980年代の大国の興亡を読んで、すごく面白いと思い、読書会で話そうと思った。

かいつまんで話すと、この本はアメリカとの関係を考える上での論点を与えてくれる。
1.「国民生活の安心・安全は、国家の経済力と防衛力が背景にある」ということでよいのか。
2.我々の生活の安心・安全をどのように維持するのか。
3.トランプは異端か。
4.次代の米&中と世界のパワーバランスは、そして、日本のどうするか?

日本経済新聞を読んでいると、トランプの話題が出ない日はない。
トランプは異端だが、アメリカにおけるトランプの出現は必然性をはらんでいる。
アメリカと中国のつばぜりあい。アメリカに偏った日本が今後どうなるのか。

みんなでこれらを考えないといけないテーマなのではないのか。

これらのテーマを浮かび上がらせてもらったのが私にとってこの本だった。


私見:「国民生活の安心・安全は、国家の経済力と防衛力が背景にある」ということでよいと思う。
ただ、この防衛力、軍事力については自国だけでやろうとするとスイスのようにしないといけないため、集団的自衛権ということで多くの国と同盟を結んで、もし日本を侵略しようとしたら同盟国が許さないという状態にすればいいと思う。
そのため、アメリカとの安全保障は重要。

大国の興亡は、軍事力の肥大化によって、経済が圧迫されて衰退に進むとのこと。
そのためアメリカもそろそろ衰退するのではないかと言っている。

私見:アメリカはそれがわかっているのか、世界の警察を辞め、ヨーロッパはヨーロッパで自国の防衛には自分たちが金を使えと言っている。
アメリカファーストにより、アメリカは自国の経済の立て直しを優先しているのでは。

中国の台頭については、トランプ米大統領は、中国などを対象に追加関税を課す貿易制裁を実施「中国市場は過去4カ月で27%下落」しているよう(日本もどのような貿易圧力があるかわかりませんが)。

Ta
「大国の興亡」の説明については、すごくよくまとめられているし、日本の置かれている立場が浮き上がってきているのではないか。

関係をまとめる中でいわれた論点は、子供であったり孫であったり人々の将来のことを考えていくためには重要な問題である。

Mt
アメリカは間違いなく次の大統領もトランプと似たやつが出てくるであろう。トランプは人間的に品がないし、個人的にはダメな男だが、あの馬鹿な大統領を40数%の国民が支持している。

※トランプ大統領の支持率について
「トランプ氏支持率、最高の45% 共和党系の支持拡大=WSJ調査」
https://jp.wsj.com/articles/SB12725973517339393911604584363582090165434

Mt
自分の孫や子供に対しては「中国を知りなさい」と言いたい。
新聞や報道に出てきた中国に対しては嫌悪感をもよおす人が多いと思うが、子供たちに対して中国をもう少し知らせる努力が必要。

その人たちと親和性をもって仲良く生きていける土壌をつくるということが大事。

O
中国に関して、日本はマスコミもバイアスをかけて報道している感覚がある。
日本の紙おむつや粉ミルクの買い占めなど。
今では日本を上回る商品は出てきている。

中国人が車に轢かれてもみんなが見てみないふりをしているという映像を頻繁に流して偏見をつくっている。

これから先は中国を無視して進んでいけない。
「一帯一路」も日本が関われるか、関わらなくてはいけない。
このままだと日本は取り残されるのではないか。

アメリカ、アメリカと言っているといつの間にかよそよそしくなっている可能性もある。


私見:日本人は外国人に対しては親切だと思う。そのため、他国と仲良く生きていく土壌というのはあると思う。

外国から来て困っている人たちにはたいていの日本人は親切に対応すると思う。
ただし、日本が嫌いな人たちに対しては親切ではないと思う。
そういう関係で、中国に対して嫌悪感をもよおす人が多いのは、中国が日本を嫌っている人が多いからではないか。

たぶん日本を好きな中国人に対してはみな親切だと思う。

H
「中国を知りなさい」ということについては、中国はどれだけ危ない国なのかということを知ってほしい。
チベットやウイグル民族の弾圧、台湾と国交を結んでいる国に圧力をかけて国交断絶させたり、勝手に南シナ海を埋め立てて自分の領土だと騒いでいるなど。

中国の「一帯一路」についても高い金利でお金を貸して返せなかったら、その国の領土を奪い取るというやり方。

※以下、ニュースソースです。

「中国共産党、ウイグル「絶望収容所」の実態」
https://toyokeizai.net/articles/-/212978

「チベットで抗議の焼身自殺、10年で150人超が図る」
https://www-asahi-com.cdn.ampproject.org/v/s/www.asahi.com/amp/articles/ASL384PPML38UHBI01K.html?amp_js_v=a2&_gsa=1&usqp=mq331AQCCAE%3D

「中国、外国航空会社に台湾表記を強制 米が批判」
https://www.cnn.co.jp/business/35118701.html

「エルサルバドル、台湾と断交 中国とは国交樹立」
https://www.cnn.co.jp/world/35124343.html

「ほころび始めた中国の対外戦略 一帯一路と重商主義の挫折?」
https://www.foreignaffairsj.co.jp/focalpoints/2018-7-6-fri/

O
日本のマスコミは、中国はこういうやり方をしていると批判しているが、現地の人は結構中国人を頼りにしている。
金で首根っこを押さえるというのはあるが、中国はそれぞれの国を押さえつつ、アメリカも日本も追いつけないところに来ている。
ダム建設などが中国であると、昔は日本も参入できたのに、今ではほとんど参入できなくなっている。
中国は賄賂でどんどん入り込んでいく。インドネシアの高速鉄道計画では日本の新幹線がほぼ決まっていたのに中国にひっくり返されたのは全部賄賂が原因だった。

中国は共産党一党独裁だからどうなるかわからないというのは危ないが、本当に民主主義が一番良いのか。

本当に中国は、自分の言いたいことが言えないのか。
中国の学生の中にも自国が発展していっているから少しぐらいの統制はいいんじゃないのという感じ。

中国を今までと違った目で見ないと、いけない。
今まで中国は無視してもいいじゃないかという流れがあったのが、中国は無視できなくなっている。

●途中ですが、そろそろ時間が来ましたのでこの辺で終わりたいと思います。

以上です

平成30年3月28日 第43回読書会

2018-04-15 22:53:19 | Weblog


日 時:平成30年3月28日 18時30分~
場 所:新橋
参加者:6名(Tさん、Oさん、Mさん、Kuさん、Kaさん、H)
推薦本:「君たちはどう生きるか」吉野源三郎 著

※印では、内容の補足と私見を付け加えさせていただいています。

・この本の推薦理由をお願いします。

Ka 
本の売れ筋ランキングで1位になっていた。
タイトルが気になった。自分はできていないので、どう生きるか、正しいことって何だろう?とヒントにならないかと思った。

・この本は帯に、「日本を代表する歴史的名著」と書いてあるが、Tさん、Oさんは知ってましたか?

T、O
知らない


最初マンガにして売れたみたい

Ka
著者は岩波書店の編集者だったよう

・では、Kaさん本の感想をお願いします。

Ka
本の感想は、「道徳の本」という感じ。

・なぜこの本がこんなに売れたのかと思いますか

Ka
世の中の道徳の欠如などを感じた社会の欲求か?

・Kaさん他にないようでしたら、続きましてMさんどうぞ


全部読めなかった。
なにか読みずらいと感じた。


読んだ中で印象に残っているところは?


油揚げ事件のところ
おじさんが言ってることが納得できた。
君が、卑劣なことや、下等なことや、ひねくれたことを憎んで、男らしい真っ直ぐな精神を尊敬しているのを見ると、ホッと安心したような気持ちになるんだ。というところ。

あとは、P59たとえば、絵や彫刻や音楽の面白さなども、味わってはじめて知ることで、すぐれた芸術に接したことのない人に、いくら説明したって、わからせることは到底できはしない。殊に、こういうものになると、ただ目や耳が普通に備わっているというだけでは足りなくて、それを味わうだけの、心の目、心の耳が開けなくてはならないんだ。というところが印象に残った。

※ここでおじさんが言っていることは、こういうことかなと思われる記事を引用します

江戸時代から続く呉服屋の話
「丁稚奉公に入った人は、良い生地とそうでない生地を見分けるために、3年間本物だけ触らせられた。本当に良い生地だけ3年間触っていると、偽物との区別は自然につくようになる。」

その他、
ゲッターズ飯田「一度で良いから一流を経験するこれはとても大切なこと」から引用

最高の寿司を一度食べに行くといい
お金を貯めて
1年でも2年でも良いのでそのために貯金をして
最高を知ってみるといい
「これが本当の寿司か!」
今までは何だったんだろう?と疑問に思う
そこで満たされると
普段の物の見方も変わって来る

最高の焼肉を食べると
今までの焼肉は何なんだろう?
と思える

もう一度食べたい
もう一度体験したいと思う事で
仕事が頑張れたり、前に進めるもの

最高を知る
究極を知ることで己を成長できる
店員やスタッフの応対も勉強になる

一流を知れば己も一流になれる可能性がある
まずはトップを知ることが大切

一度で良いから一流を経験するこれはとても大切なこと
安いからで買う事はすぐにやめた方がいい
そのお金は貯めて一流に使うといい

Ka
読んだ感じでは、小説よりマンガの方がわかりやすい。
そしてマンガの方が感動した。
私が印象に残っているところは、6章「雪の日の出来事」でコペル君が仲間を裏切ってしまったことを後悔していたときにコペル君のお母さんが「石段の思い出」で慰めてくれたところ。
お母さんが女学校に行っていた頃、荷物を持って石段を登っているおばあさんの手助けができなかった話。
ここは、小説ではさらっと読んだがマンガではぐっときた。

できなかったことをずっと後悔するのではなく、次に生かせばいいというところ

・その他、無いようでしたら続きましてOさんどうぞ


小説が好きなんだけれど、マンガを読んでみたいと思った。
この小説で出てくる情景をマンガではどう描いているのかと思った。
あとは、時代背景を見て昔はこうだったんだと思った。
また、男女差別というか、男子はこうあるべき、女子はこうあるべきということが露骨に書いてあるなと思った。

たい焼きの話が出てくるが、本ではコペル君はたい焼きを食べるのは初めてで、コペル君のお母さんがそういう粗末なお菓子を食べさせなかったと書いてあった。
現代では、お店によってはすごく並ばなくては買えないものになっているのになと思った。

昔の人が今の若者が履いている破けたジーパンを見たら、驚くだろうな。

あと、コペル君が体験したようなことは多かれ少なかれあるんじゃないかと思った。
こういう体験がこの本が売れた要因か?

コペル君の一歩勇気が出ない気持ち、例えば、電車で席を譲るとか、タイミングを逃すなど。

他は、コペル君のお父さんからおじさんが頼まれたこと P56わたしは、あれに、立派な男になってもらいたいと思うよ。人間として立派なものにだねというところに共感した。

Ka
この本は、立派なとは? 正しさとは何か? そういうことを問い直しなさいと言っているように感じた。

・その他無いようでしたらTaさんどうぞ

Ta
いい本だと思った
内容が具体的でわかりやすかった。子供たちにいい本だと思うし子供を育てる親にもよいと思った。
あと、Oさんが言っていた描写、その当時の風景が浮かんでくる。


風とか匂いとかそういうところを大事にしているなと思った。


ほとんどそういうところは飛ばして読んでしまった。

Ta
電車なども省線電車と言っていたり。

※省線
1920年から1949年の間、現在の「JR線」に相当する鉄道を指した言葉。
当時の国有鉄道が、以下のような「省」レベルの政府機関によって運営されていたことによる。

鉄道省(1920年~1943年)
運輸通信省(1943年~1945年)
運輸省(1945年~1949年)

1949年からは日本国有鉄道となり、略称は「国鉄」となった。また、1920年より前、鉄道院の所管だった当時は「院線」といった。

省線のうち、大都市近郊の通勤電車、いわゆる国電を指す旧呼称としては、「省電」があった。ただ、それらの走る鉄道路線を示す言葉としては、後の「国電」ほどは普及せず、単に「省線」または「省線電車」ということが多かったようである。

※尋常小学校
1886年(明治19)小学校令により設置され、満6歳以上の児童に初等普通教育を施した義務制の小学校。
期間は最初4年、1907年から6年。

・一巡しましたが、Kaさんその他ありますか?

Ka
やはりP257~264が泣けた。
お母さんが女学校の頃、湯島天神の裏の石段を荷物を持って登っているおばあさんの手伝いをできなかった話のところ。
代わりに荷物を持ってあげようと思いながら、おなかの中でそう思っただけで、とうとう果たさないでしまった
なぜ思い立ったとき、すぐに駆け出さなかったんだろう、なぜ心に思ったとおりしてあげなかったんだろう
この石段の思い出ばかりは、ついこないだのことのように、はっきりと覚えているんです。
あの石段の思い出がなかったら、お母さんは、自分の心の中のよいものやきれいなものを、今ほども生かしてくることができなかったでしょう。
お母さんよりも、もっともっとつらいことで、公開を味わうかもしれないと思うの。でも、潤一さん、そんな事があっても、それは決して損にはならないのよ。その事だけを考えれば、そりゃあ取りかえしがつかないけれど、その後悔のおかげで、人間として肝心なことを、心にしみとおるようにして知れば、その経験は無駄じゃないんです。それから後の生活が、そのおかげで、前よりもずっとしっかりした、深みのあるものになるんです。
だから、どんなときにも、自分に絶望したりしてはいけないんですよ。

私はマンガ版が良かった。

・ここでKuさんが来たのでKuさん読んだ感想をどうぞ

Ku
読んだ感想は、「道徳の教科書」という感じ。
あと、自分も同じようなシチュエーションを体験していたので自分の経験と重なった。
小学校5年のときに友達を裏切ってしまったことを鮮明に思いだす。
自分は謝れなかったけどコペル君はスゴイなと思った。

・ほか無いようでしたらHさんどうぞ


「君たちはどう生きるか」この題名を見て、どういう生き方を提示しているんだろうと思った。
この本では立派な人間になること、「立派そうに見える人」ではなく「立派な人」になりなさいと言っている。

ただ、その立派さが以下のように書いてあるのが引っかかった。
人類の役に立ち、万人から尊敬されるだけの発見をしないといけない
人類が今日まで進歩してきて、まだ解くことができないでいる問題のために、骨を折らなくてはうそだ
いまの君は、何よりもまず、もりもり勉強して、今日の学問の頂上にのぼり切ってしまう必要がある。そして、その頂上で仕事をするんだ
英雄とか偉人とかいわれている人々の中で、本当に尊敬ができるのは、人類の進歩に役立った人だけだ
というように、なにかスゴイことをしないといけないと言っているような。

「どう生きるべきか」と質問されて、私が思いだす生き方は、内村鑑三氏の「後世への最大遺物」という本です。
以下、その内容を紹介します。

内村鑑三(1861-1930)明治・昭和時代前期のキリスト教徒、思想家。
『後世への最大遺物』
「私たちがこの世の中に遺していける最大のもの(遺物)は何か」と問われて、「建造物」、「お金」、「教育」、「事業」などをあげる。

著者はそのいずれも遺すことに価値のあるものであると言います。しかし、これらは誰にでも遺せるものではないと述べています。

著者の結論は、才能が乏しくても、財産家でなくても誰にでも遺すことができる遺物こそ最大の遺物であり、それは「素晴らしい自分の人生」であるというものでした。
「素晴らしい自分の人生」とは「勇ましい高尚なる生涯」です。
「勇ましい高尚なる生涯」とは、「いろいろな不幸や困難にめげず、それらを乗り越えていく生涯のこと」です。

華々しさやカッコよさはなくても、人生の諸問題から逃げ出さず前を向いて勇ましく前進していく生き方が大切なのです。
また平凡ながらも日々の務めを感謝と喜びをもって着実にこなしていく姿が重要なのです。

このような生き方こそが、子供や友人や後の人たちに遺せる遺物である。

というふうに言っています。このような生き方が誰もができる素晴らしい生き方ではないかなと思います。

あとは、元・住友電工の常務理事だった田中良雄氏(1890-1964)のエッセイです。

「私の願い」
一隅を照らすもので私はありたい
私の受け持つ一隅が
どんなに小さいみじめな
はかないものであっても
悪びれず
ひるまず
いつもほのかに
照らして行きたい

このような生き方が、「どう生きるべきか」と質問されたときの回答かなと思いました。

※ここで1点補足として、「後世への最大遺物」では「人生の諸問題から逃げ出さず前を向いて勇ましく前進していく生き方が大切」と言っていますが、ここは、一生懸命頑張っている人は場合によっては、逃げ出しても良いと考えます。
このままではやられる、相手(人生の諸問題)の方が実力が上だと思ったら、無謀な戦いはせず逃げるというのも1つだと思います。
そして、いつか反撃できる態勢になってから、反撃する機会を待てばよいと思います。

Ka
元・住友電工の田中良雄氏
東京帝国大学(現在の東京大学)に在学中、人を救うため線路に飛び込み、片足首を失われたそう。卒業後、住友本社総本店に入社、住友電工や住友本社の役員となる。住友電工中興の祖。

「私の願い」というタイトルのこの詩は、田中さんが亡くなられた後に本人直筆の額が自宅のタンスから発見されたとのこと。 
たとえ周りからどう言われようが、あるいは、人に気づかれなかろうが、そんなことは意に介さずに、ただただ自分の受け持ちの場を照らし続けていく、という志をもって行動していた人のよう。

この人生正しいことだけでは生きていけない。時にはいろいろな過ちを犯してしまう。その過ちを引きずって生きていくのではなくどう生かしていくかが大事だと思う。

Ku
「君たちはどう生きるか」というタイトルには違和感があった。
「君たちはどう生きるか」と問うなら、著者の自分の考えはこうだというのがあるのかと思ったがあまりないように感じた。


「どう生きるか」というのは読み手によって違うのでいろいろな経験から学び取りなさいということか。


著者は何を言いたいのか?
よく考えろということか。
思うと自分は考えるとか悩むとかそういうことをスルーしてきたなと思った。
何かすぐ忘れてしまう。深く悩まなかった。


悩みというのは、考えても解決しない、結論が出ないようなことをあれこれ考え続けることというのを聞きます。
ですので、すぐ忘れるというのは悪いことではないと思います。
考えていろいろ方策が出るものであれば悩むことはありですが、考えてもしょうがないことは考えないというのは大事だと思います。

あと悩みの解決策については『道は開ける』という本で、
1.「起こりうる最悪の事態とは何か」を自問する
2.やむを得ない場合には、最悪の事態を受け入れる覚悟をする
3.それから落ち着いて最悪状態を好転させるよう努力する

というのがあります。


あと、自分はすごく気にしているが他人はそんなに気にしていないということはよくある。
高校入試で一緒の高校に行こうとしていた友達が入試で落ちてしまった時、罵倒してしまった。そのことがずっと心に引っかかっていて、ある時そのことを謝ったら本人は全然覚えていなかった。


逆に自分はほんの軽く言ったことが相手には深く刺さっていることもある。


Oさんは罵倒したと思っているが、言われた人は一緒に行くことを楽しみにしていたOさんの気持ちがわかるから罵倒とは感じなかったのでは。

Ta
この本の中で出てくる「分子」というのが何を言いたいのかよくわからなかった。

Ka
コペル君がオーストラリアでつくられた粉ミルクの缶が自分の手元にあるのを見て、人間は世界中の知らない人どうしでつながっていると気づいたところ、あたかもそれは、一人ひとりの人間が分子として存在し、しかも、相互に編み目のように結びつきあっているということか。

※分子について
池に小石を落とすと波紋が広がるように、一人の人間が起こしたことがいろいろなところに影響を及ぼす、というようなことを言いたくて、「人は人間の体のなかの分子のようにいろいろ関係している」ということで分子といったのか。


ガンダーラのくだりもよくわからなかった。
仏像をはじめて作ったのはギリシャ彫刻を生み出したギリシャ人というところ。


ここも、ギリシャ人が作った仏像が遠く離れたガンダーラの仏像に影響を及ぼしている、相互に網目のように結びつき合っているということを言いたかったのか。

・このへんで時間となりましたので終わりたいと思います。

※懇親会での話題「共産主義はなぜ多くの人たちが殺されるのか」について調べてみました。

まずは、「共産主義」体制によってどれほどの犠牲者が出たのかの概算です。

1997年のフランスの国立科学研究センターの調査による。

ソ連/2000万人
中国共産党/6500万人
ベトナム/100万人
北朝鮮/200万人
カンボジア/200万人
東欧/100万人
ラテンアメリカ/15万人
アフリカ/170万人
アフガニスタン/150万人

総計で約1億近くの人が「共産主義」体制によって犠牲になったとみています。
ここでは、北朝鮮や中国共産党支配下のチベットやウイグルの犠牲者は計算されていないためこれを足せば、さらに多くの人が犠牲になったことになります。

次になぜ共産主義体制では大量虐殺が起こるのか?
資本家による労働者の搾取をやめさせるという「正義」を追求する共産主義が、なぜ結果的にこれだけ多くの人を殺すのか?

共産主義は資本家階級の搾取を「悪」とし、そこから労働者階級を解放することを「正義」としたので、資本家階級を弾圧し、虐殺し、彼らの富を奪うことは「正義」になります。

人を殺傷したり、富を奪うことは、昔から悪とされてきましたが、共産主義はその常識を覆して、虐殺が「正義」となる理論を生み出しました。
この点はヒトラーのナチズムと同じです。

資本家階級の敵視など、特定のイデオロギーを全国民に強制し、個人の自由や人権を無視する政治体制、これを「全体主義」といいますが、このような体制のため共産主義の独裁者はかつての同志であろうと自分に敵対する人たちを排除しようとして多くの人たちを殺すことになります。

以上です

平成29年12月20日 第42回読書会

2018-01-10 06:04:10 | Weblog


日 時:平成29年12月20日 18時30分~
場 所:新橋
参加者:8名(Taさん、Oさん、Itさん、Kさん、Isさん、Tkさん、Mさん、H)
推薦本:「戦争と平和」百田尚樹 著

※印では、内容の補足と私見を付け加えさせていただいています。
 
・この本の推薦理由をお願いします。

It 
前回の読書会で、古典の本を読んで勉強したいという話になって、歴史のことを知らなければならないと思って、検索したら、この本が出てきたので読んでみた。

・では、Kさんからどうぞ


読みやすかった。「永遠のゼロ」の裏話など
第3章護憲派に次ぐは、硬い話題だったが読んでいとてもまともだと思った。
スイスの覚悟も知りました。
憲法9条問題については、何がモメているのか知らなかったが、自分があまりに理解していないという、良い問題提起になった。

・Kさんの感想についてなにかありますか、無いようでしたらMさんどうぞ


第1章(ゼロ戦とグラマン)はてこずって、第2章(「永遠のゼロ」は戦争賛美小説か)、第3章(護憲派に告ぐ)はおもしろかった。
この著者は一時期叩かれていた時期があって、元々テレビに携わっていた人(「探偵ナイトスクープ」など)だということもよくわかった。

言っていることは正しいことを言っているのに、こんなにネットなどで叩かれているのが残念だなと思った。

・この本を読んで、改憲したほうがよいと思いましたか?


P172能登半島沖不審船事件のところを読み、自衛隊は不審船に対して警告射撃も行えないということなどを知り、そういうところは変えた方がよいなと思った。


この能登半島沖不審船事件については、北朝鮮と思われる船が日本の海上保安庁と自衛隊の停船命令を聞かず10時間以上にわたって逃走を続けて、結局は逃げられた事件ですが、この不審船の中には拉致された日本人がいた可能性があったとも言われています。
もし自衛隊が船のエンジンを撃って停船させることができたら、拉致された人を助けることができたかもしれません。

It
徴兵制の問題にしても生まれたときから徴兵制がある国と、これから徴兵制にするとなると大きさは違う。


憲法を変えるとなると徴兵制になるのではと思うと思います。
日本が侵略国から防衛する場合、空と海が舞台になります。
この本では、そうなると戦闘機と護衛艦と潜水艦が主力となると言っています。
そして、現代の兵器は超ハイテク兵器なので、何年も訓練を重ねた専門家でなければ使いこなせないため、一般人を徴兵しても実戦には役に立たないどころか、そういう兵士を護衛艦や潜水艦に乗せても足手まといになると言っています。
ですので、憲法改正イコール徴兵制の導入ということではないと。

Tk
兵隊になるというのは嫌ですが、自分たちの国土と命を守るために戦ってくれる自衛隊を後方支援するというのであれば、よいのではないか。

H
マスコミ(主に朝日新聞ですが)が憲法を変えると徴兵制や軍事国家になってしまうと煽っています。
だから憲法は変えない方がいいんだという風になっている。

Tk
朝日新聞は、なぜそんな感じなのか?


朝日新聞の編集の責任者が退職後、韓国の大学教授になっていたりします。
こういうことを見ても誰のために記事を書いているのかがわかるのでは。
ですので私は、朝日新聞が賛成と言っていることは、ちょっと待てよ、じゃあこれは日本にとっては悪いことなんだなと思うようにしています。

※朝日新聞の編集の責任者について

65歳になり朝日新聞社を退社、韓国の大学の教授になる。
3年後、北京市を訪れたが、夜になってスタッフに体調不良を訴え、翌日に滞在していたホテルの浴室で死亡しているのが発見された。68歳没。
その後、日韓関係の発展に貢献したとして、韓国政府から勲章が授与された。


この中に書いてあったが、テレビは公平性が必要と思う。


欧米では、1つの企業が新聞社とテレビ・ラジオ局を持つこと自体、好ましくないと考えられています。
これは「クロスオーナーシップの禁止」といいます。
アメリカでは、ニューヨーク・タイムズがNYのテレビ局やラジオ局の親会社になることは禁止されています。
日本でもこうすることによって、意見の多様性が出て、マスメディア相互のチェックも働くと思います。


憲法については、この本の中で日本の憲法は戦後一週間くらいで作られた、GHQが「コピー&ペースト」して草案を作ったとあり、憲法が施行されてから37年後にアメリカに渡ってそのGHQのメンバーに「えっ、君らはまだあれを使っているのか?」と言われたと書いてあって驚いた。

It
大きな国にとって、憲法は最上位のもの。
他の国はどんどん変えているが、日本は変えていない。


日本の憲法は制定後70年間1文字も変わっていないが、実質的な改正はされている。

※日本国憲法は実質的な改正はされている。

日本国憲法では、憲法に付随する法律は憲法条文の文言を変更しなくても、法律改正により対応できるようになっている。
たとえば、皇室典範、国会法、内閣法、裁判所法、公職選挙法など。
これらの法律は、日本国憲法では、「法律の定めるところにより」「法律でこれを定める」などと書いてあり、法律改正により対応できる。
日本国憲法には、「法律の定めるところにより」「法律でこれを定める」などと書いてあるところが30箇所以上あり、各国の憲法と比べても多い。
日本と同じくGHQに憲法を押し付けられたドイツは60回も改正しているが、ドイツの場合は、憲法条文の文言を変更しないと対応できないため。

・では、続きましてTkさんどうぞ

Tk
憲法9条のところは難しかった。
第1章のゼロ戦のところや戦争のところは読みやすかった。
昔歴史の勉強をしていたときも、戦争のことは、興味をもっていた。
戦争するときも、日本や日本人の持つ特性が出るという話がおもしろかった。
日本は職人技を求めるとか。そして、アメリカは合理主義で、大量生産したり、どんな人でも使える道具を作ろうとするとかすごいなと思った。
日本は、海軍と陸軍で違うものを作っていたなど、非合理的だなと。
ただ、そういう日本人の特性がいろいろな新しい製品を作ったのかな。

第2章は読んでいて、百田さんの「永遠のゼロ」に対して言われた非難などについて、言い訳や反論をしたかったのかなと思った。
いきなりここにその反論をはさむのはどうなのかと思った。

憲法9条のところはわからない部分が多かったが、それが足かせになっている部分が多いのかなという風に感じた。


第2章の部分については、著者の弁護をすると、自分は戦争賛成派ではない、ということを強く言いたかったのではないか。

第3章で憲法9条を改正するべきだと言うために、戦争賛成派だと思われたままだと説得力が弱いので、第2章で私は戦争反対派だということを強く訴えたうえで、第3章で憲法9条を改正すべきという流れに持っていきたかったのではないかと。

百田さんの「大放言」という本で、自分が非難されたことへの反論を述べている。
これを読むと、マスコミが発言の一部だけを切り取って、その部分だけを批判しているのがわかる。
たとえば、「沖縄の新聞はつぶせ」発言については、前後の流れがあって、言っていること。

※「沖縄の新聞はつぶせ」発言について

この発言をした勉強会について、「どう考えても私的なもの」「最初、報道陣がいて、その後、報道陣は退出した。一般には公開されない内輪の席での会話です。」と語った。
「講演で話したのは、集団的自衛権のこと」「その後の質問で、マスメディアの話、沖縄の新聞の話が出た。じっくりと沖縄の2紙について意見交換していない。笑いながら『あの新聞やっかいや、つぶれてもらわんとな』と。それで話は終わり。こんなニュアンスは字にはできないでしょ」と説明した。
若手議員の報道機関に圧力をかける発言については、「私は『それはダメです』と。『そんなことしたらダメです』と答えた。それは書いてもらえない。おかしいでしょ。『百田尚樹言論弾圧』と。ひどいでしょ」と反論。
抗議声明を出した沖縄タイムスと琉球新報には、「私の(勉強会での)話を聞いていない。伝聞を元にして抗議声明もへったくれもない」といい、「朝日新聞が喜んで載せて。人にいわせて書くという汚い新聞なんです」「朝日も毎日新聞もつぶれたらええと思っているが、圧力をかけてつぶすもんやない。書くことむちゃくちゃで『こんな新聞読んでられへん』と多くの人が思ったときに、発信元はつぶれる」などと語った。


この著者は、将来、小説家としてやっていくつもりがないから保身ということはなく、言いにくいことなどをズバズバ言う。
「大放言」という本で、2冊本を出して重版が決まらなかったら自分は小説家をやめますと宣言している。

・Tkさん、ほか、何かありますか

Tk
これは違うなというよりは納得という部分が多かった。
第1章でアメリカと戦う際の机上の作戦(補給を考えない作戦など)をやらされる現場は壊滅的だった。
やはり、現場思考でないと、うまくいかない。
実際にやるのは現場の人。
上の人が現場を知らなかったら、うまくいかない。

以前こんなことがありました。銀行のATMでキャッシュカードの磁気がうまく読まなかったので、受付に言ったら、「受付では使えるので大丈夫です」とカードを返された。
現場では使えないのに、受付では使えるから大丈夫ですというのは違うんじゃないか。
結局、お金を支払って新しいカードを再発行した。


言い方の問題なのでは。銀行などで頭に来ることはいっぱいあるけど、その言い方で受ける印象がずいぶん変わる。
自分の都合で勝手にいろいろ変えている。そういうことが日本中増えている。


国の税金がらみの説明文書は、本当に分かりづらい。
人さまのお金をむしりとるのに、腹が立つ。


日本人が戦争に向いている、向いていないという件はどう思った?

Tk
向いていないと思う。現代っ子は戦争をしたくない。
P28「戦で人が死なない国」にあるように、日本人は戦争に向いていないのではないか。


日本人が戦争に向いていないということについては、大東亜戦争時代の日本は強かったと言われています。


日本が強かったという根拠は?


P82に書いてありますが、戦争初頭、日本海軍の戦力は強大でした。特に6隻の空母を中心とする部隊は、搭乗員の技量も相まって、世界最強の機動部隊と言ってもよいほどでした。当時の米軍の空母部隊よりもはっきり上でした。
そのため、アメリカは正面から戦うことを避けていて、石油を運ぶ油槽船を攻撃していた。

※日本軍が強かったということについて

日露戦争で日本海軍がロシア海軍に圧勝する。
それを受けて、その後、アメリカ海軍はどうすれば日本海軍に勝てるかという研究を始め、シミュレートすると、日本海軍とアメリカ海軍が同じ数だったらアメリカは勝てないとわかる。
そのため、なるべく日本海軍の数を減らしていって、だいたいアメリカが10で日本が6ぐらいだったら、ほぼ勝てるというプランをつくる。
それを基に日本に対して軍縮を迫った。
それがワシントン会議[1921年(大正10年)11月から1922年(大正11年)2月]
で、ここで最初の海軍軍縮条約を結んだ。
このとき、米・英・日の戦艦保有率を5:5:3に制限した。


物資を運ぶ船を攻撃するのはまっとうな戦略なのでは?


アメリカは正面から戦うことを避けて、東京大空襲など本土の女子供を攻撃して日本軍の志気を下げるようにしていた。
日本軍は真珠湾攻撃では、搭乗員たちに民間施設への攻撃をきつく禁じていた。
相手国を降伏させるためには手段を選ばないというものが戦争の目的であるなら、日本人は戦争に向いていないと思う。
ただ、現場の兵士は優秀で勇敢な人が多かったと思う。
この太平洋戦争は、現場のトップが机上の無茶な作戦を立てて、現場の優秀な人たちが無駄死にした戦いだった。

※「アメリカの戦略」について調べてみました。

主なものは2つあります。
1つは、通商破壊。陸に物資を届けさせないよう船舶などを撃沈することで、民間船への攻撃は、国際法違反です。
アメリカは、日本が南方から資源を運ぶ船を潜水艦などで、撃沈した。
アメリカが日本に対して行ったのは無差別通商破壊といえるもので、赤十字船など、国際条約により保護されるべき船舶さえ、遠慮なく撃沈した。
「対馬丸事件」では、日本郵船の貨物船が太平洋戦争中の1944年(昭和19年)8月22日、学童疎開輸送中にアメリカ海軍の潜水艦の攻撃を受け沈没。犠牲者数1,476名を出した。

2つ目は、無差別都市空襲。日本の建物は木でできているから、焼夷弾を積極的に投下。
これは明らかに軍需施設を狙ったものではない。
東京大空襲の場合は、あえて周囲を囲むように焼夷弾を投下してから中心部への焼夷弾爆撃を行った。

P101アメリカ軍は、直接の軍隊を叩く以外の方法を積極的に取ります。それが輸送船への攻撃であり、軍需工場への爆撃であり、一般市民の殺戮です。最後の「一般市民の殺戮」は、それが国の戦争継続への意志を失わせるためのものだからです。
アメリカはかつてインディアンとの戦いでも同じことをしました。勇敢なインディアン戦士との正面衝突を避け、後方の女子供を虐殺したのです。東京大空襲をはじめとする大都市への空襲、広島、長崎への原爆投下はまさしくかつてインディアンの女子供虐殺と同じです。

It
この本はそういう歴史的な部分もふくめて分かりやすく説明してくれていた。

Tk
日本人は長期戦には向いていない。


日本史の中で長い戦いと言われているのが「応仁の乱」。1467年から1477年の11年間。


世界ではイギリスとフランスの100年戦争、十字軍の遠征は、11世紀の末からおよそ200年間行われた。

Ta
Tkさんは、この本を読むまでは戦争に対してはどう思っていたのか。

Tk
大東亜戦争については、日本が悪いのかなと思っていた。
真珠湾攻撃で奇襲をかけたとか。
ただ、一概にはそうは言えないと思った。
今は中立ぐらい。

・他に無いようでしたら、続きまして、Taさんどうぞ。

Ta
この本はだいぶ前に読んだので忘れていた。
みんなの話を聞きながら振り返っていた。

第1章は要するに西洋と日本との文化の違いから戦い方の違いなどが書かれていた。

第2章は「永遠のゼロ」は、戦争反対ということを言いたくて書いた本だったということが書かれていた。
平成で一番売れた本で450万部以上とのこと。
「永遠のゼロ」は、戦争反対といことを言いたくて書いたのだなと改めて思った。

第3章はロマンチストとリアリストの違い。
リアリストは、世界が今置かれている現実を見つめていかなければいけないという考え方。
自分の国は自分で守らないといけない。

1972年、アメリカはニクソンが中華人民共和国を初めて訪問し、米中関係をそれまでの対立から和解へと転換したという歴史があるから、アメリカも中国といつ手を組むかわからない。
そういう意味でいうと、いざというときの場合、自衛隊をどうするかなどの戦略をとっていかなければならない。
あらゆる面で日本国民を守っていく対策を考えないと、若い人たちを守っていく責任がある。
戦争はなくならないと思う。人間の理性でなくさなければならないが、生まれたときから戦争をしている国もあれば、理性のない人がたくさんいる。
今は、情報戦争とかハッカーとかそういう戦いになっている。

※情報戦について

情報戦争については、スイス政府が出している「民間防衛」という本が参考になります。
その中で武力を使わないで他国を侵略する方法の例が記述されています。

第1段階「工作員を送り込み、政府上層部の掌握と洗脳」

第2段階「宣伝。メディアの掌握。大衆の扇動。無意識の誘導」

第3段階「教育の掌握。国家意識の破壊」

第4段階「抵抗意識の破壊。平和や人類愛をプロパガンダとして利用」

第5段階「教育やメディアを利用して、自分で考える力を奪う」

最終段階「国民が無抵抗で腑抜けになった時、大量移住で侵略完了」

人によっては、日本はもう第5段階目まで来ているという声があったり、まだ第5段階目は踏み止まっているという声もあります。一度は考える力を奪われそうになったのをネットメディアの登場で踏ん張っているなど。

・その他、無いようでしたら、Oさんどうぞ


推薦図書の投票の時、この本に決まらなければいいなと思っていた。
なぜなら、この著者は嫌な奴だなと思っていたから。
決めつけが激しいし、差別主義な部分がある。

第1章は、ゼロ戦の構造やP51マスタングとの比較など、関心のある話題だった。
父は海軍の航空隊だったが、戦争の話はしなかった。
ゼロ戦の燃料タンクは防弾ゴムを使っていないので、被弾すると燃料が漏れて爆発・火災を起こして墜落して死んでしまう。
アメリカの燃料タンクは防弾ゴムが付いていて、すぐには燃料が漏れず、墜落しない。

日本人はこだわりで作ることができる国民性だから、技術立国となって走ってきたけど、ここ最近は負け出している。

「永遠のゼロ」は読んで感激した。一番関心があったのは、中に書いている飛行機の記述。
よい本だったと思うし、映画もテレビも観た。
ただ、その後の百田さんの発言などを見ていると、この人の言うことも極端だな、と思う。

この著者の「今こそ、韓国に謝ろう」という本では、韓国には小学校がなかったのにたくさん作ったことを謝ろう。「鉄道網を作るべきじゃなかったのに、いろんなところに作ったことを謝ろう」など、韓国を差別している。


これは、韓国が「慰安婦は強制連行された」「日本は韓国からあらゆるものを奪った」という間違った主張をして、日本に対して謝罪しろ謝罪しろと言っている。それに対して、そんなことはしていないという日本の主張には一切耳を傾けないので、アプローチを変えて、日本は余計なお世話で韓国に頼まれてもいないことを勝手にしてしまったという手法で、皮肉を言っている、風刺しているということではないか。

※「今こそ、韓国に謝ろう」より抜粋。

さて、当時の日本がどんな酷いことをしたのか。そのひとつは、朝鮮半島各地にたくさんの小学校を作ったことです。1905年頃にはわずか40校ほどだった小学校を、1910年の併合後に凄まじい勢いで増やし、1943年までに4271校も開校しました。

 日本はこれに巨額の国家予算を投入しました。併合当時には10%未満だったと言われる識字率は、1936年で60%近くに高まりました。

 これまで日本人は韓国に対し「教育を施してあげた」と考えていましたが、よく考えてみれば子供は遊びたい盛りで、勉強なんかしたくありません。いわば子供の“遊ぶ自由”を奪ったのです。

 驚くことに、日本は朝鮮に京城帝国大学まで作りました。しかも、京城帝国大学の図書館の予算は、東京帝国大学の10倍もありました。朝鮮の人々からすれば、「人を馬鹿だと思っているのか!」と怒りたくもなるでしょう。

 教育だけではありません。日本は朝鮮半島の自然まで変貌させてしまいました。焼き畑農業でほとんど禿げ山になっていた朝鮮半島の山々に植林し、緑豊かな風景に変えてしまったのです。

 さらに、至るところに鉄道網を敷いて、併合前はわずか100kmしかなかった鉄道を総延長6000kmにまで延ばしました。美しい野山に醜い鉄道網を敷きまくったというわけです。

ダムも建設しました。鴨緑江に作った水豊ダムは当時世界最大級で、電力の最大出力はあの黒部ダムの2倍もありました。発電所を建設し、送電線を張りめぐらせ、村々に電気を行き渡らせたのですが、これは日本の勝手な振る舞いです。もちろん、お金を出したのは日本です。明らかに生活レベルは向上したのですが、そう考えるのは日本人のエゴなのかもしれません。

 日本は韓国に“産業革命”も起こしました。李氏朝鮮時代の朝鮮は農林水産業の生産が全産業の約80%、工業生産は約18%という第一次産業国家でした。ところが併合以降、農林水産業の比率は約43%に減り、工業生産は約41%に増えたのです。

 その結果、併合の翌年の1911年から1938年までの間、朝鮮の経済は平均3.8%という驚異的な成長率を遂げました。これだけの長期間にわたって高成長が続いた例はほとんどありません。

 雇用が増え、経済が成長するのはいいことだと考えるのは、日本の勝手な論理です。それまで農業や漁業に携わっていた人々が、急に工場などで慣れない仕事をすることになったと想像すると、本当に申し訳なく思います。

 よく知られているように、日本は台湾を統治していた時代にも現地で教育を施し、鉄道を敷き、道路を作り、東洋一とも言われるダムも建設しました。台湾は今でも、当時の日本によるインフラ整備に感謝してくれています。台湾が親日的なのはそのためでしょう。

 日本は韓国に対しても同じことをしたのに、なぜ韓国人は感謝もせずに日本を批判するのか。
 それは、韓国では、中国が世界の中心で、それに近い韓国は優れた国であり、中国からより遠い日本は「格下」と考えられています。「下」の日本が「上」の韓国のために学校を建てるなどして「貢ぐ」のは、上下関係を大事にする儒教の考え方では〝当たり前〟のことであるから、感謝するものではないのです。「鉄道を敷くなんて、頼んでもないんだけどな~」と思っているのではないでしょうか。


憲法も2週間で作ったといわれているが、コピペした基本の部分は立派なものだった。
日本に合わない部分もあるのかもしれないけれど、では、日本に合わせていたらよいのかというとそうともいえない。

あと、日本は核の傘に守られているといっているが、日本に核を落とされても、すぐに核でアメリカが応戦してくれるとは思えない。
アメリカは日本のために戦ってはくれない。
炭疽菌を積んだミサイルが飛んでくるかもしれない時、戦うのは日本人。戦うということを真剣に考える時期ではないか。
戦争は100人いたら100人が戦争は嫌だ、したくないというが、やむを得なくて戦争せざるをえないこともあるのではないか。
例えば、目の前に拉致された人がいて、その拉致を防ごうとして、戦いになったとき、相手が機関銃をもっていたら、警察では応戦できない。そういう場合にどうするのか。
徴兵制は嫌だけど、日本が攻撃されたときに戦うのは日本人しかありえないし、ある程度、期限を限って徴兵制もありなのではないか。
今の日本の法律では戦車は信号で止まらないといけない。道路交通法が優先する。
これからイザというときに、9条が足かせになるというのは確か。
なので、自分の気持ちは6割は改憲賛成、ただ4割は改憲反対。
それは、一旦変更してしまうと、歯止めがきかなくなるのではという危惧がある。


明日ミサイルが飛んでくるかもしれないというのは、ピンとくる。


北朝鮮の漁船が流れ着いている。
どこかに漂着して、その集落を乗っとるということがある。


7月以降、北朝鮮の密漁船延べ1000隻以上に海上保安庁が船に警告している。
集落の乗っ取りもあるが、天然痘に感染した人を日本に上陸させるという説もある。

※北朝鮮の密漁船が出没している海域について

男鹿半島から西に約400キロの水深が急激に浅くなる海底地形「大和堆(やまとたい)」で、日本海有数の漁場とされるが、ここに北朝鮮の密漁船が大漁に出没している。
水産庁の取締船が違法操業の外国漁船に対応していたところ、北朝鮮籍とみられる船舶が接近し、乗組員が取締船に対して銃口を向けたため、安全を確保して海域を離脱した。
石川県の漁協関係者は「漁ができない」「尖閣諸島と同じ」と憤っている。


天然痘に感染した人を日本に上陸させるという説は誰が流しているのか?
どこからその説が出てきているのかも怖いということ。

※天然痘に感染した人を日本に上陸させるという説について

参院予算委員会で自民・青山繁晴氏が「天然痘感染者がいたら無限に広がる」と北朝鮮船漂着について指摘。
青山氏によると「北朝鮮が兵器化した天然痘ウイルスを持っているというのは国連の専門官の間でも常識だ。飛沫感染でうつる。もし上陸者に一人でも感染させられた人がいたら、ワクチンを投与しないと無限というぐらい広がっていく」と述べ、バイオテロにつながりかねないとの認識を示した。
青山氏は「北朝鮮から漂着した人について、帰国したいから帰すという、その場しのぎの対応では重大なことにつながりかねない」と指摘した。
木造船はレーダーで見つかりにくいだけに、朝鮮半島有事の武装難民やテロのための工作員の上陸に利用される危険性を指摘する専門家も少なくない。


戦争は身近になってきている。
逃げるしかなくても、大事な人がいたりして、逃げることもできないときどうすればいいのか。

T
たくさん工作員がきている。
なにが起こるかわからない。


「今年の漢字」が「北」になっている、というのは象徴的。
北朝鮮の脅威が高まっているということ。
今回この本が選ばれたのも戦争について考えるいい機会だと思う。
これは戦争をするために考えるということではなく、戦争にならないために考えるということ。


安部政権が国民に危機感を煽っている。危機感を煽り、改憲をはかっている。
ただ、アメリカにべったりしすぎているのではないか。

アメリカの核の傘の下にいるのでしょうがないよね、というが、もう少し自主性をもっていけないのか。


アメリカとべったりしていていいのかというのは、日本もスイスのように自分で守るべきということか?


スイスみたいになりたいわけではない。
腕っぷしの強い人を後ろに置いておくというのは良いと思う。
だから、集団的自衛権には賛成。
けれど、お隣の韓国と仲良くできないのは問題。
韓国も中国も日本も問題。
なんで日本はこんなに外交が下手なのか。


日本は低姿勢で対応したらうまくいくと思っていたが、韓国・中国という国は低姿勢に出れば出るほど付け上がるからうまくいかない。

※「日本が外交下手なこと」については下記の本が参考になりました。

「米国人弁護士だから見抜けた日本国憲法の正体」ケント・ギルバート著より
日本人は真面目で努力家、優しさや思いやりにあふれ、義理人情にあつい、協調性に優れ、誠実であり、礼節を重んじるなど数えあげれば本当にキリがないくらいです。
このような日本人の行動は、海外でも称賛されています。
たとえば、東日本大震災後の行動には、世界中の人々が驚嘆しました。
また、2014年6月にブラジルで開催された、サッカーのワールドカップでの出来事も、世界を驚愕させました。日本代表が初戦に敗れた直後、スタジアムの日本人サポーターは、日本代表の健闘を称えた後、応援席に残されたゴミをみんなで拾い始めたのです。
このニュースを知って驚いた私は、すぐに日本人の友人に電話して、この話が事実なのか確認してもらいました。事実だと教えてくれた友人は、平然と「日本人なら普通です」と続けました。日本人が考える「普通の道徳心」に追いつくには、いったいどれだけ滞在歴を必要とするのでしょうか。

※同書より
日本人は規律正しさや道徳心、他者への思いやりなどの精神面において、世界標準を圧倒する高いレベルを昔から保っています。日本人の最大の特長は、空気を読んで相手の気持ちを察し、先回りした行動をとれる点にあると思います。
ところが残念なことに、この世界に誇れるべき、「日本人の空気を読む国民性」は、外交や安全保障の分野では、最大の障壁になりかねません。
外交とは、言語や習慣、文化、価値観がまったく異なる異民族同士の交渉です。そこに日本人同士にしか通じない価値観を持ちこむのは非常に危険です。「国際社会」の正体は、野蛮で身勝手で自己中心的な連中の集まりだからです。

ただし、最近の日本企業については、上記の日本人の良さは低下していますが。
その他、最近のニュースですが、「2015年12月の慰安婦問題に関する日韓両政府合意」について、国と国との約束なのに、政権が変わったら「合意できない」とか言いだす国。こんなのは国ではない。こんな国と元々外交などできないのでは。


韓国とは民間は仲良くやっているが、国としてはぜんぜんよい関係じゃない。
安保体制はどうしようもないが、なぜ日本は圧力一辺倒でいくのか。
話し合いがなされないままにきている。
その都度圧力を緩めたり、圧力をかけようがぬこうが結果は変わらない。

小泉さんはどうやって拉致問題を認めさせ被害者の帰還を引き出していたのか。
小泉さんのときは、信頼できるパイプがあった。


詳細の内容は忘れましたが、あの当時はアメリカが北朝鮮に対して相当な圧力をかけていたと聞きます。

※「北朝鮮はなぜ拉致を認めたのか」について調べてみました。

金正日(キム・ジョンイル)が2002年の日朝首脳会談で日本人拉致を認め、謝罪するという国際社会の予想を覆す対応に出たのはなぜか。
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロを受け、米国は「テロとの戦い」を宣言。テロリストをかくまっているとして、アフガニスタンを攻撃し、イスラム原理主義勢力のタリバン政権を崩壊させた。
続く標的は、米大統領ジョージ・W・ブッシュが、テロを支援する「ならず者国家」と名指しするイラクとイラン、北朝鮮とみられていた。
小泉は「断固としてテロリストと戦う」と応じ、ブッシュに全面的な支援を約束する。
金正日は、ブッシュが考えている対北包囲網を突き崩すには、日本とのトップ会談に懸けるほかない状況にあり、追い込まれていたようで、日本人拉致については「過去に過激な盲動分子がやったことだ」と認め、謝罪したとのこと。

・ここで到着したIsさん、読んだ感想をどうぞ

Is
「永遠のゼロ」も読書会で読み、百田さんの本を読むことになった。
最初読んで日本の戦争に対する姿勢とアメリカの姿勢が違うんだなということに納得した。
ずっと読んでいくと、「永遠のゼロ」を戦争を美化しているという人たちがいるということを知り、どうしてこれを読んでそう捉えられるのかなと思った。
あの本を読んだら、戦争賛美しているとは思えない。
「永遠のゼロ」自体、内容を忘れているところがあった。
「永遠のゼロ」をもう一度読み返してもよいのかなと。

印象に残っているのは、P219 日本を守るのは日本人のところ。
自分自身も平和ボケになっているなと思った。
ニュースなどでは北朝鮮のことなどを言っているが、最悪の想定をしていない。
戦争なんて起こらないと思っている。


日本人を守るのは日本人。
P218日本が攻撃されたときに「日本は憲法9条があるので戦えません。アメリカ軍さん、お願いします。その代わり、後方支援はやります」と言えば、アメリカ軍が「了解。命をかけて戦うのは俺たちにまかせろ」と言ってくれるでしょうか。
日米安保でアメリカ軍が日本のために戦うには、まず日本の自衛隊が戦うことが前提のはず。

P1802015年、トルコが自国領空を飛んだロシア機を撃墜しました。普通なら戦争の危機です。しかもロシア大統領は気の荒いプーチンです。強大なロシアの軍事力をもってすればトルコなどひとたまりもありません。しかしプーチンはトルコに制裁的な軍事行動は起こせませんでした。それはトルコがNATO加盟国であったからです。とあるように「集団安全保障」が戦争抑止の効果がある。

・他に無いようでしたら、続きまして、Itさんどうぞ

It
自分も戦争なんか起こらない(起きてほしくない)と思っている。
9条の話については、この本を読む前は、余計なことしてくれるな、変えなくていいんじゃないかと思っていた。
この本を読んで9条を変えなくていいんじゃないかという人はいないのではないかと思った。


9条を変えるというのは、戦争をするためではない。
現状のままの9条では、もし戦争が起こった時、他国から攻撃された時、自衛隊が戦うことができないため、いざという時に自衛隊が戦えるようにするということ。
いざという時に戦えるようにすることにより、結果として他国から戦いを仕掛けにくくするということ。

世界の軍隊は「ネガティブリスト」があって、「してはいけないこと」が決まっている。
自衛隊は「していいことリスト」だけ決まっている。
自衛隊は、海外に燃料補給の任務や機雷の撤去に行っているが、この任務のときに他国の船が海賊に襲われていても助けに行くことができないということになっている。
なぜなら、自衛隊は「していいことリスト」だけがあり、燃料の補給や機雷の撤去という任務以外のことはしてはいけないということ。
日本の自衛隊というのはこういう足かせが付いた状態だということ。


9条は、解釈で何とかしていこうというのが今の流れ。
今は、防衛ではなく敵地を攻撃できるミサイルを導入しようという流れがある。
こういう議論は今までだったら許されなかった。

※自衛隊の状況、自衛はいいが、攻撃はダメについて

この例えがあっているかわかりませんが、山登りをしているときに熊と遭遇した。
熊は逃げずにこちらに向かってきた、あと7メートルのところまで熊が来たので熊よけスプレーを噴射して熊を追い払った。
これを聞いた動物愛護家が、「熊は威嚇のために向かって来るだけで直前で止まるから熊よけスプレー使うのは動物虐待だ」。
登山家「じゃあ、いつ使えばいいんですか?」
動物愛護家「熊が完全に攻撃した時に使えばいい」
というような感じでしょうか。


Oさんが4割改憲反対の意味がわかった。
現状、解釈でなんとかなっているのならば、このまま解釈でなんとかしたいという意味か。
今の政権は信用できないので、改憲となったときに、変な方向に改憲される危険性がある。


自衛隊の人たちは、解釈では合憲だが、条文では憲法違反の状態になっている。
いざという場合に自分たちの国を守ってくれる人たちに、あなたたちは憲法違反の存在だが、解釈上は憲法違反ではありませんから気にしないでくださいというのは、どうなのか。

※憲法9条を素直に読むと

日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

これを素直に読むと、「戦争はしない」し「武力による威嚇や武力の行使もしない」し「戦力も持たない」、そもそも「交戦権」を認めない。と読めます。

このように憲法が作られた当初の意味は、自衛隊のような軍事力を持つことを想定していなかった。ところが、戦後の冷戦によって日本を取り巻く情勢の変化に対応するために、警察予備隊を経て自衛隊を作ることになりました。

この時点で、第9条に「自衛のための装備は例外である」という条項を追加しておけば、ややこしくならずに済んだのに、「戦力を持たない」「戦争をしない」という憲法のもとで、どう見ても軍事力でしかない自衛隊を抱えたまま67年以上が経ってしまいました。

このような曖昧な自衛隊の存在を憲法上にしっかりと位置づけ、「自衛隊は違憲かもしれない」などの議論が生まれる余地をなくすべきではないか。
現憲法下でも、これまで武器の使用基準などを解釈によって柔軟に対応してきたかもしれませんが、自衛隊の人たちが自信と誇りをもって働ける環境を作らなければならないのではということです。
国民がなすべきは、自分たちの国土と命を守るために戦ってくれる自衛隊員を後方から支援することです。

Ta
自衛隊の人たちは国内法に縛られている。
「集団的自衛権」は、アメリカが戦うときに、日本も付いていかなければならないこともある。


集団的自衛権はアメリカの戦争に巻き込まれる恐れはありますが、それ以上に、戦争を抑止するメリットの方が大きい。
逆に、アメリカは日本の尖閣諸島のために戦いたくない、日本と距離を置きたがっている。

Ta
中国は太平洋に出たがっている。沖縄を押さえて、最終的には日本も押さえたいと思っている。


以前、北海道の土地が中国に買われているという話をした(中国の買収面積は2400ヘクタール、東京ディズニーランド46個分に及ぶ。これは水源地に限られるデータで、それ以外の土地を含めると、その10倍以上の東京ディズニーランド463個分も買収されている可能性があるといいます)。

今の時代、チベットのように武力で侵略するのではなく、大量の中国人を移住させてその場所を徐々に住みにくくしていって、追い出していくのかもしれない。
そのためには中国は沖縄にいるアメリカ軍を追い出したいと思っている。

※北海道の土地が中国に買われている。

2016年10月12日、中国の「杭州日報」は、「10年後は中国の“省”に!?北海道の不動産を中国人が“爆買い”」と題する記事を掲載した。

・では最後にHさんどうぞ


途中途中でいろいろ言わせてもらったので、大丈夫です。

・Hさんがこの本を読んで、どう思ったか。


最初、百田さんは暴論ばかり言っている人だと思っていた。が、この本を読んでみたら、おかしいことは言っていないなまともなことを言っているなと思った。

あえて言いたいところは、P179で、20世紀後半以降、軍事力の恫喝でもって領土を増やしているのは中国だけです。というところ。

※領土を増やし続ける中国

1949年に建国した中国は、わずか70年弱という短い歴史の間に、ウイグル、チベット、モンゴル、ソ連(ロシア)、台湾、インド、ブータン、北朝鮮、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、マレーシアなどすべての隣接国と、領土や領海をめぐる争いを繰り返してきた。
現代においては、世界でほぼ唯一、国境の現状変更を目指す無法国家といってよい。

・ウイグルは 1949年以降、全土を中国に侵略された。
・チベットは1948年以降、全土を中国に侵略された。
・中ソ国境紛争1969年
・中国・インド戦争1962年
・ブータンは 2000年頃から、じわじわと中国人の侵入を受けていた。そのうち中国人の数が多くなり、中国は勝手に国境線を書き換えたすえ、2006年に新たな国境線で合意を強要する形で、侵略を済ませた。
・中国・ベトナム戦争1979年(ベトナムは西沙諸島や南沙諸島の一部を侵略された)
・フィリピン2011年以降、南沙諸島の一部を侵略されてきた。
・タジキスタンは、中国の「その場所はおれのものだ」という言いがかりを受けたすえ、領土紛争を解決するために、国土を1000K㎡も奪われた。
・南モンゴル(内モンゴル)は、第2次大戦後に中国に編入されて自治区となっていたが、1966年以降、民族虐殺をされたり、漢民族の移入を受けて、国家を実質的に奪われた。
・ラオスは、軍事的に侵略されたわけではないが、経済的に賃貸・借用という形で、領土の中国側の部分を中国に支配された。

・現在、南シナ海では南沙諸島を自国領土に編入しようと目論んで、フィリピンやベトナムと衝突を繰り返しており、オランダ・ハーグの仲裁裁判所では、南シナ海での中国の無法な主張や行動について、中国の主張をほぼ全面的に退ける裁定を下したが、中国は「仲裁裁判所の判決は重大なものではない、ただの紙くずだ」とのたまっている。


このような国が近くにいるのに、9条を変えないというのはないだろう。
中国・韓国の肩を持つ朝日新聞が、異常に9条改正に反対するのは、9条を改正されると中国・韓国が困るからだろう。

憲法の改正案ですばらしいと思うのは「日本のこころ」という政党の「日本国憲法草案」
https://nippon-kokoro.jp/news/policies/kenpo01.php
この内容であれば、誰もが納得すると思う。

・どういう内容だったのか。


・独立国家として自主憲法の制定。
・自国の歴史や慣習に根ざした憲法。
・第4条で「世界平和の実現を国是とする」と謳っている。
・第2章、「平和の維持」(現状の9条部分)では、まず、自衛の場合を除き、戦争や武力の行使を永久に放棄することを約束した上で主権と独立を守り、国際的な平和活動に協力するため、軍を保持することを明示など。

あとは、P215「私たちは決して侵略戦争をしない。しかしもし他国から侵略されたら徹底して戦う」「私たちは決して侵略戦争をしない。他国から侵略されても抵抗しない」さて、どちらの国がより戦争を回避できる可能性が高いでしょうか。
というところ。

P216「戦争は嫌だから、戦争はしない」と主張するだけで戦争が起こらないなら、こんな楽な話はありません。世界の国からとっくの昔に戦争はなくなっているでしょう。

これは、イジメ問題にも通じる。
「僕は暴力は嫌だからやられても抵抗しない」という子と「僕は暴力は嫌だけど、やられたら反撃する」という子がいた場合、どちらがいじめられないるかということです。


日本が戦争に負けて唯一よかったのは陸軍と海軍がなくなったこと。
陸軍と海軍は国益ではなく、自分たちの省益を追求するために活動していた(陸海軍の確執)。
組織に入るとその組織を最優先する。


陸軍と海軍はなくなったが、そういう省益というものは、今の官僚に引き継がれている(他の省より予算を多く獲得するために国の利益を考えない。自分たちが辞めた後の天下り先を確保することが何よりも最優先など。

・話の途中ですが、そろそろ時間となりましたのでこのへんで終了します。

平成29年9月20日 第41回読書会

2017-10-15 12:42:22 | Weblog


・日 時:平成29年9月20日 18時30分~
・場 所:新橋
・参加者:7名(Tさん、Mさん、Oさん、Iさん、Kさん、Moさん、H)
・推薦本:「死ぬほど読書」 丹羽宇一郎 著

※印では、内容の補足と私見を付け加えさせていただいています。

・この本の推薦理由をどうぞ

Iさん
新聞の書籍紹介で知った。著者の丹羽さんが現役の伊藤忠商事の時に少し知っていたので、なんとなく興味をもった。
題名から、読書会のテーマにはいいかなと。

・では読書会を始めたいと思います。Iさんからお願いします。

Iさん
P23後ろから6行目「すべては現場に宿る」というところ。何か問題があったら現場に行きなさいというところ、やっぱりそうだよなと思う。
現場職で働いていた時は、そのとおりと思っていたので、経営者の人にとっても同じなんだなと同感した。

Tさん
今までの経験の中で机で考えているより現場に行った方がよかったということはあった?

Iさん
作業員を指示する立場にあり、トラブルがあった時、話だけを聞いているのではなく、直接現場に行って判断したことでトラブルを解決することができた。

無線の声だけで判断するとトラブルがトラブルを生む。

また、最近では、障がい者を採用する段階で、障がい者との懇親会があった。
精神障がいの方には先入観を持っていたが、イメージとは違った。
話してみると、ふつうの人と同じ。
こういうことも、実際に会ってわかったこと。

Tさん
当社は障がい者雇用をしているのか。

Iさん
法定雇用率には達していないので納付金を支払っている。

最近、農園を使った障がい者雇用の仕組みがある。
コンサルティング会社が農園を運営。ここで働きたい障がい者を募集して、農作業の実習を行う。
そして、コンサルティング会社は障がい者を企業に紹介して、企業は社員として雇用するというもの。
障がい者の職場は農園で、企業に出社することはない。

Mさん
R社でもやったことがある。
障がい者の人たちの会社を作って、そこで作られたものをR社が買い取るという形。

Iさん
健常者といっしょに働いてもらうとハンディキャップなどの問題から、なかなかうまくいかないが、こういう農業の仕組みだとうまくいくのでは。

※NHKの記事より引用です。
http://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2016/12/1203.html

障がい者をもつ父親の話
息子さんの将来に不安を抱えていた。
「ずっと私がいるわけではないので、社会からはじかれるのではなくて、社会の中で生きていけるような場所をいただけたら。やっぱり、親の願いですね」

キャスターのコメント
「この農園の仕組みは、企業にとって苦肉の策ではありますが、現実的な選択肢となっているようです。
ただ、障がいのある人たちが、健常者と同じ職場で働くわけではないため、この仕組みには異論もあると思います。
それでも、障がい者雇用が進まない現状の中で、これも1つの形なのかとも感じました」


障がい者、認知症者、誰しも人の役に立ちたいと切望している。どうにかそういった人たちの願望を叶える働ける場を創設できないかという思いがある。
「注文を間違える料理店」というのがあって、働くスタッフが全員認知症の方というお店もある。

※「日本で大切にしたい会社」という本に載っているチョークの会社「日本理化学工業」の社長の話。

障がい者を少しずつ採用するようになっていきましたが、1つだけわからないことがありました。
どう考えても、会社で毎日働くよりも施設でゆっくりのんびり暮らした方が幸せなのではないか。
そんなとき、ある法事の席で一緒になった禅寺のお坊さんにその疑問を尋ねてみたそうです。
するとお坊さんは
「そんなこと当たり前でしょう。
幸福とは、
①人に愛されること、
②人にほめられること、
③人の役に立つこと、
④人に必要とされることです。

そのうちの②人にほめられること、③人の役に立つこと、そして④人に必要とされることは、施設では得られないでしょう。
この3つの幸福は、働くことによって得られるのです」
と教えてくれたそうです。
「その4つの幸せのなかの3つは、働くことを通じて実現できる幸せなんです。
だから、障がい者の方でも、働きたいという気持ちがあるんですよ。
施設のなかでのんびり楽しく、自宅でのんびり楽しく、テレビだけ見るのが幸せではないんですよ。
真の幸せは働くことなんです」

・では、続きましてKさんどうぞ

Kさん
全体的な感想は、なにか威張っているなと思いながら読んだ。

その中で、一番共感したところは
P158「思考の棚にフックをつくる」という箇所。
読書をすると自分のなかに引き出しがたくさんでき、問題意識が生まれます。つまり、思考の棚に、さまざまなフックができるのです。
フックがなければ素通りしてしまうようなことも、フックがあれば、他人と同じものを見ても引っかかって、そこから新しい展開や可能性が開けたりします。

・このへんはその通りと思うところなので、異論とかはなさそうですね。
続きまして、Mさんどうぞ。

Mさん
たくさん線を引いたが、今回の読書会でなにが一番共感したかというと、Kさんの今の発言。
自分がいつも若い人たちに言ってることは威張っていると思われるんだと思った。

あとは、P30 細切れの断片的な情報をいくらたくさん持っていても、それは知識とは呼べません。というところ。
考える作業を経ないと知識にならない。
本を読むということは知識を得ること、そしてその後に実践がある。

家族によく言われる「お父さんはたくさん本を読んでいるのならもう少し人に対する言葉を考えなさい」と。

その他、
P107 本の読み方
この人は本を読んでいて心に引っかかってくる箇所に線を引いたり、付箋を貼ったりして、重要だと思ったものをノートに書き写すと。

本を読んで知識として定着させる方法は、五感をより多く使うこと。
本を読むということは視覚、線を引いたり、書くこと、触覚、声を出して読む、人に話すなどにより見につく。

仕事の本を読むときは、まずはPCに目次を入力して、そしてその目次の内容を要約したものを入力するということをして、その仕事を本を頭に入れていた。
1冊300ページぐらいの本なら、A4用紙3~4枚の要旨でまとまる。

H
「パレートの法則」というのがあるように本の2割がエッセンスというのを思い出す。

※「パレートの法則」
全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという説で、本にあてはめると、本の全体の内容は一部のエッセンスを読めばわかるというもの。

パレートの法則があてはまるシーン
・商品の売上の8割は、全商品のうち2割の銘柄が生み出している。
・企業の売上の8割は、全体の2割の顧客が生み出している。
・企業の売上の8割は、全従業員のうちの2割の従業員で生み出している。
・仕事の成果の8割は、費やした時間全体の2割の時間で生み出している。
・機械の故障の8割は、全部品のうち2割の部品に原因がある。
・所得税の8割は、課税対象者の2割が担っている。
・試験問題の8割が、その学科に関する2割の知識で答えられる。
・文章で使われる単語の8割は、全単語数の2割に当たる数の単語である。
・都市の交通量の8割は、都市全体の道路の2割に集中している。
・ソフトウェア利用者のうち8割は、全機能のうち2割しか使わない。
・物事の本質の8割は、2割を見ればわかる。
・100匹のアリのうち、よく働くのは2割だけ。

Mさん
あと、読んでいてひとつだけウソつけと思ったところがあった。
読書でシングルプレイヤーになった経験があるというところ。

Hさん
ウソつきではないが、著者が中国大使をやっていた時は、売国大使と呼ばれていた。
その頃に自分の本で、老人は退くべしとして、「極端なことを言えば、70歳を過ぎたら全員一線を退くという法律を作った方が良いくらいだ」と書きながら、自分は71歳で中国大使に就任している。自分だけは例外と考えているのか。

・続きまして、Tさんどうぞ。

Tさん
この本は、自分がサラリーマン生活を通してやってきた、おさらい的なことが多いと納得した。
古典でいうとどういうことかと考えた。
中国の古典では、書物の読み方は
・精読…人間を深め、思索に慣れる。
・通読…作者の気概や情熱に触れる。
・活読…読書はただ読むだけでは駄目で、読みながらその本を自己内部で賦活(活力を与えること)する必要がある。
・読書して疲れる様ではまだ本当ではない。疲れた時読書して救われる様にならねばならぬ。

※その他、通読と精読の違いについてです。
この2つの違いは、「人に語ることができるかどうか」です。

「通読」は、さぁ~っと読んで、自分では分かっているが、人に説明しようとするとできない。そういう読み方です。

「精読」は、本を読んで、そこに書いてあることはこういうことだよって「自分の言葉で語れる」読み方です。

この自分の言葉で語れるっていうことがものすごく重要なんです。
なぜなら、「人は自分の言葉によって影響されるから」です。
読むだけでなく、自分の言葉でまとめる。
このひと手間をかけることで、情報を知識にし、知識を自分の血肉とすることができるのです。

Tさん
あとは、この本の中ではP121あたりで言っている。
「多読と精読、どちらがいいか」

P128 本を読んで学んだこと、目をひらかされたことは、何らかの形で仕事に生かされることがあるし、仕事で体験したことが読書を通して「あれは自分にとってこういう意味を持つものだったのか」と整理されることもあります。

その時読んだときにはわからない。
それを古い言葉で言うと「古教照心 心照古教」
最終的には自分にどう活かすかということ。
仕事で体験したことを、本を読むことで気づくことがある。
自分にとってどうか、最終的に自分の生き方に生かしていかないと役に立たないのではないかということをいろいろ感じた。
この方はいろいろな本を読んだこと、いろいろな体験したことをこの本に書き表したのであって、決して威張っているわけではない。

※「古教照心 心照古教」
鎌倉時代の虎関禅師(臨済宗の僧)は「古教照心 心照古教」という言葉を残している。
「古教、心を照らし。心、古教を照らす」本が主体で自分が受け身、これではまだ古教照心の域。「本当の読み方は心照古教でなければならぬ」と教える。
本というものは読まれたのでは仕様がないし、読まされたのでは大した力にはならないという意味である。
知識というものは受け身になって、機械的に受け取った吸い取り紙的知識では、なんの力にもならない。なんでもそうであるが受け身では、自分というものに力がない、自分で考え、自分が主体になって、今まで読んできた本を再び読んでみる。自分の方が本を読む。自分の心が本(古教)を照らしていくということ。

・続きまして、Oさんどうぞ

Oさん
この本の内容には異論はない。
ほんとそうだなと思いながら読んだ。
丹羽さんに興味があったので、どんなことが書いてあるのかなと思ったのと、尖閣諸島の件で丹羽さんの言うことを聞いていたら、中国との関係はもっとよくなっていたと思うのに、世間ではそう思わない人が多い。
中国に対するODAを強化したら関係は良くなっていたのでは。

H
尖閣諸島は、日本の領土であるというのは、国際法上認められている。
尖閣諸島中国漁船体当たり事件(2010年9月7日)は、領海侵犯した中国船に日本の海上保安庁の船が退去を命じたところ、中国船が体当たりをしてきて中国船船長らが逮捕された事件
この時、丹羽中国大使は夜中に中国政府から呼び出されてペコペコ謝っている。
本来なら向うを呼び出して抗議するところ。

以下は、私見です。

国際法では、無人島を領有する場合、「ここを何年何月より領有しました」という意思表明と、近代法による統治(番地をつけたとか税収を行ったとか、司法の管轄下に置いたとか)を、数ヶ月間「他国からの抗議のない状態で」行う事で成立します。
尖閣諸島の場合は、1895年1月14日に尖閣諸島の編入を日本が閣議決定、沖縄県に編入、それに対して清国からの抗議は無しということで、日本の領有権原は成立。これで「近代法による統治」と他国からの抗議のない「平和的・継続的統治」が成立しており、国際法上正式に日本領となった事になっています。

それが、1968年の海底調査の結果、東シナ海の大陸棚に石油資源が埋蔵されている可能性があることが指摘され、1970年に台湾が領有権を主張しはじめ、これに中国も追随してきました。


中国は海上保安庁の船がぶつけてきたと抗議。
海上保安庁の保安官がYouTubeに中国船が衝突してきた映像を流出したことで中国のトーンがおとなしくなった。


対中国ODA(政府開発援助)について
・中国のGDPは、2010年に日本を抜いて世界第2位となる。
・2010年の中国軍事費75億ドル。日本416億ドル。

・2015年の世界の軍事費上位2カ国
1位 米国    5960億ドル
2位 中国(推定)2150億ドル(5年で約29倍)
8位 日本     409億ドル(ほぼ変化なし)

日本の外務省によると、日本による対中国のODAは、1979年から2010年までの約30年間で3兆7000億円ほどになる(有償資金協力、無償資金協力、技術提供を含む)。
さぞかし感謝されていると思いきや、中国の国民にはほとんど知らされていない。
中国政府は日本からの援助の存在さえも国民一般には伝えていない。

Oさん
丹羽さんは根っからの商売人。
大豆の話は有名で、他人が書くとスゴイなと思えるが、本人が言うと自慢に聞こえる。

あと、この本を読んでホッとしたのは、丹羽さんが同じ本を2回買ったことがあるというところ。
私も同じことをやったことがある。

細かいところは異論なく読んだが、矛盾点をいろいろ指摘すると、本のタイトルを決めるときに出版社の意向を受けてお客さんが興味を持つタイトルにすると聞いているが、「死ぬほど読書」ってどういう意味?ということ。
「わたしは死ぬほど本を読んだ」ということ?
いい加減なタイトルをつけているなと思った。

ゴルフのハウツーだけよんで、シングルになったとか、無人島には本を持っていかないと言っているが、そういう時こそサバイバル本を持っていかないのはどういうことかと(笑)

Hさん
その無人島の質問で思ったのは、インタビュアーの「無人島に本を3冊持っていくとしたら、どんな本を持っていきますか?」という質問に対して、「生きるためにやらなくてはいけないことが山ほどあるから、本を読むような時間はない」とか言っているが、インタビュアーはそんなことを聞いてるのではなく、相当本を読んでいると聞いているので、その本の中で3冊選ぶとしたら何ですかという質問をしているんじゃないか。
本を読むしかやることがないところに本を持っていくとしたらどんな本を持っていきますかと聞いているのに、無人島で本なんか読んでられないって、質問の意図がわかっていないんじゃないかと思った。

Oさん
丹羽さんという人がわかった。

稲盛さんや丹羽さんなど経済界の人。

中国大使として日本の国益となることは何か。
一見すると中国の国益となるが、結果的には日本の国益になる。

叩く人は徹底的に丹羽さんを叩く。

Hさん
国のためというより、伊藤忠のためなんじゃないか。

Oさん
伊藤忠が儲かるイコール日本が儲かる。

Hさん
一般的には、国益というのは、領域(領土)を守ること、国民の生命や財産を守ること、国の主権を守ることと言われています。
丹羽氏の伊藤忠時代の発言で「将来は大中華圏の時代が到来します。日本は中国の属国として生きていけばいいのです」と言ったとか。
このような考えの人に日本国の大使を勤めさせることが間違い。


漁業について
世界の漁業生産量第1位は中国であり、全世界の約18%を占めています(2013年)。
日本の漁業は1973年をピークに激減しています。
その原因の1つとして、中国の違法操業(領海侵犯)や乱獲(日本では禁止されているような方法で魚を集めて生態系を考えず乱獲している)があると言われています。
丹羽大使の尖閣諸島の時のような対応が日本の領域を脅かしている。
伊藤忠は儲かるかもしれませんが、日本の漁業は大きなダメージを受けているのではないか。

Mさん
丹羽氏が伊藤忠時代、伊藤忠の中国ビジネスを開拓した瀬島隆三氏の薫陶を受けている。


瀬島隆三(せじま・りゅうぞう)(1911―2007)
元日本軍大本営の参謀
終戦後、ソ連のシベリアへ11年間抑留される。
1956年、シベリア抑留から帰還した。1958年に伊藤忠商事に入社する。
山崎豊子の小説『不毛地帯』の主人公

日本兵をソ連に売り渡した張本人、ソ連のスパイなどの説がある。

Oさん
この本の印税を全額寄付するとしているが、この本で言っていた「お金に対してはあまり執着がない」ということの筋は通した。

Tさん
その辺は、P45で「清く、正しく、美しく」とも言っている。
私はたとえ500億円もの利益をもたらす大型案件であっても、法に抵触しそうであったり、誰かを陥れるようなものであれば、却下しました。

・では、続きましてHさん


今回、初めて電子書籍にしてみた。
電子書籍の良いところは、線を引けて(マークできて)、後で線を引いたいたところをまとめて読めるところ。そして、その線を引いたところになぜ線を引いたのかのコメントも書けるところ。
うろ覚えの箇所を検索できるところ。
読みやすい字のサイズに変更できること。

デメリットは、実際の本のページ数がわからないこと(自分の読みやすい文字のサイズに変えられるため)。読書会の場合にページ数が言えない。

共感したところは、P107頭に残るノート活用術
「本を読んでいて心に引っかかってくる箇所、すなわち印象的な言葉や興味深いデータについては、線を引いたり、付箋を貼ったり、余白にメモをとったりします。そして読み終えた後に、もう一度傍線を引いた個所やメモを読み返す。そのなかから「これは重要だ」「覚えておかなくては」と思ったものをノートに書き写します。

先ほど、Mさんがおっしゃっていましたが、このような本の読み方は、頭に残ると思う。こういう読み方をすると、頭に入ってくる。

あとは、P77の週刊誌のところ。週刊誌の内容は愚にもつかないものが圧倒的に多いというところ。
大衆の関心は他人の不幸を見聞きすることにあり、心のなかは「ねたみ、ひがみ、やっかみ」に満ちているからではないでしょうか。

人の心はこういうことで満ちているんだろうなと同感。

その他、P17「出鱈目な嘘のニュースや情報で、世界が動く。」というところ。
これも同感で、イギリスがEU離脱に賛成した件やアメリカ世論を湾岸戦争開戦へと導いた件など、日本を含めアメリカやヨーロッパのほとんどが大手マスコミのいうとおりに物事を判断している。資金力のある組織が、広告などの形でマスコミに多額の資金を流し、一気に情報を操作することで、国民の大多数は簡単に判断を左右されてしまう。

Mさん
最近、明治維新を味噌クソに書いている本を読んだ。
薩摩、長州は、テロリスト集団。
西郷隆盛、桂小五郎(木戸孝允)は、単なるバカのテロリスト
そういうのを英雄にしてしまった司馬遼太郎が悪いと司馬遼太郎をけなしている。
歴史というのは勝者の側の言い分

この本を読んでからもう一度司馬遼太郎を読み返したとき、新鮮だった。
若い頃読んだ司馬遼太郎と、こういった本を読んでから読んだ司馬遼太郎が違う感じがした。

Oさん
日本では、過去に二度海外から分割されたり属国になる危機があった。
明治維新の時と太平洋戦争
それがなんとかなっているのは、明治維新も間違いではないのでは。

Mさん
歴史は勝者が自分たちの都合のいいように作っている。
日本の明治維新の歴史は長州と薩摩が書いている。
ヒトラーだってもし勝っていたら英雄だったかもしれない。

逆の説を読むのはおもしろい。

Oさん
何十年か何百年か経って歴史の論争はあってもよいと思う。
歴史の中で定説と言われていたことが覆されていくことはあってもよいと思う。
歴史は時間が経ってみないとわからない。

※今まで通説とされていたものを、それは違うという異説を知るのは大事。
そうして出された異説については、検証することも大事。

原田伊織氏の本の中で「明治維新という名称は明治時代にはなく、昭和維新を起こしたテロリスト・右翼・軍人たちが流行らせた」とか「維新とか攘夷とかはテロリスト育成をしていた水戸学が創作した新語」と書いてあるが、国語辞典では維新は中国の『詩経』が由来で、江戸時代の平戸藩主が藩校に「維新館」と付けている。また、明治維新という言葉は明治21年の『大政三遷史』で使われている。

その他、「攘夷」「国体」「志士」などの言葉は水戸学や長州テロリストの創作と書いてあるが、全て中国古代の漢籍に出典がある。

※明治維新について
以下、私見です。
なぜ幕末の日本は、明治維新をすることで、欧米列強からの侵略を防ぐことができたのか?
この欧米列強からの侵略を、当時防ぎきれたのは日本だけ。
江戸幕府から明治政府に変わったことで、欧米諸外国は、日本侵略を諦めた。
欧米列強が世界中を征服できたのは、侵略される国の意見が異なって分裂したり、最新鋭の武器に怯えたりしたから。
日本は明治政府の強引な廃藩置県により、天皇を中心とした強い中央集権国家になったことで、欧米列強は日本侵略を諦めた。
幕藩体制のように、各藩が言いたいことを言って国としての意思統一ができない状況だったならば、諸外国は日本国内に内戦をさせて自分たちが付け入る隙もあったが、廃藩置県により、日本は国家として、諸外国と対峙できるようになったため、征服できない状況となった。

※征韓論について
西郷隆盛は征韓論だったということが通説ですが、調べてみるとすこし違う説がありました。
元々、日本と朝鮮とは、江戸幕府の鎖国政策の時代から交際を続けていた親しい間柄でした。
しかし、江戸幕府がアメリカやイギリス、ロシア、フランスといった欧米列強諸国からの圧力に屈し、和親条約や通商条約を結んだことにより、朝鮮は日本との国交を断絶しました。
その頃の朝鮮もまた、欧米列強諸国を「夷狄(いてき)」と呼んで蔑み、鎖国政策を取っていたため、外国と交際を始めた節操の無い日本とは交際できない、という判断でした。

その後、「朝鮮にいる居留民の引き揚げを決定するか、もしくは武力に訴えても、朝鮮に対し修好条約の調印を迫るか、2つに1つの選択しかありません」という意見に対して、参議の板垣退助が口を開きました。

「朝鮮に滞在する居留民を保護するのは、政府として当然であるから、すぐ一大隊の兵を釜山に派遣し、その後修好条約の談判にかかるのが良いと思う」

しかし、その板垣の提案に対し、当時閣議の中心人物であった西郷は首を横に振り、次のように述べました。

「それは早急に過ぎる。兵隊などを派遣すれば、朝鮮は日本が侵略してきたと考え、要らぬ危惧を与える恐れがある。これまでの経緯を考えると、今まで朝鮮と交渉してきたのは外務省の卑官ばかりだった。そのため、朝鮮側も地方官吏にしか対応させなかったのではないか。ここはまず、軍隊を派遣するということは止め、位も高く、責任ある全権大使を派遣することが、朝鮮問題にとって一番の良策であると思う」

その西郷の主張を聞いた太政大臣の三条実美は、「その全権大使は軍艦に乗り、兵を連れて行くのが良いでしょう」と付け加えました。
しかし、西郷はその三条の意見にも首を横に振ったのです。

「いいえ、兵を引き連れるのは宜しくありません。大使は、烏帽子(えぼし)、直垂(ひたたれ)を着て、礼を厚くして、威儀を正して行くべきだ」

という意見だったとのこと。
これが正しいなら、西郷は「征韓論」ではなく、「遣韓論(けんかんろん)」だというものです。

※吉田松陰
では、吉田松陰はどうかと調べてみました。
松陰は、朝鮮の服属を古代の「神話」に根拠を見い出して主張していました。
さらにはシベリア、満洲、東南アジアへの進出までをも述べていたそうです。
ただし、シベリアや満洲・台湾・ルソンなどについては、松陰は無人の土地と認識しており、ここは領有権を争う地だが、琉球や朝鮮は武力による併合ではなく、それらを独立した国家として残しつつ、「朝貢」(朝廷に貢ぎ物を差し出させる)の対象と見ていました。
これは、征韓論と同じと見えますが、この松陰の時代の世界の常識としては、強い国が弱い国を従わせるというのは当たり前であり常識であったということ。

Kさん
戦争はどちらが正しいとか、正しくないとかではなく、当時は列強が不況の自国の経済を復活させるために、植民地から搾取しようという、食うか食われるかの世界。

その中で勝った国が負けた国を悪者にしているだけ。
勝者の論理で歴史は決まる。

・その他、何かありますか

Iさん
冒頭で大学生が言っていることについて。「読書はしないといけないの?読書は楽器やスポーツと同じように趣味の範囲であり、読んでも読まなくても構わないのではないか。」という意見に対して、それはそうだよなと思った。
それに対してみなさんはどういう反論をしていきますか。


それに対して反論するとしたら、人生を80年としたら、本というのはいろいろな人生を歩んだ人の話を読むことができる。それはいろいろな人生を疑似体験できるというもの。
本というのは限られた人生の中で、いろんな人生を取り込めるということを大学生には言いたい。

Mさん
読書はバーチャルリアリティーだと思う。
普通は日本に生まれて、日本で大きくなって、日本のなかで死んでいく。
それが、本を読めば南米のことも知ることができるし、時代を超えて明治維新を体験できることもある。
それだけでも楽しいと思うし、楽しいと思わないのであれば、読まなければいい。

Oさん
今はテレビやインターネットなどたくさんの媒体がある。
忙しいから本なんか読めないと言われてしまえば、そりゃそうだよなと思う。
インターネットには本のエッセンスが抜き出して書いてある。
そういう環境ではそれを読めばいいんじゃないかと思うのでは。

Mさん
ただ大学生に言ってやりたいことは、読みたければ読めばいいし、読みたくなければ読まなければいい。ただそういう人は人の上に立つなと言いたい。人の上に立つと言うことは最大公約数の幸福を考えること。唯我独尊では人の上には立てない。

Iさん
昔は娯楽がなかったため本を読む人が多かったが、今は他にたくさんの娯楽がある。
活字や行間を読まなくなったこういう人たちがあと20年、30年経ったときが怖い。

Oさん
イマジネーションは大事。
よく小説から映画化されるが、本を読む行為はイマジネーションが必要。
小説は、活字がすべてなので自分のイマジネーションが必要。
それはすごい力を使うもの。


今言っていたのとは違うかもしれないが、言語学者の金田一さんが、ボキャブラリーについて言っていた。

豊富なボキャブラリーは、デジカメの画素数と一緒。多いほど正確に美しく伝わる。
ボキャブラリーが豊富な方が、相手や場面、自分の立場によって、その場に一番ふさわしい言葉を選択できる。

Kさん
本は道徳教育には大事。すばらしい生き方、真似したい生き方、本から学ぶことは多い。
おもしろくないなら読まなくてよいと思うが、人として、どう生きていくべきかを無理矢理にでも学ばせる必要があるのではないか。

Iさん
P106で社員研修の際に課題図書を読ませて感想文を提出させるということに対して、この著者はそんなことをしても意味がないと言っていた。
これはどうなんだろうと思う。

Kさん
無理矢理読まされないと読まない

Mさん
課題図書というのは、その人に読ませてその人を推し量ったりするもので必要。

Iさん
あと、この本の中で古典の話が出てくる。
古典は読みたいと思うが、難しいなと思う。

※古典についての記事がありましたので参考までに。

人生の問題について何か悩んだり問題が出る。そういう場合どうするかだが、多くの人はあまり情報収集をしない。
しかし、みなさんが悩むような人生の問題は、もう何千年も前の人が考えてきたものばかりなんだと思う。
そして、歴史には偉人なんかたくさんいるわけで、そんな人たち、偉人といわれる人たち、たとえば哲学者が、人生の問題を考えていないはずはない。

哲学を人生には意味のない無縁なものだ、あるいは学問というのは役に立たないものだと考えてはならない。
それは、役に立てていないだけなんだよ。だいたいそんなことを言うのに限って、哲学とかを勉強したこともない奴なんだ。
そして、自分の狭い了見、少ない教育で得た知識とわずかの経験でもって、ああでもないこうでもないと悩み続けている。

私たちはもっと賢くなるべきだ。
どうして先人、認識力に優れた偉人たち・哲人たちの思想、問題の解決策を学ぼうとしないのか。
同じくらいのレベルの人同士に相談しても、そう頭のレベルが変わらないのなら、そんなに良い解決策が出てくるようには思えない。
まぁ他人だから客観的で冷静に見ることができるということはあるが。それよりか、自分たちよりも頭が良い、少なくとも歴史がそう証明してきた人たちに意見を聞いてみればいい。

そのために本が沢山あるのではないか。でもそのことにみんな気付いていない。私はその意味で、次元の高い人たちの書籍を勧めている。
そうした書物を読むように勧めている。
実際、それらの本を読んでくれた人が、「良かった」と言っている。「読んで良かった、その本に出会えて良かった」と言っている。
その他、「それまでまったく思想書や哲学書を読んだことがなかったけれど、こんなに面白いとは思わなかった」と、今では夢中で読んでいると、そういって手紙をくれる人もいる。
ぜひとも、みなさんにもそうなってもらいたいと思うんです。本を読む楽しみ、真実を探求する楽しみを味わってもらいたいと思います。

で、何を読むかだけれど、やはり歴史的に残ってきた思想、多くの人の魂の糧になってきた思想、これを学ぶべきだろうと思う。
現在、本なんかいくらでも出てるが、歴史に残るものはやはり少ない。
現在ではどれが歴史的なものになるかは分からないんだから、もうすでに定評のあるものを読むといい。
ソクラテス、プラトン、カント、へーゲル、デカルトとかね。
カント、へーゲルは18世紀・19世紀位の本で、ちょっとまだ最近かもしれないけれど、中国の思想では、孔子、孟子だね。そしてやはり荘子、荘子。
日本では西田幾太郎なんかいいと思う。こんなのに取り組んでみてほしい。

でも哲学書は難しいから、頭の良い人はそういうものに挑戦してみればよい。
分からなくてもいいんだ。そのときは、自分は少なくともその著者のレベルにはいっていないという確認ができるんだから。

人間ね、レベルというのはあるんだよ。古典で残るような思想を残した人というのは、かなりランクが上の方にあるということが分かる。
そうすると、それが「良い本だ、為になった、よく分かった」というためには、その著者あるいはその著者が読者として想定した人たちのランクと同じか、あるいは少し下、手の届くところにいる必要があるということで、それより遥か下にいたら、もうその本の内容なんかさっぱり分からない。「なんだこんなの全然役に立たないじゃないか」ということになるんだ。
まあ反対に、「こんなの幼稚だ、稚拙だ」ということになれば、それより上にある、本当にその内容を理解した上でそういうんだったら、上にあるということはできると思う。

世間の人はよくこの過ちをおかすんだね。自分が分からないものは、良くないという、価値がないとまで思ってしまっている。
あなたたちはそんな馬鹿なことをいうベきじゃない。そうするとね、いろんな本を読んでいくと、謙虚にならざるをえなくなる。 自分の無知というか、ソクラテスじゃないけど、自分はまだまだレベルが低いと、何も分かっちゃいないと、こう思うようになるわけなんだ。謙虚に素直になっていく。こうした効果も読書にはあると思ってください。

※推薦著者・思想家というのがあったので。

外国人
・デール・カーネギー『道は開ける』『人を動かす』
・ノーマン・ビンセント・ピール『積極的考え方の力』
・エマソン『エマソン論文集』

哲学
・プラトン『ソラクテスの弁明・クリトン』『パイドン』
・クセノフォーン『ソークラテースの思い出』
・カント『道徳形而上学原論』『人倫の形而上学の基礎づけ』『道徳哲学』『徳論の形而上学的基礎論」
・へーゲル『法の哲学』『宗教哲学』
・デカルト『哲学原理』『方法序説』
・トマス・モア『ユートピア』
・エラスムス『対話集』
・西田幾太郎『善の研究』
・アリストテレス『ニコマコス倫理学』『形而上学』
・マルクス・アウレリウス『自省録』
・アウグスチヌス『告白』『神の国』
・スピノザ『倫理学』
・パスカル『パンセ』
・ライプニッツ『単子論』
・モンテスキュー『法の精神』
・シェリング『人間的自由の本質』
・マーティン・ブーバー『我と汝』
・ベルジャーエフ『現代における人間の運命』

科学者
・アインシュタイン『わが信念』

その他
・イエス・キリスト、釈迦、孔子など人類の教師といわれる方に関する書物
・リンカーン、マザーテレサ、ナイチンゲールなどの多くの偉人伝。

以上です。