Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE121. 美学的でがさつな世界

2010年12月15日 | Kyoto city
 先日市内の高等学校が主催している模擬講義にかりだされた。最近は高校へ色目を使わないと大学も良い学生が集まらないという背景がある。
 1時間半の講義のために片道1時間以上の時間をかけての出前講義である。午後からたっぷり4時間は、このために時間がつぶれるという効率の悪さ。ああっ、それだけの時間があれば、締め切り間近の原稿が5枚は書けたのにという算盤をはじきながら、重い足をむけるという仕事をしなければならいわけだ。
 「工芸とデザイン」という語義重複の怪しいテーマを与えられ、それを勝手に拡大解釈して、デザインの先端の話を少ししていた。レジメがあるとはいえ高校生にはわからんだろうと思いながらの講義である。高校には珍しく普通科のほかにデザイン専攻の課程があるので女生徒が多く、彼女たちは静かに聞いていた、あるいは眠っていたといってよいだろう。
 講義をしながら生徒達を眺め回すと、あれっ!皮下脂肪が大変少なくて一寸骨っぽい体型で美しいではないか!!、と思った。何しろ私は美術系の出身なのだから、コスチュームの上から人体がわかってしまうわけ。
 女の体型も美しいのは、二十歳までだなという私の見立ては、正しかった。二十歳を過ぎるとグラビアアイドルのように皮下脂肪がついてくるわけ。特に後ろから見ると腰から膝にかけての間に一気に皮下脂肪がガンとつくよね。世の中はそれをもてはやすが、私にいわせれば熟女の始まり。そういう熟女始まり体型はクロッキー教室のモデルでも書かされるが。
 そういえば、大学時代の彫塑の先生が、「高校生ぐらいの人体はつくるのが難しいんだよ、あの顎の下なんか難儀だよ」、といっていたのを思い出した。そうプロがつくるのが難しいぐらいに美学的なのである。
 そういう美学的な瞬間を、バレーだバスケだテニスだといって泥だらけになる体育会的過ごし方を奨励しているわけだから、高校というのも随分がさつな世界だなと思いながら早々にあとにし、たまっている原稿に没頭していた。

永観堂, 2010年11月24日
OLYMPUS PEN E-P2,14-150mm/f4.0-5.6
ISO200,20mm,f5.6,1/125,露出補正-1/3. iFinish
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