Oil on Canvas

19~20世紀前半の西洋美術、日本近代美術などに興味があります。気になったことを調べつつ、メモしています。

美術等鑑賞活動の記録(2022年)

2022-06-28 19:19:54 | 展覧会・美術館・博物館
 
  2022年 
 

 
  1月 
 

 ◆ アール・ヌーヴォーの華 アルフォンス・ミュシャ展~ミュシャとアール・ヌーヴォーの巨匠たち~@新宿・小田急百貨店

 ◆ ジャポニスム―世界を魅了した浮世絵(前期)@千葉市美術館
 ◆ 千葉市美術館コレクション選 布施コレクション〜版画の楽しみ/新春の寿ぎ 虎・とら・トラ@千葉市美術館

 ◆ 第4期コレクション展 「名品4 -ルノワールと女性をめぐるイメージ-」@千葉県立美術館

 ◆ 総合文化展 近代の美術 [本館18室]、特集:博物館に初もうで 今年はトーハク150周年!めでタイガー!![本館特別1室・2室]@東京国立博物館

 ◆ 常設展:美術展示 「近世絵画の世界」 (第1期)@埼玉県立歴史と民俗の博物館
 
  2月 
 


 ◆ 藤牧義夫生誕110周年特別展 藤牧義夫と館林@館林市第一資料館

 ◆ アートリンクとちぎ2021 小杉放菴生誕140年 放菴と寛方@佐野市立吉澤記念美術館

 ◆ 藤牧義夫生誕110周年特別展 藤牧義夫と館林(展示替)@館林市第一資料館

 ◆ 開館40周年記念展 扉は開いているかー美術館とコレクション 1982-2022(前期)@埼玉県立近代美術館
 ◆ MOMASコレクション 2021-22 第4期 たなごころの絵画 / 特集:末松正樹@埼玉県立近代美術館
 
  3月 
 

 ◆ 企画展「創作人形作家の雛とおもちゃ絵~人形の近代をめぐる~」@さいたま市岩槻人形博物館

 ◆ コレクション展:モネ-光のなかに 会場構成:中山英之 / ラファエル・コランと黒田清輝―120年目の邂逅 / 水の風景@ポーラ美術館

 ◆ 上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー(前期)@三菱一号館美術館

 ◆ 没後50年 鏑木清方展@東京国立近代美術館
 ◆ 所蔵作品展:MOMATコレクション [2021年度第3回] 美術館の春まつり / コレクションによる小企画 ピエール・ボナールと日本近現代美術@東京国立近代美術館
 
  4月 
 

 
 ◆ 常設展示 「あの人どんな顔? 「肖像」の魅力に迫る」@旧多摩聖蹟記念館

 ◆ シダネルとマルタン展 ─最後の印象派、二大巨匠─@SOMPO美術館

 ◆ 時を旅する百段階段:春の見学会@ホテル雅叙園東京

 ◆ リニューアルオープン記念展Ⅰ 日本画トライアングル(前期)@泉屋博古館東京

 ◆ 常設展:新収蔵版画コレクション展@国立西洋美術館

 ◆ 総合文化展:[特集] 東京国立博物館の近世仏画―伝統と変奏ー(前期)、浮世絵と衣装、歴史の記録、近代の美術、創立150年記念特集 未来の国宝―東京国立博物館 書画の逸品―、等
   @東京国立博物館

 ◆ 黒田記念室@黒田記念館

 ◆ 藝大コレクション展 2022:春の名品探訪 天平の誘惑@東京藝術大学大学美術館

 ◆ 没後50年 鏑木清方(展示替・後)@東京国立近代美術館

 ◆ リニューアルオープン記念展Ⅰ 日本画トライアングル(後期)@泉屋博古館東京

 ◆ 開館22周年 芸術家たちの住むところ(前期)@うらわ美術館
 
  5月 
 


 ◆ 華麗なるベル・エポック フランス・モダン・ポスター展 京都工芸繊維大学 美術工芸資料館コレクション@横須賀美術館
 ◆ 所蔵品展 [令和4年度第1期] 新収蔵記念:生誕150年 矢崎千代二展@横須賀美術館

 ◆ スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち@東京都美術館

 ◆ 総合文化展:[特集] 東京国立博物館の近世仏画―伝統と変奏ー(後期)、浮世絵と衣装、歴史の記録、近代の美術、創立150年記念特集 未来の国宝―東京国立博物館 書画の逸品―、等 @東京国立博物館
 
 ◆ メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年 @国立新美術館

 ◆ 大英博物館 北斎 ―国内の肉筆画の名品とともに― (前期)@サントリー美術館

 ◆ TOPコレクション 光のメディア@東京都写真美術館
 ◆ アヴァンガルド勃興 近代日本の前衛写真(前期)@東京都写真美術館

 ◆ 東京・区立美術館ネットワーク連携事業 東京の猫たち@目黒区美術館

 ◆ ただいま やさしき明治 発見された日本の風景 (前期)@府中市美術館
 ◆ 常設展: 牛島憲之の「かたち」、 府中・多摩を描く/府中・多摩で描く@府中市美術館

 ◆ 野田九浦 ー〈自然〉なることー@武蔵野市立吉祥寺美術館

 ◆ 出版120周年 ピーターラビット™展@世田谷美術館
 ◆ ミュージアム コレクションⅠ美術家たちの沿線物語 大井町線・目黒線・東横線篇@世田谷美術館
 ◆ コーナー展示 「黒船館をめぐって―吉田正太郎と小川千甕」@世田谷美術館

 ◆ 館蔵 近代の日本画展@五島美術館

 ◇ 生誕150年 山元春挙 (後期)@滋賀県立美術館
 ◇ 常設展: 名品選Ⅲ、小倉遊亀コーナー 「達者と無垢なもの」@滋賀県立美術館

 ◇ 粋人画家 山元春挙 重要文化財 蘆花浅水荘 築101年記念特別拝観@蘆花浅水荘

 ◇ れきはく蔵出し展2022 (第172回ミニ企画展) 柴田晩葉と近代日本画家の大津絵@大津市歴史博物館

 ◇ やっぱり、京都が好き 〜栖鳳、松園ら京を愛した画家たち(前期)@福田美術館

 ◇ 花ごよみ ー横山大観・菱田春草らが咲きほこるー (前期)@嵯峨嵐山文華館

 ◇ コレクションルーム [春期] @京都市京セラ美術館

 ◇ 没後50年 鏑木清方@京都国立近代美術館
 ◇ コレクション展 [2022年度 第2回] 「没後50年 鏑木清方展」によせて / 坂本繁二郎と青木繁@京都国立近代美術館

 ◇ 特別展「華風到来 チャイニーズアートセレクション」@大阪市立美術館
 ◇ 併設展示「大阪市立美術館の歩みとコレクション」@大阪市立美術館

 ◇ 特別展「モディリアーニ ─愛と創作に捧げた35年─」@大阪中之島美術館
 ◇ 開館記念展 みんなのまち ⼤阪の肖像 [第1期]「都市」への道標。明治・大正・昭和戦前 <後期>@大阪中之島美術館
 
 
  6月 
 


 ◆ コレクション展 [第2期] :名品2 −浅井忠と工芸−/ 澤部清五郎とその周辺 / 春過ぎて夏来たるらし -夏の風物詩-
   @千葉県立美術館
 
 ◆ コレクション選:特集:椿貞雄/近代京都画壇の俊英たち/京阪ゆかりの浮世絵/京都を描いた近代版画@千葉市美術館

 ◆ 松岡コレクション めぐりあうものたち Vol.1(前期)「故きを温ねて」@松岡美術館

 ◆ リニューアルオープン記念展Ⅱ 光陰礼讃 ―モネからはじまる住友洋画コレクション@泉屋博古館東京

 ◆ 所蔵作品展:MOMATコレクション [2022年度第1回] @東京国立近代美術館

 ◆ Tokyo Contemporary Art Award 2020-2022 受賞記念展:藤井光、山城知佳子 / 藤井光 「日本の戦争画」
   @東京都現代美術館

 ◆ リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで@国立西洋美術館
 ◆ 常設展:西洋版画を視る―エッチング:線を極める、線を超える@国立西洋美術館

 ◆ 模写の近代 模写の現代 公益財団法人芳泉文化財団10周年記念特別展@東京藝術大学大学美術館

 ◆ 黒田記念室@黒田記念館

 ◆ 総合文化展 特集:時代を語る洋画 ―東京国立博物館の隠れた洋画コレクション―、浮世絵と衣装、歴史の記録、
   近代の美術、創立150年記念特集 収蔵品でたどる日本仏像史、等 @東京国立博物館

 ◆ ただいま やさしき明治 発見された日本の風景(後期)@府中市美術館

 ◆ 企画展 「画家・河野通勢の表現」@調布市武者小路実篤記念館

 ◆ 津田青楓 図案と、時代と、(前期)@渋谷区立松濤美術館

 ◆ 企画展 「こ・と・わ・ざ — 風刺とユーモア」@明治大学博物館

 ◆ ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策 写真と絵画−セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策
   @石橋財団アーティゾン美術館
 ◆ Transformation 越境から生まれるアート@石橋財団アーティゾン美術館
 ◆ 石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 ピカソとミロの版画 —教育普及企画—
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日本国内にある西洋絵画(カミーユ・ピサロ編)

2020-04-20 21:21:31 | 資料

 日本国内の美術館、法人等に所蔵されているカミーユ・ピサロ作品をまとめてみました。

 可能な限り作品情報とリンクさせるため、カタログ・レゾネの作品番号を便宜以下のように表記し、付してあります。

 「PDR」 : 『Pissarro : Critical Catalogue of Paintings』(Joachim Pissarro, Claire Durand-Ruel Snollaerts, Skira, Wildenstein Institutes, 2005)
 「V」  : 『Camille Pissarro : son art, son oeuvre』(Ludovic-Rodo Pissarro, Lionello Venturi, Alan Wofsy Fine Arts, 1989)

 
 吉野石膏コレクション(◇山形美術館へ寄託)[山形] 

◇ 「モンフーコーの冬の池、雪の効果」 1875年 油彩・カンヴァス PDR390

 
 
◇ 「ポントワーズの橋」 1878年 油彩・カンヴァス PDR551

 
 
◇ 「ポントワーズのル・シュ」  1882年 油彩・カンヴァス PDR675

 
 
 ◇ 「花を摘む農婦」 1882年 油彩・カンヴァス PDR687

 

◇ 「暖をとる農婦」 1893年 油彩・カンヴァス PDR739

 
 
 ◇ 「ロンドンのキューガーデン、大温室前の散歩道」 1892年 油彩・カンヴァス PDR944

 

◇ 「ルーアンのエピスリー通り、朝、曇り空」 1898年 油彩・カンヴァス PDR1222


 

 「吉野石膏コレクション」が日本で一番多くピサロ作品を所有していると思われます。吉野石膏株式会社、公益財団法人吉野石膏美術振興財団のどちらかが所有しているものと思われます。全部か、一部かはわかりませんが、山形美術館に寄託されているようで、すべて常設展示されているかどうかは不明です。ただ、山形美術館では、数年に間に一定期間だけ、「吉野石膏コレクション」の全体を公開する展覧会もあるようです。

 
 福島県立美術館 [福島] 

 ◆ 「エラニーの菜園」 1899年 油彩・カンヴァス

 

 
 諸橋近代美術館 [福島・猪苗代] 


 ◆ 「ポントワーズ丘陵、牛飼いの少女」 1882年 グワッシュ・紙


 
 茨城県近代美術館 [茨城] 


 ◆ 「グラット=コックの丘からの眺め,ポントワーズ」 1878年頃 油彩・カンヴァス PDR557  

 

 ◆ 「農家の娘」 1892年 パステル・紙

 群馬県立近代美術館 [群馬] 

 
  ◆ 「エラニーの教会と農園」 1884年 油彩・カンヴァス PDR754 (Google Art & Culture
 
 

 
 DIC川村記念美術館 [千葉] 


  ◆ 「麦藁を積んだ荷馬車、モンフーコー風景」 1879年 油彩・カンヴァス PDR611 (Google Art & Culture

 


 
 埼玉県立近代美術館 [埼玉] 


  ◆ 「エラニーの牛を追う娘」 1884年 油彩・カンヴァス PDR775 (Google Art & Culture
 
 

 丸沼芸術の森 [埼玉] 

 
 ◆ 「草刈りする女性」 製作年不詳 水彩・紙


 
 国立西洋美術館 [東京] 


  ◆ 「冬景色」 1873年 油彩・カンヴァス PDR286

  

 ◆ 「立ち話」 1881年頃 油彩・カンヴァス PDR658 (Google Art & Culture

    *第七回印象派展 (1882年)出品作。

 ◆ 「収穫」 1882年 テンペラ・カンヴァス (Google Art & Culture

     *第七回印象派展 (1882年)出品作。

 ◆ 「エラニーの秋」 1895年 油彩・カンヴァス

 

 
 石橋財団アーティゾン美術館 [東京] 


 ◆ 「ブージヴァルのセーヌ河」 1870年 油彩・カンヴァス PDR154 (Google Art & Culture

 

 ◆ 「菜園」 1878年 油彩・カンヴァス PDR577 (Google Art & Culture

 

  
 三菱一号館美術館 (◇寄託作品)[東京・丸の内] 


 ◇ 「窓から見たエラニー通り、ナナカマドの木 」 1887年 油彩・カンヴァス PDR846

 

  ◇ 「エラニーのロックおばさんの農園」 1893年 油彩・カンヴァス PDR1002

 
 
 *三菱一号館美術館に寄託されている個人コレクションで、ふだんなかなか展示されないですが、所蔵品展などで見ることができるかもしれません。


 
 松岡美術館 [東京] 


 ◆ 「丸太作りの植木鉢と花」 1876年 油彩・カンヴァス PDR481

 

 ◆ 「羊飼いの女」 1887年頃 グワッシュ・紙 V1418

 ◆ 「カルゼール橋の午後」 1903年 油彩・カンヴァス PDR1489
  
 

 
 東京富士美術館 [東京] 


 ◆ 「ロンドン、ハイドパーク」 1890年 デトランプ・デトランプ、カンヴァスに移された紙 V1449
 
 

 ◆ 「春、朝、曇り、エラニー」1900年 油彩、カンヴァス PDR1322 (Google Art & Culture) 

  

 ◆ 「秋、朝、曇り、エラニー」1900年 油彩・カンヴァス PDR1341
 

 
 ポーラ美術館 [神奈川・箱根] 
 

 ◆ 「エヌリー街道の眺め」 1879年 油彩・カンヴァス PDR595

 

 ◆ 「エラニー村の入り口」 1884年 油彩・カンヴァス PDR752
 
 

  ◆ 「エラニーの花咲く梨の木、朝」 1886年 油彩・カンヴァス PDR823

     *第八回印象派展(1886年)出品作。 

 
 上原美術館 [静岡] 
 

 ◆ 「エラニーの牧場」 1885年 油彩・カンヴァス PDR792 

     *第八回印象派展(1886年)出品作。

 
 静岡県立美術館 [静岡] 


 ◆ 「ライ麦畑、グラット=コックの丘、ポントワーズ」 1877年 油彩・カンヴァス PDR523 (Google Art & Culture) 

 

 
 鞍ヶ池アートサロン(トヨタ鞍ヶ池記念館内) [愛知] 
 

 ◆ 「エラニーの眺め」 1884年 油彩・カンヴァス PDR777 

 

 ◆ 「エラニーの牧場」 1885年 油彩・カンヴァス PDR809

 

 
 ヤマザキマザック美術館 [愛知] 


 ◆ 「ルーアンの波止場・夕陽」 1896年 油彩・カンヴァス PDR1146

 

 
 岐阜県美術館 [岐阜] 
 

 ◆ 「牛の番をする農婦、モンフーコー」 1875年 油彩・カンヴァス PDR423



 
 京都国立近代美術館 (◇寄託作品) [京都] 
 

 ◇ 「樹霜、木の枝を折る女」 1889-90年頃 油彩・カンヴァス PDR877 

 

 
 福田美術館 [京都] 
 

 ◆ 「エラニーの積み藁と農婦」 1885年 油彩・カンヴァス PDR810 

 

 姫路市立美術館 [兵庫] 
 

 ◆ 「花咲くプラムの木」 1889年 油彩・カンヴァス PDR865 

 

 大原美術館 [岡山] 


 ◆ 「ポントワーズのロンデスト家の中庭」 1880年 油彩・カンヴァス PDR635

 

 ◆ 「りんご採り」 1886年 油彩・カンヴァス (Google Art & Culture

    *第八回印象派展(1886年)出品作。

 ひろしま美術館 [広島] 
  

 ◆ 「水浴する女たち」 1896年 油彩・カンヴァス PDR1107

 

 ◆ 「ポン=ヌフ」 1902年 油彩・カンヴァス PDR1413

 

 鹿児島市立美術館 [鹿児島] 


 ◆ 「ポントワーズの農園 (ポントワースのレザールの丘)」 1882年 油彩・カンヴァス PDR693

 

 サントリーコレクション 

 
  ◆ 「積み藁と干し草車」 1858年 油彩・板  PDR34

 

  ◆ 「エラニーの農園」 1885年 油彩・カンヴァス PDR806

 

  ◆ 「チュイルリー公園の午後、太陽」 1900年 油彩・カンヴァス PDR1313

 


 2020年4月現在の情報です。時の経過によって、内容と一致しないものも出てくることをご容赦ください(内容の変更が確認でき次第、修正してゆきます)。
 
 また、美術館に所蔵されていても、常設展示されていないことがほとんどであると思われます。見に行かれる際は、事前に美術館のホームページなどをお調べになって足をお運びください。
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オンライン・カタログ・レゾネ まとめ(仮)

2020-03-09 20:26:25 | 資料
◆ オノレ・ドーミエ / Honoré-Victorin Daumier [1808-1879]
 The Daumier Register / https://www.daumier.org (2020年2月16日閲覧)

◆ ギュスターヴ・クールベ / Gustave Courbet [1819-1877]
 La Vie et L’œuvre de Gustave Courbet , Tome I & II (Robert Fernier)/ Wildenstein Plattner Institutes (2020年4月19日閲覧)

◆ ジェームス=マクニール・ホイッスラー / James Abbott McNeill Whistler [1834-1903]
 The Paintings of James McNeill Whistler: A Catalogue Raisonné (University of Glasgow) / https://www.whistlerpaintings.gla.ac.uk (2020年2月16日閲覧)

◆ カミーユ・ピサロ / Camille Pissarro [1830-1903]
 Critical Catalogue of Paintings (Joachim Pissarro and Claire Durand-Ruel Snollaerts)/ Wildenstein Plattner Institutes (2020年4月19日閲覧)

◆ エドゥアール・マネ / Édouard Manet / [1832-1883]
 Edouard Manet Catalogue Raisonné (Denis Rouart and Daniel Wildenstein)/ Wildenstein Plattner Institutes (2020年4月19日閲覧)

◆ エドガー・ドガ / Edgar Degas [1834-1917]
 Edgar Degas 1834-1917 The digital critical catalogue by Michel Schulman / http://www.degas-catalogue.com/index.html (2020年2月16日閲覧)

◆ ポール・セザンヌ / Paul Cézanne [1839-1906]
 The Paintings, Watercolors and Drawings of Paul Cezanne (An online catalogue raisonné under the direction of Walter Feilchenfeldt, Jayne Warman and David Nash) / http://cezannecatalogue.com (2020年2月16日閲覧)

◆ クロード・モネ / Claude Monet [1840-1926]
 Claude Monet:Biographie et catalogue raisonné (Daniel Wildenstein)Wildenstein Plattner Institutes (2020年4月19日閲覧)
 Monet:Catalogue raisonné - Werkverzeichnis (Daniel Wildenstein)Wildenstein Plattner Institutes (2020年4月19日閲覧)

◆ オディロン・ルドン/ Odilon Redon [1840-1916]
 Odilon Redon:Catalogue Raisonné de l'Oeuvre Peint et Dessiné (Alec Wildenstein)Wildenstein Plattner Institutes (2020年4月19日閲覧)

◆ ギュスターヴ・カイユボット / Gustave Caillebotte [1848-1894]
 Gustave Caillebotte : Catalogue Raisonné des Peintures et Pastels (Marie Berhaut with Sophie Pietri)/ Wildenstein Plattner Institutes (2020年4月19日閲覧)

◆ ポール・ゴーギャン / Paul Gauguin [1848-1903]
 Gauguin:Catalogue Volume I (Georges Wildenstein)/ Wildenstein Plattner Institutes (2020年4月19日閲覧)
 Gauguin:Catalogue Raisonné of the Paintings 1873-1888 (Daniel Wildenstein)/ Wildenstein Plattner Institutes (2020年4月19日閲覧)

◆ ジャン・ベロー / Jean Béraud [1849-1935]
 Jean Béraud The Belle Époque: A Dream of Times Gone by (Patrick Offenstadt)/ Wildenstein Plattner Institutes (2020年4月19日閲覧)

◆ ジョルジュ・スーラ / Georges Seurat [1859-1891]
 Seurat : L’œuvre peint, Biographie et Catalogue Critique (Henri Dorra and John Rewald)/ Wildenstein Plattner Institutes (2020年4月19日閲覧)

◆ ポール・セリュジエ / Paul Sérusier [1864-1927]
 Le comité Paul Sérusier / www.comite-serusier.com(2020年3月9日閲覧)

◆ エドゥアール・ヴュイヤール / Édouard Vuillard [1868-1940]
 Vuillard: The Inexhaustible Glance : Catalogue Raisonné of Paintings and Pastels (Antoine Salomon and Guy Cogeval with Mathias Chivot)/ Wildenstein Plattner Institutes (2020年4月19日閲覧)



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【絵画】 『ロッテルダム、蒸気』 ポール・シニャック 1906年

2015-02-24 21:18:40 | 資料
(図版1)

artmight.com  *実物は全体的にもっと薄い色彩で構成されています。(参考:Google Arts&Culture

[タイトル]     ロッテルダム、蒸気
          (仏) / Rotterdam, Les fumées
          (英) / Steamboats, Rotterdam
[作者]       ポール・シニャック / Paul SIGNAC [1863-1935, フランス]
[年代]       1906年
[技法・材質]    油彩・カンヴァス
[サイズ(cm)]   73.0×92.0
[作品番号]     Cachin 436
[所蔵]        島根県立美術館 [島根・松江]
[見た場所]     「新印象派―光と色のドラマ Neo-Impressionism, from Light to Color」@あべのハルカス美術館 (2014.10) / @東京都美術館 (2015.2)


 2014年10月、大阪・あべのハルカス美術館。「新印象派 光と色のドラマ」にこの作品が展示されていた。以前から一度みてみたかったもの。ただ、実物を目の当たりにして、いきなり目に飛び込んくる「躍動感」に、ゾクッとした。


 グワッと、鮮やかさが迫ってくる。ここまで「動き」のある”シニャック”をこれまで見たことがない。上記の画像データでは、全体的にブルーが濃く出てしまっている。。しかし、実物の色彩は、もう少し薄いブルーで構成されていて、白い蒸気の”もくもく”感が、よりよく伝わる。


 点描といえば、シニャックの親しい友人で点描画の開拓者、ジョルジュ・スーラがまず思い浮かぶ。彼の点描作品は、時間が止まって見える。そういった印象が強い。まだ、幅広く作品を見ることができたわけでなはないが、シニャックの作品もその「止まった」傾向の作品が少なからずあるように思う。


 それらの点描作品は、パレットでなく、見る人間の目で色彩が混ざり合う。対象物を「点」で描き、補色を用いて色彩の調和を図ろうとすればするほど、科学的に計算された、静的な雰囲気を持つ。そんな印象を受ける。


 それが、画期的で魅力的な試みなことであることは周知の事実。しかし、たとえば、カミーユ・ピサロが新印象派から距離多く一つの理由になったのは、そういった静的で、感情がなくなってしまい、どこかレアリスムのような雰囲気があるからではないかとと思われる。


 しかし、この≪ロッテルダム、蒸気≫は、間違いなく「動いている」。


 1891年に、スーラが亡くなって、15年。シニャックの点描は、従来のイメージをやや変えるものに変化しているといえるのかもしれない。「点」に太さを持たせ、水面の波、蒸気の煙を通じて、「動き」を表現している。それが、全体を通じて、ロッテルダムの街を活気づかせている。≪ロッテルダム、蒸気≫には、情景がある。たくさんの”蒸気”を通じて、本来描かれていない人々の営みが見えてくるようだ。


 ここまで大きな動きのあるものは非常に珍しいのかもしれない。シニャックの姿勢がそうさせたのか、ロッテルダムという街がそうさせたのか。≪ロッテルダム、蒸気≫が示すものは、スーラからひとつ点描 (DIVISIONISM, POINITISM) を発展させた姿のひとつと言えるのかもしれない。


 シニャックの油彩作品総目録[1](モノクロ図版)で確認する限り、1900年付近から、シニャックは蒸気を描くようになり、部分的に興味があった様にはうかがえる。それらの実物にあたっていないので、はっきりとは言えないが、積極的に動きのある作品という印象はない。それにしても、なぜ、この≪ロッテルダム、蒸気≫で、いきなり「動き」が出てきたのだろう。
(図版2)
 [タイトル]     ウォータールー橋、曇り
           (仏) / Waterloo Bridge, temps gris
           (英) / Waterloo Bridge, Gray Day
 [作者]       クロード・モネ / Claude MONET [1840-1926, フランス]
 [年代]       1903年
 [技法・材質]    油彩・カンヴァス
 [サイズ(cm)]   65.1×100.0
 [作品番号]     Wildenstein 1569
 [所蔵]        ワシントン・ナショナルギャラリー [アメリカ合衆国・ワシントンDC]


© National Gallery of Art, Washington DC., Chester Dale Collection 
 
 1880年16歳のシニャックは、雑誌『ラ・ヴィ・モデルヌ』主催のクロード・モネの個展を見て、画家を志したといわれている。32年後の1912年。モネのヴェネツィア滞在期作の展覧会「ヴェネツィア」がベルネーム・ジュヌ画廊で開催された。それを見たシニャックはモネ自身に称賛する内容の書簡を送っている[3]こともよく知られている。そのことからも、シニャックの画業のスタートから、1912年までの32年間。モネの作品が、シニャックの興味の対象のひとつであり、決して小さな存在でなかったことは、あったことは想像できる。

 
 そのことから、この≪ロッテルダム、蒸気≫にしても、「川」と「橋」、船の「蒸気」、といったキーワードはモネが描いた、ロンドンのウォータールー橋、チャーリングクロス橋を連想させる。シニャックは、モネがテムズ川を描いた「ウォータール」、「チャーリング・クロス」といった連作を、どこかで見ていただろうか。


 モネがロンドンで制作した連作が公開されたのは1904年、ベルリンとパリ。特に知られているのはパリのデュラン=リュエル画廊で5月9日から6月4日まで開催された展覧会「Monet.Vues de la Tamise a Londres」[4]。現在、ワシントン・ナショナルギャラリーの≪ウォータールー橋、曇り≫もその時に発表された(No.12)。


 しかし、当時、シニャックはヴェネツィアに滞在しており、後日、モネのこれらの絵を見た直接・間接的な事実は見つからない。特徴的なものが似ていても、≪ロッテルダム、蒸気≫が、「モネの影響である」と言い切ってしまうには、画家の個性への敬意を欠いてしまう恐れも感じる。しっかりとした調査をするだけの能力や手段、資料もないので、ここでは推測もできない・・・。

 
 そのヴェネツィア滞在の2年後、1906年の4月から5月にかけて、シニャックはロッテルダムやアムステルダムを旅行して、油彩や水彩を描いた[1]。

Oude Haven en Maasbruggen 1939 そのタイトルにもあるように、描かれた場所はオランダ・ロッテルダム。左の写真は1939年のロッテルダム上空を写したもの。背景にアーチ橋が見える。これは、5連アーチになっていたマース橋(Maasbruggen)という鉄道橋であることから、シニャックは街を流れるマース川の蒸気船を描いていたということがわかる。描かれた具体的な場所は、特定されているのかわからない。 

 シニャックが描くマース橋を見ると、横に伸びる鉄道橋の直線の上にもう1本線が描かれている。橋桁を見ると明らかなように。実は、この後ろにもう1本(四角いピントラス構造の)橋があったことを示している。点描はある程度、実景をデフォルメしてしまうような印象を持っていたが、その中にあっても、シニャックは風景のディティールをしっかりカンヴァスに収めようとしていることがうかがえる。
Wikimedia Commons

 また、2本の橋のうち、アーチ状の鉄道橋はアーチの境目に橋げたを設置しており、≪ロッテルダム、蒸気≫では、やや薄目に描かれている。このことから、アーチ橋後ろにあったと推測できる。


 そのことから、少なくとも、マース橋の左側、シニャックは(写真)左上の方向から、マース川と橋を描いていたことが推測できる【*下記コメント、欄にてご指摘を頂きました、正しくは「右上」から。】。


 色彩、情景の魅力だけでなく、ヨーロッパの都市風景画を見るときの興味は、シニャックは実際どのあたりから描いたのだろうか?ということ。パリの場合、19世紀に都市計画による街並みの改造があり、それ以降大きく変化していない。日本とは異なりヨーロッパは、描かれた場所がそのまま残っている傾向が多いように思う。現在、ロッテルダムの街並みは、シニャックが見たものとはやや異なったものになっていると思われる。1940年5月10日に、ナチスによるロッテルダムの爆撃により、それらの街並みは失われてしまった。


 そういったことから、シニャックが描いた≪ロッテルダム、蒸気≫は、19世紀の産業革命以降、モネが描いたロンドンのように、ところどころで蒸気がゆらめくマース川を通じて、ロッテルダムが発展してゆく、当時の様子が感じ取れるひとつの資料といえるかもしれない。 


 ≪ロッテルダム、蒸気≫(図版1)を含めて、シニャックはロッテルダムの港の光景を場所を変えて、油彩で4枚描いている。2点は個人のコレクションになっているが、残り1枚の、一番大きい作品は、ロッテルダムのボイマンス美術館が所蔵している。

(図版3)
Paul Signac - The Port of Rotterdam - Google Art Project [タイトル]     ロッテルダムの港
            (仏) / Le port de Rotterdam
            (英) / The Port of Rotterdam
 [作者]       ポール・シニャック / Paul SIGNAC [1863-1935, フランス]
 [年代]       1907年
 [技法・材質]    油彩・カンヴァス
 [サイズ(cm)]   87.0×114.0
 [作品番号]     Cachin 448
 [所蔵]        ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館 [オランダ・ロッテルダム]

Wikimedia Commons 
 

 ≪ロッテルダム、蒸気≫(図版1)は長らくパリにあったが、島根県立美術館が、1997年に購入した。これだけのものが、国内の公立美術館が所蔵しているというのは素晴らしいことだと思う。2013年、フランスのジヴェルニー印象派美術館で開催された展覧会「Signac, les couleurs de l’eau / シニャック、水の色」に≪ロッテルダム、蒸気≫(図版1)が出品された。国内外に貸し出されている。


 ≪ロッテルダム、蒸気≫は、水辺に揺らめく蒸気船とその煙。その数の多さに、20世紀初頭のオランダ・ロッテルダムの街が生き生きと映し出されている。夕日が美しい水辺の美術館、島根県立美術館にふさわしいコレクション。今度は、いつか、島根で再会したい。


 * 現在、上野の東京都美術館で開催されている「新印象派-光と色のドラマ」展に出品されており、3月29日まで見ることができる。



 - 参考資料 -

[1] 『Signac: Catalogue raisonné de l'oeuvre peint』 Françoise Cachin, Gallimard, 2000 Cat.436,448 p10,11,135,136,276,281,376,377

 p374年表。1904年2.5-3.29までブリュッセルに滞在。Exiposition des peintres impressionnistes, a La Libre Esthetique de Bruxelles. Signac expose t toiles. 11月19日からパリに滞在。

[2] 『新印象派―光と色のドラマ Neo-Impressionism, from Light to Color』 あべのハルカス美術館、東京都美術館 2014-15年 p131 No.98

[3] 『クロード・モネ 視覚の饗宴 1940-1926』 カリン・ザーグナー TASCHEN 2010年 p184

    1912年、ヴェネツィア展を見たシニャックからモネへの手紙。

[4] 『Monet Catalogue Raisonne』Daniel Wildenstein, Wildenstein Institute, Koln, 1996 Vol.4 p1019

  巻末の展覧会リスト。


[5] France tv info. 「Signac, le pointillisme expliqué en trois (petits) points」[1 avril 2013] (2014年11月1日閲覧)

Comments (6)
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【絵画】 『林檎の木』  カミーユ・ピサロ 1896年

2014-09-19 21:24:17 | 資料
 
(図版1) 

WIKIART.org

[タイトル]    林檎の木
          (仏) / Femme et enfant dans un pre, Soleil Couchant, Eragny (La Pommes, Soleil Couchant, Eragny)
          (英) / Woman and child in the field, Sunset at Eragny (Apple Trees, Sunset, Eragny)      
[作者]      カミーユ・ピサロ / Camille PISSARRO [1830-1903]
[年代]      1896年
[技法・材質]   油彩・カンヴァス
[寸法(cm)]     81.5×66.0
[所蔵]      個人蔵
[備考]      RV 977, PDR 1132
[見た場所]   エミール・クラウスとベルギーの印象派@東京ステーションギャラリー (2013.7)

 
  ありふれたモチーフ、美しいグリーン 
 

 2013年7月、東京ステーションギャラリーの展覧会『エミール・クラウスとベルギーの印象派』で見た、とても立派なピサロの作品。1884年にピサロが移り住んだ北フランスのエラニー=シュル=エプトの風景を描いたもの。

  おそらく、この真ん中にあるのが、林檎の木。大きな人物は、手にカゴのようなものを持っており、子供か、妹か?の面倒を見ながら、何かしら仕事をしていた様子だろうか。林檎の木を中心に据えている構図だが、人物がこちらを向いているので、林檎の木と一緒に撮った写真のような雰囲気もある。


 実物は、とても細かく筆を重ねていて、林檎の木が青々としている。ピサロは1885年以降の点描期を過ぎて、細かい筆致ながら、やや印象主義的な温かみのある筆遣いに緩やかに変化していった傾向がある。この≪林檎の木≫も、光の当たり加減、木の種類などで、グリーンが多彩に変化する。それが、81.5×66センチメートルの決して小さくないカンヴァスに、敷き詰められていて、重層感があった。赤レンガの東京ステーションギャラリー(『エミール・クラウスとベルギーの印象派』)の暗めな展示室からライトを当てていることで、額の立派さが引き立った面も多少あるかもしれない。しかし、何気ない木々の風景なのに、品のような美しさを感じたのは、単にそのせいだけではない。
  
  ふたつのタイトル、ふたつの視点 
 


 この絵には2つのタイトルがある。一つは≪林檎の木≫、もう一つは英題の≪草原の女性と子ども、エラニーの夕暮れ≫というもの。


 『エミール・クラウスとベルギーの印象派』展のカタログに記載された≪林檎の木≫の英題表記は《Woman and child in the field. Sunset at Erany≫だった。実際に見た時には、その色合いから、あまり夕暮れの印象は感じられなかった。私の場合、英題を見て、はじめて夕暮れの光景だとわかった。

 ただ、図版をよく見ると、2人の人物や木の影が長く伸びているところから、太陽が低い位置にあることが想像でき、日没に近い時間帯であることがわかる。比較的新しい、2005年のヨアキム・ピサロ&スノレールの研究[2]では、林檎の木よりも、風景全体をとらえた表題の記載になっている。『エミール・クラウスとベルギーの印象派』展の英題も、これを基準にしているのだろう。


 しかし、林檎の木のことをよく知っている専門家やピサロ作品をよく見ている人以外は、なかなかこれが「林檎の木」であることは認識しづらい。当時の私も、そのような理由から、なぜ、≪林檎の木≫というタイトルになったのかが気になった。


 1939年のL・ピサロ&ヴェントゥーリの研究[1]時点での、元々のタイトルは≪林檎の木、エラニー、夕暮れ / La Pommes, Soleil Couchant, Eragny≫と両方の視点が併記されていた[1]


 ただ、何より、ピサロの構図が、カンヴァスの中央に林檎の木を捉えている。日本語のタイトルは≪林檎の木≫は、おそらく、ここからつけられたのかもしれない。


 描かれた構図でみるのか、風景全体をみるのか。見る人によって、その印象は変化するかもしれない。青々としたリンゴの木、いくつかのグリーンで描かれる夕暮れの光景。その両方ともこの作品の魅力になっている。 
  
  ピサロの自信作? 
 


 ≪林檎の木≫が描かれたは1896年、ピサロは、1~3月、6月にも短期間、9~11月と、この年のほとんどをフランス西部の都市・ルーアンに滞在している。ルーアンでは晩年の都市風景画の連作の先駆けとなる作品群を描いていたことはよく知られている。


 そのなかで、≪林檎の木≫、ピサロが8月の夏の間のエラニーに滞在したときに、描かれたものだと思われる。絵画の中の親子の服装や林檎の木の葉が青々としていること、9月にはデュラン=リュエルに買い取られたエラニーを描いた4枚の油彩画のうちの1枚であることがわかっている[2][3]


 また、ピサロはリュシアン宛(1896年9月2日)の手紙で、[3]「そのうちの3つはルーアンを描いたものよりも良い」[3]と述べていて、この時期のエラニーの描いた作品には、画家自身、ある程度の自信を持っていたことがうかがえる。実物の仕上がりから見ても、ピサロが言及した「3枚」の中に、≪林檎の木≫を含んでいる可能性が高い。


 1896年はピサロにとってルーアンの年だった。 4月26日にはルーアンの作品に関する話題の中で、リュシアン宛の手紙で「私は新印象主義から完全に解放されたのだ![2]と明確に述べている。この≪林檎の木≫も、そのような背景から、新印象主義からの自分の画風を取り戻したピサロの自信を感じることができるかもしれない。


 実際の作品も、筆致は細かいものの、印象派らしい優しさ、温かみのようなものを私は感じる。まだ、「傑作」という言葉を使えるほど、多くの作品に当たって比較わけではないが、ピサロが印象派を超えた画風として新印象派を模索し、その中で10年近く続いた悩みや障害を乗り越えた、画家の農村風景画のひとつの収穫がこの絵にはあるように感じられた。
  
  なかなかお目にかかれない 
 


 ≪林檎の木≫は、国内のピサロや印象派関連の展覧会カタログでは、見たことがない。展示された記録をさかのぼると、1896年から、1915年にミネアポリス美術館、1967年にフィルブルック美術館、1988年にニューヨーク、サザビーズと、アメリカで展示された。日本では、2010年にサントリーミュージアム[天保山]で開催された『印象派とモダンアート』展。2012年の『カミーユ・ピサロと印象派、永遠の近代』(ただし、兵庫県立美術館のみ、「特別出品」のため、カタログには掲載されていない)。2013年の『エミール・クラウスとベルギーの印象派』展。

 2013年時点で、プライベート・コレクションになっている。おそらく日本にあるものだと思われるが、もう、なかなかお目にかかれない作品かもしれない。多彩なグリーンで、美しく青々とした林檎の木。もうすこし先の未来で、また再会したい。

 
- 参考資料 -

[1] 『Camille Pissarro son Art- son Oeuvre: A Catalogue Raisonne』
    Ludovic Rodo Pissarro / Lionello Venturi, Alan Wofsy Fine Arts, 1989 
No.977 「La Pommes, Soleil Couchant, Eragny」

[2] 『Pissarro: Critical Catalogue of Paintings』
    Joachim Pissarro / Claire Durand-Ruel Snollaerts,  Skira / Wildenstein, 2005 [Vol.3] p714,715
    No.1132 「Femme et enfant dans un pre, Soleil Couchant, Eragny」

[3] 『Camille Pissarro : letters to his son Lucien』 Camille Pissarro; John Rewald; Lionel Abel; Lucien Pissarro, New York : Pantheon Books 1943 p287,288,p293,294

 ピサロは息子リュシアンに宛てた1896年4月25日の手紙では、ルーアンに関する作品の話題の中で「I am completely liberated from neoimpressionism!」とはっきりと述べている。

 また、同年9月2日に手紙では、その一部に、画家が≪林檎の木≫を含むと思われる4点の作品に言及している。

 
 My dear Lucien,

 I am preparing to go to Rouen, providing, that is, that Durand-Ruel grants me the necessary funds. I am very anxious to know whether he will want to take the four pictures of Eragny, three of which seem to me better than the Rouen paintings. It is true that the motifs are of green trees and that the general tone is rather grave and restrained, and the collectors don't like anything with a grave note.   [PARIS, SEPTEMBER 2, 1896]


 リュシアンへ。

 私は、ルーアンに行く準備をしているよ。必要な資金を提供をしてくれることを、デュラン=リュエルは承諾してくれている。
エラニーを描いた4枚の絵を、彼が購入してくれるかどうか、私はとても心配なんだ。そのうちの3つはルーアンを描いたものよりも良いものだと思うんだ。しかし、モチーフは緑の木でありふれた色調なんだ。そのことは、かなり重大で、抑制的なんだけど、実際、コレクターはたちはこの重大な特徴について、何一つ好まないんだよ。 [1896年、9月2日、パリ]


  *いろいろ悩みながら訳しては見ましたが、恥ずかしながら、文法・単語の選択など、かなり怪しいレベルの英訳に仕上がっております。その点ご留意を、または、ご指摘をいただければと思います。

[4] 『エミール・クラウスとベルギーの印象派』 東京ステーションギャラリー、ほか 2013年 p92 No.40 「林檎の木」
 
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