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睦-神-結

2006-09-18 12:00:12 | うたわれるもの(アニメ)
※当記事は、アニメ「うたわれるもの」視聴感想記事です。
内容には本編の過度なネタバレが含まれておりますので、閲覧の際は十分にご注意下さい。
また、原作ゲーム(PS2版含む)を未プレイの方や、先の展開を楽しみされている方の為に、記事全体を反転表示処理させて頂く事を、どうぞご了解願います。
加えて、上記条件に該当される方で、タグが有効ではない携帯端末などで閲覧されている場合は、此処で閲覧を中止する事をお勧めします。





アニメ「うたわれるもの」---第24話「滅びゆくもの」

賢大僧正(オルヤンクル)の位を継いだウルトリィによる号令を以って、遂にクンネカムンへの大反攻が開始。
その勢いは、これまで全く手も足も出なかったアヴ・カムゥをも圧倒し、皇都へと迫る軍勢…なのですが、原作では「普通に敵ユニットとして倒せるレベル」に設定されていた為、いまいちその圧倒的な強さが表現し切れなかった反面、アニメ版では「ほぼ無敵」として描かれ過ぎた分が大きく、此処に来て唐突に倒せる様になりました---では流石にそれまでの過程が足りないかも。
画面を観た感じ、どうやら捕縛して動きを封じた上で、何らかの攻撃を仕掛けた模様ですけど、せめてゲンジマルに倣った、アヴ・カムゥの急所である「脇腹」や「間接部位」を狙う事を兵達の間に伝令しているシーンでもあれば、まだ根拠付けられると思うのですが、クーヤとの最終決戦の折にゲンジマルが、あたかも初めて伝えるかの様に、ハクオロに対して「脇腹」を狙う事を指示しているシーンにより、兵達がアヴ・カムゥを倒す事の出来た理由=弱点を狙ったと結び付けるには、早計の様に思えてならず。
他にもアヴ・カムゥの撃退理由として考えられるのは、ハウエンクア、ヒエンという指揮官が不在だった為に指揮系統が崩壊し、効率的な攻撃が出来なかった事、重臣ゲンジマルという象徴が「トゥスクル」側に廻った事実が兵達に動揺を与えた事(クッチャ・ケッチャに組していたトウカを見た、トゥスクル軍の心理と似た部分も。)、またトゥスクルの反攻によりアヴ・カムゥが撃退された事で、各國の兵達がアヴ・カムゥに対する恐れを薄れさせたなどなど、色々と考えを巡らせる事は出来ますけど、何にせよ、微妙に描写不足だったのは否めないですね。

そんな描写不足に限らず、全体的に圧縮を掛けた駆け足な展開だったのは、やはり残された話数を考えれば仕方が無いにしても、ハクオロの仮面に似たものを装着した「仮面兵」の様に、折角張った伏線を回収し切れない状況と言うのは、ちょっと勿体無いかと。
シケリペチム皇城にて立ちはだかった「死人兵」、アヴ・カムゥによって両断され、その回収された遺体が何らかの実験に用いられていたカンホルダリなどは、全て此処に帰結すると言うのに、カンホルダリは登場せず、何らかのリアクションを取るべきのシケリペチム突入精鋭部隊の面々が、何の反応も示さなかったのは不自然。それでもベナウィの「そういう事ですか」というセリフを、トウカ達から聞き及んでいた「死人兵」の存在と「仮面兵」を結び付けたと解釈すれば、まだ納得出来なくも…?
また、ハウエンクアとヒエンの扱いに関しても、出番が削られた以前にやや消化不良の面があり、特にヒエンは、祖父・ゲンジマルに対するコンプレックス(この世界の基本は母子遺伝であり、祖父ゲンジマルがエヴェンクルガであっても、その妻、或いはヒエンとサクヤの母方がシャクコポル族であれば、その子供はシャクコポル族となる。ヒエンはゲンジマルとの間に存在する「差」を、この種族の違いを底面に、大きな劣等感として感じていた)から来る反抗心にも深く触れられず、覚醒したハクオロによって絶命。
せめてアト1話分の尺があれば、前回のサハラン島における「賢大僧正救出作戦」も含めて描けたものですが、あくまでもハクオロとエルルゥ、そしてこの世界の真実にテーマを絞り込むならば、仕方の無い圧縮かとは思いますけど。

細かい部分で言えば、ハクオロとウルトリィとの念話(テレパシー)の様な会話が、全くそれらしく聴こえなかった事が不自然だったかな。
せめて、音声にエコーを掛けるなり、でなければ立ち位置を工夫するなりして欲しかった所。

そして遂に、ディーがトリガーを引いた為に、とある人物(バレバレですがw)の中に存在していた、最重要キャラ「ムツミ」が覚醒し、物語の最終幕に必要な役者は全て揃った事に。
何故、彼女はディーを「お父様」と呼ぶのか、またハクオロに対して投げ掛けた問いと「もう一人のお父様」という言葉の意味する所、そして彼女自身の正体に関しては、おそらく次回にて明らかにされると思われますが、この時にディーが「我が半身」と発している言や、互いが戦う事が許されないという点、加えてこれまでの伏線と、何よりもEDに登場する壁画から、ディーの正体の断片は掴めたのではないかと思われ。
ちなみに、原作ではムツミ覚醒により、とあるキャラが暫く味方ユニットから消失してしまう為、最終決戦で存分に戦わせたい場合は、この時点までにある程度、育て上げておく事をお奨めしますw
とは言え、PS2版ではフリーマップで育て上げられる分、まだ十分に余裕はあるかと思われますが。

ゲンジマルがその命と引き換えに破棄された契約、ムツミが発動させた「浄化の炎」(その実は術法では無い、意外なモノ)によって焼かれる皇都…こうしてクンネカムンという國は消滅し、重臣であり、また心の支えだったゲンジマルを目の前で失った事実は、幼きクーヤの心を打ち砕き…。

残すは2話。
この世界の真実が明らかになった時、「うたわれるもの」というタイトルの、本当に意味する所が理解出来るかも。

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