THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

起死回生のアルバム、chicago16 LP's

2024-08-18 14:08:52 | CHICAGO
アルバム「シカゴ14」からのシングル・カットはここ日本ではなし
(海外では2曲がシングル化されましたが、チャート的にはアルバム共にまったく振るわず・・・・)

日本では「Chicago13」からの「マスト・ハブ・ビーン・クレィジー」からパッタリとシングル情報が途絶えてしまいました…

テリーの死、シカゴ育ての親ともいえるジェームス・ウィリアム・ガルシオとの泥沼決別、レコード会社の移籍とデビュー以来順調に積み重ねてきたキャリア史上最大の低迷期に
(これは本人たちも認めるところ)

テリー以降のギタリストも安定せず(それだけ彼の存在が偉大だったという事が改めて認識されました)、プロデュース界の大御所ともいえるフィル・ラモーン、トム・ダウド(共に故人)とのタッグも思ったほどの効果を発揮することはできず、往年の輝かしき栄光を取り戻すまでにはいたりませんでした。

そこで起死回生、最後の賭けに出ます

駆け出しで売り出し中、新進気鋭のデヴィッド・フォスターが大抜擢されます(数年前にも彼の起用案がでたそうですが「まだ若い」との理由でChicagoが却下)

彼はデビュー時代からの熱狂的シカゴ・ファンでもあり「なんとか俺の力でシカゴを復活させてみせる!」と誓ったとか

しかし、そのあくなき完璧主義、妥協を許さないデビフォスの姿勢(これはフォスターが尊敬してやまないクィンシー・ジョーンズの指導によるもの)にはシカゴ・サイドとそうとうに軋轢があったそうです

まずはミーティングでシカゴのメンバー達が持ち寄ったオリジナル・ソングは「まったく使い物にならない」と切り捨て、外部のライター達に曲作りを積極的に依頼

それ以外にも一流のセッションマンを多数スタジオに招き入れます(TOTOのメンバー等も含む)

その結果、本家シカゴ達が隅に追いやられる事態に

曲調もそれまでのブラスロック色が大きく後退、ピーターが「愛ある別れ」で提示してみせた当時の流行最先端ともいえるバラードAOR路線を大きくプッシュ

パーカッションのラウジール・ディ・オリヴェイラの解雇
それに代わるようにデヴィフォス人脈から元サンズ・オブ・チャンプリンのビル・チャンプリンが新加入

そして満を持して発表されたのが「CHICAGO16〜LOVE ME TOMORROW」

そこからの第1弾シングルが「素直になれなくて」

1982年5月発売
作者はピーター・セテラ&デヴィッド・フォスター
ボーカルはピーター

全米1位のゴールド・ディスク、UKチャートでも4位、日本でも27位を記録と奇跡の大復活を遂げます
ここから第2の黄金期に突入

デヴィフォスにとっても生涯忘れられないプロデュース業の1枚となりました

今現在でもシカゴといえばこの曲が文句なしにトップを飾るほどの人気曲で、一番の有名曲
コンサートでも必ず最大の山場で披露されます

美しいピアノの旋律からピーターの切ない歌声ではじまるバラード史上、最も上位に君臨する曲

この成功がなければ確実にシカゴは終わっていたでしょう。

しかし往年のファン達は「なんだ?これは??まるでTOTOかジャーニー、フォリナー??みたい・・・」と戸惑い離れていったものです
たしかに私も正直に申しまして最初に聞いた時は複雑な心境でした
「こういうのはシカゴでなくてもいいのではないだろうか?」

口の悪い評論家連中は「アメリカのエア・サプライかオフ・コース」と茶したものです

まあどうであれ良い曲は良い曲

いずれにしてもシカゴにとっては大きなターニング・ポイントともいえる1曲。

この曲のおかげで今のシカゴがあるのです、感謝
ちなみにシングルではフェイドアウトという尻切れトンボのような編集がなされていますが、アルバムでは「GET AWAY」という曲に引き継がれていきます
この曲がアルバ中一番往年のブラスロックを轟かせていて、それまでの鬱憤を晴らすかのごとく溜飲を下げてくれます
エンディングにみられる思い切りのよさが爽快

初期ファンが離れた以上に新しい多くのファンを獲得、アメリカでも屈指のベテラン・バンドとして大活躍しているのですからね

1967年の結成以来、山あり谷ありでも常に第一線で一度たりとも活動の歩みを止めないバンドはChicago以外にいないでしょう

面白いのはバラードしか知らない観客がライブでのシカゴの迫力あるサウンドにぶっ飛んでしまい改めて新しい魅力を知って虜になっちゃったという事実
そこから逆行して古き良き時代のシカゴを聞きまくるそうです

新メンバーのビルもボーカルを担当して、それまでにはなかった筋金入りの本格派ソウルフルヴォイスを縦横無尽に余裕と貫禄をもって披露

長年培ってきた才能を惜しげもなく切れ味鋭い喉で、これでもかというほどに聞かせてくれます。

ビルもそれまでは実力派にもかかわらず、よほどの通にしか認識されていない存在でしたが、これをキッカケに誰しもが知るミュージシャンとなりソロにセッションと引っ張りだこの売れっ子になってゆきます(日本でも)

その後、紆余曲折を経て残念ながらビルは脱退…
しかし、来月Chicagoもビルも(CWF)久しぶりに来日公演を行います🤠🎶‼️
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