実は先々週1200MHzの20段同軸コリニアを製作した仲間から『上手く出来ているか測定して欲しい』と連絡が来た。
そこで測定器を持ち出して出かけてきた。これまで1G以上のコリニアは寸法通りに製作すれば同軸コリニアを初めて作る方でも1回で成功していたので・・安心して出かけた。
彼は同軸コリニアは仲間の分も製作しており・・経験は十分だ。測定してみると・・・
下記の通り1450MHzに共振点があった。スタブを調整しても殆ど周波数が下がらない!!!
1/2λのエレメントを計測してもマニュアル通り。
設計値1300付近から考えると10%以上も高いことになる。自信をもって世に送り出した同軸コリニア製作マニュアル改定の危機か?
ABS樹脂のパイプでエレメント間を保護していて気付かなかったが・・外して気づいた。1200MHzのコリニアにしてはエレメント間のスペースが大きいのだ。
測ってみると5mm近くあった。これで周波数が高くなった理由がはっきり分かった!!!
一般論?迷信からすると長くなる→周波数が下がると考える方が多いけど・・
この写真を見ると気付くと思う。作りが丁寧なので芯線がショートしないように被覆が残っている。
これって完全にコンデンサがエレメント間に挿入されているのと同等だと考えた!
エレメント内にコンデンサを実装すると短縮コンデンサとして周波数を上げる効果がある!
そこで依頼者には残酷な?宣告をすることにした。
「エレメント間隔を直さないと周波数は下がりません!」
つまり20段コリニアの作り直し宣告だった。
で先週、作り直したコリニアの測定を行った。
結果は下記の通り1290MHzと1350MHzで共振点を持つコリニアが出来上がった。
製作マニュアルの改訂は必要なかったようだ。
以上のように『段間が長いと周波数が下がる』は迷信だったことが証明された?!