きみの靴の中の砂

ラグーン

 

 

 今朝、ホテルの部屋で目覚めて以来、出会ったのは、食事を運んできてくれた島人のウエイターただひとり。

                    

 昨日の夕暮れ近く、パペーテから飛行機と船を乗り継いで、六時間掛けて漸くたどり着いた赤道直下の楽園。日付変更線を越えたから、日付はいち日戻って昨日のまま。人生の貴重ないち日を取り戻したっていうわけ。

 同じ船で桟橋に上がった数人のフランス人達は、未だ午前中の、もしくは遅い朝の惰眠をむさぼっているのか姿は見えない。

                    

 汐が引くとラグーンになるという島の入り江。

 波の音をコンサートホールで聴いているような錯覚の中にいる。


 

   
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