きみの靴の中の砂

秋祭り

 

 

 江戸時代が明治になり、旧暦が新暦、つまり大陰暦が太陽暦に改まったとき、大方の行事がそのままの日付で移行したから暦的には一ヶ月前倒しされることになった。
 これにより不都合も生じて、お祭礼時、お神輿の屋根に乗っている鳳凰に咥えてもらう『金色の稲穂』が手に入らなくなった(田圃の稲はまだ青い)。前年収穫したものでごまかせるが、それだと今年の豊作を祝うことにならない。まして今、田圃にある青い稲穂なんか使おうものなら『お神輿業界』で笑われる。そういうことを避けるために、神輿の役員が、わざわざ早生の稲を一坪くらい作ることになる —— これは面倒臭いだけのことであって、出来ない相談ではない。

 しかし、ここ数年の気温上昇ばかりはどうにもならない。あちらこちらのお祭りで救急車を頼む事例が増えたと聞く。と言うわけで、アタシ達の氏神様のお祭礼は、日程を去年からひと月遅らせて、昔の大陰暦の日取りに戻した。つまり、九月の第一日曜日を十月のその日に戻したと言うワケだ。台風の心配も無く、涼しいし、今年収穫された金の稲穂も手に入る。日が短くなる分、撤収は早まるが、お神輿かつぎにとっては有り難い。

 十月だと、浴衣は季節はずれになる。着られるのは、精々、学校が始まるまでの、あと十日くらい...。

 

 

<a href="https://blogmura.com/profiles/11138716?p_cid=11138716"><img src="https://blogparts.blogmura.com/parts_image/user/pv11138716.gif" alt="PVアクセスランキング にほんブログ村" /></a>

最新の画像もっと見る

最近の「これくしょん」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事