きみの靴の中の砂

北の岬

 

 

『私がマリ・テレーズに会ったのは、パリからの帰り、**郵船の船がスエズ運河をこえて、暑熱の紅海に入ったある朝のことであった。』

(辻邦生、三十五歳頃の短篇『北の岬』の冒頭 / 辻邦生作品集 全六巻 河出書房新社版による)
 
 

 
 
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