読む日々

テーマばらばらの読書日記

微睡みの海

2014-07-05 | 
熊谷達也「微睡みの海」

気仙沼辺りをモデルにした?と思われる仙台近くの小さな市が舞台。

両親が教師で、自身も教師になったものの、生徒とのトラブルから心を病み、今は美術館の学芸員をする笑子。
副館長は教員からの出向者で、笑子の中学時代の担任かつ、教師としての最初の赴任校で指導教師でもあった貴之。
不倫関係にある2人。
さらにそこに、笑子が逃げ出したクラスの教え子の佑樹が絵の展覧会で入賞し、笑子に絵を教えて欲しいと。

中学時代の同学年だった、最近仲良くなった希や、希がやってるバーへ客として現れた、笑子を病ませた原因の生徒などとの関わりが綴られ、笑子自身の内面の変化や貴之、佑樹と二股かけてる笑子の様子が描かれる。

そしてこの本の最大のポイントは、東日本大震災の前日で終わってること。
その日、故郷の島へ戻り、海岸に居るであろう佑樹の前に立つ決心をした笑子。
翌日の2人はどうなるのか?

表紙の絵がなんとも…