オバサンは熱しやすく涙もろい

とてつもなくミーハー。夢見るのはお気楽生活

「ユナイテッド93」

2006-08-13 22:47:26 | 映画・DVD【や】


2001年9月11日。4機の旅客機がハイジャックされた。『アメリカン11便』がワールド・トレード・センターに激突。続いて『ユナイテッド175便』が同ビルに、そして『アメリカン77便』が国防総省(ペンタゴン)に激突した。その時、ハイジャックされた最後の1機『ユナイテッド93便』の機内では、外部との電話連絡により3機の爆破テロを知った乗客たちが、自爆テロを食い止めるため、コックピットに突入する準備をしていた。


これは唯一ターゲットに到達しなかった『ユナイテッド93便』の機内で起きた(であろう)物語を再現したドキュドラマである。『ユナイテッド93便』の乗員と乗客らが機内に乗り込み、最後の時をむかえるまでが描かれている。


彼らはいつものように、飛行機に乗り込み、機内食を食し、隣人と楽しくおしゃべりをしていた。そう、ハイジャック犯があらわれるまでは…。

ごく普通に生活していた彼らが、突然の悲劇に襲われ、極限状態に置かれながらも、勇気を出して犯人たちに立ち向かっていく姿を見て「本当に彼らもこんな風に犯人と、そして自分自身と戦っていたんだろうなあ」と思ったら涙がとまらなかった。
この物語は亡くなった40人の家族や友人や、9.11委員会、そして航空管制官、軍関係者への膨大なインビューが基盤となっているが、『ユナイテッド93便』に乗っていた乗員、乗客は全て亡くなっているので、機内でのやりとりはあくまでも「推測」に過ぎないだろう。
しかしこれが「推測」であっても、機内の人達の絶望感や悲しみや恐怖、苛立ちや苦しみがひしひしと伝わってきて、見ているものは胸を締め付けられる。

それから『ユナイテッド175便』がワールド・トレード・センターに激突する映像も映し出される。
この映像は何度見ても息が止まりそうになる……。

またこの物語はテロリストを単なる「悪役(悪人)」としては描いていない。
彼らにも信ずる神がいて、愛する家族がいるのは乗客となんら変わりがない。
この使命を全うできるように、テロリストたちは神に祈る。
そして客室では「助けてください」と祈る乗客たちの姿。
「信仰とは一体何なのか」ということも考えさせられる。


監督は「ボーン・スプレマシー」のポール・グリーングラス。
出演者は実際に機に同乗した人達の年齢等を反映して慎重に検討され、演技力とは別に、一般的にはあまり知られていない俳優が選ばれた。また実際のパイロットや乗務員経験を持つ者、ほんものの管制官等などが起用されている。
それから俳優たちはその演じる人物を理解するために、遺族とコンタクトを取ったり、話を聞いたりしたらしい。
それにより、よりいっそうの真実味を帯びた作品にしあがっている。
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10 コメント

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嬉しいです~ (dim)
2006-10-12 01:18:16
猫さん、コメント&TBありがとうございます。

コメントいただけると、嬉しいものですね~。

ありがたいことです。



「ハイジャックフライト93」は未見なんです。教えてくださってありがとうございます。

ハイジャック側からの立場で描かれているって、なんか視点が変わっていて興味深いです。今度機会があったら見てみますね。

私、映画に関しては初心者に近いんで、また色々教えてくださいね。

では、今からそちらにうかがいまーす。

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またたび失礼しますm(__)m ()
2006-10-11 14:19:18
この映画私の予想に反して

若いカップルでいっぱいでした。

飛行機の内部の様子だけでなく

管制塔のシーンも凄い緊迫感でしたよね。

話は変わりますが アントニア・バードという女性監督がTV製作で撮った「ハイジャックフライト93」という作品があります。

(もうそろそろDVDになっていると思います)

こちらは ハイジャック側の立場から描いていて

また考えさせられます。

そして 「アメリカ側」がとっていた

不可思議な行動も暴露されます。

TBさせていただきます。宜しくお願いしますm(__)m
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見なくちゃあね (dim)
2006-08-18 01:05:07
TOMにゃんさん、ちす。



TOMにゃんさんのレビュー読みました。

まさにその通りだと思いました。

本当に監督のポリシーが感じられて、淡々としていたけど、とても丁寧に作られた映画だと思いました。

お涙頂戴じゃあないところが、かえってグサッときましたよね。



ニコちゃんの映画はどんなになるんでしょう?ニコちゃんの映画であまりハズレはないので、これも期待しておりますですよ。

試写会沢山申し込んでいるんだけど、当たらないかな~~。
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見てきましたよ。 (TOMCAT)
2006-08-17 12:05:54
やっぱり気になって。直ぐに行っちゃいました。

ヒトラーと同じで、見ておかなくちゃ駄目ですね。

見物にしてなかったのはほんとにありがたかった。



WTCは消防士じゃなくて警官だったんですね。

<m(__)m>ニコラスケイジだったから、あまりチェックもして無かったです。

見たい映画が次々とあるのは、嬉しいことです♪



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おかえりなさいませ~ (dim)
2006-08-16 13:29:39
マダムおかえりなさい。

ご無事に戻られてなによりでございます。

マダムが不在の間、淋しかったですわ~。

ほれ、私のところに来てくれる方は数が少ないから(爆)。一人でも減るとすごく淋しいんです(笑)。



ご遺族の方々のことを考えると本当に涙がでますね。飛行機だけでなくワールド・トレード・センターにいらした方も沢山なくなったのですものね。

二度とこんなことがおきないように願うばかりです。
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意外に (dim)
2006-08-16 13:20:38
jesterさん、意外と若い方が多く観に来ていましたよ。私が観たところはシネコンだったから、場所としても小さかったんだけど、すぐに満席になっちゃいました。

精神状態整えて観てきたら感想アップしてくださいね。



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月日は経ったけれど (有閑マダム)
2006-08-15 15:34:04
あれから5年経ったけれど、また大規模なテロ計画が摘発されて、とても「過去の出来事」として観られそうにはありません。

が、やはり私も観なくては、と思っています。



テロを実行する人も自らの信仰を持ち家族を愛する人なのに、こんなことがおこるなんて空しいですね。



dim さん、お久しぶりです。

私もようやく自宅に戻りました。

しばらくペースが落ちるかもしれませんが、とりあえず復活のご挨拶に伺いました。

またどうぞよろしくお願いします。

留守中に更新された記事も、これから少しずつゆっくり読みたいと思っています。

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うんうん (jester)
2006-08-15 08:39:25
私も行こうと思ってます。

少し精神状態を整えてから。。。。
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観たいというよりは (dim)
2006-08-14 22:36:52
見なくちゃいけない映画だと思って観てきました。映画としては、「イマイチ」な部分もあるんです。でも戦争と同じで、やっぱり忘れてはいけない出来事なので、沢山の人に観て欲しいと思いました。

ワールド・トレード・センターに飛行機が突っ込んでいく映像は何度見ても息が止まります。あの日、亡くなった方や遺族の方々のことを思うと本当に涙が出てきますね。

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みたい・・・ (TOMCAT)
2006-08-14 09:35:37
と思うんだけど・・・

多分見に行くとは思うけど・・・



なんだか遣る瀬無いんだよね。

消防士の方のお話も公開だよね。



風化させないためには、いいタイミングだけど・・

見に行けるかなぁ・・(心因的に不安)
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