オバサンは熱しやすく涙もろい

とてつもなくミーハー。夢見るのはお気楽生活

「ファウンテン 永遠に続く愛」

2007-07-30 01:50:34 | 映画・DVD【は】
これは、すんごく複雑な映画だった・・・。
どっから手をつけていいものか、どう書いたらいいのか?
ちょっとネタバレを含みつつ、ワタシの勝手な解釈をつづってみまひた。




2006年 アメリカ作品

監督:ダーレン・アロノフスキー

出演:ヒュー・ジャックマン、レイチェル・ワイズ、エレン・バースティン他


病に冒された愛する妻(レイチェル・ワイズ)の命を救うために、治療薬の研究に没頭する医師のトミー(ヒュー・ジャックマン)。
妻を失いたくないトミーは、イジーが「一緒に散歩に行きましょう」と誘っても仕事(研究)を優先してしまう。
だが妻のイジーは死を覚悟し、残り少ない時間をトミーと共に過ごしたいと願っていた。



お互いに深く愛し合いながらも、求めるものが異なることからすれ違う心。
イジーは自分の思いを伝えるべく、とある物語を書き始める。
それは、トーマスという中世のスペインの騎士が女王に命じられ、伝説の「生命の泉(ファウンテン)」を探す旅に出るという物語だった。
未完の物語をトミーが完成させることによって、ふたりの絆は永遠になると信じるイジーは、トミーにペンとインクをプレゼントする。
だがイジーの気持ちが理解できないトミーは、さらに研究にのめりこんでいく。

そして、トミーの努力も虚しく、ついにイジーは天に召されてしまうのだが・・・。



トミーは幾度も回想する。
「初雪が降ったから、二人で散歩にでかけましょう」とイジーが誘うシーンだ。
思い出す度に「仕事が優先だから」とイジーに言う自分の姿が見える。
そしてイジーはトミーを一瞥し部屋を出て行く。


場面は変わり、中世のスペイン。
騎士トーマスは女王の望む「生命の泉」を求めて、危険をかえりみずジャングルを進んでいくが、なかなか「生命の泉」にたどり着けない。

その後も現在、中世のスペイン、そして宇宙を思わせる未来が交互し、トミーはいつの時代も何かを探し求め続ける。



そしてイジーの生まれ変わりの「生命の木」と共に生きる未来の世界で、ついにトミーは物語を完成させる。
それはイジーが彼に伝えようとした「愛」を知ることでもあった。


トミーは再び回想する。
「初雪が降ったから、二人で散歩にでかけましょう」とイジーが誘うシーンだ。
だが、今度は仕事をおいてイジーと一緒に部屋を出て行くことにした。
そして外に通じるドアを開けると・・・。

そこは見渡す限りの銀世界。そしてその中にイジーの墓はあった。
墓にひざまずき「さようなら・・・」とイジーに別れを告げるトミー。
彼女の死を受け入れ精一杯生きること、それがイジーの望みであったのだ。


なんて深い愛なのだろうと、トミーがイジーに別れを言う場面で涙がこぼれてしまったワタシ。
この物語は「宇宙を思わせる未来」から始まり、「中世のスペイン」と「現代」の物語が交互し描かれているが、これが果たして「イジーが書いた物語」をトミーがイメージし膨らませているだけなのか、それともイジーの命を救うために何度も生まれ変わっているトミーのそれぞれの姿なのか、それはわからない。

だが、イジーはどの世界、どの時代にあっても常に伝えようとしていた。
どんな状況にあろうと精一杯生きること、肉体における死によって全てが失われるわけではなく、二人の絆は永遠なのだと。


ただ・・・ワタシとしては、ちょっとあの宇宙空間の輪廻転生を思わせるような場面は、ビジュアル的に必要なかったのではないかなーと・・・(あの禅を組んでいる場面ね)。
あとね、独特の幻想的な世界は面白いと思うのだが、もう少し物語をわかり易くできなかったんかなーという思いが残る。
いずれにせよ万人にオススメできる映画ではないと思う。
だがこの映画でヒューはさまざまな顔、さまざまな側面を見せてくれた。
新たな発見もあり、彼の実力を再確認もでき、ヒュー好きなワタシにとっては価値ある映画となった。


特にこのバスタブのシーンがいい。
ヒューが今まで演じたラブシーンの中で類を見ないほど(って言う程、ラブシーンやってないか・・・)官能的である。



ヒューはのちに「特に大変だったのはレイチェルとのバスタブでのラブシーンだった」と語っている。
「お互い裸でね。こんな状況はただでさえ気を使うのに、この映画ではレイチェルの最愛の人(監督)が見ている前で彼女とラブシーンをしなければいけない……これはさすがに変な気分だった。でもレイチェルの方が『このシーンはきちんと最後までやらないと伝わらないわ。心配はいらないから続けましょう』と言って、結果そのシーンはこの映画を代表する素晴らしいシーンとなった」



二人の愛の深さを見せてくれる切なく美しいシーンと言えるだろう。



・・・と、つらつら書いてきたが、読み直してみるとなんだかしっくりこないなー
実は何度か書き直したりしたのだが、この映画を言葉にするのは非常に難しい・・・ワタシのニワトリ頭では・・・。
これは、まあとにかく観て何かを感じてもらえればそれでいいのではないでしょうかね?
コメント (10)
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