オバサンは熱しやすく涙もろい

とてつもなくミーハー。夢見るのはお気楽生活

「スパニッシュ・アパートメント」

2006-05-18 07:32:33 | 映画・DVD【さ】
「ロシアン・ドールズ」を観るには、やはりこちらを観ておかねばなるまいよ……。

という訳で……

わたくしにとって「初 ロマン・デュリス」であります。




パリで暮らす25歳の平凡な大学生グザヴィエ(ロマン・デュリス)は、来年に就職を控え少々あせっていた。
なんとか仕事を確保しなければと思った彼は、父親のコネを使い役所の人間と面会する。
父の友人である官僚に「スペイン語とスペイン経済を勉強すれば、仕事を与える」と言われ、スペインはバルセロナへの留学を決意するグザヴィエ。
恋人を残していくのは心残りだったが、たった1年の留学だし、ヒッピーくずれの母とも離れたいし、何より安定した仕事を得るためだ。

という訳で、手続きにはかなり手間取ったものの、無事に機上の人となる。

ところがどっこい、バルセロナに無事に到着したものの、すでに恋人がパリが恋しくてたまらない。
「1年の辛抱だ。パリに戻ったら、ここでの苦労も楽しい思い出になる」と自分にいい聞かせるグザヴィエ。

そんなこんなで、バルセロナで苦難の果てに見つけたアパートで、国籍も性別もバラバラの仲間たちとの生活が始まる。
部屋をシェアする生活は、今までに経験したことのないようなことばかり。

まあそれぞれが全く違ったアイデンティティーを持ち、共同生活をしているわけだから、全てがスムーズに行く訳がない。
冷蔵庫内のスペースでもめ、バスタブに張り付いた髪の毛でもめ、遊びにきた弟がうるさいだの、TVばかり見ているなだの、日々何かしらでもめている。



そんな混沌とした中で、彼女との別離、淋しさを紛らわすため&欲求のはけ口である不倫、友達との喧嘩、挫折などなど、色々な経験を通して、グザヴィエは少しずつ成長していく。
誰もが経験するようなことや、思い当たるようなことが、等身大で実にリアルに描かれており、グザヴィエに親近感がわいて、彼を応援したい気持ちになった。
またロマン・デュリスが実に爽やかに、魅力的に演じているんだなー。
5年後を描いた「ロシアン・ドールズ」が実に楽しみである。

私は海外生活を経験したことはないが、もう一度人生をやり直せるとしたら、是が非でもこのアパートで彼らと騒々しく暮らしてみたいと思った。

原題は「L'auberge espagnol」。なんて読むのかはわからない。
直訳すると「スペインの宿」という意味だそうだが、フランス語のスラングで「ごちゃまぜ」という意味でもあるらしい。
そのタイトルが示すとおり「ごちゃまぜ」の魅力に満ち溢れた、微笑ましく、ちょっと胸が「きゅん」となるような素敵な作品だった。
コメント (4)
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