書道家Syuunの忘れ物

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養子であるが故に絆が強い現実

2007-05-22 22:49:24 | 読み解けば‥‥

他民族である養子が上手く行くのは、米国ならでのことである。
親子も他民族化しているならば、当然実の親子でないことは見れば分かる。
子供もこの様な多民族国家である米国なら、奇異に映らない。
これが単一民族の日本では中々そうは行かないのが実情だろう。

実の親子ではないと言う関係で育つというのは、真の親子とはまた別の感情をもつ。
特に成人すると感謝というか、親が苦況に至ると必ず恩返しをしようとする感情が強い。
なぜ、真の親より絆が強いかと言えば、「真の親」であるという甘え、育てられて当然だと思う甘えがないことだ。
誰だって自分の子供に、たとえば「お母さん」に育てられて感謝しなさいといえば、「きょとん‥と‥驚いたそぶり」をするだろう。
‥‥母の日とは関係なくで‥‥
普通子供というものは、「自分が育てられ、面倒を見て貰っている」のが当然だと思っている。
逆に言えば、あまり面倒を見て貰えない「真の親」を恨んだりするものだ。
ところが、それが初めから真の親ではないことが物心ついたときから分かれば、「面倒を見て貰っている」のが当然だとはけっして思わないことだ。
だから「面倒を見て貰っている」ことに非常に感謝する。
特に、人間というものは自分が生きる上で苦境に陥っているとき、助けて貰った人には「普通」感謝するものだ。
人の一生の内で、幼年期というものは一番危険なときである。
このとき親がどの様に自分の身を守ってくれたかで、親に対する一生の感情が決まる。
近年の親殺しで「親を親と思わない」のは、この幼児期に自分を守ってくれた意識を持たないと言うことだろう。
但し、以前中国からの留学生が、里親になってくれた日本人を殺すという事件が起きたことがある。
日本人だから、金を持っていると思って殺した、金が必要だったので殺した‥‥‥同じ環境で育たない人間の扱いがいかに難しいかの見本だ。

さて、ここで見落としてはならないのは、士官学校へ行ったのは「白人の次男」だけだと言うことだ。
近年人種差別が薄くなっているとはいえ、米国軍隊、特に海兵隊での人種差別は、未だに根強く残っている印象がある。
それは、かって日系人の海兵隊予備士官学校生徒が人種差別で退学させられ、その後裁判で勝ち予備役の海兵隊「大尉」に叙せられたことだ。
尚、その日系人は立派な弁護士だから軍人になるわけではなかった。

【外信コラム】ポトマック通信 親子のきずな

元米国防総省日本部長で現バンダービルト大学教授のジム・アワー氏から「二男が卒業式で卒業生代表としてスピーチをしたのでその内容を読んでやってください」と連絡してきた。二男のジョンエド(22)はサウスカロライナ州立軍学校を終え、海兵隊に入るという。4年制大学のこの学校は「ザ・シタデル(とりで)」と呼ばれる南部の名門士官学校である。二男の卒業でアワー家の子供3人はみな大学を終えた。

 長男のテイ(24)は音楽専攻で昨年、メリーランド大学の大学院へ進んだ。長女のヘレン(23)も一家の住むテネシー州の大学を昨年、出て、この5月から日本で英語を教えるJETプログラムの教員となった。3人とも高校までは母ジュディさんのホーム・スクーリング(家庭での教育)で育った。

 アワー家の子供3人は養子である。テイは日本人、ヘレンは韓国人、そしてジョンエドは米国人の血が流れ、みな生まれてすぐ夫妻に引き取られた。それから20年余、みな立派な米国人の成人としての巣立ちとなった。この間、3人が愛情をたっぷり受けた両親に真からなついた様子は何度もながめてきた。

 養子であることをオープンにしての子育ては、日本の感覚では奇異に映ることもあった。だが親子5人はいつも固いきずなを感じさせた。これで人生の一つの分岐点を過ぎたというアワー氏は「子供たちは私たち夫婦の人生を実に豊かにしてくれました」と感慨深げにもらしていた。
 (古森義久

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