技術流出といえば、なんと言っても「液晶」だろう。
あのSONYが液晶を作れなくて、Samsonにパネルを依存したのは正にお笑いだ。
元々液晶は、シャープが最先端を行っていたが、第二、三世代のLCDは、VA型とIPS型だ。
VA型液晶には富士通のMVA、シャープのCPA、サムスン電子のPVAとある。
IPS型は、日立の独自の技術だ。
ところが、実際は日立がVA型とIPS型共に研究をしていた。
そして、週末になると日立技術者が韓国旅行と称してSamsonなどに技術指導をして、研究中のVA型とIPS型の基礎、応用技術、研究中の新技術を全て教え来てしまったのが原因だ。
見てみれば、VA型は、サムスン電子のPVA。IPS型は、LG-Philips LCDも製品化している。
そして、製造技術は、日本の製造機器メーカーから製造機器を導入して製造していたのが実態である。
即ち、シャープの製造技術のノウハウが、そのまま製造機器のメンテナンスを通して製造機器メーカーに流れ、それを購入することによって、別に研究開発をしなくても安価に製品が出来たわけだ。
但し、この流れは、シャープの亀山工場によって止められたのは有名だ。
同じく、松下も大型のプラズマパネルの製造に関して、機密保持を開始している。
最近、中国にあった工場が相次いで日本に工場を建て直して稼働するのは、このためである。
実は、キャノンも国内に復帰し始めている。
その一方、全面的に上海に移転してしまったのが、富士ゼロックス。
中国に工場を進出した時ゼロックス製のページプリンターが欠陥品で大問題になったことは有名だ。
そして、今一番問題なのは、ソフトウェアの中国への外注だ。
日本で作るより10%安いと言うのが単なる理由だが、これは貴重なノウハウが流出するもとだ。
液晶技術では、日本は防衛に入ったために、大型液晶をSamsonやLGで作ることは困難になった。
しかし、トヨタなど会長自らが中国の「ポチ」であると、日本電装(デンソー)などの「機密情報を含む大量の製品データを持出」などを防ぐことは出来ないのだろう。
米国では、既にイージス艦のデーターが中国系米人によって持ち出された。
多分5年以内に、中国製の強力なイージス艦が出現すれば、台湾海峡も益々波高しになる。
【主張】技術流出 企業の感度が鈍くないか
企業の技術流出が深刻だ。政府の「ものづくり白書」最新版は、技術流出防止が日本の製造業の国際競争力維持・強化にとって重要課題であると訴えている。
白書は、経済産業省が昨年12月にまとめた製造業に対する調査結果を紹介している。それによると、「技術流出があった」とした企業は35・8%に達した。流出先と考えられるのはトップが中国63・5%、次いで韓国だ。
外国企業による合併・買収で重要技術が流出するとの危機感は強い。三角合併解禁のさい、外資規制を求める声が経済界で高まった。安全保障の観点から、外資が投資する場合に法律で事前届け出が義務付けられる業種、技術が拡大されることにもなっている。
留意すべきは、合併・買収などによる流出より、元社員や外国人社員による技術持ち出しが多いことだ。
企業機密漏洩(ろうえい)では不正競争防止法の罰則が強化され、最高刑は懲役10年と米国並みになった。政府内には、機密情報を第三者に示したことが確認されなくても、入手しただけで処罰できるよう同法を再改正する動きもある。
法律面の整備もさることながら、企業の情報保持に対する意識を向上させることも重要だ。
機密情報は通常の情報と区別され、アクセス制限や厳格な手続きが求められるべきだ。にもかかわらず、両者の区別があいまいな例が多い。先の調査では、社員に秘密保持契約を課している企業は7割を超えるが、「保持すべき秘密」を特定しているのは約4割である。これでは実効性が問われる。
企業の感度の鈍さは、後を絶たぬ軍事転用可能な技術・製品の中国、北朝鮮への不正輸出にあらわれている。
今春、自動車部品大手デンソーの中国人技術者が、機密情報を含む大量の製品データを持ち出したとして横領容疑で逮捕された。中国への技術流出は確認できず、起訴は見送られたが、同社のデータ管理の甘さは責められよう。日本企業の技術者が週末、中国や韓国に出かけてアルバイトしているうちに技術が流出したケースも多い。
まずもって、企業や従業員自らが、技術流出防止への感度を上げることである。それなくしては、せっかくの法整備も生かされまい。