崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

先進国化には時間がかかる

2014年04月28日 04時57分38秒 | エッセイ
黄金連休の始まりの韓国ソウル行きの飛行機はガラガラな感じ、それもほぼ若い女性が目立ち、私の世代の人は私一人でその場にふさわしくない客になったようであった。日本最大のゴールデンウィークに韓国行きの客が少ないのはなぜだろう。日韓関係が如何に悪いか、あるいは不幸な船の沈没事故の国への観光を控えているという意味か、憂いを感じた。私はゴールデンウィークに観光に来ているわけではない。仕事のための出張である。
 出版社から迎えに来てくれて一緒に食べた昼食はのチョングチャンは最高の味であった。日本の納豆に似ているとはいっても私の古里の味であった。メニュをみて日本より決して安くはない。日曜日でもスターバックスには若者がいっぱい。時間制限のない自由なコーヒーショップに座って洪社長と共同翻訳朴氏、絵葉書研究家の権氏などと出版編集会になった。また文化観光部の姜賢秀氏家族が来てくれて話は数年前のことに戻った。懐かしい。友人たちに電話をしても不通、システム的に番号が変更しているという。通信がスムースに変わることもできていない。IT産業の発展と不逞な変化、IT先進国と言うにはまだ早い。
 話題の多くは「船の沈没事故」であり、国を挙げて反省していること、総理大臣が辞表を出したということがトップニュースである。多くの話は主にテレビによる情報であり、日本側の情報は共有されていないようである。日本から事故直後救助を申し入れたことは韓国ではあまり報道されず、自衛隊(軍)が来るという脅威の報道はあったようである。それは日本の朝鮮出兵や植民地の悪夢を想起させたのではないだろうか。
 遅すぎる救助活動、遅すぎる議論ばかりが広く話題にされている。金大中大統領によるIT産業の成功以降韓国は世界的に注目される先進国化へ進んでいる国であるが、大きい社会問題を露出してしまったのは残念である。船主の非道徳的な面が大きくクローズアップされているが、彼の黄金万能主義の成功物語りの裏ではどのくらい不正組織が支えてきたか反省すべきであろう。先進国化には時間がかかるという警告でもあろう。悔い改めて社会改革が行われ、名実に先進化へ向かうようになる機会としてほしい。
 

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