崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

放映予定9月28日

2014年09月03日 05時05分51秒 | エッセイ
大学で韓国からの高校生と母親たちに学長出張のために代わりに歓迎のあいさつをした。まず下関というロケーションについて触れ、確かに東京から1千キロ近く離れている田舎ではあるが、むしろここが中心であるという意識、そして世界へ発信する生き方を平凡な言葉で語った。田舎に住むから田舎者、大都市に住むから都会人になるのではないという意識をもつ必要があると。私の高校生時代を思い出して、若いころの判断と決心がいかに重要であるかを話した。私は今、その時とは人格的に異なる価値観や世界観を持っている。しかし今の価値観は学生時代に生活したものとかかわっている。学生時代に将来の方向を決めるのは重要であろう。重要な内容を分かりやすく語った。フィードバックの表情から一気に親しくなった。見送る港で学生たちから積極的に話かけられた。
 「ホルモンテレビ下関」youtubeに放映予定の映像の編集にも立ち会った。9月28日の日曜日に放映する予定の、日中戦争に参戦した小山上等兵に関するものである。彼は軍人として戦場で130余枚の写真を撮ってきた。貴重な記録であり、証言である。今年99歳で亡くなられた。お葬式に参列したが、彼の経歴などに参戦は一切触れられていなかった。家族はそれについて公にしたくないのかもしれない。地方のメディアも一切報道しない。しかし全国紙やテレビ局などは関心がある。参戦者の家族や地域住民にはまだ悲惨さが強く残って触れたくなく、国家レベルでは形骸化したナショナリズムから関心があるのではないかと思う。戦争経験者本人とナショナリズムとは隔たりが大きい。

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