崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

チャリティーコンサート

2017年11月24日 06時22分59秒 | エッセイ

 歌では「愛します」とよく歌っても会話などでは愛、倫理、親孝行が言われることは稀である。それは倫理が無視されているからではない。「企業に倫理を、職場に心を、家庭に愛を」をスローガンに、全国的に経営者が自己を高めるために学ぶ倫理法人会が社会運動をしている。私もスピーチをしたことがある。昨日下関でその倫理会主催で東日本大震災復興支援事業チャリティーコンサートがあった。命をつなぐ木魂の会会長の又川俊三氏が震災の映像・画像を見せながら講演した。悲惨な映像の中で、総額35億円ほど入った金庫が無事に警察に届けられたという、日本の倫理感が語られた。今読書中の山田千秋氏の本『昭和の忘れもの』でその震災について「夫と息子を亡くしたばかりの女性が“孫だけは残していただきました”と絶望の中にも感謝の言葉を口にする」と書いてある。大震災に耐えて残った奇跡の松、その松を材料にして製作されたヴァイオリンでクラシック音楽が演奏された。ヴァイオリンのメロディ、響きは高度の熟練、創作であり人を感動させる。皇帝の晩さん会に招待された気分であった。人間誰で味覚をもっている。学習や知識がなくとも美味しいものは食べられる。しかし、より文化的に味わうためには知識や教養が必要である。