崔吉城との対話

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『満洲モダン―만주 모던』

2016年12月24日 06時20分37秒 | 研究業績

 満洲は日本の傀儡植民地つまり日本は満州を主権国家のように見せかけながら植民地を行った。日本は満州を開拓、近代化を行った。それは十数年間に過ぎなかった。その植民地満洲から引揚者は150万人ともいわれている。彼らは日本の社会へ大きく影響したことは周知のとおりである。例えば北海道開拓史である。満洲植民地には朝鮮人が多く開拓農民などで移住した。終戦後朝鮮半島への引揚者は80万という。彼らは満州での経験で、戦後の韓国の近代化に貢献したという名著がある。社会学者であり釜山東亜大学校の総長の韓錫政氏の『満洲モダン―만주 모던』である。
 植民地の本国と被植民地の関係の研究はあっても被植民地と被植民地の歴史を語ることはほぼ知られていない。その未開拓の分野を明らかにしたものである。彼は朴正熙大統領をはじめ満洲からの引揚者たちが韓国の近代化へ貢献した活力を満洲での体験によるという内容である。私から見ると植民地経験によるものとは思われ、植民地研究をより広くみる衝撃を受けた。近いうちに直接あってお話を聞きたくなった。