崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「命」「断髪」

2016年12月08日 05時41分48秒 | 旅行

 講義、研究会、講座などが続いているが、来年の予定も埋めていく。新年1月までワンアジア財団支援講座、3月には地元の楽座で講演と松本で行われる日本映像民俗学の年大会で作家柳美里氏との対談、5月には町裏塾で「雀様が語る日本」などが予定されている。負担とは全く感じず人との出会いを楽しんている。昨日文化人類学講義では出生率と男女差別が儒教に影響されていることを議論した。中国の女子学生は全員4人が生まれ変わるとしても女で生まれたいというが韓国の女子学生2人は男として生まれたいという。男性中心社会で出生率さえ調節されていること、私が岩波書店『絆』に寄稿した妊娠中絶の問題に触れた。それと関連して、柳美里氏の問題作の原作である映画「命」とBBC作「China's Child」を紹介した。
 「命」は韓国風の泣かせる映画だと思ったが、本当に泣きそうであった。不倫相手の子を身ごもったとわかった主人公は、同時に元恋人が癌であると知り、辛い現実が描かれている。柳氏は「魂」の問題にも触れた。今東北地方でシャーマニズムなど民間信仰を調べていると北村氏は言っておられた。彼女は面識はない。楽しく対談をしたい。
 今週は県立広島大学名誉教授原田環氏が「断髪」を持って東アジアの近代化を語る。古くは侍など禿げ頭が流行した国の日本で、今は前髪をたらしているのが一般化されている変化に質問したいとおもっている。文化評論家でもある本学の清永氏も登壇してコメントをする。面白そう。多くの市民にも参加してほしい。

 原田環(県立広島大学名誉教授)

「亜細亜3国(日本、朝鮮、清)の近代化の相互比較ー断髪ー
 2016.12.10 14:30~16:00 東亜大学13号館202