崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

金石範氏

2015年10月14日 04時49分52秒 | 旅行
在日作家の金石範氏は「朝鮮籍」であるので、韓国を訪問するために旅行証明書の発給を申請していたが韓国政府に拒否されたという。(写真の記事では済州島へ行けたようですが、ニュースによると入国拒否があったということである。)彼は4・3事件に李承晩大統領を「親日派、民族反逆者」と非難したことがある。「朝鮮籍」とは終戦後在日朝鮮人は無国籍あったが、日韓国交正常化の後に「韓国籍」をとることができるようになったが、その時、何らかの理由で韓国籍をとらずそのまま残った人たちは多く朝鮮籍=北朝鮮籍となっている。現在日本は北朝鮮とは国交がないため日本政府が認める旅券を持つためには韓国籍をとる必要があり、そんな例が一般的である。
 朝鮮籍と韓国籍は対照的である。戦後の長い歴史によってそれぞれアイデンティティーが形成されていて旅行のために国籍を変えることはしない人も多い。金氏は在日文学の代表的なリーダー級の存在であり、今韓国政府が旅券法を使って入国不許としていることは異様な感がする。私は朝鮮籍の人も多く韓国を訪問していることを知っている。怖い反共法はまだ名称を変えながら存在している。ひと昔前まではスパイとされ死刑になった人もいたほどである。最近中国を訪問した外国人、日本人などスパイとされ,拘束されている。それらは歴史であり、現実でもある。